チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

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声楽家・関屋敏子の民謡作曲(1931年)

2020-08-16 15:42:21 | 日本の音楽家

(2016年10月4日の記事に情報を追加しました)

古い本を読んでいると、その本自体よりも、何気なく挟まっているチラシや小冊子のほうに興味を持たされることがよくあります。

春秋社「世界音楽全集第18巻」には「音楽春秋第16号」(1931年6月号)が保存状態良く挟まっていました。

そこには古い雑誌等でお名前を時々見かける声楽家、関屋敏子さん(1904-1941)が書かれた民謡についての記事が「日本の民謡と其の作曲」という題で掲載されています。


関屋敏子(1904-1941)



関屋さんは民謡を「民衆全体の詩であり又芸術」として高く評価し、ご自身も「大正十四年十一月慶應大学ホールに於て自作品浜歌他数首を拙きながら独唱致しまして以来地方演奏旅行の時は必ず其郷土的民謡を調査して作曲致すので御座います」。

日本各地の民謡を深く研究なさっていたんですね!




記事によると、この時までに関屋さんが作曲(編曲?)した民謡は

 1. 浜歌
 2. 舟の船頭衆
 3. うらの背戸屋
 4. 潮来出島
 5. 秋田おばこ
 6. 庄内おばこ
 7. 蛍来い
 8. 傘
 9. さんさ時雨
10. 大島民謡
11. 岐阜民謡
12. 大阪子守歌
13. 江戸子守歌
14. 紀州民謡
15. ヒナウタ
16. 野いばら
17. 琉球民謡等
以下略

このうち「野いばら」についてはYouTubeにアップしてくださったかたがおり、いま聴いています。なんか関屋さんの声を含めて深く懐かしい感じ。。

この記事の執筆から10年後に自ら命を絶った関屋敏子さん。彼女についてもっと調べたくなりました。

 

↑ 昭和8年(1933年)の雑誌広告。リボン枠内の字は敢えて左右反対にしているんですね