待ち合わせはコンビニの前だった。
雪は植え込みの端の方に座りながら、建物の中にいる先輩を見ていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/ec/b6f0b201ca2748db44fbb2ea0abeeeff.jpg)
何かを買い、女性店員に手のひらをかざして振る。”袋はいらない”のサインだろうか?
女性店員の頬が染まっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/b7/35f0d6690aae49ff309c0c05c8315acb.jpg)
”青田淳”の周りに広がるいつもの風景。
雪はそんな彼を少しこそばゆい気持ちで見ていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/eb/45876d8e7220c9477781ad780eef1311.jpg)
コンビニから出て来た先輩が、雪の方へ真っ直ぐ歩いてくる。
「どっちがいい?」と飲み物を二つ見せた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/24/cf0d1755f05078f27811c5048e7d4cb4.jpg)
雪はイチゴ味を選び、二人並んで座った。
先ほどの女性店員がコンビニの中からそれを見ていたなら、今頃彼女がいることを知って舌打ちしていることだろう。
雪は先輩に、いくつか質問をすることにした。自分なりに考えた、「彼女」としての前提だ。
「あの、先輩ってどこに住んでるんですか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/4a/461576bfd401037af972b6ff671a9a79.jpg)
先輩の答えは、ここから少し離れている区の名称だった。一般的にお金持ちが多く住むと知られている土地だ。
しかし場所を思い浮かべてみると、ここ正門側からは逆方向ということに思い当たった。
それを先輩に聞いてみると、彼はニコッと微笑んだ。
「そうだけど、雪ちゃんを思い出してこっちに寄ったんだ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/ef/9757dffde2074d2b2a86265cb590f51d.jpg)
照れもせずサラリと出る彼の言葉は、なんだか気持ちをぎこちなくさせる。
雪は取り繕う様にハハハと笑ったが、先輩は特に気にしていない。(ジュースが美味しいことに気を取られてもいるようだ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/08/fb074478c04b2035029c0daa702a7993.jpg)
しばし思考が停止した雪だったが、もう一度先輩に向き直って質問を続けた。
「ご両親と一緒に住んでるんですか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/e0/147af9e5794a0f4f58975d7db534edbf.jpg)
「いや、一人暮らし。実家はまた別の場所にあるんだ」
先輩は大学に入学してからずっと一人暮らしをしているらしい。
雪は「そうだったんですか~」と言いながら笑ったが、やはりどこかぎこちない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/49/97696bac0aa5db8b1e7cd846c423bc97.jpg)
笑い声が途切れると、頭の中でモヤモヤと色々なことが浮かんでくる。
あと何聞こう?誕生日?血液型?趣味?特技?いやいや警察の取り調べじゃあるまいし‥。
でも付き合い始めたんだから、これくらいは基本知っておくべきだよね‥
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/47/0b2c255622aacbefc99a74413035d13a.jpg)
難しい顔をして考え込んでいる雪を、先輩は不思議そうな顔で眺めている。
そして今度は、先輩の方から質問を投げかけてきた。
「雪ちゃんって週末は何してるの?バイトと塾は無いだろうし、家でゆっくりしてるの?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/46/cad89253b98c2a5d93c33932d8dbd1de.jpg)
雪はいつもの週末の過ごし方を答えた。
家でネット講義を受けていること、中でもマーケティングや営業は自分に合わないと思ったので、
自己紹介書の特講と財務管理系の外部講義を選択したことを話した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/95/1f738bb8e0bf710379c8d7f58df338cf.jpg)
先輩にも同じ質問を返すと、彼も普段の過ごし方を答えてくれた。
「週末は皆とボランティアに行ってるんだ。平日に家の仕事も少し教わったりしながらね」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/e0/050516a6c0e6b639edea9e1903c82bd1.jpg)
そして先輩は、雪にもボランティアを勧めてきた。
なぜかというと就職活動の際、ボランティアやインターンなど社会経験の豊富さも重要視されるからである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/21/77a2c3dd1f2827d5582548c3b01d91b9.jpg)
雪は休学中に少しボランティアをやっていたものの、
いざ学校が始まると日々の暮らしに追われて、全く行けていないのだと言った。
就活のことを考えるとサークルにも入っておくべきだったのに、ついつい機会を逃して今日まで来てしまった。
すると先輩が、一つ提案をした。
「もし時間があるなら、雪ちゃんも一緒にやらない?
