清水香織は歩いていた。
一人構内の廊下を。前を向き、口元には少し微笑みを湛えて。
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髪型はゆるくかかったパーマに。眼鏡は止めて、コンタクトに。
彼女は自身が望むものを、着々と手に入れていた。
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さて、そんな清水香織の昨年の姿はどうだったであろうか。
一年前の同じ場所、彼女は今とはまるきり違う姿で歩いていた。
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これが去年の彼女。
ひっつめ髪に、分厚い眼鏡。背を丸め、まるで何かに怯えるような仕草で歩いている。
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眼鏡が重いのかそして何か不安なことがあるのか、香織の手は眼鏡とカバンの持ち手を行き来する。
そして俯き加減で歩いている彼女と平井和美が、すれ違いざまに肩をぶつけた。
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あらごめんなさい、と和美はまるで悪いと思っていない口調でそう言った。
よく見て歩かなきゃ、と付け加えて。
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香織はひたすらビクついたまま、和美が通りすぎるのをチラチラと横目で窺っていた。
あんな子いたっけ? と和美が友人に向かって話す声が聞こえる‥。
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そして和美は廊下の先に居る青田先輩を見つけ、声を一オクターブ上げて彼に近づいて行った。
そんな和美を見ながら、香織は心の中で一人呟く。
怖い‥。あの人に目をつけられなくないな。遊び人みたいだし、男好きで‥
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いそいそと教室へ急ぐと、香織はふと入り口のところで立ち止まった。
じっと、中に居るその人を見つめる。
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そこには、友達に囲まれた彼女の姿があった。
ペンを持ち理知的な表情で、友人からの質問に答えている。
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彼女の名は、赤山雪。
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彼女は一度も香織の方を見なかったが、香織はずっと彼女のことを見つめ続けていた。
そして見ているうちに、彼女のことを沢山知ることが出来た。
よくイヤホンをして音楽を聴いていること。たまに授業中居眠りをしていること。
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次席だけあって、勉強にとても熱心なこと。
教授にもよく質問をしに行って、褒められて帰ってくること。
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そして周りの人達が彼女について話しているのも耳にしたことがある。
廊下を歩く彼女の後ろ姿を見て、そのスレンダーな体型でどんな服も着こなしていると同期達は羨ましそうに口にした。
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香織は彼女とのすれ違いざま、そのバランスの良い身体とそのファッションを見て息を吐いた。
華美に飾らなくとも、ブランドで固めなくとも、彼女は美しかった。
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凛とした横顔が、強く印象に残った‥。
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ガヤガヤと教室は学生達の談話する声で騒がしかったが、香織は一人だった。
ふと視線を上げると、キャイキャイと高い声で会話する声が耳に入ってくる。平井和美とその仲間達だ。
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話題の中心は化粧品だろうか。コンパクトを持ちながら、楽しそうに話をしている。
続いて香織の視線は彼女の元に流れた。
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彼女の友人の伊吹聡美が、新作のアイシャドウパレットを手に彼女らは会話していた。
「雪に似合いそう」と言う聡美に雪は、ベーシックなメイクさえしてれば良い、自分にはそんな高いものは必要無いと言う。
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自分とは別世界の人だ、と香織は思う。
飾らなくとも美しい彼女を前にして、羨むよりも香織はまず俯いた‥。
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シャーロット・ブロンテ、ジェーン・オースティン‥。
香織の趣味は読書だった。特にイギリス文学を好み、暇さえあれば図書館に通った。
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本の中ならば、何になってなることが出来た。
革命の中で愛に生きるジェーン・エアにだって、理不尽な階級社会の中でも運命に屈せず生きる、エリザベス・ベネットにだって。
中でも心酔したのはジェーンだった。彼女は容姿が美しくないにも関わらずヒロインを張り、
激動の時代を自由闊達に生きていく力強い女性だった。
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ページを捲る度に心が踊った。
香織の全細胞が本の中の彼女達と、その人生の喜怒哀楽を共にする。
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しかしふと我に返ると、言い知れぬ虚しさが心の中に広がった。
表紙を閉じた本は沈黙し、先ほどまで脳裏にありありと浮かんでいたイギリスの風景も消失する。
どう足掻いても逃げられない現実、自分は自分でしかないという残酷な真実。
誤魔化しようの無いその事実に、本を読み終わった後は胸の中が酷く揺れる。
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香織は赤山雪のことを思った。
彼女はどこか特別に見えるが、それでも彼女も恋人はおらず、その点では彼女も香織も同じだ。
そんなことを胸の内で呟いて、香織は束の間の安息を得る‥。
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廊下を歩いていると、中庭の方で誰かが言い争う声が聞こえた。
香織は身を低くしながら窓ガラスに近寄り、その様子をこっそりと窺い見る。
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声の主は、平井和美と赤山雪だった。
彼女は香織の恐れていた平井和美を真っ直ぐ見据え、口論していた。
