ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

「唐招提寺」のうちわまき。厄を祓い、福を招くうちわ。天平時代を思わせる舞楽などの奉納も、

2015-05-21 | 奈良、近畿

京都から、近鉄特急に乗って約30分。ミモロは、西ノ京にある「唐招提寺」にやってきました。
ここは、鑑真和上が建立したお寺。広大な境内には、国宝や重要文化財の建造物や仏像などが、いろいろあり、見どころもいっぱい。

毎年、5月19日にここでは、「中興忌梵網会法要」通称「うちわまき」が行われます。

ミモロは、ご招待いただき、その法要に出かけました。

午後1時から、講堂および金堂の間に、舞台が作られ、そこで舞楽奉納などが行われます。
その周りには、大勢の人たちが…。
龍笛や笙の音が響き、いよいよ舞楽の奉納が始まりました。

ミモロも人垣の合間から、舞台を見上げます。
 
天平時代を思わせる舞と楽…。「京都とは、また違った趣がある~」とミモロ。そう、京都は、平安時代から、奈良は、それ以前ですからね。

ところで「唐招提寺」のうちわまきとは何か…というと、それは
鎌倉時代戒律を復興した大悲菩薩覚盛上人(だいひぼさつ かくじょうしょうにん)の法要。
上人が修行中に、蚊がさしているところを目撃した弟子が、それを叩いて落とそうとしたとき、「自分の血を蚊に与えるのも、菩薩行である」と戒めたという故事があり、その徳をたたえ、上人が亡くなられたときに、法華寺の尼僧が、「蚊をうちわで払って差し上げたい」と、ハート型のうつわをお供えしたことが、始まりだとか。5月19日は、上人の命日に当たります。


鼓堂の2階からまかれるハートの形の宝扇を授かることで、厄除け、福招きのご利益があるといわれ、毎年、多くの人々が、この日、お寺に集まります。

以前は、下で待ち構える人で、ごったがえした境内。人々が団扇を奪い合い、けが人も出るなど、危険性が高まったことから、近年は、まく団扇の数も制限し、参加できる人も400人となりました。ほかのうちわは、手渡しされるか、1本1000円で販売されることに。

奈良で行われる祭事で、危険度が高いといわれたのは、東大寺のお水取り。火の粉が舞い、服を焦がす人が続出。でも、近年、真上から火の粉が落ちなくなったので、その危険性はなくなり、この唐招提寺のうちわまきが、危険度1位になっていたのだそう。そこで、うちわの配布方法を変えて、その危険度を低下させたのだとか…。
確かに危険度は、激減したけれど、うちわ獲得の達成感も減ってしまい、ちょっと残念という声も…。

「でも、参加券をゲットできた達成感はあるかも…」とミモロ。9時に配布される参加券を求め、7時ごろから順番待ちがはじまるとか。近郊の人しか、なかなか9時前に、来れないかもしれませんが…。

「あ、始まった~」。「うちわまき参加券」をゲットできた400人の人が、さらにグループわけされて、鼓堂の下に…。「おひとり1本受けられた方は、他の人にゆずってください~」とのアナウンス。以前のような興奮は、もはや見られなくなりましたが、それでも、争奪戦は大変です。
「うちわは、破れても、大切にお持ち帰りください~」と。思わずつかみ損なって、破れることもしばしばだとか。

僧侶の手から、放たれたうちわは、ひらひらと宙を舞い、下へと落ちてゆきます。

「9時に並んで参加券もらえた人は、全員、うちわもらえるのかなぁ~」と、心配するミモロでした。

境内には、全国の名士の方々が、書や絵を描いた奉納うちわが展示されています。

その中には、芸能人やスポーツ選手、書家、画家などのうちわも…。

さて、ミモロはというと、ご招待状を頂いていたので、「うちわ、いただけるんだって~」と、一般のうちわまきが始まる前に、引換所へ向かいました。

「あれ、福引所だって~」ガラガラと福引の音がしています。
係りの方に券を渡すと「はい、1回まわしてください…」と。「え、うちわ引き換えるだけじゃないの?なにか当たるの?」よくわからないまま、福引を…。

「はい、赤い玉ね~。これどうぞ~」と渡されたのは、洋画家が描いたという絵うちわです。

「よくわからないけど…なんか当たったみたい…」この絵うちわは、2本あって、1本は、お寺に奉納されるそう。
特別のうちわを頂いて、「これで厄を祓って、福を呼び込むんだ~」とうれしそうなミモロです

福引を終えて、次は、抹茶を頂くことに…。お席に入る順番待ちを中興堂の縁側に座っていたら、法要が始まりました。
このお堂では、うちわまきの始まりとなった覚盛上人の坐像が特別公開されています。
その上人の坐像の前で、大勢の僧侶が、般若心経を唱えます。
そこには、唐招提寺の館長さまのお姿も…。
ミモロとお友達は、縁側から慌てて降りると、そのそばに立ち、頭を下げ、手を合わせて、じっとお詣りしています。
「もう、うちわで福がきたのかなぁ~唐招提寺のお坊さんたちの般若心経が聞けて、感激…」とミモロ。

お茶席で、やっと順番がまわり、お菓子とお抹茶を頂き終えたときは、すでに3時過ぎ。

「美味しいお茶とお菓子で、疲れもとれるね~」散策で疲れた足を休ませるひとときです。

ミモロがお茶を頂き終ったころ、境内ではうちわまきが始まりました。慌てて、外に出て見学を…。

「なんかすごく充実した時間を過ごした気がする~」と。5時間を過ごした唐招提寺。
ひとつのお寺にこれだけ長い時間過ごしたのも珍しいかも…。

頂いたうちわを背負い、うれしそうにお寺を後にするミモロです。


お寺の規模が大きいせいか、京都のお寺のように観光客でいっぱいという感じはありません。
「仏像もそばでゆっくり拝見できるし、なんかのんびりした感じがすごくいいね~」とミモロ。

「まだ、薬師寺入れるんだって~」と、17時まで入れる薬師寺へと向かいました。


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