しんぶん赤旗 2015年6月1日(月)
NHK「日曜討論」 赤嶺衆院議員の発言
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は31日のNHK番組「日曜討論」で、戦争法案について与野党の安保政策実務者と議論し、同法案が抱える三つの重大問題を告発しました。
存立危機事態
日本が攻撃されていないのに海外の戦争に参加し武力行使
集団的自衛権の行使が可能になる「存立危機事態」について、自民党の岩屋毅衆院議員は「必ずしも(存立危機)事態が周辺だけで起こるとは限らない。地域を限定した考え方ではない」、公明党の遠山清彦衆院議員は「専守防衛」に限られると主張。赤嶺氏は次のように述べました。
赤嶺 集団的自衛権は、日本がどこからも攻撃されていないのに、海外の戦争に参加し武力行使をするもので、歴代政府は憲法違反だといってきた問題です。「存立危機事態」は限定的なものだと繰り返していますが、安倍(晋三)首相は、中東のホルムズ海峡が機雷で封鎖されたような経済的な影響でも発動し、自衛隊を派兵し、掃海活動を行うといっているわけです。戦後の日本が、侵略戦争への反省の上に立って、そして、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こらないことを世界に誓い、再出発した。まさに、憲法の平和主義の原点に立って、この問題を考えていくべきです。
時の政権の考えでいくらでも膨らむ―際限ない泥沼に
他国の領域で日本が集団的自衛権を行使する問題では、各党から「(行使が認められる事例の)基準を明らかにしないと、どこまで広がっていくのか国民の心配は尽きない」(民主党・大串博志衆院議員)、「ホルムズ海峡の(機雷掃海の)話が突破口として議論され、歯止めがなくなってくる」(日本を元気にする会・山田太郎参院議員)などの指摘が相次ぎました。赤嶺氏は次のように主張しました。
赤嶺 「存立危機事態」だから、必要最小限度の武力行使だからというのは、時の政権の考え方によって、いくらでも膨らんでいく。限定的な戦争、限定的な武力行使ではなくて、これはもう際限ない泥沼に入っていくことにつながると思います。
後方支援
軍事活動の一環―自衛隊が「殺し殺される」事態にまきこまれていく
自衛隊が従来の「戦闘地域」にまで行って、米軍や他国軍を「後方支援」する―。海外での自衛隊の活動範囲が広がることに関して、自民党の岩屋氏は「リスクを極小化する」と言い張る一方で、「リスクが高まる可能性(があるの)は事実」とも認めました。赤嶺氏は次のように強調しました。
赤嶺 リスクが高まるのは当然のことです。イラクは「非戦闘地域」が前提でしたが、その場合でも、戦闘寸前の危険を感じて、自衛隊は戻ってきているわけです。今度の場合には、従来の「戦闘地域」でもできるということです。「後方支援」は、もともと軍事活動の一環、兵たん活動であり、武力行使と一体化する活動です。そこに弾薬を運んだりするような自衛隊の行動が、攻撃の対象になるということは本当に現実に起こりうると思います。「殺し、殺される」事態に自衛隊が巻き込まれていく。そもそも憲法違反だということを申し上げたいと思います。
米海兵隊教本で指摘―「後方支援が一番狙われる」
「後方支援」を行う地域について、岩屋氏が「安全な実施区域を定める方法はある」と述べたのに対し、赤嶺氏は次のように反論しました。
赤嶺 安全なところで運用するといってみても、これは日本(政府)の勝手な考えです。戦争が起こっている、そこに弾薬を提供する、あるいは、武器や兵員を輸送する。だいたい、戦闘がいつ起こるかというのが分からないようなところでの「後方支援」活動ですから、これはもう武力行使と一体化(する)。海兵隊の戦争教本でも、一番狙われるのは「後方支援」活動、兵たん活動ですよと言っているわけですから、今の岩屋氏の発言は、現実を無視していると思います。
任務遂行の武器使用
アフガンでドイツ軍は大きな犠牲に―自衛隊に繰り返させるのか
PKO(国連平和維持活動)法改定案で、自衛隊が国連の統括しない活動にも参加し、武器使用も「任務遂行」のために範囲が拡大されることについて、与党側は、停戦合意などの「PKO参加5原則」をあげて「自衛隊員の安全は確保されている」(公明・遠山氏)と発言。赤嶺氏は次のように主張しました。
赤嶺 停戦合意はされていても、戦乱、混乱が残っている地域で、今度、新たに加えられた任務は、自衛隊が監視や巡回や検問や警護(を行うことであり)、これは治安維持活動です。武器の使用も任務遂行型に改めた。アフガニスタンで戦闘が終わってISAF(国際治安支援部隊)という支援機関をつくりましたが、最初は人道支援といっていたものが、戦乱、戦闘に巻き込まれて、ドイツなどは大きな犠牲を出した。そういうことを日本の自衛隊に繰り返させるものです。
戦争法案の審議
8月成立とんでもない―廃案においこみたい
安倍政権が今夏までに戦争法案の成立を狙う中、今後の審議のあり方について問われ、赤嶺氏は次のように表明しました。
赤嶺 戦後70年、戦争の反省の上に立って、戦力の不保持、交戦権の否認(を掲げて)出発したはずの日本が、いつの間にか自衛隊の海外派兵を拡大し、自民党政府でさえ憲法で容認できないといっていた集団的自衛権に踏み込む。最悪の法案の審議が行われています。徹底審議の上、廃案に追い込みたい。8月上旬(の成立)というのはとんでもないことだと思います。
