ネコのミモロのJAPAN TRAVEL (Mimoro the cat:JAPAN TRAVEL)

「京都観光おもてなし大使」のライターとネコのミモロが、京都の情報や暮らし、グルメなどをご紹介。心和む雑誌のようなブログ

藍染糸で織ったミニタペストリー。「川島織物セルコン」の夏のワークショップ

2023-08-31 | 体験

「見て!ほら、ミモロの糸、キレイに染まってる!」

今年の夏休みに参加した「川島織物セルコン」のワークショップ。今回は、「藍染糸でつくるミニタペストリー」です。

京都の町中にある老舗染料店「田中直染料店」との協賛で、緞帳の余り糸を活用し、藍色に染めて、それでミニタペストリーを織るのです。

工場見学の前に、染色作業場で、ミモロがビニール袋で染めた糸。それが乾いて、いよいよ織りの作業に入ります。

参加者の方々の糸も、それぞれ美しく染まって、決して同じものはない個性的なものが並びます。


ミモロのは、藍色と白色の組み合わせ。ぼかした感じの部分も素敵…

「糸を縛った部分が白く残ってるんだ~」とミモロ。毛細血管現象で、細い糸の間にしみ込む藍の染料が作るぼかしの部分が、織りの模様を作ります。

まず、織りの作業のやり方を教えて頂きます。

「フムフム…面白そう…」と耳をピクピクさせながら、お話を聞くミモロでした。

ワークショップで使う織り機は、段ボールを活用したもの。両端に切り込みを入れ、そこに経糸をかけて、藍染糸を横糸として渡してゆきます。

ざっくりとした感じの織りにするため、糸は6本どりで…

「え~と、経糸の上と下を交互に通して…」

横に渡した糸を指で、下の方に動かして安定させます。
「あんまりキツクしないようにしましょうね~」とアドバイスの声。

何段かその作業を行います。
作品に変化をもたらすために、希望者には、カラフルな紐のようなものが渡されました。

「これ、なんだろ?」とミモロ。
それは木の削りカス。市原の「川島織物セルコン」近くにある寺社建築の「匠弘堂」の協賛品???
見事なカンナ掛けで生じた木材の削り材を、カラフルに染めたもの。これもSDG’Sのひとつです。

色とりどりの薄い木の素材を、横糸として使います。

「これって、作品に立体感が生まれるね~いい感じ…」と、心の赴くままに、いろいろな糸を織ってゆきます。

真剣に織りの作業をするミモロ。とても声も掛けられません。


20人ほどの参加者もみな真剣…約30分の予定時間を越えても、その作業は続きました。

「ふ~こんな感じでいいかな?もう経糸の上のところまで来ちゃったからおしまいだね~」


「あの~できました!」とミモロは、教えて下さる方に見て頂きます。

「はい、上手にできましたね~。では、経糸を外しましょう」

「できた~」ミモロのミニタペストリーの完成です。


ミモロが織ったミニタペストリー。

なかなかワイルドな感じ…
「すごく楽しかった!お家に飾るんだ~」と大満足なミモロ。

さて、家に戻ったミモロは、織りの楽しさが忘れられず、「そうだ~まだ、藍染糸余ってる…」というと、以前おもちゃ屋さんで買った小さな織り機を持ち出して、残り糸でケープを織ることに…。


丈夫な木綿糸を経糸にして、今回は、1本ずつプラスチック製の糸巻「杼」に藍染糸を巻き付け織り始めました。


ぼかしの藍染糸が作る模様は予想不能。でもそれが面白いのです。
「あ、もう藍染糸なくなっちゃった~」15センチほどの長さを織ったところで織りの作業は終了を余儀なくされました。

でも、ミモロのケープには、十分な長さ…。

「どう?」とさっそく着てみます。
前には、ボタンを付けて…

「う~なかなか素敵だよね~」と自画自賛。

「これ着物の時にも使えるね~」と。
本当に藍色に飛ぶ白い部分が、雪のよう…
「いいでしょ!」と自慢するミモロ。う~確かに素敵…こういうケープ、私も欲しい…

ワークショップで染めた糸も全部使い無駄はゼロ。

SDG’Sをテーマにしたワークショップ…昨年も参加したミモロ。「こういうワークショップ大好き!」と。
今年の夏の思い出になった作品でした。

では、明日は、「川島織物セルコン」の歴史的作品などが展示されている「川島織物文化館」を御紹介します。

*「川島織物セルコン」の詳しい情報はホームページで

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[川島織物セルコン」の工場見学会。大きな緞帳織りの工場など…いろいろなものが生まれる織物工場

