チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

カラヤンとクーベリックのフィルム・コンサート(1970年)

2016-08-23 20:40:24 | 第九らぶ

クーベリックが英雄を指揮したあとカラヤンにバトンタッチして第九を振るベルリン・フィルの豪華なコンサート! 1970年6月4日(木)日比谷公会堂にて。



実は生演奏ではなく、フィルム・コンサートでした。提供はニラサワフィルム。以下、そのコンサートのプログラムより。

 


↑ 一曲目の英雄。カラー作品。

 



↑ フィルム・コンサートに際してのクーベリックからの丁寧なご挨拶。

 



↑ クーベリックのリハーサル風景。

 

 



↑ 二曲目、カラヤンの第九。

 



↑ ソリストたちの写真。

 



↑ カラヤンから韮澤正氏への挨拶文。

 

↑ 動画撮影風景。

 



↑ (参考)映画「ベートーヴェンの生涯」から、ウィーンの著名な人々より第九の初演を依頼する手紙。なんじゃこりゃ?詳細を調査します。



。。。今ではネットに腐るほどありますが、当時は動くカラヤンやオーケストラの映像に胸をときめかした方々がたくさんいらしたことでしょうね。自分も絶対に日比谷公会堂へ突撃していたと思います。


新交響楽団のチラシ「新響ドゥーズ」(1941年)

2016-01-17 21:18:09 | 第九らぶ

昔の音楽雑誌にコンサートのチラシのようなものが挟まっていました。『新響ドゥーズ』、A5版二つ折。



5月7日と8日となっていますが、これだけではいつの年だかわからなかったのでNHK交響楽団演奏会記録で調べると1941年(昭和16年)のことでした。

前の年から日比谷公会堂においてローゼンストック指揮、新交響楽団(現・NHK交響楽団)によるベートーヴェン交響曲チクルスが始まっています。その最終回がこの第九演奏会です。



最初に第九と密接な関連があるとされる合唱幻想曲Op. 80が演奏されています。ピアノは永井進(1911-1974)。このときが永井氏のデビューだったようです。ちなみに永井氏は1961年のカザルスの公開レッスンにも参加されています。

1941年というと12月には日本は英米に宣戦布告してしまうという不安に満ちた時代であり、裏表紙もナチス・ドイツ国策映画の宣伝広告になっています。『勝利の歴史 (Sieg im Westen)』。(YouTubeでちょっと見たけど激しくつまらない。。)



こんなキナ臭い時世に、新響226回定期の演目はモーツァルトのほかプロコフィエフのピアノ協奏曲第3番とラヴェルの「ダフニスとクロエ第2組曲」、しかも両曲とも日本初演となっていて、なかなか平和的かつ意欲的なメニューだと思いました。



。。。ところで「ドゥーズ」ってフランス語のdouze(12)のこと?毎月のコンサート予告という意味なんでしょうか。(違ってたらごめんなさい)


合唱で重要な「軟口蓋」図解

2015-12-13 23:51:30 | 第九らぶ

古巣(?)の第九合唱団の練習に久々に戻りました。

マーラー「復活」等の他流試合で多少は改善されたと自分で勝手に思っている声を披露したろうというイヤらしい目論見はもろくも崩れ去りました。

以前必死に暗記した第九の歌詞といっしょに悪い発声の仕方まで体で覚えてしまっていて、変な癖がちょっとやそっとじゃ抜けそうもない感じ。。凹む

そこで「軟口蓋を上げてそこで発音する」(カリオペくまもと発声日誌より)という基本に戻ろうと、「軟口蓋」の位置を書籍で確かめました。(長田淳一郎著『音声学の基礎』音楽之友社)

 

↑ 横から見た図。12番が軟口蓋。関係ないけど、「鼻腔」ってでかい。

 

↑ 前から見た図。6番が軟口蓋。



軟口蓋ってかなり奥なんですね。合唱の先生によると、主に男性がタ○を吐くときに「カーッ」と盛大な音を出すのがまさにこの位置らしいです。絶滅寸前のカーッ・オヤジに歌を歌わせたら実はめっちゃウマいのかも!

自分も軟口蓋の位置を確かめるために「カーッ」やってみたら喉が痒くなるわクシャミが出るわ。。そのまま風邪ひきそう。敏感なスポットなんですね。


マーラー『復活』本番を歌っての反省と感想

2015-11-26 22:30:39 | 第九らぶ

マーラー「復活」の合唱をテノールとして本番で歌ってきました。いつかまた絶対歌いたいので、ド素人ながらの反省をメモっておきます。

まったくアマチュアのオーケストラと合唱団ですが、都内の有名な会場がほぼ満席。お客さまはおそらく演奏者側の親戚やら知り合いがほとんどだろうけど、それでもめっちゃ緊張しました。



(反省点)

・本番は練習時の5倍くらい緊張してマジで手足が震えてしまいました。手に持つ楽譜がプルプル震えていたのが観客席の知り合いに気付かれていたかも。ベテランの合唱おじさまたちによると「場数を踏めば大丈夫」ってことですけど。。練習時からたくさんのお客さんの前で歌っているつもりのイメージ・トレーニングが必要ですね。

