今回は、『ゲルソン療法 がんと慢性病のための食事療法』(シャルロッテ・ゲルソン、他:共著、地湧社:2009年刊)という本をご紹介しましょう。
ゲルソン療法というのは、主に食事制限とコーヒー浣腸によって、がんやその他の難病を治療する方法で、欧米ではかなり知られているようです。
ゲルソン療法が誕生したきっかけは、著者の父であるゲルソン医師が、若い頃にひどい偏頭痛に悩まされ、試行錯誤の末、それを塩抜きの野菜食で治したことにあるそうです。
彼は、この治療法を自分の患者にも試すうち、偶然ある患者が、偏頭痛と同時に、当時不治の病だった皮膚結核も完治したことを知り、他の難病への応用を始めたそうです。
ゲルソン療法の特徴は、禁止されている食品が非常に多いことで、食塩や肉・乳製品が禁止されているのは理解できますが、
水、小麦、多くのハーブ類、豆類、きのこ類、ナッツ類、パイナップル、紅茶、緑茶
なども禁止されているのには驚きました。
また、1日に12~13杯のジュース(リンゴ、人参、青野菜、オレンジ)を飲む必要があります。
食事は、がん治療の基本ではありますが、これだけ制約が多いと、それを守るだけで疲れてしまうのではないかとちょっと心配です。
さらに、解毒のためにはコーヒー浣腸が有効なのだそうですが、これを朝6時から4時間おきに1日5回行なう必要があります。
ゲルソン療法で救われた人はたくさんいるのでしょうが、もし自分だったら、このコーヒー浣腸を試してみるのにはかなり勇気が要りそうです。
また、前回ご紹介したように、がんを発症した原因が食生活以外にある場合は、ゲルソン療法をいくらやってもあまり効果は期待できないのではないかと思いました。
ただし、これまで有害なものを体内にたっぷりためこんできたと自覚している人は、チャレンジしてみる価値はありそうですね。
なお、ゲルソン療法では治るのが難しい病気や、治らない病気、さらには害になる場合もあるそうなのでご注意ください。
◆治るのが難しい病気
脳腫瘍、骨転移したがん、白血病、多発性骨髄腫、傷口が開いた乳がん
◆治らない病気
筋委縮性側索硬化症、パーキンソン病、アルツハイマー病、筋ジストロフィー、気腫、慢性的な腎臓病
◆害になる場合
人工透析中の人、脳に広がった黒色腫、化学療法を経験した膵臓がん患者
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