障がい児童施設で掃除したり子供達を教えたりするんだけど‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/df/9dd841ab1a7300633ec608b9b33a106c.jpg)
雪はそれを聞いて、二つ返事で承知した。
先輩にお礼を言うと、ニッコリ笑って頷いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/37/e6e9b7afdb6e460f319d9242313ada33.jpg)
まさに渡りに船‥。
その幸運に雪はしばし心をほころばせていたが、ふと良心がチクリと痛む気がした。
‥にしても一体何度チャンスを恵んでもらってるのやら‥。
あまりにも一方的に世話になり過ぎているような‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/24/566936c912f8b0519d4312e9f50ce64c.jpg)
けど私がこの青田先輩にしてあげられることなんて無いしなぁ‥。ご飯とか以外に‥
お金だって機会だって成績だって、青田先輩は雪より遥かに多くのものを持っている。
先輩後輩の間柄ならまだ成り立っていたが、彼氏彼女となるとまた話は別だ。そこが雪を悩ませた。
しかし先輩は全く意に介さない様子で、またニコリと微笑んで雪に話しかけた。
「付き合って初日なのに、勉強ばかりで寂しかった?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/e7/64abee94d80c3098daaba525166e6844.jpg)
雪は「あ‥そんなことないですけど‥」と返した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/0c/7dc0dcbd486f76ea7ac1730e073ab8c1.jpg)
しかし心の中で今日一日を反芻すると、少し微妙な気分になった。
確かに今日は付き合って初めての日。けれどトキメキだとかドキドキだとかそういうものは無かった‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/62/7106ead07ca216f80a5756e8d54b7f26.jpg)
だからといって寂しいとも感じなかったが、そもそも付き合うっていったって何から始めれば、
どうすればいいのか分からない‥。
雪がしばし考え込んでいると、先輩が彼女の顔を覗き込むようにして笑顔を浮かべる。いつもの笑顔だ。
「あまり緊張してもやりにくいだろう?
今まで通り過ごしながら、お互いをもっと知っていけたらいいな」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/e3/6415d20b6d48071d27b6c34e121e9fc1.jpg)
先ほどの雪の質問攻撃を受けて、先輩が出した答え。
彼は雪の瞳を見ながら、普段通りのトーンで話す。
「今度映画観にいこっか。課題用じゃなくってさ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/13/51c07f26235058cf77523bc7723644d7.jpg)
それを受けて、雪も気安い調子で返した。
「はい!行きましょう行きましょう!面白いやつ見たいです!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/d1/0c22939e2ab63c3f929341896202e994.jpg)
一瞬盛り上がった二人だったが、雪は再び口をつぐんで考え込んだ。
そしてオズオズと口を開くと、再び彼に質問をした。
「えーと‥その‥先輩の誕生日っていつですか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/5d/f3bf5688aaa9f20b321ede0d34d6e944.jpg)
先輩が目を丸くする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/30/d364a35d1f98602e62a5ced2557a4fb4.jpg)
淳は一応答えようとしたが、雪のあまりにも生真面目すぎる性格に思わず吹き出した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/75/a900550852800c5e8cfe17741095cfb2.jpg)
夕飯の約束の時も、そして付き合い始めてからの今も、雪はいつも真面目で物事を真剣に考える。
それが淳には面白く、そしていじらしく、いつもツボにハマってしまうのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/1f/62a416151117589e84136928fa05e79f.jpg)
淳が大きな声で笑う時、いつもポカンとして自分を見つめる彼女。
そんな雪の無意識なところが、淳は気に入っていた。
しばらく夜の歩道にて、彼の笑い声と雪の戸惑う声が交じり合った‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/42/d82ceece67face561aab6680b5153e78.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/43/24936f1e96428c87ef2b38627c558876.jpg)
あの時感じた不愉快を、そして追い立てられる焦燥感を、
淳は彼女の隣に立つことで打ち消そうとした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/1b/05ff0c1acb91efd483e8421c276b6ac8.jpg)
一つずつ不安を潰していくように、彼女との接点を増やしていく。
告白、呼び出し、ボランティア、デートの誘い‥。
点と点は繋がって線となり、彼女の周りを囲い込む。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<互いの接点>でした。
本家版は漫画のコマが左から右なので、「今度映画行かない?」のコマで雪と先輩が向かい合っていて好きです。
日本語版だと右から左なので、どうしても逆を向いちゃうんですよね。もどかしい感じがしますね~
そして個人的に気になった先輩のセリフ「実家はまた別の場所にあるんだ」。
これは単なる一人暮らしの家という説明よりは、「今住んでいるところは家の一つだけど本家じゃない」という意味に聞こえますがどうでしょうか?
