異教の地「日本」 ~二つの愛する”J”のために!

言論宗教の自由が保障され、ひとりひとりの人権が尊ばれ、共に生きることを喜ぶ、愛すべき日本の地であることを願う。

安倍晋三の反知性。情けないだけではなく、恐ろしいといわねばならない。(澤藤統一郎の憲法日記)

2016-02-24 22:17:19 | 憲法

http://article9.jp/wordpress/?p=6467より転載

澤藤統一郎の憲法日記

改憲への危機感から毎日書き続けています

安倍晋三の反知性。情けないだけではなく、恐ろしいといわねばならない。

2016年2月15日(月)の衆議院予算委員会の議事の記録を掲記する。政権与党の総裁であり、内閣総理大臣となっている安倍晋三という人物の反知性とそれを必死で覆い隠そうという低俗な人間性がよく表れている。これは国民必見の内容である。こういう人物が、日本の政治と行政のリーダーになっているという現実を、国民は見つめねばならない。

歴史を美化すること、歴史の恥部から目を背けることは許されない。過去に目を閉ざすものは未来に盲目となって、過ちを繰り返すことになるのだから。同様に、安倍晋三を美化し、アベ政治の恥部から目を背けることは許されない。政治の現状にも改革すべき未来にも盲目とならざるを得ないのだから。

正式な会議録はまだ公表されていない。しかし、中継動画で発言の正確性を確認することが出来る。質問者は民主党の山尾志桜里議員。以下は抜粋だが、出来るだけ恣意に陥らないように心掛けての掲載である。

○安倍首相
 …それと、テレビ番組に出演していて、私は当然、自民党総裁として呼ばれているわけであります。私も呼ばれれば、他の党の人たちも呼ばれる。その中にあっては、党として、この編集の仕方はどうなんですかということは当然言う。これは、言えば、いや、そんなことは安倍さん、ありませんよ、こうこうこうですよと反論すればそれで済む話じゃないですか。
私は、当該番組に大分昔に出たことはありますが、そのときも、拉致問題について、大きな大会をやってもおたくの番組は全然取り上げませんでしたねということを言って、当時の、筑紫さんだったかな、全く黙り込んでしまったこともございました。私は、必ずしもテレビ番組の制作方向、こういう番組をつくりたいという方向に常に協力するわけではありません。私の考え方を勇気を持って申し上げますよ。
テレビ局に対して物を言うというのは結構大変なことなんですよ。私は、それを言ったがために、当該番組から、かつて総裁選挙のときに、七三一部隊の石井中将と顔をリンクさせられて、イメージ操作されたこともあったんですよ。そういうことすらあったんですよ。これは、私にとっては相当のダメージだった。それは、私が議論をしたからなんですよ。議論をすればそういうこともあるんですよ。そういうこともあるということは、どちらの方が大きな権力を持っているか。
私は別に総理大臣として、裏において、権力を行使するときにこの番組は問題があるからといって行政組織に指示したんじゃないんですよ。この番組に一出演者として出ていて議論をしているわけであります。そういう議論がおかしいということ自体が私は、全く間違っているな、このように思います。

○山尾委員
 安倍総理がそういった答弁をされるのは、自分自身が内閣総理大臣であり、そしてまた政権与党のトップであるということ、自分がどういう力を持っているのか、政治権力とは何なのかということに全く無自覚であるから、そういう答弁ができるんだと思いますよ。
もし、自覚しておられてそういう答弁をしているのなら、総理は、憲法、特に21条、表現の自由について全く理解が足りないのではないかと思いますので、これに関して質問をさせていただきたいと思います。
総理、そもそも、時の政治権力がテレビ局の政治的公平性の判断権者となり、電波停止までできる、この制度解釈自体が検閲に当たり、許されないのではないか、こういう懸念の声もあります。総理、この電波停止ができるということは検閲に当たりますか、当たりませんか。

(高市が延々と答弁をする。)

