チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

【追悼】レナータ・スコットのファスナー(1985年)

2023-08-18 12:29:59 | 来日した演奏家

【レナータ・スコットさんは2023年8月16日にお亡くなりになりました】

 

晩年のオットー・クレンペラーがフィルハーモニア管弦楽団とベートーヴェンの交響曲のリハーサルをしていたときの有名な話。

クレンペラーのズボンのファスナーが開きっぱなしだったのでオーケストラがそわそわと落ち着かなかった。

クレンペラーが「どうしたんだ」ときいたのでコンマスが「開いてます」と耳打ちするとクレンペラーは「それとベートーヴェンと何の関係があるんだ」と怒り出したそうです。コワっ。きっと恥ずかしかったんでしょうね。



さて以下はイタリアの名ソプラノ歌手、レナータ・スコット(Renata Scotto, 1934-2023)の1985年11月9日東京文化会館大ホールにおけるリサイタルでの出来事です。

休憩後、衣装を替えて出てきたスコットのドレスのわきのファスナーが開きっぱなしなのです。

このまま一曲歌い終わってからあわててスコットはファスナーを上げようとしたけど、うまく上がらないのでピアノ伴奏者のロベルト・デ・キュニンク(Robert De Ceunynck)が手伝いました。

その後スコットは何ごともなかったように堂々と歌い終わったそうですが、恥じらいがあって、なんかカワイイですね!

(Focus誌1985年11月22日号より)

 

【2015年12月6日の記事を修正しました】


ベニー・グッドマン初来日(1957年)

2023-07-30 00:22:37 | 来日した演奏家

【2015年3月31日の記事に画像を追加しました】

クラリネットのベニー・グッドマン(Benny Goodman, 1909-1986)が1957年に初来日し、1月12日から15日まで東京・産経ホールで特別公演を行いました。

↑ 『婦人公論』1957年3月号よりグッドマン in 東京

 

↑ 国際情報社発行『国際写真情報』1957年3月号より。

ベニー・グッドマンといえばもちろんスウィング・ジャズですが、コープランドのクラリネット協奏曲(特に第1楽章のマラ9的諦観の境地に気が遠くなる)やプーランクのクラリネット・ソナタ(哀愁大好き)がグッドマンのために書かれていたり、モーツァルトなどの録音がかなりあったりで、クラシック側からしてもすごい人ですよね!

↑ NMLで聴けます。

この初来日のときは15名の編成で、1930年代と同じフル・メンバーだったようです。「レッツ・ダンス」から二木ゴルフ「シング・シング・シング」まで3時間に及ぶ演奏!

↑ ギターはスティーヴ・ジョーダン(Steve Jordan, 1919 - 1993)、ピアノはハンク・ジョーンズ(Henry "Hank" Jones, 1918 - 2010)

 

 ↑ 婦人公論同月号から。以下は再び『国際写真情報』より

 

Elmer "Mousey" Alexander (1922 – 1988)

 

Mel Davis (1931 - 2004)

 

Budd Johnson (1910 – 1984)

 

Israel Crosby (1919 – 1962)

 

紅一点、ドティ・リード(Dottie Reid)

 

。。。ネット情報によるとグッドマンは2回目の来日時にはクラシックのコンサートにも出演しているようなので引き続き調べます。

 

(追記)

↑ 『藝術新潮』昭和32年3月号より。初来日時。その時の録音がYouTube、e-onkyo musicなどで聴けます。バッドマン様ありがとうございました。

Vn:ブローダス・アール、渡邉曉雄 Va:河野俊達 Vc:黒沼俊夫

「私(ブローダス・アール、Broadus Erle, 1918-1977)もまた彼はすぐれた古典奏者であると思う。先日私とグッドマン、それから渡邉暁雄氏らと放送したモーツァルトのクラリネット五重奏曲をお聞きになった方は、そのことをよくおわかりになったと思う。」


NHKスタジオで演奏した来日演奏家(1936~37年)

2020-04-08 21:10:06 | 来日した演奏家

日本放送協会『ラヂオ年鑑』昭和11年及び12年版からNHKラジオのスタジオで演奏した際の来日演奏家の画像です。豪華な顔ぶれ。

 

1936年5月13日
エマーヌエル・フォイアーマン(Emanuel Feuermann, 1902-1942)

 

1936年5月31日
ジャック・ティボー(Jacques Thibaud, 1880-1953)

 

1936年10月7日
グレゴール・ピアティゴルスキー(Gregor Piatigorsky, 1903-1976)

 

1937年1月29日
ミッシャ・エルマン(Mischa Elman, 1891-1967)

↑ ピアニストは誰だか調査中

 

【追加: 海外音楽家以外】

1936年1月3日
諏訪根自子(1920-2012)

 

1936年5月20日
ジャン・コクトー (Jean Cocteau, 1889-1963)
堀口大學(1892-1981)と

 

1937年2月11日
映画『新しき土』の監督アーノルト・ファンク(Arnold Fanck, 1889-1974)と原節子(1920-2015)

 

情報を追加修正していきます。


ケンプ初来日・演奏会日程(1936年)

