チュエボーなチューボーのクラシック中ブログ

人生の半分を過去に生きることがクラシック音楽好きのサダメなんでしょうか?

レコードのできるまで(河出書房、1967年)

2016-05-23 22:17:48 | オーディオ

ブックオフでまた河出書房の世界音楽全集のうち「新世界より」を108円で買ってしまいました。このシリーズには変な魅力があります。音悪いのに。



17センチLP2枚組みで全曲収録。シルヴェストリ指揮フランス国立管弦楽団。



「レコードのできるまで」という小冊子が挟まっていました。



↑ 「東芝がその名誉にかけて、レコードを製作」。がんばれ東芝!

 



↑ レコードができるまでをわかりやすくした図。

 



↑ レコーディングスタジオ。いったんテープに録音されます。

 



↑ カッティング・マシン。金属ドラムの上に黒く光っているラッカー盤(アルミニウムの板の上にラッカーを塗って乾燥させたもの)の皮膜に音溝が特殊な加熱切削針で切りこまれていく。ラッカー盤はこのままでは傷つきやすいので銀メッキされる。

 



↑ 銀メッキの上にさらにニッケルの厚メッキをしてベコベコしないがっちりしたメッキ層にしてラッカー盤から剥がす。これがマスターと呼ばれるもので、大切に保存される。(音溝が逆の山になっている。)

このマスターを種版として、マスターの表面にニッケルメッキをして(そのままメッキをしたのでは後で剥がれなくなってしまうので剥離処理を行っておく)剥がす。

このマスターから剥がしてできたものをマザーといい、普通、原盤と呼ばれる。マザーは針をかけて聴くことができる。

このマザーに再び離液処理を行ってから、0.25ミリの厚いニッケルメッキをしてから剥がし、さらに表面にクロムメッキをして丈夫にしたのがスタンパー



↑ スタンパーはレコードをプレスするときの押し型で、プレス機の上下にスタンパーを取り付け、そのスタンパーの中心にそれぞれの面のレーベルを置き、あらかじめ熱して柔らかくしてある材料を下のレーベルにのせて、プレス機を運転して加熱、加圧、冷却による圧縮成形を行う。

プレスされたレコードを取り出すと、余分な材料がまわりに付いているので、これを切り落とすと出来上がり!



↑ さらに厳密な検査が行われる。何故かみんな女性。200枚ごとに1枚のレコードが抜き取られ試聴される。もし不良が発見されると、その200枚はすべて廃棄される。



↑ このほか、音溝検査、反りの検査、雑音測定、外観、寸法、偏心などの検査が行われる。



。。。一枚のレコードがこんな工程を経ていたとは!でも、できれば「マザー」で聴きたいですね~

最後に、「レコードのかけかた」。レコードが再び見直されているいま、参考にしたいです。


東芝製ステレオ『河出』(1968年)

2016-02-06 23:18:44 | オーディオ

ブックオフで河出書房が1968年に発売した世界音楽全集が一組108円で売っていたので、付属のレコード(17センチ、ステレオ)が2枚とも揃っている何組かを買ってきました。このシリーズは解説が丁寧で詳しいし、カラー写真が豊富で楽しめます。発売当時の定価は各1,250円。

↑ 朝日新聞1967年6月7日



このシリーズのレコードを聴くための専用ステレオのパンフレットが挟まっていました。その名はズバリ「河出」。


↑河出音楽全集「モーツァルト」を持つ男性と5.8kgの専用ステレオ「河出」を片手で軽々と運ぶ女性との運命的な出会い。場所は原宿のコロンバン前。沼辺信一様、コメントありがとうございます。

 


↑ 上下のフタがスピーカー。ラックには24巻がズラリ。何気にベスト・オブ・ザ・ベンチャーズもあります。



FM/AMチューナーもついて割引特価19,800円。東芝製なので品質、アフターケアも安心。3,000台の限定生産、これは欲しい!

 


↑ 男性はクラシック音楽を聞くには丁度いいまじめ度の表情をしていますね。


軌道にのったステレオ放送(1960年)

2015-06-25 19:40:33 | オーディオ

以前、ステレオ放送黎明期という記事で、昔はAMラジオ2台を左右に並べてステレオ放送を受信していたことを書いたのですが、現場の写真が『電波技術』1960年1月号に掲載されていました。

「1960年は空前のステレオ・ブームといわれているが、その中心をなすのがステレオ放送である。現在東京ではNHK、文化・ニッポン両放送局と二つのステレオ放送が行われているが、テストケースの段階から本格放送へと、ようやく軌道に乗り始めたステレオ放送の舞台裏を紹介しよう。」

↑ ノイマンSM-2ステレオ・マイク(中央の細長いマイク)を使って放送中のNHK第1スタジオ


→オーケストラは岩淵龍太郎さんがいらっしゃるのでN響だと思います。
アナウンスもステレオ。2本のマイクは25センチ離しているそうです。

 

↑ 放送のテーマ・ミュージックを流しているんでしょうか?

 

↑ ミキサー・ルーム。手前がステレオ用ミキシング・コントロール。

 


↑ ニッポン放送と文化放送、仲がよかったんですね。

 

。。。実際のステレオ放送の音はどんな感じだったんでしょうか?


秋葉原オーディオマップ(1970年)

2015-05-11 23:37:24 | オーディオ

『ステレオ芸術』1970年2月号(定価250円)の表紙です。

↑ 当時37歳の岩城宏之さん。この雑誌、クラシック関係の記事がかなり多いです。

特集の「秋葉原ステレオ情報!」には45年前のアキハバラオーディオ・マップが載っていました。バッチリ楽しめます。

いまもまだ残っている店がけっこうありますね。

それと、もと石丸電気の場所に日の丸電気がやっぱりあった!(石丸電気は日の丸電気だった)

以下、中央公論1976年2月号より、秋葉原電気街のようすです。

↑ ヤマギワ電気から

 

↑ いまでもこんな感じのお店けっこうありますよね

 

↑ 真光無線

 

↑ ラジオ会館前のミュージック・カセット売店。


1934年の蓄音機とレコード針

2015-01-29 22:00:35 | オーディオ

再び『レコード音楽』昭和9年1月1月号から、蓄音機関係の広告です。

↑ コロンビア蓄音機。デザイン的にはみんなほとんど同じでつまんねー

 

↑ 銀座西八、鈴木バイオリン「サイイン蓄音機」の広告。「サウンドボックスはサイイン病院に」とか意味不明。

(追記:サイインは「済韻」だそうです。hiro様、コメントありがとうございました。

 

↑ 銀座・山野楽器の広告。ビクター・ラヂオ・エレクトロラJRE-31型

 

 ↑ 東京・神田の大蓄商店のナポレオン針。高音針、全音針、両音針が気になります。針によるトーン・コントロール?

 

↑ 神田神保町の名曲堂。アポロンの竹針とカッター(爪切りかホチキスに見える)。竹針はレコードが傷付きにくいんですね。

 

↑ 同じくアポロンの新発売竹針カッター。鼻毛切りそっくり。説明なしで見せられたら何に使うのかわかりませんね。

 

↑ これらの蓄音機・針でこのようなレコードが聴かれていました。耳ダンボのキャラクターがキュート

 

。。。いまでも蓄音機でSPレコードを聴かれている方って結構多いんでしょうか。

この前、蓄音機でシャリアピンなどを聴いている年配の人が竹針カッターの使い方を今度教えてくれると言ってくれました。また報告します~