○山尾委員
 委員長が3回注意されて、私が尋ねてもいないことを延々と述べられて、それに与党が大拍手でこの質疑を遮るというこの運営、委員長、どうなっているんですか。質疑妨害もいいかげんにしてください。
私は、憲法の21条、表現の自由、これに対する総理の認識を問うているんです。総理がちゃんと憲法21条をわかっているかどうか、国民の皆さんの前で説明をしていただきたいと思っているんです。
尋ねます。
総理、この前、大串議員に、「表現の自由の優越的地位って何ですか」と尋ねられました。そのとき総理の答弁は、「表現の自由は最も大切な権利であり、民主主義を担保するものであり、自由のあかし」という、かみ合わない謎の答弁をされました。
法律の話をしていて自由のあかしという言葉を私は聞いたことがありません。
もう一度尋ねます。優越的地位というのはどういう意味ですか。
私が聞きたいのは、総理が知らなかったからごまかしたのか、知っていても勘違いしたのか、知りたいんです。どっちですか。表現の自由の優越的地位って何ですか、総理。言論の自由を最も大切にする安倍政権、何ですか。
事務方がどんどんどんどん後ろから出てくるのはやめてください。

○安倍首相
 これは、いわば法的に正確にお答えをすれば、経済的自由より精神的自由は優越するという意味において、この表現の自由が重視をされている、こういうことでございます。

○山尾委員
 今、事務方の方から教わったんだと思います。
なぜ精神的自由は経済的自由に優越するのですか。優越的地位だということは何をもたらすのですか。

○安倍首相
 いわば表現の自由が優越的であるということについては、これはまさに、経済的な自由よりも精神的な自由が優越をされるということであり、いわば表現の自由が優越をしているということでございますが、いずれにせよ、そうしたことを今この予算委員会で私にクイズのように聞くということ自体が意味がないじゃないですか。
それと、もう一言言わせていただくと、先ほど、電波について、とめるということについては、これは民主党政権、菅政権において、当時の平岡副大臣が全く同じ答弁をしているんですよ。その同じ答弁をしているものを、それを高市大臣が答弁したからといって、それがおかしいと言うことについては、これは間違っているのではないか、このように思うわけでございます。

○山尾委員
 総理、ふだんは民主党政権よりよくなったと自慢して、困ったときは民主党政権でもそうだったと都合よく使い分けるのは、いいかげんやめてもらえませんか。
ちなみに、民主党政権では、個別の番組でも政治的公平性を判断し得るなどという解釈はしたことがありませんし、放送法四条に基づく行政指導もしたことがございません。明らかに、安倍政権と比べて、人権に対して謙虚に、謙抑的に、穏やかに向き合ってきました。
総理、もう一度お伺いします。
精神的自由が経済的自由より優越される理由、総理は、優越されるから優越されるんだと今おっしゃいました。これは理由になっておりません。これがわからないと大変心配です。もう一度お答えください。どうぞ。

○安倍首相
 内心の自由、これは、いわば思想、考え方の自由を我々は持っているわけでございます。

○山尾委員
 総理は知らないんですね、なぜ内心の自由やそれを発露する表現の自由が経済的自由よりも優越的地位にあるのか。憲法の最初に習う基本のキです。
経済的自由は大変重要な権利ですけれども、国がおかしいことをすれば、選挙を通じてこれは直すことができるんです。でも、精神的自由、特に内心の自由は、そもそも選挙の前提となる国民の知る権利が阻害されるから、選挙で直すことができないから、優越的な地位にある。これが憲法で最初に習うことです。それも知らずに、言論の自由を最も大切にする安倍政権だと胸を張るのはやめていただきたいというふうに思います。

(略)

○山尾委員
 最後に、報道の自由度ランキングを御紹介して終わりたいと思います。
自民党時代、報道の自由は、42位、37位、51位、37位、29位。そして、民主党政権になって、メディアに対して大変オープンになり、11位まで上がりました。現在の安倍政権は61位、最悪のランキングです。憲法と人権に関する総理の認識を聞くと、ある意味当然の結果ではないかと私は思いました。
ぜひ、総理、もう一度憲法の趣旨をしっかり考えていただいて、本当の意味で豊かではつらつとした議論をしていただきたいと思います。
以上です。

