人間はどうしてこの地上にあるか、今さらながらその原点に論究しなければならないことを残念に思う。今、21世紀の文明の中にわれわれが生きていられるのは、基本的に食べ物をずっと確保出来たからである。60億人以上の人が食べ物を毎日毎日食べられるようになったのは、人間の科学技術のおかげではない。科学技術万能と信じる人に問いたいが、どんなハイテクを持ってしても人類は、そこらに落ちている木の葉や川に泳ぐメダカ一匹も製造することはできない。これらは自然の微妙なメカニズムの中で、秩序正しく、生態系の働きで生まれてくるものなのだ。
自然が生む物には「手ぬき」はない。自然には「生産性」とか「能率」とかの経済学の概念はない。人間は自然の働きを観察し、人間にとって都合のよい、すなわちたくさん食糧や衣料を得られる方法を編み出した。これが農業だ。そして農業の後に工業が誕生した。農業と工業が協力すれば、大量の人口を養える食糧や燃料が得られた。しかし自然は泰然自若としている。農業も工業も自然を切り崩し、地下資源を使いそのエネルギー、すなわち石油などの化石資源を開放した。化石資源というのは、地球の永い歴史において貯められた太陽エネルギーのことである。太陽エネルギーは地上では森林や海洋などに蓄積され、生き物の中にも大量に蓄積されるが、近年その幾万、幾億倍のエネルギーが一挙に放出されて、今日の工業文明が生まれた。このエネルギー源は食糧と同じ物質で炭素、窒素、酸素、水素から成り立ち、これを原料にすると夢のような「火と機械」の物質世界が一挙に実現するのであった。地球においては、欧州や北アメリカなど西洋文明が化石資源を略奪し、たびたび戦争を行い、それらの諸国を先進国と言って都市の繁栄を築いた。力のない者は破れ、持続していた文明は壊され、後進国となり、資源を略奪される対象となった。これはほんの数百年間の人類史の一コマに過ぎないけれど。言うまでもなくこの資源に発する廃棄物が地上を覆い、温暖化ガスの排出などに見られる生物生存基盤への攻撃を強め、地球環境の危機が到来した。自らまねいたことだが、しかるべくして先進国の文明とその経済が大きな試練に晒されている。アメリカに端を発した金融危機は、地球環境の危機に由来し、その上に永年の資源収奪によって破壊された後進国の資源枯渇からきていることを気づくべきなのだ。後進諸国と言ってはいけないのだそうだが(発展途上国というべき)、これらの諸国には貧困が蔓延し、伝統農業文明が危頻に晒されている。つまり、人々が食うことができなくなり、飢餓と貧困、そして衛生環境の劣化が進んでいる。
自然が自然に自然を創るという自律性を誰も否定出来ない。自然が自然をどう創るかということのメカニズムや因果関係を分析することはできても、科学技術はそれ自体力ではない。だから自然を制御したり、それ代わる働きをすることはできない。食べ物は自然が創るものなのである。それなのに近代文明は自然が自然に働き人間の生存に必要なものを産出していく働きを妨害してきた。現在、世界が行き詰まっているように見える大本は、60億の人間に食糧が行き渡らないことが根本的な原因であることは誰もが頷くことであろう。地上の人類が、すべからく、お腹を減らすことなく生活していくことができれば、それだけで貧困という概念は地上から消去されるだろう。食糧は自然が自然の力で生むものであるから、地上に平和をもたらし、貧困をなくすためには、自然を壊してはならないのである。このことも誰でも分かる話である。全ての思考はそこから始めたい。
自然が生む物には「手ぬき」はない。自然には「生産性」とか「能率」とかの経済学の概念はない。人間は自然の働きを観察し、人間にとって都合のよい、すなわちたくさん食糧や衣料を得られる方法を編み出した。これが農業だ。そして農業の後に工業が誕生した。農業と工業が協力すれば、大量の人口を養える食糧や燃料が得られた。しかし自然は泰然自若としている。農業も工業も自然を切り崩し、地下資源を使いそのエネルギー、すなわち石油などの化石資源を開放した。化石資源というのは、地球の永い歴史において貯められた太陽エネルギーのことである。太陽エネルギーは地上では森林や海洋などに蓄積され、生き物の中にも大量に蓄積されるが、近年その幾万、幾億倍のエネルギーが一挙に放出されて、今日の工業文明が生まれた。このエネルギー源は食糧と同じ物質で炭素、窒素、酸素、水素から成り立ち、これを原料にすると夢のような「火と機械」の物質世界が一挙に実現するのであった。地球においては、欧州や北アメリカなど西洋文明が化石資源を略奪し、たびたび戦争を行い、それらの諸国を先進国と言って都市の繁栄を築いた。力のない者は破れ、持続していた文明は壊され、後進国となり、資源を略奪される対象となった。これはほんの数百年間の人類史の一コマに過ぎないけれど。言うまでもなくこの資源に発する廃棄物が地上を覆い、温暖化ガスの排出などに見られる生物生存基盤への攻撃を強め、地球環境の危機が到来した。自らまねいたことだが、しかるべくして先進国の文明とその経済が大きな試練に晒されている。アメリカに端を発した金融危機は、地球環境の危機に由来し、その上に永年の資源収奪によって破壊された後進国の資源枯渇からきていることを気づくべきなのだ。後進諸国と言ってはいけないのだそうだが(発展途上国というべき)、これらの諸国には貧困が蔓延し、伝統農業文明が危頻に晒されている。つまり、人々が食うことができなくなり、飢餓と貧困、そして衛生環境の劣化が進んでいる。
自然が自然に自然を創るという自律性を誰も否定出来ない。自然が自然をどう創るかということのメカニズムや因果関係を分析することはできても、科学技術はそれ自体力ではない。だから自然を制御したり、それ代わる働きをすることはできない。食べ物は自然が創るものなのである。それなのに近代文明は自然が自然に働き人間の生存に必要なものを産出していく働きを妨害してきた。現在、世界が行き詰まっているように見える大本は、60億の人間に食糧が行き渡らないことが根本的な原因であることは誰もが頷くことであろう。地上の人類が、すべからく、お腹を減らすことなく生活していくことができれば、それだけで貧困という概念は地上から消去されるだろう。食糧は自然が自然の力で生むものであるから、地上に平和をもたらし、貧困をなくすためには、自然を壊してはならないのである。このことも誰でも分かる話である。全ての思考はそこから始めたい。
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