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和美と対等に渡り合う雪の姿は、香織に強烈な印象を与えた。
その姿を格好良くさえ思った。
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本を握った手に、力が入った。
その物語の主人公のように、赤山雪は真っ直ぐに立っていた‥。
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結局、赤山雪と平井和美の口論は決裂した。
去って行く平井和美の背中を見ながら、諦めたように溜息を吐く雪の横顔に同情した。
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大学生にもなって幼稚な喧嘩をふっかける平井和美が、何よりも嫌だった。
香織は本を強く握りしめながら、心の中に残るわだかまりを感じていた‥。
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そしてあの事件が起きた。
ある晴れた秋の日のことだった。
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香織は見てしまったのだ。
突っ伏している雪のコップに、平井和美が何か入れるのを。
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香織は思い悩んだ。
どうすればいい、私は何をすればいい、と自問自答の末、結論を出した。
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深く考えるより先に、行動していた。
心臓は早鐘を打ち、手は細かく震えている。自分の中に生まれた小さな炎が、香織を突き動かしていた。
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コップをすり替えたことをこっそりと伝えると、彼女は血相を変えて教室を飛び出して行った。
香織は彼女の行く先のことやこれからのことは考えられなかった。ただ、高鳴る鼓動に打ち震える。
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香織は全身を震わせながら、口元に笑みを浮かべた。
それは微笑みにしてはあまりにもぎこちなかったが、しかし彼女の心からの笑みだった。
やった‥!やり遂げた‥! か、簡単なことじゃない‥!
平井和美に勝つくらいわけないわ!なんてこと無いじゃない‥! 雪ちゃんも私のお陰で助かった‥!
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興奮した彼女は心の中で歓喜した。
自分のお陰で雪が救われたと、何度も何度も自身を褒め称える。
私が助けなかったら今頃恥ずかしい目に合っていたはず‥!
私のお陰よ‥!
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私の‥!
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香織は鏡に映った自分を眺めながら、暗示にかけるように自己を奮う。
やっぱりやってみることが大事なのよ。
やり始めたことで、もう目的は半分達成しているようなものなんだわ。
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努力すれば報われるってこと、頭でなく心で悟ったのよ。それも自らね。
香織の部屋には、山のような書物が散らばっていた。
自己啓発本、理想の自分になる本、研究ノート‥。
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鏡の中の自分が、変貌しようとしていた。
香織は口角の上がっていく自分の顔を見ながら、一人心の中で声を上げた。
私は特別な人間なのよ!まだ誰も気づいてないってだけ。
まだ、やり始めてないってだけ‥!
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変体前のサナギは、その羽根が開くのを胸を踊らせて待っていた。
それが蝶になるか蛾になるか、分からないまま‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<清水香織の事情>でした。
なぜ香織が雪の真似をするようになったのか。彼女が何を考え、どういう信念を持って行動しているのか‥。
そのプロローグ、といった内容でした。
皆様どうでしたでしょうか^^
自分とは正反対の主人公や雪に惹かれる気持ちは共感出来るんですけどね。憧れて、それに近づきたいと思う気持ちは。
しかしその後が‥。”自分は特別だ”という思い込み(錯覚?)が激しいところが‥。
問題児だなぁ(汗)
次回は<取り残された彼>です。
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一人構内の廊下を。前を向き、口元には少し微笑みを湛えて。
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髪型はゆるくかかったパーマに。眼鏡は止めて、コンタクトに。
彼女は自身が望むものを、着々と手に入れていた。
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さて、そんな清水香織の昨年の姿はどうだったであろうか。
一年前の同じ場所、彼女は今とはまるきり違う姿で歩いていた。
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これが去年の彼女。
ひっつめ髪に、分厚い眼鏡。背を丸め、まるで何かに怯えるような仕草で歩いている。
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眼鏡が重いのかそして何か不安なことがあるのか、香織の手は眼鏡とカバンの持ち手を行き来する。
そして俯き加減で歩いている彼女と平井和美が、すれ違いざまに肩をぶつけた。
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あらごめんなさい、と和美はまるで悪いと思っていない口調でそう言った。
よく見て歩かなきゃ、と付け加えて。
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香織はひたすらビクついたまま、和美が通りすぎるのをチラチラと横目で窺っていた。
あんな子いたっけ? と和美が友人に向かって話す声が聞こえる‥。
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そして和美は廊下の先に居る青田先輩を見つけ、声を一オクターブ上げて彼に近づいて行った。
そんな和美を見ながら、香織は心の中で一人呟く。
怖い‥。あの人に目をつけられなくないな。遊び人みたいだし、男好きで‥
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いそいそと教室へ急ぐと、香織はふと入り口のところで立ち止まった。
じっと、中に居るその人を見つめる。
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そこには、友達に囲まれた彼女の姿があった。
ペンを持ち理知的な表情で、友人からの質問に答えている。