山尾議員の問題関心は、「首相が、憲法の最初に習う基本のキがわからないでは大変心配」「総理が知らなかったからごまかしたのか、知っていても勘違いしたのか、知りたい」ということだった。これは、山尾議員ならずとも、国民の大きな関心事である。

国会で、権力によるメディアへの弾圧が話題とされているときに、一国の首相の憲法認識がこんな情けないレベルでは困るのだ。いや、情けないにとどまらない。実は、国民にとって恐ろしい事態といわざるを得ない。

安倍は、「今この予算委員会で私にクイズのように聞くということ自体が意味がないじゃないですか」と逃げを打ったが、これは「クイズ」ではない。国民が知りたい「首相の資格」の当否である。権力を預かる地位にある者が、委託されるにふさわしい資質を持っているか否かの確認であり検証なのだ。

結果は、明らかに落第である。安倍晋三には、表現の自由の重さ貴さに対する認識がないのだ。我が国の首相が、事務方のメモ(カンニングペーパー)に助けられてもなお、法学部1年生終了時の憲法理解のレベルに達していないことも明らかとなった。所轄の大臣が「歯舞」を読めないとか。環境大臣が放射線量の規制基準根拠を知らないとか、かつての首相が「未曾有」の読みを間違えるとか、そんなレベルの問題ではない。国民の基本的人権にとって、恐るべき事態が、現にここにあることを認識しなければならない。

なるほど、知らないということは恐ろしい。同時に、知らないということほど強いこともない。アベ政権が、表現の自由攻撃にかくも果敢であり、憲法改正にかくも積極的な理由も、無知ゆえとすれば合点が行く。

事態はおそろべきものであることを正確に認識しつつも、このような反知性の蛮勇に負けていてはならない。
(2016年2月23日)

<関連>

 安倍政権が放送局への介入を躊躇しない理由が判明した/憲法:二重の基準論とは?

【国会論戦】・・総理は、知らないんですね。「表現の自由の優越的地位」って、なんですか?

【山尾志桜里議員VS安倍総理】2/15国会論戦を終えて・・・「政権とメディア」〔山尾しおりブログ〕

 

 

 

 


【東京新聞社説】自衛隊制服組 性急な権限拡大を憂う…文官優位の規定を変えたのが安倍内閣

2016-02-24 18:05:36 | 平和 戦争 自衛隊

東京新聞 TOKYO WEBhttp://www.tokyo-np.co.jp/article/column/editorial/CK2016022302000134.html

【社説】

自衛隊制服組 性急な権限拡大を憂う

 防衛省内で自衛官を中心とする統合幕僚監部が権限の大幅移譲を求めている、という。実力組織の性急な権限拡大は文民統制を危うくし、自衛隊への国民の信頼を損ねることにならないか、心配だ。

 かつて防衛省・自衛隊には一九五四年の発足から昨年まで採用されていた仕組みがあった。「文官優位(統制)」である。

 防衛相が各自衛隊を監督する各幕僚長に指示を出す際、官房長、局長ら「背広組」と呼ばれる内部部局(内局)の官僚が防衛相を補佐する規定だ。

 自衛隊発足当初は旧軍出身者が多く、文官優位の規定は、政治が軍事に優先する「文民統制(シビリアンコントロール)」の重要な手段と位置付けられていた。

 この文官優位の規定を変えたのが、安倍内閣による防衛省設置法改正である。この改正で各幕僚長らは官房長らと対等な立場で防衛相を補佐することになった。

 制服組の悲願でもあった文官優位規定撤廃の影響なのだろう。統合幕僚監部(統幕)がこれまで内局の運用企画局が担っていた「統合防衛及び警備に関する基本計画」策定に関する権限を、同局の廃止に伴って統幕に移譲するよう内局に求めている、という。