2023-08-30 | ものづくり

「わ~この絶妙な色具合…素敵だね~」とミモロが見惚れるのは、緞帳の織りのサンプルです。


京都の北、市原にある「川島織物セルコン」で、「藍染糸でつくるミニタペストリー」のワークショップに参加しているミモロ。そのプログラムのひとつに、織物工場見学があります。

まず、工場でどういう作業が行われているかなどのお話を伺います。


工場では、いろいろな織物が作られます。細かい技巧を駆使した呉服や美術工芸品をはじめ、カーテンやクッション、椅子、壁紙などのインテリアファブリック、さらに優勝旗や相撲の力士の化粧まわしなど、織物はさまざまな分野で、特別なものとして愛されています。小さなものから、大きなものまで…その中で、最も大きな織物は、劇場などの緞帳幕です。

その制作現場が見られる工場見学…「ワクワクしちゃうよね~」とお話を聞くミモロの耳がピクピク動きます。


広大な敷地内に点在する建物…その中に展示されている作品などを初めに見学…


毎年4月にイタリアで行われる世界最大規模のデザインの祭典「ミラノデザインウィーク」にも参加している「川島織物セルコン」。そこに出品した作品の一部なども見学・・・


「織物って、なんでも表現できるんだ~すごいね~」

絶妙な色具合…染められた糸を組み合わせ、自然な色の変化を表現します。

「まるで絵画みたい~」というのは、東西南北を守る四神の青龍や白虎など…キラキラ輝く糸や毛並みのような雰囲気の糸など…とても細かい織物です。
 
絵画と違うのは、糸による立体感があること…また、糸によって、見る角度で、色合いが異なってかんじることなど、見れば見れるほど、その技術の素晴らしさに感激!

「わ~すごくモダンな雰囲気の椅子~」

こちらもデザイン展などに出品した作品。
同じ形の椅子でも、それを覆う張地で、その印象を全く異なります。

「これも、経糸と横糸だけでできてるなんて信じられない!」


織物の歴史は古く、人類の発展と共に常にその暮らしの中にあります。また世界各地に、それぞれの文化を象徴するように、様々な織物が生まれ、今も伝えられています。

明治以降、日本では、機械化が進み、大量の布を生産できる機械織りの技術も発展。
ここ「川島織物セルコン」でも、大きな機械で、カーテンなどの製作を行っています。
それと共に、熟練した職人さんたちによる高度な手織り技術も、時代を超えて伝えられているのです。

ミモロたちは、そんな工場を見学してゆきます。

工場内は、撮影ができないので、ぜひ、実際にご自分の目で見てください…。


さまざまな製作現場の中でも、圧巻なのが、大きな緞帳を作る現場。
緞帳は、劇場に掛けるそのままの大きさの織り機の前で、デザインに沿って、職人さんたちが横に並んで、織ってゆきます。「毎日、少しずつしか作業進まないんだって…まさに根気のいる仕事だね~」
織りの作業は、1年近く掛かるものも…。

劇場の緞帳は、その劇場を代表するもの。でも、これは日本の文化なのだそう。
欧米の劇場には、上下に動く緞帳はなく、左右に動く引幕だけがほとんどです。
「幕が下りている劇場の舞台自体が芸術になってるんだよね~」とミモロ。
その緞帳は、まさに劇場の個性の表れなのです。

「できた緞帳を織り機から外す時って、感激するんだろうなぁ~」たくさんの経糸を切り、織りを終える…。きっと製作にかかわった思いや時間などが蘇る瞬間かも…。
経糸などの始末をして、完成した緞帳は、梱包され、大きなトラックで劇場に運ばれるそう。
「すごく重いんだって…何メートルもあるから、包んだり、運ぶの大変だね~その現場も見てみたい…」と想像するミモロ。もちろん劇場に運んでから、舞台に設置するのも大変そう…。
そういう舞台裏に興味津々のミモロなのでした。

