チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

N響を指揮するジャン・マルティノン(1953年初来日、船山克氏撮影)

2017-02-22 23:42:03 | 来日した演奏家

フランスの名指揮者、ジャン・マルティノン(Jean Martinon, 1910-1976)は1953年に初来日してNHK交響楽団を指揮しました。

そのときの画像がアサヒカメラ1954年3月号に掲載されています。

撮影したのは写真家の船山克氏(1923-2012)。

日比谷公会堂でN響を指揮するマルチノンを撮ることになって、さてどこから撮ろうかと考えた。観客席、配電室、あるいは舞台の袖といったところは、今までに使いつくされていて面白くない。N響の有馬氏に無理に頼みこんで、舞台の一番後のピアノの陰に入れてもらった。ストラヴィンスキーの「ペトルシカ」のピアノのパートを弾いていたお嬢さんは、さぞ迷惑だったことだろう。(中略)日本光学の新製品、ニッコール105ミリF2.5のレンズをニコンにつけて、私の指は夢中で彼の動きを追いかけた。かなり無謀な撮影だったけれども、観客席に背を向けた指揮者ではなくて、オーケストラの側から、マルチノンの真剣な表情や姿を捉えることができたのは、私の大変な喜びだった。」

ピアノを弾いていた「お嬢さん」というのはどなたのことでしょうか。高良芳枝さん?



上の写真の左にはチェロの大村卯七さんが写っています。

大村さんの「ぼうふりものがたり」ではマルティノンの素晴らしい人間性について書かれています。N響のメンバーからは人一倍の人気を集めていたようですね。

↑ 10月17日と18日のN響第351回定期演奏会のいずれかの日の撮影(沼辺信一様、情報をありがとうございました)。


カメラが趣味だったマリオ・デル・モナコ(1959年、イタリア歌劇団来日)

2017-02-05 00:45:28 | 来日した演奏家

イタリア歌劇団は1956年に初来日し、1959年に再び来日しました。

その公演には名テノール、マリオ・デル・モナコ(Mario Del Monaco, 1915-1982)が登場。


↑ カルメンでドン・ホセを演じるデル・モナコ。カルメンはジュリエッタ・シミオナート(Giulietta Simionato, 1910-2010)。

 


↑ 自宅。左は奥様。デル・モナコの右はテレフンケン社製の超高級テープレコーダー

 


↑ 自分の歌声を録音しながら練習。テープは残っているんでしょうか。


デル・モナコは非常に多趣味なことでも有名だったそうです。

特にカメラ撮影の腕前はプロ並みで、自宅には暗室もありました。



↑ 金庫には高級カメラがいっぱい

 


↑ デル・モナコ自身が設計した自宅の暗室

 


↑ 自分で撮影した写真の現像、焼付けまで行う。

そんなデル・モナコは日本にも多くのカメラを持参したそうですが、日本報道陣の舞台撮影のための望遠レンズ軍団には驚き、是非一台買いたいと言ってたようです。

 


↑ 日本の望遠レンズに驚くモナコ

。。。どんなレンズを買ったのか知りたいです!

(『国際写真情報』1959年4月号より)