 有事に備えて、軍事専門的な見地から計画を策定することは必要だろうが、自衛隊は世界有数の防衛力を持つ実力組織だ。軍事的合理性だけではない、抑制的な対応も同時に求められている。

 特に、今後の計画には、集団的自衛権の行使を可能にする安全保障関連法や、昨年四月に再改定された日米防衛協力の指針(ガイドライン)の内容が反映される。

 内局を排して軍事専門家である統幕だけで計画を策定することになれば、実力組織がいよいよ独走を始めたのかと、国民に受け取られても仕方があるまい。

 自衛隊はこれまで国民に高い信頼を得てきた。内閣府による二〇一五年一月の世論調査では、国民の九割以上が自衛隊に「よい印象を持っている」と答えている。

 これは一朝一夕で得られた数字ではない。旧軍の暴走で国民を破滅的な戦争へと導いた反省から、戦後は憲法九条の下、専守防衛に徹し、抑制的な防衛力整備に努めてきた結果でもある。

 統幕への権限移譲が直ちに文民統制を脅かすことにはならないのだろうが、実力組織が急いで権限を拡大すれば、国民の誤解を招き、信頼を傷付けることになりかねない。慎重な対応が必要だ。

 

 

 


原発事故から5年 福島も関東も危ない! 放射能から 子どもを守ろう! 3.5(土)新宿デモ

2016-02-24 17:59:44 | ご案内

http://fukusima-sokai2.blogspot.jp/2016/01/35.htmlより転載

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原発事故から5年 福島も関東も危ない! 放射能から 子どもを守ろう! 3.5(土)新宿デモ

原発事故から5年、事故の収束はほど遠い状況で、各地に放射能汚染地域が広がっているのに、国と福島県は事故はなかったかのように福島帰還政策を進め、また原発再稼働を進めています。

私たちは3.11から5年が経とうとしている今こそ、放射能の被害から多くの子ども達、市民を守ろうと3.5新宿デモを行うことを決めました。

ぜひ、多くの皆さんのご参加で、全ての原発事故被害者への補償と放射能汚染された地域からの「避難の権利」の確立を勝ち取りましょう!

福島も関東も危ない! 

 

放射能から 子どもを守ろう! 

 

3.5(土)新宿デモ

 

 

2016年3月5日(土) 新宿駅アルタ前広場

スケジュール 午後1時〜 デモ前アピール
       午後2時〜 デモ出発 

 


          賛同団体、賛同人募集中です!

 

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脱被ばく実現ネット 活動ブログ 子ども脱被ばく裁判

福島の子どもたちを放射能の心配のない安全な地域へ避難させよう! あなたもご参加ください。

 http://fukusima-sokai2.blogspot.jp/

 

 


アベノミクスついに沈没、「消費税8%」がすべての間違いだった~失われた20兆円

2016-02-24 17:50:48 | 経済 金融

経済の死角http://gendai.ismedia.jp/articles/-/47957より転載

2016年02月24日(水) 週刊現代,高橋洋一

アベノミクスついに沈没
「消費税8%」がすべての間違いだった

「どうする?」「どうしよう……」〔PHOTO〕gettyimages

文/橋洋一(元財務官僚)

失われた20兆円

'12年の年末、アベノミクスが始まった当初、日本のGDP(国内総生産)は順調な成長を続けていた。アベノミクス開始時のGDPが約517兆円。これが、'14年3月には実に約535兆円にも達した。

ところが、'14年4月の8%の消費税率導入を境に状況が一変した。'14年度第2四半期までに、GDPが一気に約14兆円も急落してしまったのだ。

その後もGDPは伸び悩み、直近の'15年7-9月期の数字は約530兆円。私の試算では、仮に消費増税さえしていなければ、GDPはその後も右肩上がりの成長を続け、今頃は約550兆円まで達していただろう。

