異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

ひらひらと帰って来る少女たちを温かく迎える映画『鬼郷』…7万5270人の市民支援で(韓国)

2016-02-16 18:52:34 | 戦時中性奴隷 慰安婦

hankyorehhttp://japan.hani.co.kr/arti/culture/23264.htmlより転載

ひらひらと帰って来る少女たちを温かく迎える映画『鬼郷』

登録 : 2016.02.05 23:01修正 : 2016.02.06 06:41

24日に意義深い封切り

ワウピクチャーズ提供//ハンギョレ新聞社
 80年間の痛み、25年間の戦い、14年ぶりの公開。映画『鬼郷』は、まず数字で語られる映画だ。7万5270人の市民が11億6122万ウォン(約1億1337万円)の制作費を集めて作られた映画でもある。日本軍慰安所に連れて行かれ少女たちの話を取り上げた映画『鬼郷』が、24日の封切りを控えている。

 数多くの犠牲者のうち、238人だけが日本軍「慰安婦」被害者として政府に登録され、現在は46人だけが生存している。映画は、その中で被害者ハルモニ(お婆さん)のカン・イルチュルさん(89)の体験談を基に作られた。
 撤退する日本軍が、退却の邪魔になる慰安婦たちを山に連れて行き、地面に掘った穴に押し込んで殺した後、遺体は燃やす。カン・イルチュルさんは、その穴で死ぬ直前に独立軍によって救出され、生き残った。


  2002年、「ナヌムの家」でボランティア活動をしていたチョ・ジョンレ監督は、カン・イルチュルさんが心理療法の過程で描いた絵「焼かれる女の子たち」を見て、映画を作る決心をしたという。長い間、製作費が足りず、なかなか製作に踏み切れなかったこの映画は、市民後援金で製作費の半分が集まったことで、撮影を始めることができた。
 映画の最後の8分間、7万5270人の支援者の名前が流れる瞬間は、どんな大作も映し出せない、この映画だけのスペクタクルだ。
 俳優のソン・スク氏、オ・ジヘ氏、チョン・インギ氏などは、出演料を受け取らなかった。残忍な日本将校役を演じたイ・ソンチョル氏は白凡・金九先生の母方の家系だ。イム・ソンチョル氏は、偶然この映画について知り、美術監督とプロデューサーを兼任しながら、この映画の完成の立役者になった。

「慰安婦被害ハルモニのカン・イルチュルさんの実話基に 
日本軍に連行された少女「ジョンミン」描き出す 
戻れなかった怨霊たちのための「レクイエム」 

7万5270人の後援で14年ぶりに公開 
チョ・ジョンレ監督「魂たちを故国に連れてこよう」と映画製作

ワウピクチャーズ提供//ハンギョレ新聞社

 しかし『鬼郷』は、残酷な歴史的事実や善意だけを強調する教科書のような映画ではない。畑仕事を終えた父親(チョン・インギ)は、よく娘を背椅子に乗せて帰ってきていた。母親(オ・ジヘ)は、14歳の少女に魔除けをつけさせて、如何なる不吉なものも寄り付かないように祈った。こんなにも大切にしていた娘が、ある日、トラックに乗せられ、中国牡丹江慰安所に連行された。そこで日本軍の将校は刀を抜いて、「お前たちは人間ではない。皇軍のための雌犬に過ぎない」と脅す。少女たちは、「私たちは連れてこられた瞬間に、すでに死んでおり、ここは(死者が彷徨う)地獄」と言う。

 映画は、1943年に慶尚南道居昌(コチャン)のある村で突然日本軍に連行された少女ジョンミン(カン・ハナ)の物語と、神がかった1990年代の少女、ウンギョン(チェ・リ)の物語を交差させながら進む。そして、解決されなかった歴史は、現在と出会う。性的暴行を受けた後、言葉を失ったかのように、自分だけの世界に引きこもってしまったウンギョンは、異国の地で踏みにじられ、死んでいった慰安婦被害者の魂を受け入れながら、彼女らの言葉を今日の人々に伝える者となる。
 性的暴行の被害者が戦争犯罪の犠牲者を慰めるこの映画は、女性がどのように互いの痛みに共鳴し、被害者からの治療者に変化していくのかを描く。この映画のエネルギーは、まさに生きている者と死んだ者を慰めるためのレクイエムの雰囲気、自らを差し出して怨霊の証言者であると同時に、霊媒になろうとする意志から生まれたものだ。『鬼郷』という映画のタイトルは「家に帰る」ことではなく、「鬼神たちの故郷」を意味するという。