NHK「日曜討論」 赤嶺衆院議員の発言
日本共産党の赤嶺政賢衆院議員は31日のNHK番組「日曜討論」で、戦争法案について与野党の安保政策実務者と議論し、同法案が抱える三つの重大問題を告発しました。
存立危機事態
日本が攻撃されていないのに海外の戦争に参加し武力行使
集団的自衛権の行使が可能になる「存立危機事態」について、自民党の岩屋毅衆院議員は「必ずしも(存立危機)事態が周辺だけで起こるとは限らない。地域を限定した考え方ではない」、公明党の遠山清彦衆院議員は「専守防衛」に限られると主張。赤嶺氏は次のように述べました。
赤嶺 集団的自衛権は、日本がどこからも攻撃されていないのに、海外の戦争に参加し武力行使をするもので、歴代政府は憲法違反だといってきた問題です。「存立危機事態」は限定的なものだと繰り返していますが、安倍(晋三)首相は、中東のホルムズ海峡が機雷で封鎖されたような経済的な影響でも発動し、自衛隊を派兵し、掃海活動を行うといっているわけです。戦後の日本が、侵略戦争への反省の上に立って、そして、政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こらないことを世界に誓い、再出発した。まさに、憲法の平和主義の原点に立って、この問題を考えていくべきです。
時の政権の考えでいくらでも膨らむ―際限ない泥沼に
他国の領域で日本が集団的自衛権を行使する問題では、各党から「(行使が認められる事例の)基準を明らかにしないと、どこまで広がっていくのか国民の心配は尽きない」(民主党・大串博志衆院議員)、「ホルムズ海峡の(機雷掃海の)話が突破口として議論され、歯止めがなくなってくる」(日本を元気にする会・山田太郎参院議員)などの指摘が相次ぎました。赤嶺氏は次のように主張しました。
赤嶺 「存立危機事態」だから、必要最小限度の武力行使だからというのは、時の政権の考え方によって、いくらでも膨らんでいく。限定的な戦争、限定的な武力行使ではなくて、これはもう際限ない泥沼に入っていくことにつながると思います。
後方支援
軍事活動の一環―自衛隊が「殺し殺される」事態にまきこまれていく
自衛隊が従来の「戦闘地域」にまで行って、米軍や他国軍を「後方支援」する―。海外での自衛隊の活動範囲が広がることに関して、自民党の岩屋氏は「リスクを極小化する」と言い張る一方で、「リスクが高まる可能性(があるの)は事実」とも認めました。赤嶺氏は次のように強調しました。
赤嶺 リスクが高まるのは当然のことです。イラクは「非戦闘地域」が前提でしたが、その場合でも、戦闘寸前の危険を感じて、自衛隊は戻ってきているわけです。今度の場合には、従来の「戦闘地域」でもできるということです。「後方支援」は、もともと軍事活動の一環、兵たん活動であり、武力行使と一体化する活動です。そこに弾薬を運んだりするような自衛隊の行動が、攻撃の対象になるということは本当に現実に起こりうると思います。「殺し、殺される」事態に自衛隊が巻き込まれていく。そもそも憲法違反だということを申し上げたいと思います。
米海兵隊教本で指摘―「後方支援が一番狙われる」
「後方支援」を行う地域について、岩屋氏が「安全な実施区域を定める方法はある」と述べたのに対し、赤嶺氏は次のように反論しました。
赤嶺 安全なところで運用するといってみても、これは日本(政府)の勝手な考えです。戦争が起こっている、そこに弾薬を提供する、あるいは、武器や兵員を輸送する。だいたい、戦闘がいつ起こるかというのが分からないようなところでの「後方支援」活動ですから、これはもう武力行使と一体化(する)。海兵隊の戦争教本でも、一番狙われるのは「後方支援」活動、兵たん活動ですよと言っているわけですから、今の岩屋氏の発言は、現実を無視していると思います。
任務遂行の武器使用
アフガンでドイツ軍は大きな犠牲に―自衛隊に繰り返させるのか
PKO(国連平和維持活動)法改定案で、自衛隊が国連の統括しない活動にも参加し、武器使用も「任務遂行」のために範囲が拡大されることについて、与党側は、停戦合意などの「PKO参加5原則」をあげて「自衛隊員の安全は確保されている」(公明・遠山氏)と発言。赤嶺氏は次のように主張しました。
赤嶺 停戦合意はされていても、戦乱、混乱が残っている地域で、今度、新たに加えられた任務は、自衛隊が監視や巡回や検問や警護(を行うことであり)、これは治安維持活動です。武器の使用も任務遂行型に改めた。アフガニスタンで戦闘が終わってISAF(国際治安支援部隊)という支援機関をつくりましたが、最初は人道支援といっていたものが、戦乱、戦闘に巻き込まれて、ドイツなどは大きな犠牲を出した。そういうことを日本の自衛隊に繰り返させるものです。
戦争法案の審議
8月成立とんでもない―廃案においこみたい
安倍政権が今夏までに戦争法案の成立を狙う中、今後の審議のあり方について問われ、赤嶺氏は次のように表明しました。
赤嶺 戦後70年、戦争の反省の上に立って、戦力の不保持、交戦権の否認(を掲げて)出発したはずの日本が、いつの間にか自衛隊の海外派兵を拡大し、自民党政府でさえ憲法で容認できないといっていた集団的自衛権に踏み込む。最悪の法案の審議が行われています。徹底審議の上、廃案に追い込みたい。8月上旬(の成立)というのはとんでもないことだと思います。