差額は20兆円。これだけの金額が、増税によって失われたのだ。

この20兆円分の伸びがあれば、物価も上昇し、賃金も消費も好調という、良好な循環が生まれ、昨年中には「デフレ脱却宣言」ができただろう。日経平均株価も2万円台、為替も1ドル=120円の水準は保てたはずだ。

そもそも、GDPの6割を個人消費が占めている以上、増税による消費減退でGDPが下がるのはわかりきっていた。

増税の影響で失われた20兆円のGDPを国民一人頭で割ると、約15万円。所得が15万円も下がったと考えれば、買い物をする気が失せるのも当然だろう。

いま、日本では格安商品ばかりが売れる、デフレ時代と同じ状況が生まれている。アベノミクスの目標である、2%の物価上昇に相反する事態が起きているわけだ。だが、経済学の常識からして、増税すれば物価が下がるのは自明の理だ。

優秀なはずの財務官僚たちはそんなことすら理解できていなかった。自分たちの歳出権を拡大するため、なんとしても消費増税を可決させようと、「増税をしてもGDPは下がらない」という机上の空論を組み立て、押し切った。

5%に戻すしかない

失われた20兆円のGDPから試算される消えた税収は約5兆円。一方で、消費増税で増えた税収は約8兆円。

「3兆円多いのだから、増税のほうがいいのでは」と思うかもしれない。

しかし、冷静に考えると、増税によって税収を8兆円増やすのと引き換えに、一人当たり15万円のGDPを吹き飛ばしてしまったのだ。これが日本経済に与えたダメージは、計り知れない。

収益が上がらないのに税負担だけを増やしたので、企業は苦しみ、賃金も上がらない。消費も当然伸び悩む。アベノミクスの理想とは真逆の悪循環にはまりこんでいる。

結局、無知な財務官僚が身勝手な思惑で推し進めた増税で、国民は8兆円を取り上げられたあげく、本来、得られるべき所得までを失ったのだ。

この状況に、本来であれば、「責任をもって2%の物価上昇を達成させる」と明言している日銀の黒田東彦総裁こそが、「増税で物価が上がらないのなら、失敗を認めて減税するか、景気対策をしてください」と政府に強く進言すべきだろう。

だが、黒田総裁は「消費増税で成長が大きく損なわれることはない」と繰り返し発言してきた手前、今更もう何も言えない。起死回生のマイナス金利政策も、消費増税のダメージが大きすぎたため、いまのところ本来の効果が出ていない。

もし、安倍政権が予定通り、'17年の春に10%への増税を実行すると、どうなるか。8%増税の時と同じくらい、いや、それ以上の致命的なダメージを引き起こすだろう。

3%の増税でGDPが14兆円急落した。ということは、上げ幅が2%なら、単純計算で約10兆円のGDPが一瞬で失われる。さらに、今回は中国経済失速などの要因も加わるため、長期的に考えれば、8%増税時を上回る規模のGDPが失われる可能性がある。

消費増税が引き起こした負の連鎖から脱却するには、いますぐにでも消費税を5%に戻すのがベストなのは言うまでもない。だが、政府もいまさら引き返せないだろう。

それでも、本気で景気回復を目指すのならば、取れる策は消費減税の他にもいくらでもある。

例えば、国の特別会計上で余った資金、すなわち、いわゆる「霞が関埋蔵金」を使う手だ。

「外国為替資金特別会計」には円安の含み益の約20兆円、「労働保険特別会計」には約7兆円もの埋蔵金がある。これを原資に、国民に10兆円規模の給付金を配り、増税の痛みを和らげる。

この「埋蔵金10兆円バズーカ」をぶっ放し、景気に良好な刺激を与えて上向かせたところで、日銀が一気に金融緩和を推し進め、国債の購入量を今の80兆円から100兆円まで増やす。

極端な話に聞こえるかもしれないが、ここまでしてようやく、「8%増税の呪縛」は払拭される。

それほどまでに、消費増税が日本経済に与えたダメージは大きい。

「週刊現代」2016年2月27日号より

 

 

 