持ちマンションなのかな~。
次回は<不穏な影>です。
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雪は植え込みの端の方に座りながら、建物の中にいる先輩を見ていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3b/ec/b6f0b201ca2748db44fbb2ea0abeeeff.jpg)
何かを買い、女性店員に手のひらをかざして振る。”袋はいらない”のサインだろうか?
女性店員の頬が染まっている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/03/b7/35f0d6690aae49ff309c0c05c8315acb.jpg)
”青田淳”の周りに広がるいつもの風景。
雪はそんな彼を少しこそばゆい気持ちで見ていた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/00/eb/45876d8e7220c9477781ad780eef1311.jpg)
コンビニから出て来た先輩が、雪の方へ真っ直ぐ歩いてくる。
「どっちがいい?」と飲み物を二つ見せた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/06/24/cf0d1755f05078f27811c5048e7d4cb4.jpg)
雪はイチゴ味を選び、二人並んで座った。
先ほどの女性店員がコンビニの中からそれを見ていたなら、今頃彼女がいることを知って舌打ちしていることだろう。
雪は先輩に、いくつか質問をすることにした。自分なりに考えた、「彼女」としての前提だ。
「あの、先輩ってどこに住んでるんですか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/4a/461576bfd401037af972b6ff671a9a79.jpg)
先輩の答えは、ここから少し離れている区の名称だった。一般的にお金持ちが多く住むと知られている土地だ。
しかし場所を思い浮かべてみると、ここ正門側からは逆方向ということに思い当たった。
それを先輩に聞いてみると、彼はニコッと微笑んだ。
「そうだけど、雪ちゃんを思い出してこっちに寄ったんだ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/46/ef/9757dffde2074d2b2a86265cb590f51d.jpg)
照れもせずサラリと出る彼の言葉は、なんだか気持ちをぎこちなくさせる。
雪は取り繕う様にハハハと笑ったが、先輩は特に気にしていない。(ジュースが美味しいことに気を取られてもいるようだ)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/08/fb074478c04b2035029c0daa702a7993.jpg)
しばし思考が停止した雪だったが、もう一度先輩に向き直って質問を続けた。
「ご両親と一緒に住んでるんですか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/e0/147af9e5794a0f4f58975d7db534edbf.jpg)
「いや、一人暮らし。実家はまた別の場所にあるんだ」
先輩は大学に入学してからずっと一人暮らしをしているらしい。
雪は「そうだったんですか~」と言いながら笑ったが、やはりどこかぎこちない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/0a/49/97696bac0aa5db8b1e7cd846c423bc97.jpg)
笑い声が途切れると、頭の中でモヤモヤと色々なことが浮かんでくる。
あと何聞こう?誕生日?血液型?趣味?特技?いやいや警察の取り調べじゃあるまいし‥。
でも付き合い始めたんだから、これくらいは基本知っておくべきだよね‥
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/47/0b2c255622aacbefc99a74413035d13a.jpg)
難しい顔をして考え込んでいる雪を、先輩は不思議そうな顔で眺めている。
そして今度は、先輩の方から質問を投げかけてきた。