「織物って、なんか温かい感じするね~」


さぁ、そろそろミモロたちが藍染した糸も乾き、それを使ってミニタペストリーを織るワークショップが始まります。
「どんなの織ろうかな~?」と自分の技術はさておき、意欲満々のミモロは、ワークショップをする建物に移動しました。

*「川島織物セルコン」の詳しい情報はホームページで 工場見学は、ワークショップやイベントの時に参加できます。


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[川島織物セルコン」の緞帳の余り糸を使い藍染を体験。素敵な藍色が浮かび上がり、ミモロ大興奮。

2023-08-29 | 体験

「わ~キレイに染まってる!嬉しいなぁ~」と、藍色に染まった糸を嬉しそうに見つめるミモロ。


「川島織物セルコン」の市原の本社で、藍染ワークショップに参加しているミモロ。
京都の町中にある老舗染料店「田中直染料店」のご指導のもと、緞帳の余り糸を藍色に染め,そしてミニタペストリーを織る体験です。

まずは、染色作業から…。ミモロのように、全く藍染をしたことがない人(ネコ)でもできて、短時間で確実に美しく染まる藍染の染料ワークショップに適した藍染の染料を用意してくださり、10分ほどで、染料を流す作業に進みます。


水道のある場所で、ビニール袋から糸を取り出し、水で染料を落とします。

「ミモロちゃん、あんまり近づかないでね~染料が飛ぶと、ミモロちゃんが染まっちゃうから…」と、気遣ってくださる「田中直染料店」の鹿児島さん。ミモロならではの特別な事情です…。

「わ~濃い色に染まってる…」


色を定着させるために、酸性の液をくぐらせます。


「結び目のところ、どうなったかな?」と気になるミモロは、作業をじっと見つめます。


結び目をほどいた糸は、その部分に染料がしみ込まず、白いまま…藍色と白色が絶妙に絡み合ったような素敵な糸ができました。

「わ~キレイ~ミモロが染めた糸だもんね~」と、よほど嬉しいのか、愛おしそうに見つめます。

「はい、染めあがりましたよ~」と絞った糸を受け取りました。


「どんなタペストリー織ろうかな…」と染めあがった糸から、次に行う織りの作業を想像…。


「では、糸を乾かしますから、お名前のタグをつけてください~」と。


糸が乾くまでの時間…ワークショップの参加者は、「川島織物セルコン」の工場見学をするのです。
さぁ、建物を移動しましょう。

軽い足取りで、敷地内を進みます。

「川島織物セルコン」の詳しい情報はホームページで

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[川島織物セルコン」での夏休みワークショップ。「藍染糸でつくるミニタペストリー」へ

2023-08-28 | 体験

「これね~藍染糸ワークショップの余り糸で織ったんだ~」と、ミモロが羽織るのは、冬にピッタリのケープです。

インディゴの色合いが美しいケープは、ワークショップの後、お家で織ったもの。さて、その藍染糸は、実は、とても特別なものなのです。

8月18日の朝、ミモロは張り切って「川島織物セルコン」の本社と工場、事業所、織物文化館がある市原へ、昨年も参加した夏休みのワークショップに車で向かいました。


事前に申し込みで参加するワークショップで、工場見学会も同時開催されました。

ちなみに工場見学は、無料で、ワークショップの参加費は1500円です。

広い敷地内…「え~と、会場はどこかな?」


工場のそばの建物がワークショップの会場です。
「参加者の方ですね~。今日は楽しく藍染体験をしてくださいね~」と、迎えてくださったのは、染めを教えてくださる「田中直染料店」の田中社長と鹿児島さん、

「よろしくお願いします…あの~ミモロ、実は、以前にお店に取材に伺ったことあるんですよ~」とミモロ。

その時の様子は、「ミモロ 田中直染料店」からどうぞ~

「では、そろそろワークショップを始めましょう~」と鹿児島さん。


染めに使うのは、白いレーヨンの糸です。

これは、「川島織物セルコン」が、緞帳を織るときに使う横糸で、その余り糸です。
大きな製品を作るとき、必ず余り糸で生まれます。それを無駄にしないSDG’Sの取り組みのひとつです。

