チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

「春の祭典」50周年で顔を合わせたストラヴィンスキーとモントゥー(1963年)

2015-05-31 23:28:02 | メモ

「春の祭典」は1913年5月29日(木)にパリで初演されて大騒ぎになりました。

そのちょうど50年後の1963年5月29日(水)にロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで記念演奏会が開かれたそうです。指揮は初演者のピエール・モントゥー(Pierre Monteux, 1875-1964)。

オーケストラはロンドン交響楽団。

下の写真はその演奏会後にモントゥーを訪れたストラヴィンスキーです。このときモントゥー88歳、ストラヴィンスキー81歳。


(『藝術新潮』1963年7月号より)


モントゥーは次の年にこの世を去ります。

初演のときは指揮者38歳、作曲者31歳という若さだったわけですね!


1963年京都現代音楽祭での黛敏郎

2015-05-30 22:59:28 | 日本の音楽家

1963年9月5日から三日間、京都岡崎の京都会館で「京都現代音楽祭」が開かれました。

初日には黛敏郎のカンタータ「悔過(けか)」が岩城宏之の指揮で初演されたそうです。

『藝術新潮』1963年10月号によると
《ホルン3本、ピアノ2台と打楽器に、男声合唱という編成。これも25分は長いだろう。器楽の部分には、彼の洗練された技法の冴えが、十分見られ、その点やはり、断然個性的だが、管長橋本凝胤(はしもとぎょういん、1897-1978)が悠然としてきいていた薬師寺の唱名からとったとかいう素材のみつめ方が不十分で、もう一つ迫力に欠けていた。とはいっても、六割ほどの最後まで残った人には、辛抱しただけのことはあったといえるほどの感銘は与えていたようである。》

迫力の点ではさすがに前作、涅槃交響曲にはかなわなかったようですが、このカンタータ聴いてみたいです。残念ながらネットでは録音は見つかりませんでした。


↑ 黛さん、やりすぎ!?


ボリス・ゴドゥノフ~日本人歌手による初演(1954年)

2015-05-26 18:07:00 | 日本初演

1954年11月6日、7日にオペラ「ボリス・ゴドゥノフ」の日本人歌手による初演が日比谷公会堂で行われました。



このプログラムの中の、音楽評論家・服部龍太郎氏(1900-1977)の文章によるとボリス・ゴドゥノフは「昭和2年(1927年)に帝劇へ来朝したロシア歌劇団によって上演されたことがある。そのときの主役ボリスはなんというロシア人であったか、もう記憶していないが、僧院の密室でピーメンが独白する部分がいかにも印象的であったことが、いまでも忘れられない。」(※1)

ということで、既に27年前に日本で初演されていたらしいですが、1954年は原信子さん(1893-1979)の訳詞による上演。原さんは大変苦労されたようですね。↓

上品な感じの文はミラノで歌手・松平里子の看病をした原信子と同じでした。


第9回文部省芸術祭公演ということで、入場無料!?イビキの嵐になりそうな気もしますが。。




指揮はグルリット、演奏は東京フィルハーモニー管弦楽団、演出はプリングスハイム、演出助手はジャック平野氏でした。

Manfred Gurlitt (1890-1973)

 

Klaus Pringsheim (1883-1972)

 

ジャック平野




以下、出演者です。
ボリス・ゴドゥノフ
石津憲一(藤原歌劇団、1924-2014)昨年12月31日に90歳でお亡くなりになりました。

 


フョードル
日高久子(グルリット夫人、1924-2008)

 


クセニヤ
鎌倉和子

 


乳母
永井智子(1908-1992)

 


ヴァシリー・シュイスキー/ミサイール
宮本正(1919-2014)宮本文昭の父、宮本笑里の祖父

 


和田家広

 


グリゴリー・オトレピエフ/白痴イヴァヌイチ
木下保(1903-1982)


荒井基裕

 


アンドレイ・シチェルカーロフ/ロヴィツキ
白川雅雄

 


ピーメン
下八川圭祐(1900-1980) 昭和音大創立者。

 