「雪ちゃんって週末は何してるの?バイトと塾は無いだろうし、家でゆっくりしてるの?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/61/46/cad89253b98c2a5d93c33932d8dbd1de.jpg)
雪はいつもの週末の過ごし方を答えた。
家でネット講義を受けていること、中でもマーケティングや営業は自分に合わないと思ったので、
自己紹介書の特講と財務管理系の外部講義を選択したことを話した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/57/95/1f738bb8e0bf710379c8d7f58df338cf.jpg)
先輩にも同じ質問を返すと、彼も普段の過ごし方を答えてくれた。
「週末は皆とボランティアに行ってるんだ。平日に家の仕事も少し教わったりしながらね」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/e0/050516a6c0e6b639edea9e1903c82bd1.jpg)
そして先輩は、雪にもボランティアを勧めてきた。
なぜかというと就職活動の際、ボランティアやインターンなど社会経験の豊富さも重要視されるからである。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/67/21/77a2c3dd1f2827d5582548c3b01d91b9.jpg)
雪は休学中に少しボランティアをやっていたものの、
いざ学校が始まると日々の暮らしに追われて、全く行けていないのだと言った。
就活のことを考えるとサークルにも入っておくべきだったのに、ついつい機会を逃して今日まで来てしまった。
すると先輩が、一つ提案をした。
「もし時間があるなら、雪ちゃんも一緒にやらない?
障がい児童施設で掃除したり子供達を教えたりするんだけど‥」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/df/9dd841ab1a7300633ec608b9b33a106c.jpg)
雪はそれを聞いて、二つ返事で承知した。
先輩にお礼を言うと、ニッコリ笑って頷いた。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3d/37/e6e9b7afdb6e460f319d9242313ada33.jpg)
まさに渡りに船‥。
その幸運に雪はしばし心をほころばせていたが、ふと良心がチクリと痛む気がした。
‥にしても一体何度チャンスを恵んでもらってるのやら‥。
あまりにも一方的に世話になり過ぎているような‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/24/566936c912f8b0519d4312e9f50ce64c.jpg)
けど私がこの青田先輩にしてあげられることなんて無いしなぁ‥。ご飯とか以外に‥
お金だって機会だって成績だって、青田先輩は雪より遥かに多くのものを持っている。
先輩後輩の間柄ならまだ成り立っていたが、彼氏彼女となるとまた話は別だ。そこが雪を悩ませた。
しかし先輩は全く意に介さない様子で、またニコリと微笑んで雪に話しかけた。
「付き合って初日なのに、勉強ばかりで寂しかった?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/73/e7/64abee94d80c3098daaba525166e6844.jpg)
雪は「あ‥そんなことないですけど‥」と返した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/0c/7dc0dcbd486f76ea7ac1730e073ab8c1.jpg)
しかし心の中で今日一日を反芻すると、少し微妙な気分になった。
確かに今日は付き合って初めての日。けれどトキメキだとかドキドキだとかそういうものは無かった‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/62/7106ead07ca216f80a5756e8d54b7f26.jpg)
だからといって寂しいとも感じなかったが、そもそも付き合うっていったって何から始めれば、
どうすればいいのか分からない‥。
雪がしばし考え込んでいると、先輩が彼女の顔を覗き込むようにして笑顔を浮かべる。いつもの笑顔だ。
「あまり緊張してもやりにくいだろう?
