その予想だにしない展開に、雪が大きく声を上げる。
「なに、何なの!?なんでいきなり部屋見学?!なにこの流れ?!」
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果物を食べ終えた彼らは、ごく自然な流れで雪の部屋へと足を運んだ。
なぜ部屋を見たいのか、という雪の質問に各々が答える。
「女の子の部屋だから?」「おお。女の部屋だからな」「何もないっすよ」
「そりゃ男の部屋じゃないけども!」

雪のツッコミもそのままに、彼らは雪の部屋を見回した。
しかしそこは、味も素っ気もない普通の部屋‥。
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淳は「ふーん」と言いながら、部屋の中で目を点にして佇んでいる。
「‥何を期待してたんです?」「いや‥」
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‥どうやらどこか期待とは違っていたらしい
すると雪の後ろに居た蓮が、クククと笑いながら口を開いた。亮も部屋を見回して茶々を入れる。
「これでも母さんがソッコーで片付け‥」
「変態野郎がメチャクチャにした一人暮らしの部屋みたいなのを想像してたけどな」
「あれは変態野郎の仕業ですってば!」
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雪は淳と亮が部屋に入ったこと自体に動揺しているのに、そんな彼女の心中構わず、
彼らは好き勝手に部屋を探索し始めた。雪はアタフタ駆け回る。
「おい音楽はどんなの聞いてんだ?クラシック聞こうぜー」
「それ関係あります?!漁るなっ」「ねーちゃんの部屋、お菓子とか隠してねーのー?」
「これアルバム?」「ひいっ!」
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そんな中、淳がフォトアルバムを発見した。それを手に取り、雪に向かって交渉する。
「前もスクラップブック見せてもらったじゃない」「あれは選びに選び抜いた写真達であってぇ‥」
「それじゃ雪ちゃんが選んで見せてよ」「どうしても見せなきゃですか?」

見せたくないと粘る雪だったが、淳はニッコリと笑いながらアルバムから手を離さなかった。
「うん。気になるもん♪」
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結局その笑顔の力に抗えず、雪はアルバムを淳に託したのだった‥。
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幼い雪や、若き日の母、小さな蓮‥。そこには赤山家の軌跡が詰まっていた。
沢山の写真を床に広げながら、淳、亮、蓮の三人はそれらに目を通して行く。
「これはマジでイモだなw」「可愛いじゃない」「姉ちゃんって小さい頃ちょっとぽっちゃりしてたんすよ」

部屋の主そっちのけで盛り上がる三人に背を向けて、雪は「ココはドコ‥ワタシはダレ‥」と呟きながらベッドに寝っ転がっていた。
淳は、雪が高校時代に撮った写真を手に取る。
「友達もいっぱいだ」

すると淳はとあることを思い出し、雪に一つ質問をした。雪はベッドから上半身を起こし、それに答える。
「そういえば、夏に同窓会があったんだよね?あれどうなったの?」
「あ‥あれ結局流れちゃって‥。近い内また会うことになってるんです」

雪はその同窓会について、微妙な表情と口調で話を続けた。
「でも行くの止めようと思ってて‥」「どうして?」
「んー‥同窓生の中には絶縁した子もいるし、他の子達ともあまり連絡取ってなくって‥。
なんか気まずいんですよね‥」

その雪の答えに、淳は目を丸くした。
「え?雪ちゃんから縁を切ったの?」

「はい‥まぁ‥」
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そう淳の質問を肯定した雪は、自虐的な笑いを浮かべながらガックリと頭を垂れた。
蓮は、姉が人間関係で揉めていた当時のことを思い出し口を開く。
「人間関係ってそういうとこないですか‥誰でも一人とくらいは‥負の歴史が‥」
「あーそうだったそうだった。俺もあん時驚いたもん。一度見限ったら最後、
そんな恐ろしいねーちゃんの一面‥」
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蓮は姉の性格を茶化し、目を丸くする淳の前で、姉弟は会話を重ねる。
「でも我慢してる期間が長すぎて、結局痛いキャラっていう‥w」
「ちょ‥アンタ‥
」