英大手紙が“安倍の圧力でTV司会者降板”と報道!「日本の国際的評価を打ち砕いた」

2016-02-24 17:27:09 | 報道

http://lite-ra.com/2016/02/post-2004.htmlより転載

英大手紙「ガーディアン」「エコノミスト」が“安倍の圧力でTV司会者降板”と報道!「日本の国際的評価を打ち砕いた」

2016.02.24
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古舘プロジェクトHPより


「萎縮はしないんですよ、毎晩の報道を観ていただければわかるように。それはですね、むしろ言論機関に対して失礼だ」と、2月、安倍政権下での“メディアの萎縮”を否定した安倍首相。さらにはこうも述べた。

「外国から誤解される恐れがある。まるでそんな国だと思われるわけでありますから」(4日、衆院予算委での答弁)

「誤解」ではない。事実である。安倍首相は昨年3月16日の国会でも、衆院選前報道をめぐる民放テレビ局への“クレーム”を追及され「国民に放送されている場で圧力をかけることはあり得ない」と嘯いたが、これも大嘘だ。

 そして、いまや世界も、日本が「そんな国」であることを看破しつつある。最近、イギリスの複数新聞が、立て続けに“安倍政権の圧力により3人のテレビ司会者が番組を去ることになった”と報じたのだ。

 まずは英大手一般紙「ガーディアン」。2月17日付で、「政治的圧力のなか日本のTVアンカーたちが降板する」(Japanese TV anchors lose their jobs amid claims of political pressure)というタイトルの記事を公開、ウェブ版で全世界に配信した。

 その内容は、日本で〈タフに疑義を呈することで定評のある〉報道番組の司会者3人が、同時期に番組を降りることになったと伝えるもの。ご存知のとおりその3人とは、テレビ朝日『報道ステーション』の古舘伊知郎氏、TBS『NEWS23』の岸井成格氏、そしてNHKクローズアップ現代』の国谷裕子氏のことだ。

「ガーディアン」は3氏の名前と番組名を具体的に挙げて降板に至る経緯を説明しながら、先日の高市早苗総務相による「電波停止発言」を問題視。そして、数々の例をあげて〈安倍が放送局の編集の独立権の議論を紛糾させるのは、これが初めてではない〉と強調する。

〈2005年、安倍は、NHKスタッフに戦時中の従軍慰安婦についてのドキュメンタリー番組の内容を変更させたことを、自身で認めている〉
〈安倍が2014年暮れに突如、総選挙をぶちあげたとき、自民党は東京のテレビキー局に対して、報道の「公平中立ならびに公正の確保」を求める文書を送りつけた〉
〈また、安倍は公共放送NHKの会長に、オトモダチの保守主義者である籾井勝人を据え、編集方針に影響を及ぼそうとしているとして非難されている〉
〈報道関係者を懲役5年以下の刑に処すことを可能にした2013年の特定秘密保護法の成立と同様、メディアへの脅迫の企ても日本の国際的評価を打ち砕いた〉

 他にも、記事では国境なき記者団による世界報道自由ランキングで、05年に12位だった日本が15年には61位まで低下したこと、昨年11月に国連の表現の自由に関する特別調査官デイビッド・ケイ氏の訪日調査を政府がキャンセルしたことなども触れられているが、こうした事態が英国と比較して異常だと受け止められていることは明らかだ。「ガーディアン」はこの記事の冒頭で“もしもBBCの著名なジャーナリスト3人が同時にキャスターをやめたら、英国の政治家の多くは大喜びするだろう”と皮肉を込めて書いている。

 さらに、英経済紙「エコノミスト」も2月20日付で古舘氏、岸井氏、国谷氏の番組降板問題を大きく取り上げた。タイトルは「日本におけるメディアの自由 アンカーたちがいなくなった」(Media freedom in Japan Anchors away)で、こちらは一層安倍政権に批判的なトーンである。

 記事では、冒頭から“日本の標準から見れば力強く政権批判を行う司会者である3名がそれぞれ同時に番組を去るのは、偶然の一致ではない”と断言。3氏降板の背景を深く掘り下げて報じている。