今まで通り過ごしながら、お互いをもっと知っていけたらいいな」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/e3/6415d20b6d48071d27b6c34e121e9fc1.jpg)
先ほどの雪の質問攻撃を受けて、先輩が出した答え。
彼は雪の瞳を見ながら、普段通りのトーンで話す。
「今度映画観にいこっか。課題用じゃなくってさ」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/35/13/51c07f26235058cf77523bc7723644d7.jpg)
それを受けて、雪も気安い調子で返した。
「はい!行きましょう行きましょう!面白いやつ見たいです!」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/d1/0c22939e2ab63c3f929341896202e994.jpg)
一瞬盛り上がった二人だったが、雪は再び口をつぐんで考え込んだ。
そしてオズオズと口を開くと、再び彼に質問をした。
「えーと‥その‥先輩の誕生日っていつですか?」
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4c/5d/f3bf5688aaa9f20b321ede0d34d6e944.jpg)
先輩が目を丸くする。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/07/30/d364a35d1f98602e62a5ced2557a4fb4.jpg)
淳は一応答えようとしたが、雪のあまりにも生真面目すぎる性格に思わず吹き出した。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/47/75/a900550852800c5e8cfe17741095cfb2.jpg)
夕飯の約束の時も、そして付き合い始めてからの今も、雪はいつも真面目で物事を真剣に考える。
それが淳には面白く、そしていじらしく、いつもツボにハマってしまうのだ。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/55/81/f250f9330fc8810948b7b1e179c24439.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/10/1f/62a416151117589e84136928fa05e79f.jpg)
淳が大きな声で笑う時、いつもポカンとして自分を見つめる彼女。
そんな雪の無意識なところが、淳は気に入っていた。
しばらく夜の歩道にて、彼の笑い声と雪の戸惑う声が交じり合った‥。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2e/42/d82ceece67face561aab6680b5153e78.jpg)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/43/24936f1e96428c87ef2b38627c558876.jpg)
あの時感じた不愉快を、そして追い立てられる焦燥感を、
淳は彼女の隣に立つことで打ち消そうとした。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/49/1b/05ff0c1acb91efd483e8421c276b6ac8.jpg)
一つずつ不安を潰していくように、彼女との接点を増やしていく。
告白、呼び出し、ボランティア、デートの誘い‥。
点と点は繋がって線となり、彼女の周りを囲い込む。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<互いの接点>でした。
本家版は漫画のコマが左から右なので、「今度映画行かない?」のコマで雪と先輩が向かい合っていて好きです。
日本語版だと右から左なので、どうしても逆を向いちゃうんですよね。もどかしい感じがしますね~
そして個人的に気になった先輩のセリフ「実家はまた別の場所にあるんだ」。
これは単なる一人暮らしの家という説明よりは、「今住んでいるところは家の一つだけど本家じゃない」という意味に聞こえますがどうでしょうか?
持ちマンションなのかな~。
次回は<不穏な影>です。
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ずっと違和感あったんです
「付き合って初日なのに、勉強ばかりで寂しかったんじゃない?」のところ。
なんかヘンじゃないですか…?
私にはシックリコナイ青田淳です
うまくは言えないのですが…。
せめて、
勉強ばかりで寂しかったかな?
と言ってくれたら次のセリフの、
「あまり緊張してもぎこちないだろう。今まで通り過ごしながら、お互いをもっと知っていけたらいいな」
につながってシックリクルかなと朝から考えてみました。
ところで、住んでいる場所を尋ねられたユジョンは「××洞」と答えていますから、たぶんソウル近郊の市ではなく、ソウル市内のどこかの街区でしょう。
金持ちが住む街にもいろいろありますけど、今どきの金持ちであるユジョンが住んでいて、ソルちゃんも納得の街と言えば、やっぱり江南区の狎鴎亭洞や清潭洞あたりではないでしょうか。ユ会長くらいの人物であれば、こうしたハイソなエリアの高級物件の複数所有して資産運用していても当たり前ですから、ユジョンが住んでいるのも当然、父親名義の物件だと思います。
狎鴎亭洞や清潭洞へは地下鉄に乗って行けますけど、ユジョンはたぶん、地下鉄になんて乗ったことないし、乗り方もわからないんじゃないかなあ。いつもクルマ移動してるし。
一人暮らしの前後には地下鉄に揺られて長い時間かけて通学していたソルちゃんとの間には、お互いに想像のできないほどの常識の差があるはずです。
※ そう言えば、ソルちゃんの実家の場所、どこかで「ビョンチョム(餅店)」と書いてあったような気がするのですけど、違いましたっけ?それだと、水原よりも南になります。何とか通学圏ではありますけど、大船から東大とか、明石から阪大とか、そんな感じになりそうです。
1「勉強ばかりで残念だったかな?」
2「勉強ばかりで物足りなかったかな?」
3「勉強ばかりで寂しかったかな?」
私はりんごさん推しの3かな!