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彼女の名は、赤山雪。
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彼女は一度も香織の方を見なかったが、香織はずっと彼女のことを見つめ続けていた。
そして見ているうちに、彼女のことを沢山知ることが出来た。
よくイヤホンをして音楽を聴いていること。たまに授業中居眠りをしていること。
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次席だけあって、勉強にとても熱心なこと。
教授にもよく質問をしに行って、褒められて帰ってくること。
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そして周りの人達が彼女について話しているのも耳にしたことがある。
廊下を歩く彼女の後ろ姿を見て、そのスレンダーな体型でどんな服も着こなしていると同期達は羨ましそうに口にした。
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香織は彼女とのすれ違いざま、そのバランスの良い身体とそのファッションを見て息を吐いた。
華美に飾らなくとも、ブランドで固めなくとも、彼女は美しかった。
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凛とした横顔が、強く印象に残った‥。
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ガヤガヤと教室は学生達の談話する声で騒がしかったが、香織は一人だった。
ふと視線を上げると、キャイキャイと高い声で会話する声が耳に入ってくる。平井和美とその仲間達だ。
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話題の中心は化粧品だろうか。コンパクトを持ちながら、楽しそうに話をしている。
続いて香織の視線は彼女の元に流れた。
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彼女の友人の伊吹聡美が、新作のアイシャドウパレットを手に彼女らは会話していた。
「雪に似合いそう」と言う聡美に雪は、ベーシックなメイクさえしてれば良い、自分にはそんな高いものは必要無いと言う。
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自分とは別世界の人だ、と香織は思う。
飾らなくとも美しい彼女を前にして、羨むよりも香織はまず俯いた‥。
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シャーロット・ブロンテ、ジェーン・オースティン‥。
香織の趣味は読書だった。特にイギリス文学を好み、暇さえあれば図書館に通った。
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本の中ならば、何になってなることが出来た。
革命の中で愛に生きるジェーン・エアにだって、理不尽な階級社会の中でも運命に屈せず生きる、エリザベス・ベネットにだって。
中でも心酔したのはジェーンだった。彼女は容姿が美しくないにも関わらずヒロインを張り、
激動の時代を自由闊達に生きていく力強い女性だった。
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ページを捲る度に心が踊った。
香織の全細胞が本の中の彼女達と、その人生の喜怒哀楽を共にする。
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しかしふと我に返ると、言い知れぬ虚しさが心の中に広がった。
表紙を閉じた本は沈黙し、先ほどまで脳裏にありありと浮かんでいたイギリスの風景も消失する。
どう足掻いても逃げられない現実、自分は自分でしかないという残酷な真実。
誤魔化しようの無いその事実に、本を読み終わった後は胸の中が酷く揺れる。
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香織は赤山雪のことを思った。
彼女はどこか特別に見えるが、それでも彼女も恋人はおらず、その点では彼女も香織も同じだ。
そんなことを胸の内で呟いて、香織は束の間の安息を得る‥。
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廊下を歩いていると、中庭の方で誰かが言い争う声が聞こえた。
香織は身を低くしながら窓ガラスに近寄り、その様子をこっそりと窺い見る。
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声の主は、平井和美と赤山雪だった。
彼女は香織の恐れていた平井和美を真っ直ぐ見据え、口論していた。
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和美と対等に渡り合う雪の姿は、香織に強烈な印象を与えた。
その姿を格好良くさえ思った。
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本を握った手に、力が入った。
その物語の主人公のように、赤山雪は真っ直ぐに立っていた‥。
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結局、赤山雪と平井和美の口論は決裂した。
去って行く平井和美の背中を見ながら、諦めたように溜息を吐く雪の横顔に同情した。
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大学生にもなって幼稚な喧嘩をふっかける平井和美が、何よりも嫌だった。
香織は本を強く握りしめながら、心の中に残るわだかまりを感じていた‥。
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そしてあの事件が起きた。
ある晴れた秋の日のことだった。
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香織は見てしまったのだ。
突っ伏している雪のコップに、平井和美が何か入れるのを。
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香織は思い悩んだ。
どうすればいい、私は何をすればいい、と自問自答の末、結論を出した。
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深く考えるより先に、行動していた。
心臓は早鐘を打ち、手は細かく震えている。自分の中に生まれた小さな炎が、香織を突き動かしていた。
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コップをすり替えたことをこっそりと伝えると、彼女は血相を変えて教室を飛び出して行った。
香織は彼女の行く先のことやこれからのことは考えられなかった。ただ、高鳴る鼓動に打ち震える。
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香織は全身を震わせながら、口元に笑みを浮かべた。
それは微笑みにしてはあまりにもぎこちなかったが、しかし彼女の心からの笑みだった。
やった‥!やり遂げた‥! か、簡単なことじゃない‥!
