ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

数寄屋建築の「中村外二工務店」の指物部が作る、洗練された照明のお店「興石(kouseki)」

2016-01-31 | ものづくり

数寄屋建築の匠が働く「中村外二工務店」。1988年に、2代目中村義明さんによって、指物部と家具部が作られ、その製品を販売するお店「興石」が設立されました。

ミモロは、「中村外二工務店」の仕事場を見学した後、そのお店も伺うことに…。
「興石」の指物部の作業場も、ちょっと見学…。
細く削られた木材を巧みに組み合わせ作り上げられる作品。
 
設計から製作まで一貫して行われる作業場です。

数寄屋建築を建てる場合、普通は、建物をつくる大工さん。そして、内装の戸、照明器具、作り付けの戸棚などは、それを専門とする別の職人さんが担当するのが一般的。でも、「中村外二工務店」では、完成度を高めるために、それをすべて内部の職人さんたちが行います。それが指物部であり、家具部の設立に…。

「とても建物全体を作っていただくわけにはいかないけれど、改装の場合、「中村外二工務店」にお願いしたい…」という料亭、旅館、一般住宅なども多いそう。

そんなニーズに応えるのが「興石」です。

北大路通に面したお店は、だれでも訪れることができます。
 
1階は、照明器具が並ぶショールーム。そして2階・3階が、家具部のショールームで、北欧家具が並んでいます。
まずは、1階から見学しましょう…。

「わ~いろんな照明が並んでる~」
 
数寄屋建築にふさわしい品格ある姿…。
「すごく端整な姿…」と、そばでよく見ると、その精巧な仕事のすごさに驚きます。

そもそも数寄屋建築が生まれた時代は、電気がありませんから、照明器具というのも、行灯やろうそくだったはず。

凛とした雰囲気漂う数寄屋店築には、それにふさわしい照明の形が求められます。

指物部の鳥原さん。「興石」の照明器具の企画、デザイン、製作、販売まで担当するベテラン。千葉大の工学部建築学科の卒業後、指物師の修業をなさった方。


精密な計算しつくされたデザインから生まれる照明。
  
素材の性質と強度、細い接着部分の構造などを知り尽くし、計算し尽された形です。
「どうしてこんな風にできるんだろ?」とミモロが真剣に見つめるのがわかります。
 
きわめて薄い杉板を貼った照明…内側からの光をやさしく外に放ちます。
「接着部分がすごく少ない…それなのにどうしてこの形を保てるの…」と、ミモロは、驚くばかりです。

あらゆる装飾を削り、フォルムだけの美しさ…まさに数寄屋建築に似合う洗練美がそこに…。

「電気売り場にある日本の照明器具って、なんかかっこよくないよね~」と、ミモロ。
日本の場合、照明器具は、内部の電球や蛍光灯、LED電球などの発達を主体に進んできたと思われます。
明るいリビング、明るいトイレ…昔、「トイレの100ワット」=「無駄な明るさ…」というギャグがありました。
今や、日本の家庭には、闇が全くありません。トイレだって、100ワットをつけてるところもありますから…。
だから子供たちが、トイレを怖がるというのは、昔の話。

かつて日本の家屋、特に数寄屋建築では、月明かりや雪あかりを楽しんだはず。
そこは、決して、隅々まで照らされる灯りはなく、闇と光が共存した世界があったのです。

影、闇があることで生まれる奥行き感…今の日本の住宅は、どこも明るく、のっぺりとして奥行き感がありません。
どんなに素敵なお座敷も、天井から煌々とLED電球の照明器具で照らされては趣など皆無に…。

「興石」の照明器具は、フォルムの美しさと共に、優しい光を放ちます。
「ペンダントタイプの器具の中に蛍光電球入れちゃダメ…」そう、白熱電球の色が似合います。
吊り下げタイプの照明器具でも、決してサークルタイプの蛍光灯が入るように設計されたものはありません。
「きっと鳥原さん、蛍光灯嫌いなんだよ~」と、勝手に想像するミモロ。
鳥原さんが、蛍光灯が嫌いかどうかは、不明ですが、数寄屋建築には、似合わないと思われているのは…。