 封切りに先立ち、すでに米国と韓国で支援者たちのための試写会を開いたチョ・ジョンレ監督は「映画を作った者としては、試写会そのものがレクイエムだと思っている。
 
私たちが20回の試写会を開くと、20人の怨霊が故郷に帰ってくると信じている」とした。「異国の地で死んでいった慰安婦被害者の魂を、故国に連れてこよう」という趣旨で作られた映画は、慰安婦被害者の魂の一つひとつを蝶に表現し、彼女らがひらひらしながら、こそこそとおしゃべりしながら、故郷に戻ってくる情景を描く。シャーマニズム的な雰囲気を演出するために、激しい交戦や残忍な虐殺シーン同様、歌と踊りに力を入れた。巫女祭りを主導するウンギョン役を演じたチェ・リ氏は、韓国舞踊を専攻した俳優だ。

 映画『パッション』を連想させる最後の場面を見ると、監督が慰安婦を単に被害者ではなく、殉教者であり、我たちが歴史に持つ原罪に気づかせる存在と見なしていることが分かる。「もうすぐ、すべて終わるだろう」。映画の中で、過去の傷を抱えて生きていく慰安婦ハルモニのヨンオク(ソン・スク)は、時々つぶやいたりするが、現実ではハルモニたちの受難はまだ終わっていない。チョ・ジョンレ監督は「この映画がハルモニたちの代わりに語る文化的な証拠となってほしい」と述べた。

ナム・ウンジュ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-02-04 19:48

http://www.hani.co.kr/arti/culture/movie/729432.html訳H.J

関連記事


【映画】慰安婦被害女性らのすさまじい生と死を描いた、「鬼郷(귀향、クィヒャン)」

2016-02-16 18:21:42 | 戦時中性奴隷 慰安婦

 金 煕哲さんFBより転載 

少女らの魂が帰ってくる。慰安婦被害女性らのすさまじい生と死を描いた映画、「鬼郷(귀향、クィヒャン)」が1月24日より、いよいよ韓国で封切られる。 近日予告編:https://goo.gl/M0RK8D


この間、韓国での試写会とともに、ロサンゼルス(LA)からニューヨークまで、アメリカ巡回試写会が持たれて来た。現在日本でも、東京を皮切りに、会場探しなどで自主規制という”妨害”などがあり、どこからかの情報によると、密かに試写会が進行中らしい。

映画「鬼郷」にまつわるエピソードは、ハンギョレ新聞の記事「ひらひらと帰って来る少女たちを温かく迎える映画『鬼郷』http://goo.gl/lteUQPが詳しい。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【ニューヨーク/ニューシス 2016年2月2日】ノチャンヒョン特派員=

=「いくらなんでもこのようなことが...本当に信じられないですね。」

米国の観客は、しばらくの間、席を立てなかった。鉛のように胸が重かったのだろうか。衝撃と怒りに包まれたようだった。

実話を基にした慰安婦映画「鬼郷」(監督趙廷来)特別試写会が開かれた今年1月30日、ニュージャージー州エッジウォーターマルチプレックス映画館に集まった観客たちは一様に、日本軍慰安婦被害者らが経験した実状に身震いした。

この日の観客は、10代から中高年まで多様だった。外国人の観客たちも20%の割合を占めた。観客の中には、世界初の慰安婦キリム碑が建立されたニュージャージー州パリセーズ・パークJames Rotundo市長とゴードン・ジョンソン ニュージャージー下院議員など主流政治家たちも一緒に観た。

映画の中に描かれた少女たちのすさまじい苦痛に満ちた姿に、Rotundo市長の目もうす赤く充血していた。観客は「ぼんやりと描いていた慰安婦被害者問題が、いかに深刻な問題であるか、映画を通じて観たことによって、悟ることができた」とし「これまで他人事のように関心なかったことが、あまりにも恥ずかしかった」と口をそろえた。

ある男性の観客は「妻と共に来たのだが、映画を観ながら、あまりにもたくさん泣きながら衝撃を受け、最後まで見るのが難しかった。本当に、慰安婦ハルモニたちの苦痛が実感できた」と述べた。