・ナーバスになって、練習で覚えていた細かい指示などはほとんど頭からすっ飛んでしまいました。アカペラでの合唱導入部分もあやふや。本番ではリハーサル時の7割もウマくいかなかったので、軽く鼻歌で、しかも正しいキーで無意識でも完全に歌えるレベルにまで自分を持っていっていないといけないんだなーってことを実感しました。正直、練習不足。

・やはりアガってしまったため長い音符のところで息がいつも以上に続かなくて語尾が情けない声になってしまいました。合唱指導の先生のカンニング・ブレスについてのアドバイス(みんなが思いつかないような、突拍子もないところでブレスしろ、さらにカンニング・ブレスの前は声をだんだん小さくしろ)を肝に銘じておけばよかったと反省しました。

・終結部はオーケストラとオルガンの予想以上のデカい音量のため自分の声がほとんど聞こえないのにはホトホト参りました。きっとメチャクチャに歌っていた。

・復活では第2楽章から入場してからずっと座っていたんですが、突如立ち上がったときの立ちくらみに苦しみました。漢方等で何かいい薬ありませんか?

・ソプラノとアルトの独唱のお二人がステージに登場したとき、練習時とは違うちょっとセクシーな衣装だからって「お~っ」って歓声を上げた男声のひと、反省してください~♪

・他人のことをとやかく言う立場にはありませんが、合唱団のうち約一名のかたが全合唱団を制圧するようなチョーでっかいガラガラ声で、かつ強弱記号ほぼ無視の歌唱をしていたのには少々ムカつきました。少し前にテレビで放映されたN響の番組でブロムシュテットが「目立とうとする虚栄心を捨てて作品に奉仕する態度が大切」って言っているのを見ていなかったんでしょうね。(自分、エラそう)



以上、ネガティブな反省点でしたが、本番ではそれ以上の喜びがありました!

・本番の一週間前に「みなさん楽譜ばっかりガン見して指揮を全然見ていないから、直前で申し訳ないけど暗譜にします!」っていうドS宣言が執行部から突如発出されてビックリ。結局は楽譜持ちってことに落ち着きましたが、本番ではみんな声が数倍良く出るようになっててまたビックリ。一週間必死で練習したんでしょうね。自分たちの作戦負け(勝ち?)。

・自分としては不完全燃焼でしたが、演奏が終わった直後の「ブラボー!!」と大拍手には本当に感激で泣きそうになりました。脳内麻薬出まくりで合唱、一生やめられそうもないです。

最後に、カリオペくまもと発声日誌という、ヴォイストレーナーの先生のすばらしいブログに感謝!読むだけでも効くブログだと思いました。ワインのコルクを奥歯で噛んでアゴがはずれそうなくらい口の奥を開くように密練したら、数人に声がよくなったねと言われました(だまれ自慢小僧)。


マーラー「復活」:合唱練習参加の感想とギルバート・キャプラン

2015-10-31 20:17:49 | 第九らぶ

自分のことですみませんが、ことしの年末はもちろん第九も歌うけど、別団体の「マーラー復活を歌う会」に誘われて、「参加しますっ」て即答しちゃったんです。以前CDで夢中になった曲だし、第九より歌うところが少ないからすぐマスターできるだろう、ぐらいに正直見くびっていたところがありました。

しかしながら、素人にとってはその難しいこと、予想を超えていました!(自分はテノール2)

そもそも、地元の第九の会は「やさしい」から指摘されたことがなかったのですが、自分は合唱団の一員としての発声が全然できていないことを思い知らされました。喉に力が入りすぎて耳障りな硬い声。。イチから出直し中。

次に第5楽章の合唱の出だし。アカペラなので、スーっと正しい高さの声を出すのが絶対音感ゼロの自分にはすんごく難しいし緊張で胃が痛くなります。直前のピッコロ、フルートの音を頼りにするしかなく、小さく「アー。。。」ってささやき声を出しつつ声の高さを忘れないようにキープしていたら他のパートの人にニラまれました。

そして何より、「復活」の最終楽章の最後は人を感激で泣かすように作られているため、合唱団側としても泣くのをこらえられない。。この前のオーケストラとの初めての練習のときは、オケが思ったよりずっと上手だったことも手伝ってラスト、聞かせどころの「生きるために死ぬんだ」からの、ただでさえ高くて裏声にならざるを得ない部分は涙と花ミズでオネエ声になってしまいました。本番前までに涙を涸らしておかねば。

ところで、今回の楽譜はギルバート・キャプラン版を使っています。例の、復活専門指揮者。



3番以降の曲を聴いてしまったあとは「復活」はガキっぽい音楽に思われ、キャプランって何故この曲に固執するのか?飽きないのか⁇とか生意気にも疑問に思っていたんですが、今回実際にナマ・マラ2の世界に少しでも入ってみて、キャプランさんの気持ちが判ったような気がします。思いだしてみると、自分にはマーラーの交響曲というか全クラシックの曲の中でも「復活」ほど感動させられた音楽は他にないんです。

ちょっと前にリリースされたヤンソンス・バイエルン放送響の感動的ライブCDでもこの版が使われているし、キャプランさんの行動は決して道楽息子の余興ではなかった!?

↑お顔もマーラーに似てきました

キャプランさんは2016年1月1日にお亡くなりになりました。でも間違いなく復活してますよね。