平井和美に勝つくらいわけないわ!なんてこと無いじゃない‥! 雪ちゃんも私のお陰で助かった‥!
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興奮した彼女は心の中で歓喜した。
自分のお陰で雪が救われたと、何度も何度も自身を褒め称える。
私が助けなかったら今頃恥ずかしい目に合っていたはず‥!
私のお陰よ‥!
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私の‥!
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香織は鏡に映った自分を眺めながら、暗示にかけるように自己を奮う。
やっぱりやってみることが大事なのよ。
やり始めたことで、もう目的は半分達成しているようなものなんだわ。
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努力すれば報われるってこと、頭でなく心で悟ったのよ。それも自らね。
香織の部屋には、山のような書物が散らばっていた。
自己啓発本、理想の自分になる本、研究ノート‥。
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鏡の中の自分が、変貌しようとしていた。
香織は口角の上がっていく自分の顔を見ながら、一人心の中で声を上げた。
私は特別な人間なのよ!まだ誰も気づいてないってだけ。
まだ、やり始めてないってだけ‥!
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変体前のサナギは、その羽根が開くのを胸を踊らせて待っていた。
それが蝶になるか蛾になるか、分からないまま‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<清水香織の事情>でした。
なぜ香織が雪の真似をするようになったのか。彼女が何を考え、どういう信念を持って行動しているのか‥。
そのプロローグ、といった内容でした。
皆様どうでしたでしょうか^^
自分とは正反対の主人公や雪に惹かれる気持ちは共感出来るんですけどね。憧れて、それに近づきたいと思う気持ちは。
しかしその後が‥。”自分は特別だ”という思い込み(錯覚?)が激しいところが‥。
問題児だなぁ(汗)
次回は<取り残された彼>です。
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その以上に雪ちゃんのファンですけど。
でもアンチならやはり香織ですね。
香織、韓国のチートラ読者にはさんざん嫌われます。
多分、共感し難いキャラなのに悪役だからでしょ。
平井の悪意の根は嫉妬。分かりやすい理由でした。
嫉妬したことが一度もない人なんているんでしょうか。読者たちもそうでしょうね。
でも香織の考え方&やり方はとある類の人しか理解してあげない事。
だから香織には多い&激しいアンチの群れが・・・
最近本家のコメントには香織の悪口しかないです。
ありがとうございます!!しかし数が多すぎて個別にお返事挫折してすいません!!orz
皆様の深い解釈に唸っておりました。
いや~ワンジョンテバッ!でございます。
>「ミンスがイギリス文学を好んで読んでいた」ことはどこで分かったのですか?
どんぐりさんのご質問にだけお答えを‥。
確かこの回がアップされた作者さんのブログだったと思います。
http://blog.naver.com/soonkki
3部9話、2013年3月13日。
文章のところ翻訳機かけられるので見てみて下さい。
ちなみに太一がやっているゲームソフトの名前もここに載っていました^^
そしてCitTさん~!手書き文字を教えて頂き、本当にありがとうございます~~!助かります!
