本物

遅めの朝食を取っていると下の孫幼稚園ねんちゅう組みが来た。

「サッカーするよ」新調のボールを抱えて、パジャマ姿でやってきた。「誰に買ってもらったの」と言う「ママ」

「パパが働いて、ママが買ったのだよ」と教える。男女同権が遂には女権がつよくなった現代である。

幼児のうちから確かなことは教えておかないといけない。

何も食べていないらしいから、好物の暖かいご飯と味噌汁、海苔と納豆である。

私の飲みさしのミルクティーを半分程欲しいと言って飲む。

「うっ!本物」はてなと考えた。彼の家ではボトルで買った紅茶を電子レンジで温めて飲むのだ。

本物の味が分る彼の舌を大切にしたいと願った。

コタツで私の膝の上に抱かれてしばらく満足したら、帰りはおんぶである。

姉のいないときだけ私に甘えられることを彼は知っている。