はっきり言って、家電メーカーが作る照明器具のようなギラギラした明るさはありません。
部屋の隅には、暗い部分が生まれるような灯りなのです。
「すごく落ち着くんだよね~」とミモロ。実は、ミモロの家にも、1つだけガラスタイプのこちらの照明器具があります。
やはり中には、白熱電球を入れています。「でも、いままで使ってた白熱電球、製造停止になったんだって…」
そう、なんとファラメントがある白熱電球の製造は、大手では停止になり、LED電球の白熱灯タイプしか買えなくなってしまいました。「コンビニにも、白熱電球売ってないよね~」とミモロ。それで、買い置きしています。

「なんかLED電球って、形が変な気がする…前からある照明器具に形合わないんだよね~」と不満そうなミモロです。


「興石」のショールームの一角には、お座敷がしつらえられています。

そこには、スタンドタイプの照明が…
「こういう間接照明って、心が落ち着くんだよね~」とミモロ。

現代生活は、あまりに長時間、明るい光に照らされすぎているのかもしれません。
「桜や楓も夜にライトアップしすぎると、疲れちゃうんだって…」とミモロ。
PCにスマホ…いつも光を発するものを見つめています。
「ぜったい、こういう生活…心にも体にも悪いんじゃないの~人間だって、生き物だから…」とミモロ。

「やさしい光と闇のある生活の方が、人間らしいのかもよ~」とネコに言われて、思わずうなずいてしまいます。

「このお椅子もすごく座りやすい・・・・」
「それは、畳の上で使えるように、足の部分が工夫されているんですよ~」と、そばで中村さん。
「ホント、畳に椅子の足のあとが着かないように、なってる~」畳に接着する部分に横木が渡り、座る体重を分散させています。

「こういう家具、和室にあったらいいね~」と憧れのまなざし。最近、椅子を希望されるお客様が多い、料理屋さんや旅館に使われるお椅子です。

「ミモロちゃん、そろそろ家具のショールーム行きましょう…」と、ミモロの見学をお世話してくださっている中村さん。
「は~い」ミモロは、建物の2階へと移動しました。


*「興石」京都市北区紫野西御所田町15 075-415-2818 営業時間10:00~17:00 日曜・祝日休み)不定休の場合も)ショールームを訪れるときは、電話で予約を…




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ミモロの工房見学。日本を代表する、現代の数寄屋建築を手掛ける「中村外二工務店」の作業場を見学

2016-01-30 | ものづくり

今、日本を代表する数寄屋建築を手掛ける工房として国内外に知られる「中村外二工務店」。
ミモロは、その工房を見学させていただくことに…。
 
大徳寺のそば、北大路通沿いにあるお店。その奥に、工房があります。

初代の中村外二さんは、富山県出身。大工の腕を磨き、やがて京都で認められ日本を代表する数寄屋建築の棟梁になりました。
時代を超え、脈々と受け継がれる数寄屋への美意識と技…それを踏まえながらも、現代感覚を巧みに取り入れた「現代の数寄屋」への挑戦もなさった”大工”さんです。

茶人なら、「中村外二工務店のお茶室が欲しい…」と、憧れを抱くもの…。

”大工”というと、そのイメージは、木材を使って建物を作る人。大規模なビルやマンションなどを作るのは、建設業者と言われます。大工さんの中でも、一般住宅を作る大工、また神社仏閣を手掛ける宮大工など、それぞれの得意とするもの、また使う技術も異なるのです。

なかでも数寄屋建築は、安土桃山時代に茶道の発展と共に、それまでの豪華な意匠の書院造りを嫌う茶人たちが、虚飾を排除し、自然素材の趣を活かし、質素な雰囲気を持ちながらも、洗練された空間で、心を重んじたもてなしをしたところ。茶室という小規模な空間(世界)を構築する大工さんに求められたのは、自然素材の特性・趣を活かし、それを主人の好みや思いを伝える洗練された意匠を表現する、高度な技術と優れた美意識です。