「 Get a role model」に鳥肌‥。それが雪ちゃんなんですね。
チートラって雪ちゃんが主人公ながら、周りの人物が動くせいで主人公が振り回される物語ですよね。
だからこそ登場人物の一人一人に背景があるし、むくげさんやさかなさんがおっしゃっているように、どの人物にも救済されるべき一面があるんだと思います。そこがチートラの魅力の一つなんですよねぇ。
深く解釈するほど作者さんのこの作品に対する思いというか、心意気が伝わって来ますよね。
韓国ではアンチ雪ちゃんも結構多いと聞きますが、動かない主人公に対するもどかしさが、その結果を生んでいるような気がします。若い読者ほどそう思うのかもしれないな、とも。
とにかく作者さんのこの作品に対する思いと共に、皆様のチートラに対する愛を感じたコメの数々でした。^^
コマプスムニダーー!!
これは私の経験則ですが自己啓発本読んでるやつでイケてるやつはいない
それを読もうと、思う時点で負けてる訳ですし
まぁ、女性向けの文学好きな人は大体イギリス文学派じゃないんですか。(偏見)
ミンスの机の上のJane Eyreも、Jane Austenも。
ハーレクインも見えますが、それって当時のイギリス女性文学のマイナーコピーみたいなもんだし。
ちなみに、誰も聞いてない私の好みは「あしながおじさん」。
・・・おっと、これはアメリカの本ですね。
Yukkanenさん
Jane Eyre&Jane Austenシリーズ-1-の横にある
ロマンスのタイトルは「貴族のプロポーズ」、「レディーの品格-2-」。
平井の悪戯を目撃した真似子の反応は「ど、どうしよう?そんな・・・酷い・・・」
和美と友達の話は「セルフショット見せて」「ww」
(平井がジュース飲んだ後)「和美、どうしたの?何処行くの?」
そして自己啓発本のタイトル。
「空からの指示」、「夢★をかなう法則」、「心の地図を(後は見えません)」
ここになぜか伯爵シリーズ(4)も混ぜていて、
開いておいた本にはこう書かれてますね。
「Chapter IV. Get a role model」(私、日本語は下手で・・・)
なになに伯爵シリーズとか伯爵の花嫁候補とか、いかにも的なタイトルがちらちら見えてるんですよ( ´ ▽ ` )ノ
いくら名門大学に入学出来る学力や得意な分野があっても、選択した学科で活かせないとは。そこまで考えるとミンスの立ち位置すごく納得。
そもそも雪ちゃんも進路決めた上での学部じゃないコトも改めて思い出しました。
ホント、記事といいコメといい、タメになるったらないわ~。
なんて深さ!!! 感動しています! 納得しています! シックリしています!
特に青さんの、「ミンスがイギリス文学を好んで読んでいた」ことから導き出した結論には鳥肌でした。
このブログに出逢えてほんとによかったと、毎日思っていますが今日もますますそう思いました。
ところでYukkanen師匠さま、「ミンスがイギリス文学を好んで読んでいた」ことはどこで分かったのですか?
それとも師匠の解釈ですか? (だとしたら素晴らしすぎます!(いつも素晴らしいですけど。))
「るるるさん」に続いて姉さまのことを名前で呼んだ!
いいなー!ヽ(・∀・ヽ)
私のことも「おさかなちん」と呼んでくださいよ。どうぞどうぞ、遠慮はいりませんから。
…てなことにまず思いっきり気を取られてしまってすいません。
やー青さん、相変わらずの鋭い分析力ですね。面白いです!
