今回は、がんの再発について述べたいと思います。
以前、本ブログの「ホリスティック医学」という記事で、食道がんの専門医だった帯津医師が、いくら手際よく手術をしても、がんが再発して戻ってくる患者が一向に減らなかったというお話をご紹介しましたが、医学界では、がんの再発についてどのように認識していたのでしょうか?
まず、『万病根治自然療法』(西川光次郎:著、丙午出版社:1916年刊)という本には、
「対症療法家は、初期の癌腫ならば治療が出来ないことはないと云うが、医学校の教科書には、癌腫は根絶しても根絶しても、又同じ所に出来ると書いてある。」(旧漢字や旧仮名遣いを一部修正)
と書かれていて、1916年(大正5年)頃には、がんは手術で切除しても再発することが知られていたようです。
また、京都帝国大学の医学部教授が書いた『二頁(ページ)の知識』(松尾巌:著、消化器病研究会:1938年刊)という本には、
「まだ統計がよく取れていないが二十歳代の人の胃癌は全部再発して永久治癒がない。三十代の人のも永久治癒はなかった様に記憶する。」(旧漢字や旧仮名遣いを一部修正)
と書かれていて、1938年(昭和13年)頃には、若い人ほどがんが再発する傾向が高いことが知られていたようです。
そして、これは昨年の8月に、総合病院の耳鼻咽喉科に勤務する看護師さんから私が直接聞いた話ですが、耳鼻科系のがんは現在でも治療成績が悪く、最初は手術でがんを取っても、いずれ再発して、放射線や化学療法を始めるが、結局患者は死んでしまうのだそうです。
それでは、がんはなぜ再発するのでしょうか?
『ガンを制す―ガン恐怖に勝つ本』(飯島登:著、講談社ブルー・バックス:1965年刊)という本の著者の飯島登氏は、MH134というがんをマウスに皮下移植した際に観察されるがん組織の構造(A部=新鮮ながん細胞群、N部=壊死の多い中央部、C部=がんの再生や転移のカギをにぎるくせ者部分)について、次のように考察しています。
「・・・、ガンのあるマウスでは、小さくともくせ者C部を残してガンの大部分を剔除すると、C部から新鮮なA部が急速に再生して、もとの大きさにまで成長する。この現象は、肝臓の一部分を切除すると、残った肝臓が急速に増殖して元の大きさにかえる再生現象を思わせるものである。」
「完成したガンを持つ生体は、この新鮮なA部を、あたかも自己の臓器と認めてしまっていて、A部がある一定度大きくなるとこれを抑え、もしこのA部が失われると、失われただけ再生するのではなかろうかと考えられるのである。」
つまり、がんは臓器の一種として機能している可能性があり、がんを切除しても再発するのは、必要があってのことだと飯島氏は考えているようです。
これに関連して、最初にご紹介した『万病根治自然療法』には、
「癌は局部的の病気でない、体質による病気である」(旧漢字を一部修正)
と明記されています。これは、体質が改善されない限りがんは治らないということであり、手術のような対症療法では決して根治しないということです。
なお、最近は乳がんの治療成績が向上しており、手術を積極的に受け入れるべきだとする社会的な風潮さえ見られますが、はたして本当に治療成績が向上していると言えるのでしょうか?
「がん有名人 その2」でご紹介したように、乳がんのため乳房温存手術を受けた宮崎ますみさんは、再発を防止するための放射線やホルモン治療によって以下の症状が出たそうです。
・体が鉛のように重い
・記憶力の低下
・肩や首のこり
・肉や魚、揚げ物などを口にしたときの全身の耐えがたいかゆみ
こういった半病人の状態を「治癒」と考えるのなら別ですが、真にがんを治したいとお考えなら、手術など選択しないで、最初から体質改善に取り組む方がよっぽど賢明なのではないでしょうか?
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