特別に見学することになったミモロ…その作業場にドキドキしながら入ります。

「わ~木材がいっぱい…いい香りがする…クンクン」ミモロの鼻を、木の香りがくすぐります。
工房には、たくさんの木材が…
ふつう、工務店は、施主から注文を受けてから、材木屋さんに建設予定の物件に合うものを探し、注文します。でも、ここ「中村外二工務店」では、材木屋さんもビックリするほどの量と、またなかなか手に入らないような上質の木材を、備蓄しているのです。
数寄屋建築には、丸太をそのまま使うことが多いそう。柱や桁など、長いまっすぐな丸太は、美しいだけでなく、強度にも優れています。

ここでは、材料を原木で購入し、何年もかけてゆっくり適正になるまで乾燥させるのだとか。
つまり、今、建築に使われる材料は、この工務店の倉庫で、何年も大切に、出番が来るのを待っていたものなのです。

「自分たちが使いたい材料は、なかなか他では見つけるのが難しいんで、いいなぁと思った木材は、あらかじめ用意しておかないと…」と三代目となる中村公治さん。

1本何百万円もする丸太は、ざら…。「どれを見ても、すごく美しい…こんなに細くて真っすぐな丸太見たことないかも…」と、素人のミモロでも、その素晴らしさが伝わってくる丸太です。

「中村外二工務店」の代表作といえば、松下幸之助さんが寄進した伊勢の神宮茶室。皇族の方々が参拝なさるときなどの迎賓館として使われる数寄屋造りの建物です。何年も時代を超えて残り、誇られる建物を作るのが、この工房の仕事なのです。

工房では、さまざまな役割を担った方々が、黙々と作業をしています。
ミモロは、お邪魔しないように、十分気を付けながら、工房の中を見学します。


「わ~きれいな竹…」
艶やかで、なんとも品格を漂わせる竹が、大きな机の上に並んでいます。
「これは、組み合わせて塀や壁に使うんですよ」と、棟梁の升田さん。50年くらいここで仕事をなさっているそう。
「こういう風に隙間がないように合わせるんですよ」と、ミモロに資料を見せてくださいました。
 
「竹は、節があるし、それぞれ癖がありますから、それを隙間なく組み合わせるには、それぞれを微妙に削ってゆくんです」と。「え~そんなに手間がかかるんだ~」とミモロはビックリ。「そうです…」

数寄屋建築は、まさにミリ単位の作業が続きます。いいえ、それ以上かも…。

「みんなすごいね~」と、仕事をそばで見ては、ただただ感激…。

そんな技を支えるのは、さまざまな道具…
よく手入れされた道具が並びます。

さまざまな年齢の方がいる工房。茶室に代表される数寄屋建築の仕事をするために、大工見習のお弟子さんたちは、お茶を習うのだそう。お茶の作法や決まり事を学ぶことで、茶室を使う人の心を知るとともに、自ずと所作が整うのだそう。

5年間の修業期間。朝から晩まで、掃除や下働きに走りまわる年月です。そこで先輩の動きを知り、道具や材料の使い方を学び、さらに現場や依頼主への振る舞いを身に着けてゆくのだそう。

「いろいろ勉強になります…ミモロももっと修業しなくちゃ…」と。一体何を修業しようとしてるかわかりませんが、工房を見学して、何か感じたようです。

いいのお掃除のお手伝いしなくて…。

「そう?」

頂いた資料を読む進むごとに、数寄屋建築に携わる方々の本物と向き合う真摯で真剣な姿に感動しました。


「中村外二工務店」は、料亭「高台寺 和久傳」をはじめ、東京丸の内の「和久傳」、そして個人のお宅も手掛けています。

「ミモロちゃん、『興石』という照明とデンマーク椅子のお店もありますから、そちら見ますか?」と中村さん。
「はい、見せていただきたいで~す」と、ミモロは、工房のみなさんに挨拶してから、中村さんの後につづき、北大路通にめんしたお店へと向かいました。