知られているように「鬼郷」は、1943年15歳で連れて行かれ、地獄のような生活をした姜日出(カン・イルチュル)(88)ハルモニの実話をモチーフに作られた映画だ。姜日出ハルモニは、他の病気の少女たちと共に生きたまま火の穴に投げ込まれる危機から、朝鮮独立軍によって劇的に脱出した後、絵画などを用いて日帝の蛮行を証言した。

趙廷来監督は、2002年ナヌムの家でカン ハルモニの作品「燃える処女たち」を観てショックを受け、映画化を決意した。投資家を得られず、スタッフと俳優たちは才能寄付によって力を集め、7万3千人の市民たちがクラウドファンディングで制作費を集め、なんと14年の製作期間の後、昨年12月に最初の試写会を持つことができた。

今回のアメリカの試写会は先月23日、ロサンゼルスのセンミョンチャン教会での上映を皮切りに、28日コネチカット州大学とブラウン大学、29日ワシントンDCノーザンバージニア州カレッジ、そして最後の日程をメディアジョア(代表ハン・ジス)の後援で、ニューヨークで行われた。

映画を見たアン・ヘウォンさんは「20万人を超える少女たちのほとんどが、戦場で性奴隷を強要され、痛ましく死にいたったり、永遠に故郷の土を踏むことができなかったのではないか。 魂となってでも帰って来ることを願う『鬼郷』という題名が、あまりにも胸痛く迫ってくる」と述べた。

パリセーズ・パークの慰安婦碑の造景を無料で世話している日戦退会(日本戦犯旗退治市民の会)ベク・ヨンヒョン共同代表は「興行にならないことを知りながら、ご自身の青春14年を捧げた趙廷来監督に惜しみない拍手を送る。これは、勇気だと思う。趙廷来監督をはじめ、参加したスタッフと俳優たちを熱烈に声援する人が多いだろう」と感謝の気持ちを伝えた。

ベク・ヨンヒョン代表は「韓国のマスコミが「鬼郷」を集中的に紹介しなければならない」とし「監督は14年を捧げて映画を作ったのに、それを観る2時間も捻出できないと言うのは話にならない。海外同胞と国民全体が「鬼郷」を観る運動でも行おう」と提案した。

韓国語サイト:http://goo.gl/tbzQsA

 

 

 


【案内】[シンポジウム]日韓「合意」問題 連続企画シンポジウム(2/27、3/19)Fight for Justice

2016-02-16 16:38:49 | ご案内

Fight for Justice 日本軍「慰安婦」―忘却への抵抗・未来の責任

http://fightforjustice.info/?p=4161

チラシPDF(18.2MB)

 

[シンポジウム]日韓「合意」問題 連続企画シンポジウム(2/27、3/19)

2015年12月28日、日韓両外相が発表した「慰安婦」問題に関する「合意」は、何よりも日本軍「慰安婦」被害者の方がたの声に耳を傾けることなく「最終解決」とした点で容認できません。安倍政権は、形式的な「責任」と「謝罪」の表明と、韓国政府が設立する財団への10億円拠出だけで、「慰安婦」問題を「最終かつ不可逆的」に終わらせると約束させました。歴史教育に言及しないばかりか、朴槿恵政権は「平和の少女像」(平和の碑)の撤去・移転まで示唆しています。
日韓「合意」に対し、日本では歓迎ムードですが、韓国では被害女性たちや支援団体含め全国的な抗議運動が起こっています。

日本と韓国の世論の落差はどこに起因するのか――
被害女性が望んでいない「合意」で「慰安婦」問題の幕引きは許されません。
2つのシンポジウムをとおして、今後の課題を浮き彫りにします。

 

————————————————–

日韓「合意」と日本の「慰安婦」問題認識
――忘却のための「解決」は許されない

■「日韓「合意」の何が問題なのか」
吉見義明(日本史/中央大学教授)
■『帝国の慰安婦』事態と日本の知識人
鄭栄桓(チョン・ヨンファン、朝鮮近現代史・在日朝鮮人史/明治学院大学准教授)

コメント:北原みのり(作家)、金富子(植民地朝鮮ジェンダー史/東京外国語大学教授)
主催者あいさつ:中野敏男(歴史社会学/東京外国語大学教授)
コーディネーター:梁澄子(日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表