そう考えると日本語版の「寂しかった」チョイスはGJだったと思います。しかし翻訳て難しいですね~。
あと青さんご指摘の、「xx洞」は、日本語版でいうと「xx区」のほうがいいのかも!早速直します~。ありがとうございます!
江南区というと、「カンナムスタイル」のあの江南ですね!なるほど~。
日本で言うとどこでしょね、田園調布や白金、赤坂、麻布‥。一人暮らしで田園調布はないのかな。「麻布」とか言われたら「おおっ」と思うかもしれませんね。。
ユジョン先輩、確かに地下鉄乗らなさそー!
切符通さず乗ろうとして、自動改札機にはさまってるイメージです(笑)見てみたいな^^
でもユジョン先輩はガチの金持ちすぎて、ソルの状況を逆に変な目で見ず、興味深く思っている気がします。例えば横山なんかは成金チックなので、クーポン持って来たソルに「みっともない」的な目で見そうな気が‥。ちょっとユジョンに味方しすぎですかね‥。
ソルちゃんの実家の場所、どこでしたっけ~~
忘れましたーーちょっとまた探してみます。
しかし明石から阪大、遠すぎですね‥自分の住んでるとこに置き換えるとその大変さが実感できますね^^;
なんか、突然告白しておいて何を言うか…といった感じがしておりました。
疑問形にしてくれればまだシックリクルです。
大船から東大とか、明石から阪大とか…シックリキテマセンけど結構距離あるんだろうなぁと感じております。すごいのな青田淳。
会いに来てくれるのも最初だけかな。
改札に挟まれる青田淳!これこそほのぼの劇場で見てみたいですね~
さすがシックリクル委員!私もシックリきました。
ありがとうございます~!
私は今は関西に住んでますが、関東にも住んでいたことがあるので青さんの例え、どっちもシックリきました~!どっちにしろ遠い‥。通学でゲッソリしちゃってるソルちゃんの気持ちが分かるわ~(T T)
作者さんのブログが更新されてました。
http://blog.naver.com/soonkki/70177517506
少しお仕事もされながら、ゆっくりしたりお友達と会ったり、楽しまれているようです(^^)
作者さんがHappyなようでよかった‥。一ヶ月半後が楽しみですね♪
貧乏くさい(てかフツーなんだけど)雪ちゃんのコト、興味深そうに見たり、こーゆーモンかな的にフツーに受け止めてる感じ。
好きです…青田淳。
ナリキンはまずケナすでしょうね。
金持ち過ぎると、「これが庶民の暮らしでおじゃるか?」ってなるんでしょーかね。
速水さんも、マヤのオンボロアパートについて特に言わなかったよーな。
ちなみにふと疑問。
こーゆーチョットした言い回しで、すごく印象が変わるのって、日本語は特にそーだけど、韓国語も同じなんでしょうか。
青さん、るるるさん、もし、この疑問に気づいたら、ご面倒ですが教えて頂きたいです。
例えば、聡美の父ちゃんが緊急手術の時、病院で先輩が「静かだな」と呟くのと「静かだ」と呟くのとでは違う、というような。
あと、距離の説明、分かり易かったです!
これは…師匠、やはりチートラツアーで、先輩や雪ちゃんの生活を体感しに行くっきゃないねー。
ん?でも、雪ちゃんの実家ってどこなんだ?見た記憶ないや。太一に聞けばわかるかな。横山とか。
姉さんにご賛同頂けて嬉しいです^^
速水さんも相当なお金持ちですよね~。あ、亜弓さんもですね。うあはん(あれはうあはんというよりばあやか)も居ますし。
やっぱり生まれた時から金持ちだと、そのへんの感覚が成金とは違う気がしますね。
チートラツアーではぜひ江南区に行って先輩のハイソぶりを肌で感じたいですね。
そして切符を入れずに地下鉄に乗ろうとして、改札にはさまれましょう!(これは妄想)