*「中村外二工務店」京都市北区紫野西御所田町15 075-451-8012 

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京都に来たお友達を連れてゆきたいランチ。民芸館のような祇園「十二段家 本店」のすき焼き弁当

2016-01-29 | グルメ

「ミモロちゃん、久しぶりにランチいっしょにしましょう~」とお友達のお誘いで祇園の花見小路にやってきたミモロ。
「どこで食べる?」と、ウロウロ…。「ここ入ったことない…」と前から気になっていた「十二段家 本店」へ。
古い趣ある町家で、観光客も大勢訪れるお店です。
花見小路に面した入口は、「十二段家 花見小路店」で、こちらは『大エビの天丼」や「うなぎのせいろ蒸し」など、観光客でいつも賑わいますが、「こっちにも入口がある…」 角を東に入ったところにも暖簾が掛かっています。ここが、「十二段家本店」の入り口。
「わ~ここは1万円クラスのお料理ばかりだよ~」とメニューを見て、しり込みするミモロ。

でも、その横に、お弁当2500円という表示が下っていました。「これなら手が届く…」と、ちょっと贅沢ですが、お店の中へ。
 
暖簾をくぐると、玄関が…水盤には、金魚も泳いでいます。
「あの~こんにちは~予約してないんですけど…」と中に声を掛けます。
「わ~雰囲気あるお店…」 
「ランチは、お弁当だけですけど、いいですか?」とお店の方。「はい、お願いします」「では、お二階へどうぞ…」
かつてお茶屋さんだったという建物は、京都らしい風情あふれるもの。長い間使われたタンスなどがいっそうの趣きを。

2階に上がる前に、ミモロが目を止めたのは、大きな虎が描かれた襖です。
 
躍動感ある筆運び…もしや…と近づいて見ると「やっぱり棟方志功の虎だ~。あの~本物ですか?」と、失礼な質問を…。「はい、本物です」とお店の方。「う…玄関先にこんな作品があるなんて…もしやすごいお店なんじゃないの~」と、期待しながら2階へ。

ミモロの期待通り、店内のいたるところに、民芸の品々や骨董品がさりげなく置かれています。
  
「お店全体が民芸の博物館みたい…」と、お客様のいないお座敷も拝見…。河井寛次郎の作品もさりげなく…。


「すごく落ち着いた雰囲気のお店だね~」ミモロが通されたお座敷は、四畳半の小さなもの。でも真ん中に、掘りごたつ…。

「こういうお部屋いいね~」と、やはり日本のネコのミモロは、炬燵が好きなよう。
窓から注ぐ柔らかな陽光が、いっそう心を和ませます。

「ミモロちゃんなんにする?」とお友達。ここで食べられるランチメニューは3品だけ。「え~とステーキセットは5400円だから論外。となると2500円の特製すきやき弁当か牛肉塩焼き弁当のどっちかだね~」と、あまり悩む余地はありません。
「じゃ、ミモロ、すき焼き」。お友達は塩焼きを注文することに。
 
2段重ねの重箱に詰まったすき焼きと塩焼き…ご飯とみそ汁が進みます。

「この雰囲気の中で頂けるって、いいね~。東京からお友達来たら、案内しよう…きっと喜ぶと思う…」


本当に落ち着いた雰囲気…個室なので、ゆっくり過ごせます。

この「十二段家本店」は、なんでも日本のしゃぶしゃぶの発祥のお店だとか。

オードリー・ヘップバーンや川端康成など、内外の文化人やVIPも訪れたお店だそう。

「特製ゴマダレのしゃぶしゃぶが名物らしいよ~。一度食べたい…」と…はい、いつかね~

メガネをかけたミモロとなんとなく似ている虎…

民芸好きには、ぜひおすすめのお店です。

*「十二段家 本店」京都市東山区祇園町南側570の128 075-561-0213 11:30~14:00 17:00~20:30LO 木曜休み

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地元の新年行事のお餅つきと、「右京に生きる 剣鉾」の講演会へ。