今までまったく興味を持てなかったミンスにも、ちょびっこ注目する気になってきましたよ。
むくげさんのおっしゃる
>何かしら救済を彼女にも与えようとしてるのかもしれませんね
にも同感です。
そもそもチートラってそういう物語でしたね。
どんなキャラも救済されるべき一面を持っているという。
最後にスンキさんが全員救い上げてくれるかどうかはわかりませんが、誰かが不幸なままではハッピーエンドと言えないんですよね、この物語。
ああ、深い…。
ちょびこ姉さまのコメントに同意・・
甘ったるい少女小説かと思いしたよ・・表紙もそんなだし・・
というかはじめは日記かな~とか思ってました(如何せんぶら下がりなんで)
師匠のブログ非常に大事ですわ。。そしてコメントで更に充足。
それにしてもジェーンエアに憧れていたんですね。
ブロンテ姉妹か・・昔に読んだ新潮文庫がおぼろげに浮かびましたよ。
私はEの嵐が丘の方が楽しく読めたので(如何せん中学生とか高校生の時なので今読み返すと違うのかもっしれませんね)
美人じゃないけれど、強く凛と生きていくジェーンエアに憧れるって割と自分の立ち居地とかよく分かってい時代背景もありますが、女の立ち位置弱かった時代に自分の足で立って生きる女に思いを馳せてか・・
(エリザベス・ベネットは誰だ?と思ったらプライドと偏見の主人公なんですね
でも読んでないのでここはちょっと感想いえないので割愛)
下剤事件の動き方は、香織にとってかなりインパクトあるきっかけだったんですね。
そこから自分を変えていく方向に動けたのはすごいことだと思いますが、ほんとに後半の動き方は一体・・
同性の誰かに憧れてというのは若いうちにありがちだと思うのですけど(ここまで極端になるのは別として)
こうなってしまったのをここまで筆を割いてるって何かしら救済を彼女にも与えようとしてるのかもしれませんね。
今は表層的なものばかりまねたりして、芯になるものを見ていないですけれど。
そこを上手く気づいて昇華させてあげたいな・・と。
青さんの意見にあった、英文学に進んだら優秀だったかもって本当ですね。
きっとそうだったらもっと能力発揮していたと感じます。
でも就職や仕事なんかで自分の好きを仕事に出来る人なんて一握りだと思うので、
普通はそうじゃなくても折り合いながら能力を身に着けていくものだと思いますが。
雪も経営が好きとかじゃなくて、それが未来にとっていいという選択肢のように思えますし。
またそういう選択をしても器用にこなしていく能力の差というのもあるのでしょうが。
世の中は非常に不平等なので。
「オドオドしたメガネチビが、誰もが羨む美人になって王子様と結ばれる」というシンデレラストーリーは少女漫画の超王道ですし、ミンスが主人公で一本作品を描いてもいいくらいだと思うのですが、それが何でこんなに不快感を残すのか。チートラが一筋縄ではいかない作品になっているのは、そのあたりの謎も意味を持っているようです。
ちょびこさんも言われているように、途中までは間違ってないんですよきっと。どこでどう間違ったら、シンデレラが悪魔に魂を売って狂気を帯びるのか。一つのピークは2学期のプレゼンの場だと思いますけど、兆候はこの段階ですでに出ています。
憧れの人に近づこうとしていろいろ真似てみる。それ自体はいいと思うんです。けど彼女、スタイル真似るところで止まっちゃうんですよね。
ホンソルが堂々としているように見えることの背景にあるもの、背負っている家庭の事情やプレッシャー、積み重ねてきた努力。そこをすっ飛ばすから、発表の場で恥をかくことになるんですが、その経験がソルちゃんの影の努力に目を向ける方向へ行かないところが、ミンスの痛々しいところです。
…と、そこまでは前から思っていたことですが、今回目から鱗でシックリきたのが、「ミンスがイギリス文学を好んで読んでた」ってことです。
なるほど。だとすれば、彼女はたぶん、大学での勉強に興味が持てないで、周囲の人たちについていけないという思いを抱いているんじゃないでしょうか。
「じゃあどうして経営学科じゃなく人文学科に行かなかったのか」というのは、愚問です。成績がそこそこよくて就職のことを考えれば、その選択はある意味当然ですから。
ただ、そうやって何となく経営学科を選択したものの、ソルちゃんやユジョンがしばしばやってるような議論にはついていけないし、興味も湧いてこない。基本的にミンスは、そんな立ち位置にいるんだと思います。経営学科の授業でやっていることもたぶんあまり理解できていないので、真面目だけどオドオドして劣等生オーラを出している。ミンスが抱えている事情を想像するに、たぶんそういうことなんでしょう。
もし仮に、英語英文学科に進んでいたとしたら、彼女はもっとイキイキとした学生生活を送る優秀な学生になっていたかもしれません。
そういう選択を余儀なくされて悩んでいる学生はきっと潜在的にたくさんいるはずですから、ミンスの今後もそれなりに注視されていると思います。単なる引き立て役の雑魚キャラでは終わってもらっては困るような…。
途中までは、エライ!よく分かってるじゃーん♪と褒めてあげましたが、後半、小心な人が動くといきなりスゴイ技使ってみせるのな!と、自分の身近なある人物をふと思い出したりしました、
あと愛読書は八一レクインか官能小説だとばかり…。文学作品だったのか。
すまんミンス。どこまでもキミを勝手に解釈しておったようだのぅ。