2020-02-14 19:10:35 | 来日した演奏家

【2016年8月15日の記事にポリドールの広告とそれに基づく情報を追加しました】

ピアニスト、ヴィルヘルム・ケンプ(Wilhelm Kempff, 1895-1991)はドイツ政府の音楽使節として1936年4月1日(水)に初来日しました。戦前のケンプ来日はこのときだけです。
『レコード音楽』1936年4月号と5月号に公演日程が記載されています。

↑ 来日記念・皇帝のレコード。ペーター・ラーベ(Peter Raabe, 1872-1945)指揮ベルリン・フィル。

 

↑ この画像を2020年2月14日に追加しました。大切な情報が含まれています。

 

↑ 「さよなら演奏会」第一夜、第二夜。

 

以下、判明した範囲内での日程と曲目です。

1936年(昭和11年)

4月 7日(火)東京・ドイツ大使館(歓迎演奏会)

4月10日(金)リサイタルに先立って東京NHKによりラジオ放送。曲目不詳

4月11日(土)午後2時~3時 サイン会 銀座3丁目ポリドール宣伝部にて(皇帝のレコード購入者対象)

4月13日(月)東京・日比谷公会堂 午後7時
【ベートーヴェンの夕】
月光ソナタ、ワルトシュタイン、ロンド ト長調 Op.51-2、バガテルOp.33より2曲あるハ長調のうちのどちらか、エコセーズ(スコットランド舞曲)、熱情ソナタ

4月14日(火)東京・日比谷公会堂 午後7時
【ベートーヴェンの夕】 貴志康一指揮新交響楽団
「エグモント」序曲、ピアノ協奏曲第3番、ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

(4月13日、14日の入場料 5円、3円、2円)

4月15日(水)仙台・文化キネマ

4月20日(月)札幌 ←会場調査中

4月22日(水)午後7時30分 東京・新交響楽団第166回定期(指揮/貴志康一)
ベートーヴェン:「コリオラン」序曲、バッハ:ピアノ協奏曲ヘ短調、モーツァルト:ピアノ協奏曲ハ長調K467(ブラームス:ピアノ協奏曲第2番の予定を変更?)、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番

4月23日(木)東京丸の内・明治生命講堂 午後7時
【バッハ研究の夕】

フランス組曲第1番、平均律クラヴィーア曲集(どっち?)よりプレリュードとフーガ嬰ハ長調、ニ長調。ゴルトベルク変奏曲

4月25日(土)東京・明治生命講堂
【ベートーヴェン研究の夕】
後期ピアノ・ソナタ4曲(Opp.106,109,110,111)

(4月23日、25日の入場料5円、2円。二日共通券8円)

4月26日(日)名古屋市公会堂

4月27日(月)京都・朝日講堂

4月28日(火)大阪・中央公会堂

4月29日(水)大阪・中央公会堂

5月 2日(土)広島 ←会場調査中

5月 5日(火)博多・仏教会館

5月 7日(木)神戸・海員会館

5月11日(月)東京・明治生命講堂
バッハ-ケンプ編曲:イタリア協奏曲、ベートーヴェン:悲愴ソナタ、モーツァルト:ソナタ イ長調K331、ベートーヴェン:ハンマークラヴィーアOp.106

5月12日(火)東京・日比谷公会堂
貴志康一指揮新交響楽団
ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第1番、モーツァルト:ピアノ協奏曲ニ短調K466、ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第5番「皇帝」

 

。。。情報を追加していこうと思います。戦前ケンプのライヴでゴルトベルク変奏曲やハンマークラヴィーアを聞けた聴衆はラッキー! ちなみに2度目の来日は18年後、1954年です。ケンプは全部で10回も来日しているそうですね。

↑ 4月号より当時のケンプ。


シャリアピン来日時のプログラム(1936年)

2019-05-09 13:55:54 | 来日した演奏家

1936年(昭和11年)、ロシア出身の名歌手シャリアピン(Fyodor Chaliapin, 1873-1938)が来日しました。

大阪の中央公会堂でのリサイタルのプログラムです。

 ↑ 朝日新聞社主催。興行主はアレクサンドル・ストローク(1877-1956 東京で亡くなったそうです)

 

↑ 裏表紙はビクターレコードの宣伝。

 

↑ 中央公会堂では1936年2月12、14、16、19日。ピアニストはGeorge Godzinsky。ベヒシュタインを弾いたそうです。

 

 ↑ こちら別冊の『シャリアピン歌詞集』 ボリスのイラストはK.TAMURAとあります。

 

 ↑ 若い頃のシャリアピンですね。

 

 

 ↑ 東京・日比谷公会堂の日程は1月27日から始まっています。

 

 ↑ 日本公演の写真ではありません。

 

 

 

 ↑ 上はサムライ??調べます

 

 ↑ 演奏会開始前と休憩中にGeorge Godzinskyがピアノ独奏曲を一曲ずつ弾いたようです。

 

↑ 同時期の来日演奏家。豪華!

 

 ↑ 『會舘藝術』新春特大号はシャリアピン特集。読みたい。

 

。。。シャリアピン来日時の情報を追加していきたいと思います。