2016-01-28 | イベント

先週の日曜日は、大寒波の到来が心配された京都。でも、京都の町中は、晴天に恵まれました。「でも、空気ものすごく寒いね~」と、いいお天気ながら、澄み切った空気は、肌を刺すような冷たさ…。

24日は、ミモロの仕事場がある粟田地区の「新春行事」の餅つきが、近くの小学校の校庭で行われました。
お昼に到着したミモロ…
「まだ、お餅残ってるかな~」と心配しながら校庭へ。
校庭の隅では、地元の人たちが、お餅つきをしています。京都は、とても町の人たちの結びつきが強く、いろいろな行事があるのです。

ミモロは、さっそくお餅が振る舞われるテントへ…。「あ、ミモロちゃんいらっしゃい…お餅食べた?」と顔馴染みの方。「ううん、今来たとこ…まだ、お餅ありますか?」と心配そうに尋ねます。
「はい、きなこのお餅はこれが最後…どうぞ…」つきたてのお餅にたっぷりきな粉を掛けたお餅…ミモロの大好物です。
「よかった~食べられて…」
「まだ、善哉もあるから…たくさん食べてね~」と。実は、こういうご町内の催しは、割と外部の人、観光客でも、受け入れてもらえるケースが多いのです。なかなか近づくには勇気がいりますけど…。

ミモロ、あわてて食べないの…喉にお餅つかえちゃうかも…。パクパクと勢いよくきな粉餅を食べたミモロ…。
「大根だきもあるの?まだ残ってる?」と大きな鍋をのぞきます。
「2つ大根食べる?」と聞かれ…大きな大根を見て「あの~1個でいいです」と、さすがにお餅を食べたばかり…。
「お鍋の最後で、すごく味がしみてるかも…」ホクホク言いながら、しっかり食べきったミモロ。
「あ、もう行かなくちゃ…ごちそうさまでした~」と、何もお手伝いもしないで、食い逃げ状態。「またね~」と挨拶だけして校庭を後にしました。


さて、ミモロがこんなに急いでいるのは、午後、「京都市右京区ふれあい文化会館」で、「右京に生きる 剣鉾」という講演会と剣鉾の差し上げが行われるから…。そこへ地下鉄に乗って向かうことに…。
 
京都の祭りに登場する「剣鉾」。地元の「粟田神社」の秋の大祭でも、神輿の前を進みます。京都に来てはじめて、「剣鉾」の存在を知ったミモロ。祭りで見て以来、すっかり魅せられて、差し上げの練習にもお邪魔するほど…。
「あのカ~ンカ~ンって響く鈴(りん)の音色が大好きなの…心が浄められるみたい…」と、祭りになると「剣鉾」の後を付いて歩くミモロでした。
会場のホールの舞台には、右京の剣鉾が並んでいます。光輝くその姿には、凛とした品格が漂います。

右京区にある「平岡八幡宮」「西院春日神社」「愛宕神社・野宮神社」を代表する剣鉾が勢揃い。

この日の講演は、京都市文化財保護審議会委員をなさっている山路先生が「歴史から見た剣鉾」についてお話しくださいました。

南北朝時代からあるといわれる鉾。京都には、現在50数箇所に「剣鉾」があるそう。祇園祭の山鉾も、剣鉾の一種で、時代を経て、先端の形が変わったのだそう。
そもそも「剣鉾」は、町を浄めるもの。そのため、町ごとに有志によって作られたのだそう。
神輿が通る道を浄めるのがお役目かと思っていたミモロですが、剣鉾は、町をまわり、町中の疫病や災いなどの疫神を集める「神座」、つまりアンテナのように悪いものを集め、浄めるのがお役目なのだと知りました。