 たとえば、岸井氏については、放送のなかで自衛隊の海外での役割を拡張する安保法案の違憲性に疑問を付したが、それは〈ほとんどの憲法学者も指摘していたことと同じものであって、高級官僚たちも、日本には危険な近隣諸国があり、より安全保障を強化しなければならないという見地から安保法案を正当化しているようなときにあってさえも、官僚たち自身も私的には法案が憲法に違反するものであることを認めている〉と指摘。

 しかし、岸井氏の番組内発言は、本サイトで何度も追及している「放送法遵守を求める視聴者の会」なる安倍応援団の槍玉にあげられてしまうのだが、これについても〈保守派団体がテレビ放送を許諾された者の公平中立性に反するものだと、彼を非難する意見広告を新聞に載せるという行動を招いた〉と、はっきりと報じている。そのうえで「エコノミスト」は、〈TBSはその意見広告の影響を否定しているが、それを信じる者はほとんどいない〉と断じているのだ。

 また、国谷氏に関しては、“NHKはなぜ彼女を降板させるのか口にしないが、『クロ現』内での菅義偉官房長官へのインタビューに原因があったと同僚たちは言っている”と伝え、政治家と日本のメディア両者の態度を説明。英米のジャーナリズムと比較して、このように批判する。

〈菅氏は、ジャーナリストの質問に対して事前通告を要求し、報道組織を厳しく監督することで知られる。だが、インタビューの中で国谷氏は、無謀にも新たな安保法が日本を他国の戦争に巻き込む可能性があるのではないかと質問した。イギリスやアメリカのテレビの、政治家との口角泡を飛ばすような激しい議論の基準からすれば、国谷氏と菅氏のやりとりは退屈なものだった。しかし、日本のテレビジャーナリストというのは、政治家に対してめったにハードな疑問をぶつけたりはしないものなのだ。菅氏の身内たちは彼女のこうした質問に激怒した〉

 

 ここからもわかるとおり「エコノミスト」は、単に安倍政権による報道圧力だけでなく、その温床となっているテレビ局の体制もまた問題視している。記事では、大メディアの幹部たちがたびたび安倍首相と会食をしていることに触れ、マスコミのあり方にもこう苦言を呈すのだ。

〈報道機関に対する政治的圧力は今に始まったことではない。五つの主要なメディア(日本の五大新聞は主要な民放と提携している)は、各社の社風や商業的方針から体制側の見解を垂れ流す傾向にあるので、それを精査したり敵対的に報道することはめったにない。彼らの政府との親密ぶりは度を超えている〉

 本サイトも常々指摘していることだが、まず安倍政権は会食などでメディア関係者を懐柔しながら“忖度”の下地をつくりあげる。そして、それでも健全な批判的報道を行う番組や司会者に対しては、表立った抗議という名の恫喝、あるいは応援団を動員して圧力をかけ、局幹部に彼らを降板させるよう仕向けるのである。

 こうした構造的な日本のマスコミと政府の報道圧力をめぐる現状は、海外のジャーナリズムのフィルターから見ると、あらためて奇妙で異形なものに感じられる。前述の「ガーディアン」「エコノミスト」だけでなく、他にも英紙では「インディペンデント」が20日付で、同じく古舘氏らの降板問題を批判的に取り上げているが、おそらく英字で発信されたこれらのニュースは、アメリカやフランス、ドイツなど他の欧米メディアにも波及し、世界中に轟き渡るだろう。

 本稿でとりあげた「エコノミスト」の記事の最後の一文は、このように締めくくられている。

〈政府はメディアと一歩も引かない度胸試し(チキンゲーム)をしている、と古舘氏は言う、そして、政府が勝利した〉

 国内マスコミを御すことはできても、海外メディアの目まではごまかせない、ということだ。安倍首相はこれでも、「報道圧力はない」「メディアは自粛していない」と言い張るのだろうか。
小杉みすず