ひろば 研究室別室

川崎から、徒然なるままに。 行政法、租税法、財政法、政治、経済、鉄道などを論じ、ジャズ、クラシック、街歩きを愛する。

2024年立夏の兵庫島 その2

2024年05月07日 00時00分00秒 | まち歩き

前回に引き続いて、多摩川と野川の合流地点、兵庫島の様子です。

 公園となっている兵庫島で少しばかり高くなっている場所の周囲は、御覧のように木々が生い茂っています。2019年10月の台風19号で多摩川が増水し、玉川一丁目と玉川三丁目で床上浸水の被害が出ましたが、当然、この兵庫島も浸水がありましたし、一時的には水没したのかもしれません。しかし、現在は御覧の通りです。植物の強さあるいは強かさというべきでしょうか。

 以前に訪れた若山牧水の碑をまた見たいと思い、歩いていたら、前回登場した「兵庫島」の石柱と同じようなものが建てられていました。前回は気付かなかったのですが、玉川地域活動団体連絡協議会は既に解散していますから、最近設置されたものではありません。20世紀中に建てられたはずです。

 若山牧水の石碑です。2015年4月に訪れた時より少しばかり風化したかもしれませんが、牧水の短歌「多摩川の 砂にたんぽぽ 咲くころは われにもおもふ ひとのあれかし」を長男の若山旅人による書で碑に再現したということになります。牧水は短命でしたが(43歳で亡くなっています)、旅人は長命で、1913年に誕生し、1998年に没しています(84歳か85歳で亡くなったということです)。

石碑の隣に、御覧のようなものが設置されています。二子玉川郷土史会によるもので、牧水については次のように説明されています。

「若山牧水、本名 繁。明治末から大正期の歌人。旅、酒、恋の歌に代表作多し。若き日、玉川にも足跡を残している。旅人は子息。」

そして、石碑に刻まれた短歌以外にも次の短歌が示されています。玉川に滞在していた時に詠まれたということでしょうか。

「幾山河 超えさり行かば 寂しさの 果てなむ国ぞ 今日も旅ゆく」

「白玉の 歯にしみとほる 秋の夜の 酒はしづかに 飲むべかりけり」

「白鳥は 哀しからずや 空の青 海のあをにも 染まずただよふ」

「多摩川の 浅き流れに 石なげて 遊べば濡るる わが袂かな」

 ここに立っていると、すぐそばに多摩川が流れ、二子玉川ライズや玉川高島屋、マンションなどの高層建築物があることを忘れてしまうほどです。だから、短い時間であってもここにいたくなるのでしょう。整然とした、いかにも人の手が入ったことが強調されるような庭園などよりも、このような場所のほうに惹かれます。

 


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