高校時代の写真を見ながら、亮もそれに賛同する。
「冷静で良い判断だぜ、ダメージ。人間関係なんざ、どうせ全て諸行無常よ」
「てゆーか、なんでいきなり私の部屋でこんな話してるの?
」

雪は我に返って、部屋に居座る三人に退室を促した。
亮と蓮は「ハイハイ」とすぐに腰を浮かせたが、淳だけは一人ぼんやりと宙を見つめて座っている。
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「一度見限ったら最後」という、蓮の言葉が淳の脳裏を巡る。
どこか既視感のある彼女のそんな一面を、淳は改めて認識していた‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<雪の部屋にて>でした。
雪のお部屋訪問~でしたね。^^
そして雪ちゃんが自分から絶縁した友達‥どんな人だったんでしょうか‥清水香織的な‥?
短い場面ですが、やはり「淳と雪亮蓮」という構図が気になるところです。
後々この場面が、淳が「自分の考え方は変わってる」ということに気づく伏線(材料?)になるかもですね。
次回は<二人のキーパーソン>です。
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「なに、何なの!?なんでいきなり部屋見学?!なにこの流れ?!」
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果物を食べ終えた彼らは、ごく自然な流れで雪の部屋へと足を運んだ。
なぜ部屋を見たいのか、という雪の質問に各々が答える。
「女の子の部屋だから?」「おお。女の部屋だからな」「何もないっすよ」
「そりゃ男の部屋じゃないけども!」
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雪のツッコミもそのままに、彼らは雪の部屋を見回した。
しかしそこは、味も素っ気もない普通の部屋‥。
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淳は「ふーん」と言いながら、部屋の中で目を点にして佇んでいる。
「‥何を期待してたんです?」「いや‥」
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‥どうやらどこか期待とは違っていたらしい
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すると雪の後ろに居た蓮が、クククと笑いながら口を開いた。亮も部屋を見回して茶々を入れる。
「これでも母さんがソッコーで片付け‥」
「変態野郎がメチャクチャにした一人暮らしの部屋みたいなのを想像してたけどな」
「あれは変態野郎の仕業ですってば!」
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雪は淳と亮が部屋に入ったこと自体に動揺しているのに、そんな彼女の心中構わず、
彼らは好き勝手に部屋を探索し始めた。雪はアタフタ駆け回る。
「おい音楽はどんなの聞いてんだ?クラシック聞こうぜー」
「それ関係あります?!漁るなっ」「ねーちゃんの部屋、お菓子とか隠してねーのー?」
「これアルバム?」「ひいっ!」
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そんな中、淳がフォトアルバムを発見した。それを手に取り、雪に向かって交渉する。
「前もスクラップブック見せてもらったじゃない」「あれは選びに選び抜いた写真達であってぇ‥」
「それじゃ雪ちゃんが選んで見せてよ」「どうしても見せなきゃですか?」
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見せたくないと粘る雪だったが、淳はニッコリと笑いながらアルバムから手を離さなかった。
「うん。気になるもん♪」
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結局その笑顔の力に抗えず、雪はアルバムを淳に託したのだった‥。
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幼い雪や、若き日の母、小さな蓮‥。そこには赤山家の軌跡が詰まっていた。
沢山の写真を床に広げながら、淳、亮、蓮の三人はそれらに目を通して行く。
「これはマジでイモだなw」「可愛いじゃない」「姉ちゃんって小さい頃ちょっとぽっちゃりしてたんすよ」
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部屋の主そっちのけで盛り上がる三人に背を向けて、雪は「ココはドコ‥ワタシはダレ‥」と呟きながらベッドに寝っ転がっていた。
淳は、雪が高校時代に撮った写真を手に取る。
「友達もいっぱいだ」