「疫神さまは、キラキラ光り、鈴の音になんだろ?って思って引き寄せられるだって…」
昔の京都は、洪水などが多く、疫病の流行が人々を苦しめていたのです。今のように細菌によるものと知らなかった人たちにとって、疫病は疫神の仕業…それを祓うことが、なにより大切と考えていたのです。

一時、差し上げが途絶えたこともある京都ですが、近年、各所で復活し、その存在も多くの人に知られるようになりつつあります。また、神輿と違い、あくまで個人技で行われる剣鉾の差し上げ。年間を通じ、トレーニングが必要。祭りが近くなると、いろいろな場所で、集中練習が行われます。「すぐ来て、差し上げられるもんじゃないんだよね~」と、ミモロもその練習を何度も見ています。

「剣鉾によって、すごく癖が違うんだって…。それを把握して、鈴がよく鳴るようにするには、かなり練習しないとね~」とミモロ。差し上げのうまさは、その鈴の鳴り具合で一目瞭然。「ちゃんと鳴るようになるには、少なくとも3年はかかるって…」と、誰かに聞いたお話しを…。「頭の上で、カーンカーンって響く鈴の音はすごいよ~」さすが、剣鉾に縛り付けられ、差し上げられた経験のあるミモロ。言葉に実感がこもります。

また、「剣鉾に魅せられて」のテーマで講演されたのは、「剣鉾ブログ主催」し、また粟田神社剣鉾奉賛会会員の高島さん。ご自身も差し手として活躍する各所の剣鉾をよく知る方です。ミモロもお目にかかったことがあります。ブログを見ると、剣鉾について、よ~くわかります。

後半は、実際に差し上げが披露されます。「本当は、お外でするんだってけど、今日は風が強いから舞台でするんだって…よかった寒くなくて…ゆっくり見られる…」とミモロ。祭りは、春か秋に行われ、差し上げる人の装束も軽装ですから、大寒波の日には、辛かったかも…。バランスを取りながら進む剣鉾の差し上げは、雨や風の時にはむずかしいものなのです。

舞台では準備が進みます。


いよいよ右京の剣鉾の差し上げが始まりました。

「あれ~歩き方が、粟田神社の剣鉾と違う…」

差し上げ方には、いろいろな流儀があるそう。剣鉾の後ろに続く旗、吹散(ふきちり)を見たのも、ミモロは初めてでした。

「わ~すごい…」剣鉾好きのミモロは、もう夢中…。


「あ、ここのは、回転しながら進むんだ~」
差し手が体を左右にひねりながら進みます。

会場内に響く鈴の音。会場から拍手がわきあがります。

「ミモロも男の子だったら、絶対差し手になりたかった~」と、憧れるミモロです。

ぜひ、京都の剣鉾を見にいらしてください。
観光客が押し寄せる「葵祭」「祇園祭」「時代祭」という京都の三大祭り。それ以外にも、春や秋は、市内各所の神社で祭りが行われます。剣鉾が登場する祭りは、ぜひ「剣鉾ブログ」でご確認を…。

勇ましい中に、京都らしい雅さがある剣鉾です。






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京都でも人気。本場ベルギーから直送されるチョコレートのお店、下鴨本通の「レオニダス」。

2016-01-27 | グルメ

「2月になると、チョコレートのお店って、すごく混雑するんだって~」と、ミモロは、1月中にバレンタインのチョコレートを買いに、下鴨本通にあるベルギーチョコレートのお店「レオニダス」に出かけました。
 
「わ~素敵なディスプレー…ヨーロッパみたい…」とお店の外のウィンドウをのぞきます。

京都に「レオニダス」が出店し、すでに13年。そして下鴨のここにお店ができたのは、3年ほど前から。

白を基調にした店内…大きなガラスケースが、店いっぱいに置かれています。

「わ~いろんな種類のチョコレートがある~。どれも美味しそう…」
「どれにしよう…」
ミモロは、ガラスケースの縁にのって、ガラス沿いにカニのように左右に何度も横歩き…。
「う~困っちゃう…みんな食べたい…」
見れば見るほど、美味しそうで、いっそう迷ってしまいます。