●日時:2016年2月27日(土)13:00開場、13:30~17:15
●会場:韓国YMCA地下ホール・スペースY(JR「水道橋」東口5分)
●参加費:一般1000円(非正規・学生500円)
●共催:日韓「合意」と日本の「慰安婦」問題認識シンポジウム実行委員会、
日本軍「慰安婦」問題web サイト制作委員会(FFJ)
●協力 御茶の水書房
●問合せ→ http://fightforjustice.info/?page_id=601#contact

 

————————————————–

「慰安婦」問題と現代韓国
――日韓「合意」の何が問題か 

韓 国を代表する韓国現代史研究者・アクテビィストの韓洪九さん(聖公会大学教授、Fight for Justiceブックレット3の共著者)を招いて、韓国の歴史的社会的文脈のなかで「慰安婦」問題がどう扱われてきたのか、今回の日韓「合意」をどうみる のか、朴槿恵政権はなぜ「合意」を推進したのかに関して講演を聴き、さらにコメンテーターとの応答を通じて、今後の課題を浮き彫りにします。

■講演:韓洪九(ハン・ホング)
コメント:梁澄子(ヤン・チンジャ、日本軍「慰安婦」問題解決全国行動共同代表)
吉見義明(日本史/中央大学教授)

主催者あいさつ:小野沢あかね(日本近現代史、女性史/立教大学教授)
コーディネーター:金富子(植民地朝鮮ジェンダー史/東京外国語大学教授)

●日時:2016年3月19日(土) 12:00開場、12:30~15:45
●会場:中央大学駿河台記念館281教室
(JR中央・総武線「御茶ノ水駅」3分、丸の内線「御茶ノ水駅」6分、
千代田線「新御茶ノ水駅」5分)
●参加費:一般1000円(非正規・学生500円)
●主催:日本軍「慰安婦」問題web サイト制作委員会
(日本の戦争責任資料センター
「戦争と女性への暴力」リサーチ・アクションセンター(VAWW RAC))
●協力:御茶の水書房
●問合せ→ http://fightforjustice.info/?page_id=601#contact

* 韓洪九:歴史学者。韓国聖公会大学教養学部教授。NGO平和博物館の創設メンバー。日本語で読める著書に『韓洪九の韓国現代史――韓国とはどういう国か』 『韓洪九の韓国現代史Ⅱ――負の歴史から何を学ぶのか』(平凡社)、『倒れゆく韓国』(朝日新聞出版)、最近刊『韓国・独裁のための時代―― 朴正煕「維新」が今よみがえる』(彩流社)など。Fight for Justiceブックレット3『朝鮮人「慰安婦」と植民地支配責任 Q&Aあなたの疑問に答えます』にインタビュー「自国の加害の歴史とむきあう~事実認 定と謝罪なき「和解」はない」収録。

 

160130_2rチチラシPDF(7MB)

 

 

 


【山尾志桜里議員VS安倍総理】2/15国会論戦を終えて・・・「政権とメディア」〔山尾しおりブログ〕

2016-02-16 14:25:38 | 報道

【2/15国会論戦】 民主党 山尾志桜里議員VS安倍総理

=政権とメディア、憲法の21条表現の自由対する総理の認識を問う=

https://www.yamaoshiori.jp/blog/2016/02/post-395.htmlより転載

政権とメディア

2016年2月15日

160215予算委員会 192.JPG
 今、予算委員会での質問を終えて、部屋に戻りました。
 第二次安倍内閣になってから、政権によるテレビメディア規制が厳しくなっています。
 その最たるものは、テレビメディアの政治的公平性の判断に関して、「番組の全体を見て判断する」という従来の解釈から「個別の番組のみでも判断できる」と大きく踏み込んだことです。
 この解釈が「政府統一見解」として提出されたことにより、所管である高市総務大臣の暴走にとどまらず、安倍総理のお墨付きを得た安倍政権の見解と見ざるを得なくなりました。
 
 今日の質問でこの問題を取り上げようと決意したきっかけは、自身のブログを読み返したことです。
2010年12月3日に掲載した「ロシアからの一人のキャスターからのメッセージ」と題するブログです。
当時は、民主党政権となって約1年半。与党議員として痛烈な批判にさらされながら、息子の出産を1か月後に控えていました。
政権とメディアの関係や、国会議員として子どもたちに手渡すべき価値観とは何だろうと、思いをめぐらし書いたブログです。
 