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すると淳はとあることを思い出し、雪に一つ質問をした。雪はベッドから上半身を起こし、それに答える。
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雪はその同窓会について、微妙な表情と口調で話を続けた。
「でも行くの止めようと思ってて‥」「どうして?」
「んー‥同窓生の中には絶縁した子もいるし、他の子達ともあまり連絡取ってなくって‥。
なんか気まずいんですよね‥」
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その雪の答えに、淳は目を丸くした。
「え?雪ちゃんから縁を切ったの?」
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「はい‥まぁ‥」
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そう淳の質問を肯定した雪は、自虐的な笑いを浮かべながらガックリと頭を垂れた。
蓮は、姉が人間関係で揉めていた当時のことを思い出し口を開く。
「人間関係ってそういうとこないですか‥誰でも一人とくらいは‥負の歴史が‥」
「あーそうだったそうだった。俺もあん時驚いたもん。一度見限ったら最後、
そんな恐ろしいねーちゃんの一面‥」
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「ちょ‥アンタ‥
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雪は我に返って、部屋に居座る三人に退室を促した。
亮と蓮は「ハイハイ」とすぐに腰を浮かせたが、淳だけは一人ぼんやりと宙を見つめて座っている。
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「一度見限ったら最後」という、蓮の言葉が淳の脳裏を巡る。
どこか既視感のある彼女のそんな一面を、淳は改めて認識していた‥。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
<雪の部屋にて>でした。
雪のお部屋訪問~でしたね。^^
そして雪ちゃんが自分から絶縁した友達‥どんな人だったんでしょうか‥清水香織的な‥?
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短い場面ですが、やはり「淳と雪亮蓮」という構図が気になるところです。
後々この場面が、淳が「自分の考え方は変わってる」ということに気づく伏線(材料?)になるかもですね。
次回は<二人のキーパーソン>です。
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誤訳っていうよりニュアンスっていうか・・・
人間関係の一般的な法則を言ってるより、
雪の個人的な性格を言ってるって感じ?
私個人的には青田先輩が不安になってると思いました。
だって、自分が平井和美を振り払ったように
雪ちゃんに振り払われる・・・と思ってるかも。
ほほ~なるほど。
雪個人の性格について、ですね。修正します!
私は先輩が「自分が信じていたもの=カモとして利用されても我慢する」と雪の考え「カモと利用されても時にはそれを拒絶する」という違いに戸惑ってるのかな~と思いました。
亮と蓮もフツーに雪に賛同してるし、「あれ?俺が今まで頑張ってきたのは一体‥」みたいな‥。
私が読んでいたサイトではわからなかった場面なども細かく書いてあったりして楽しくよませていただきました!ありがとうございます^^^^
ところで、ハムを亮と雪ちゃんと蓮が食べてる時なんで蓮はお腹が痛くなってしまったのでしょうか?ストレスですかね?
一から記事を読み返して頂いたのですね~!ありがとうございます^^
>ところで、ハムを亮と雪ちゃんと蓮が食べてる時なんで蓮はお腹が痛くなってしまったのでしょうか?ストレスですかね?
う~ん‥ストレスなのか、胃腸が弱い設定なのか‥よく分かりません^^;
でも2部58話でも蓮はお腹が痛いって言って雪の家に帰って来てますよね‥。下しやすい体質なのではないでしょうか‥^^;
あーそれ私にも少し謎でしたよ!
このマンガの作者であるスンキさんは
意味ないシーンはあんまり描かないと思ってたのに、
あれはいきなりで意味不明。
単に流れを切りたかったんでしょうか。
しかしこんなドカドカ部屋に押し入るメンズやだ
なんかちょっとこうデリカシーにかけるというか
にしても雪は竹を割ったようなとこありますね
まあでも女の世界はいくつになってもどろっとしたとこありますよね
会社の五十前後おばさんがバレンタインでわきゃっと揉めてて(私もアラフォーおばさんですけどね)疲れると思いますもん
だからある程度女のどろっとしたのも慣れないといけないでしょうね
その他一人だけ出し抜いて部長に渡そうとするオンナとかなんかもーバレンタインラプソディですよ