「よかったら、試食なさいますか?」とお店の方。「え!?ホント…」と途端に輝くミモロの目。
「はいどうぞ…」とミモロに渡されたのは、このお店を代表するチョコレートのひとつ、プラネリです。
「うわ~香ばしいアーモンドの香りと、なんともまろやかなお味のチョコレート…美味しいね~」とうっとり。

今でこそ、だれでも食べられるチョコレート。その起源は古く、マヤやアステカ文明からといわれます。ヨーロッパにカカオが持ち込まれたのは、大航海時代、コロンブスがスペイン王室に献上し、その後、スペインの宣教師たちにより広まったのだそう。もともと、チョコレートは、飲料タイプで、今でいうココアやホットチョコレートのように、ミルクや砂糖をいれて飲まれていました。その味は、王侯貴族だけでなく、庶民にも大評判。それで、アフリカなど当時の植民地でカカオのプランテーションが大規模に登場することに…。

しかし、本格的にチョコレートが製造されるようになったのは、18世紀の産業革命以降。機械化が進んでからのこと。さらに、固形のチョコレートが作られるようになったのは、19世紀になってからのこと。スイスでは、現在のようなチョコレート作りが考案され、発展します。

現在、チョコレートの本場といえば、ベルギーをあげる人も多いはず。ベルギーは、ヨーロッパの貿易の拠点、アフリカや南米などから、ダイヤモンド、金をはじめ、多くの資源が集まります。カカオ豆もそのひとつ。国内ではチョコレート作りも発展し、「ゴディバ」「デルレイ」などもベルギーに本店があります。

さて、チョコレートに舌の肥えたベルギーの人たちに人気のチョコレートと言えば、ブリュッセルに本店をもつ「レオニダス」。アメリカに移住したギリシャ人の菓子職人レオニダス・ケステキディス氏によって、1913年にベルギーで創業しました。
万国博覧会では、ギリシャ代表としてチョコレートを出品し、見事金賞を受賞。美味しいチョコレートを多くの人に…と、ブリュッセルに1号店をオープンしたのだそう。
 
ロゴマークは、創業者と同名である古代ギリシャのレオニダス王の肖像。

2013年、創業100年の時、ベルギー王室ご用達の認定を受けました。
庶民に人気の高いチョコレートですが、創業者がギリシャ人であることから、王室ご用達が遅れたとも言われます。

創業以来、100%ココアバターによる100%フレッシュな風味が味わえるチョコレートです。
ここ下鴨のお店には、作り立ての品をベルギーから毎週、直行便で空輸されます。

ガラスケースに並ぶチョコレートは、量り売りで購入できます。
「1粒200円くらいなんだって~本場の美味しさが味わえるんだよ~」

ちょっとお得な袋づめも…「これにしようかなぁ~たっぷり食べられるし~」
 

贈り物にぴったりの素敵な箱詰めもいろいろ。
 

「やっぱりバレンタインの贈り物は、こっちだよね~」

ところで、ミモロ、だれにプレゼントするの?ハンス君?

「え~と、え~と…あの人にもお世話になったし、あっちの人にも…」と、贈る相手でも悩んでいます。

お小遣いに限度のあるミモロ。さんざん悩んだ末、結局、「今日はこれにしよう…」と、温めたミルクに入れるとホットチョコレートになるチョコレートバー。

それと袋詰めのチョコレートを購入することに…。
「これお願いします…」

「ご近所だから、また来ます…」と結局、自分が食べるものだけを買ったミモロです。

「寒から、早くおうちに帰って、ホットチョコレート飲もうっと…」


2月に入ると、バレンタインのお客様で、混み合うそう。チョコレートは3週間ほど賞味期間がありますから、お早目に…。

*「レオニダス京都下鴨店」 京都市左京区下鴨宮河町10ノ10 075-723-6802 11:00~19:00 水曜休み(2月1日~16日は、無休)
1月27日から2月14日までなら、京都市内の各百貨店でも特設催事売り場でも購入できます。



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