 「政権が思うように立ちゆかない責任のひとつをメディアに転嫁することは容易です。でも少なくとも、メディアと政権与党とが対峙する状態を維持していることについて、私たち日本人は誇りを持つべきですし、その状態を維持するために努力を続けるべきだし、綻びが見えたときには戦うべきだと思います」
 
このブログを書いてから一度の落選を経て、5年が経ちました。
今日の質問が、「綻びが見えたときの戦い」足りえたか。
 自問自答しながら、戦いを続けます。
 
 以下に、当時のブログの全文を再掲しましたので、もしよければ読んでください。
 
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ロシアからの一人のキャスターのメッセージ 10年12月 3日
 
 起きたときの雨模様も、出かけるころには晴れ上がって冬らしい青空。
 今日で会期終了です。
 イランでウラン精鉱数十トンが所在不明になっているとの報道や、「ヒ素を食べて増殖する細胞」の発見、ワールドカップ開催地の決定など、今日も気になる出来事がたくさんありました。
  そのなかで、必ずしもまだ大きく取り上げられていないニュースのひとつを紹介したいと思います。
  
  ロシアはいま、政権によるメディア支配が確立したとも言われています。真に独立していると評価できるのは、活字メディアでは「ノーヴァヤ・ガゼータ」(同紙の記者であったアンナ・ポリトコフスカヤ女史の暗殺についてはまだ記憶に新しいところです)、放送メディアでは「エーハ・マスクヴィ」、TVメディアは3大全国テレビ網とも事実上国営化されたと評されています。
  報道統制が進むロシアで、11月25日、1人の現職テレビキャスターが、「我が国のテレビは、政府の一部となった」とスピーチし、メディアの現状を批判しました。命を賭けた内部告発とも言えるこのスピーチの存在を、皆さんにも知っていただきたくて書きました。
  
  私は国会議員になってから特に、メディアに対して様々な感情を持つようになりました。率直に言って、「政権批判はともかく、政治家の揚げ足とりや、発言の恣意的な切り取り、ステレオタイプの政局論に無理やり押しこむような報道は辞めてほしい」と、マイナスの感情を持つことも多いです。
  集会で、支援者の方からは、民主党のメディア対応の不十分さも含めてではありますが、メディア批判をいただくことも少なくありません。
  でも、少なくとも、私たちの日本では、メディアが権力と対峙しています。
  「メディアが権力に追従せず対峙すること」、現在の日本では当たり前と思われている状態を勝ち取るために、命を賭けている人が、命を賭けた人が、命を落とした人が、この世界に現在もいて、その戦いを続けているということを、私たち日本人は、今一度知るべきだと思いましたので、今日、このニュースをお伝えしました。
  
  政権運営が思うように立ちゆかない責任のひとつをメディアに転嫁することは容易です。
  でも、少なくとも、メディアと政権与党とが対峙する状態を維持していることについて、私たち日本人は誇りを持つべきですし、その状態を維持するために努力を続けるべきだし、綻びが見えたときには戦うべきだと思います。
  「民主党はマスコミに金を配らないから、マスコミに叩かれるんだ」などという与太話が、まことしやかに流されることがあります。「うまく金を使っていい記事を書いてもらえばいいのに」などと笑いながら言う人に会ったこともあります。
  こういう冷笑主義の元にいる方たちは、このロシアのキャスター、レオニド・パルチョノフ氏の次のようなスピーチを聴いたとしたら、何を感じるのでしょうか。
 
 「テレビ記者にとって、政府高官は取材先ではなく上司だ。記者自身もジャーナリストでなく役人に成り果てた。テレビで批判や疑念を聞くことはない。私はテレビ界に24年間、身を置いてきた。これまで戦ってきたわけでなく、同僚を非難する資格はない。だが、少なくとも黒は黒と言うべきだ」

 

 ≪関連記事≫

放送法4条「政治的公平」めぐり、民主党が首相を追及 TBS News

 

 

 


【国会論戦】・・総理は、知らないんですね。「表現の自由の優越的地位」って、なんですか?

2016-02-16 14:15:27 | 憲法

 <国会論戦>民主党 山尾志桜里議員VS安倍総理
憲法の21条、表現の自由対する総理の認識を問う・・・

小原 美由紀さんFBより
 2月15日 衆議院予算委員会  民主党 山尾志桜里議員VS安倍総理 の一部を書き起こしました!

