田園調布の山荘

「和を以て貴しとなす」・・ 日本人の気質はこの言葉[平和愛好]に象徴されていると思われる。この観点から現代を透視したい。

子どもたちに美しい地球を贈ろう(2)・・・科学者の叫び。この20-30年の人類の努力にかかる

2008年01月01日 00時01分18秒 | 時評
世界は動き始めたのに
――温暖化ガス対策に背を向ける日本と米国


 悲しい話から始めなければならない。ブッシュ政権はどうしようもない政権である。その愚かさは多くの人の定評となっている。温暖化ガス問題に対しても、京都議定書から離脱したことを始め、IPCCの警告に背を向けて続けてきた。
政治権力が石油業者の手の中にあるといっても決して言いすぎではない。

 しかしここへ来て、なにがしかの約束をしなければどうにもならないことに追い込まれてきた。それでもブッシュは、法的拘束力と総量規制(国別目標)、遵守制度をもった方式ではなく、自国でできることをやればよいさ(出来なければしょうがない)という態度を取っている。来年の洞爺湖サミットでも、盟友の日本を従えてそれを認めさせようとしている。

 日本政府は、ブッシュの言うことに逆らえない。逆らえばつぶされるのかもしれない。驚くべきことに米国に追随し、国内排出量取引に反対している。すなわち、国内では、大量排出OKということだ。京都議定書で定義されたCDM(クリーンデベロッメントメカニズム)は先進国が開発途上国で行う温室効果ガス削減プロジェクトに技術や資金を投資した結果温室効果ガスを削減できた場合、その削減分の一部を先進国の目標達成に活用できる仕組みのことである。つまり日本政府はCDM に頼ろうとしている。

 両国のこの後ろ向きの政策に、世界は厳しい目を向け始めています。それは米国内でも同じで、米国でも、州単位で総量規制の動きが広がっている。東部10州では、2009年から温室効果ガスの上限排出枠を設けるキャップアンドトレード(国内排出量取引)型の削減義務化を電力会社に義務づけた。西部6州とカナダはEUと連携して排出量取引による削減義務化の制度設計開始した。米国上院委員会通過法案「リーバーマン・ウオーナー法案」では、2020年現状の20%削減、2050年50%削減、方式は総量規制としている。この法案は、さらに削減を法的に義務づけていない国からの輸入製品にも製造に伴う温室効果ガスの排出量をクレジットとして価格に上乗せすることを義務づけている。中国や日本を意識しているのではないかとみられる。

 いずれにしても、情勢は雪崩を打って、低炭素型社会を目指す動きが始まっている。何しろ人類の生存が、これおからの20~30年の努力如何に委ねられているのだから、政府、産業界のリーダーは等しくこれに向き合うことが最優先の課題となっている。

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