マリーナ・ムニーシェク
北澤栄(1908-1956)

 


ランゴーニ
宮本良平(藤原歌劇団、1916-1987)

 


ヴァルラーム
深澤巌

 


ニキーティチ/チェルニコフスキ
竹原正三(藤原歌劇団、1927-2006)

 


フルシチョフ
天野秋雄(1925-)

 


女主人
三枝喜美子(1921-2000)

 


侍従
村尾護郎(藤原歌劇団、1909-) アニメ「くもとちゅうりっぷ」のくもの声優としても有名なかたらしいです。

 

 



情報を補足していきます。

※1 『帝劇の五十年』(東宝株式会社昭和41年9月1日発行)の「主要興行年譜」によると、確かに1927年4月26日及び5月5日に「露西亜歌劇; モスコー、レニングラード両国立大歌劇場より選抜の一行」が何かしらの演目をやっています。


レオポルト・アウアーの弟子たち

2015-05-24 00:58:02 | メモ

レオポルト・アウアー(Leopold Auer, 1845 - 1930)は本当に偉大なヴァイオリンの教育者だったんですね。
「チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲とアウアー」にも載せましたが、すごい弟子がたくさんいます。

↑ ペトログラード(現・サンクトペテルブルク)にてアウアーのレッスンを受けるザイデル。ハイフェッツがピアノを弾き、マックス・ローゼンが譜めくり。
撮影者はやはりアウアーの弟子Jaroslav Siskowsky (1888 - 1979)。
"The Musical Quarterly" 1929年1月号より。

以下、その弟子たちの画像です。(アウアー著「新版ヴァイオリン奏法」より)


エフレム・ジンバリスト(Efrem Zimbalist, 1889 - 1985)↓

 


ミッシャ・エルマン(Mischa Elman, 1891 - 1967)↓

 


キャスリン・パーロウ(Kathleen Parlow, 1890 - 1963) 1922年10月来日公演。

 


トーシャ・ザイデル(Toscha Seidel, 1899 - 1962)↓

 


エディ・ブラウン(Eddy Brown, 1895 - 1974)↓

 


マックス・ローゼン(Max Rosen, 1900 - 1956)↓

 


テルマ・ギヴェン(Thelma Given, 1896 - 1977)↓


ミッシエル・ピアストロ(Mishel Piastro, 1891 - 1970) 1922年7月来日公演

 

。。。テルマ・ギヴェンについてはネットであまり情報ないのでもっと調べたくなりました。


退屈な名曲ワースト10(アメリカ、1954年)

2015-05-22 23:06:50 | どうでもいいコーナー

「音楽の友」1954年6月号で、ニューヨーク・ヘラルド・トリビューンの「退屈な名曲ワースト10」という記事が紹介されていました。

読者の投票による、その順位とは

1.シェヘラザード(リムスキー=コルサコフ)
2.交響曲ニ短調(フランク)
3.ボレロ(ラヴェル)
4.パルジファル(ワーグナー)
5.ミサ・ソレムニス(ベートーヴェン)
6.ドイツ・レクイエム(ブラームス)
7.新世界交響曲(ドヴォルザーク)
8.第九交響曲(ベートーヴェン)
9.トリスタンとイゾルデ(ワーグナー)
10.交響曲第5番(チャイコフスキー)


。。。やはりアメリカだし、しかも60年前の記事だからまったく同意できんわっ!パルジファルを除いて。

パルジファルって、舞台も観たことないんですがCDを聴くといつも5分もしないうちに眠ってしまいます。
ワーグナー好きによると寝るなんてとんでもないし音楽の快楽の嵐らしいですけど。

せっかくの機会だから飯守泰次郎さんの解説をよく見てから一週間、無理してずっとパルジファル全曲のCDばっかり聴いてみようと思います。

思い返してみるに有名な曲で10回聴いてもやっぱり退屈だった、って音楽は皆無なんですよね。その次はマイスタージンガーに挑戦。(こういう聴き方間違い?)