・・高市大臣が、3分以上にわたり、長々と答弁をする。

山尾議員...
「(高市議員に)委員長が三回注意されて、私が尋ねてもいないことを延々と述べられて、それを与党が大拍手でその質疑を遮る、というこの運営、委員長、どうなっているんですか? 質疑妨害もいい加減にしてください。

私は、憲法の21条、表現の自由、これに対する総理の認識を問うているんです。
総理がちゃんと憲法21条を、わかっているかどうか、国民のみなさんのまえで説明していただきたいと思っているんです。

尋ねます。
総理このまえ、大串議員に、「表現の自由の優越的地位ってなんですか?」と問われました。
この時、総理の答弁は、「表現の自由は最も大切な権利であり、民主主義を担保するものであり、自由の証。」という、かみ合わない、謎の答弁をされました。法律の話をしていて、私『自由の証』という言葉を私は、聴いたことありません。

もう一度たずねます。「優越的地位」とは、どういう意味ですか?
・・私が聴きたいのは、総理が知らなかったからごまかしたのか、知っていても勘違いしたのかを知りたいんです。どっちですか?

「表現の自由の優越的地位」って、なんですか?総理。
言論の自由をもっとも大切にする安倍政権、なんですか?
事務方がどんどんどんどん後ろから出てくるの、やめてください。」

安倍総理
「ま、これは、あの、ま、えー、いわば、法的に 正確にお答えをすればですね、経済的自由、そして、えー、精神的自由より優越するという意味においてですね、えー、この表現の自由が重視をされている、ということでございます。」

山尾議員
「今、事務方の方から教わったんだと思います
なぜ、精神的自由は、経済的自由に優越するのですか?
優越的地位だということは、なにをもたらすのですか?」

安倍総理
「ま、いわば、表現の自由がですね、この優越的な地位であるということについてはですね、これは、まさにですね、えー、経済的な自由よりもですね、精神的自由がですね、優越をされるということであり、いわば、表現の自由が優越をしているということでありますが、

いずれにせよ、ですね、それをですね、そうしたことを今、この予算委員会でですね、私にクイズのように聴くということ自体が、意味がないじゃあないですか。

そしてですね、もうひとこと言わさせていただきますとですね、先ほど、電波を止めるということについてですが、これは 菅政権においてですね、当時の平岡副大臣が全く同じ答弁をしているのでして、その同じ答弁をしているものをですね、これを高市大臣が言ったからと言ってそれがおかしいということについては、間違っているのではないか、このように思うわけであります。

山尾議員
「普段は民主党政権より良くなったと自慢して、困ったときは、民主党政権でもこうだった、と 都合よく使い分けるのは、やめていただけませんか?
     (外野、とってもうるさい)
ちなみに民主党政権では、「個別の番組でも政治的公平性を判断しうる」などと言う解釈はしたことはありませんし、
放送法4条に基づく 行政指導もしたことはございません。
明らかに安倍政権に比べて、人権に対して謙虚に、謙抑的に、おだやか向き合ってきました。

総理、もう一度お伺いします。

精神的自由が経済的自由より優越される理由、総理は今、優越されるから、優越されるんだ、といま、おいっしゃいました。これは、理由になっておりません。
これがわからないと、大変心配です。
もう一度お答えください。どうぞ。」

安倍総理
「内心の自由、これはですね、いわば、思想、考え方の自由を我々は もっているわけでございます。」

山尾議員
「・・総理は、知らないんですね。
(やいやい言ってた外野の声が、しん、となる。)

なぜ、内心の自由や、それを発露する表現の自由が、経済的自由よりも、優越的地位にあるのか。
憲法の最初に習う、基本の「き」です。
経済的自由は、たいへん重要な権利ですけれども、
国がおかしいことをすれば、選挙を通じて、これは直すことができるんです。

でも、精神的自由とくに内心の自由は、そもそも選挙の前提となる、国民の知る権利が阻害されるから、選挙で直すことができないから、優越的な地位にある。
これが、憲法で最初に習うことです。

それも知らずに、言論の自由を最も大切にする安倍政権だと胸を張るのは、やめていただきたいと思います。

**********

2月15日の報道ステーションでも一部とりあげられましたが、前後を含め、書き起こしました。       文責・小原美由紀

議場の騒然とした様子など、 動画もぜひご覧ください。

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

★書き起こしは、20分過ぎからです。

★「・・・総理、知らないんですね」は、24分45秒頃からです。