ワークショップへの参加者は、20名ほど。それぞれに一束ずつ糸が渡され、それを水で湿らせます。

糸に水を含ませることで、染料の浸食を促すのだそう。

「ところどころ結び目を付けると、そこに染料が入らず、白い部分ができて、糸に表情が生まれますよ」と言われ、ミモロも濡らした糸を結びます。

「しっかりきつく縛ってくださいね~」ということで、力不足のミモロは、手伝って頂き、結び目を作りました。


それを厚手のビニール袋の中へ。

「このビニール袋で染めるんだって…」と、どんな風になるのかワクワクするミモロです。

ビニール袋には、今回使用する藍色染料の液体を注ぎます。


「よくも見込んで染料を糸にしみ込ませてくださいね~」と言われ、ミモロもクチュクチュとビニール袋を外側から揉みます。


時間の経過とともに、染料の色は次第に深い藍色に変化してゆきます。


ミモロのビニール袋の色もかなり濃くなりました。「さぁ、そろころいいかも…」
次は、染料を定着させる作業を行います。

「どんな風に染まってるのかなぁ?」と、ミモロはワクワクしながら、染料を洗う水場へと移動しました。


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下鴨神社の境内で4年ぶりに行われた盆踊り。昔、御所のお庭で公家の方々にも披露したみやびな「下鴨御所音頭・紅葉節」。

2023-08-27 | 祭事・神事・風習

「ここでも盆踊りするんだ~知らなかった~」というミモロ。

8月26日の夜19時、「下鴨神社」の楼門の前には、盆踊りの櫓が建てられています。

この日は、「御所音頭 紅葉節」という昔からこの地域に伝わる盆踊りが行われるのです。

「そういうのあるの知らなかった~」というミモロ。この地域にすむ「下鴨御所音頭・紅葉節保存会」の方々が、なんでも復興して15年目になる地域の伝統行事なのだそう。

夕方、日中の暑さを避けて、「糺の森」にお散歩に来たミモロは、この日、盆踊りがあると聞いて、夜、浴衣に着替え、再び訪れることに…。

コロナの影響で、4年ぶりの開催になるそう。境内には、赤い提灯が下がり、盆踊りの雰囲気を盛り上げています。

櫓には、音頭取りの方が上がり、ゆったりとした節回しの音頭が、境内の闇に響きます。

森に抱かれた「下鴨神社」…「なんか他の場所より、周囲が暗くて、夏の夜らしい雰囲気あるよね~」というミモロ。
町中で行われる盆踊りは、家の灯りやお店のネオンなどが見えますが、ここにはそういうものが一切ありません。

ミモロは、見よう見まねで、盆踊りの輪の中で、踊り始めました。


東京生まれのミモロ…「「東京音頭」や「炭坑節」なら得意なんだけどなぁ~」と、どうも勝手が違うよう…。

会場で頂いたパンフレットに踊り方が…

どうもゆったりとした手の動きが特徴のよう…

パンフレットによると…
「御所音頭・紅葉節」は、昔から、この地域の人々に口伝で伝承された盆踊りで、その発祥起源はよくわからないそう…でも、音頭の題目や歌詞の内容から考察すると足利・室町文化の影響を受けているのだとか…。

題目には、「草紙洗小町」「石童丸」「三社めぐり」など20種類以上が…
その歌詞や歌の調子は、気品と格調高い王朝文化の雰囲気を湛えているそう…。
なんとも雅な雰囲気から、庶民が作ったものではなく、高貴で学識がある人が作り、それを庶民に広まったと想像できるのだと…。

その中のひとつ「三社めぐり」は、秋の豊作祈願のため、伊勢神宮、春日大社、石清水八幡宮をめぐり、京都にもどる道中の様子が語られています。

「すごく地理や文学に詳しい人が作ったんだね~」と歌詞を見て…

「あの~この御所音頭って、すごい名前ですよね~」とミモロは、そばにいらした方に伺います。

「はい、なんでも昔は、御所のお公家さんたちに召され、御所のお庭で披露して、高貴な方々をお慰めしたのだそうです」と。大宮御所のお庭や修学院離宮の門前庭などでも踊りを披露したのだそう。
「なんか披露する場所がすごいね~さすが~」と思うミモロです。

「毎年、8月の最後の土曜日に行われるんですが、今年は暑いですね~本当は、もっと秋にしたいところですが、盆踊りですからね~」と。

揃いの浴衣の柄は、下鴨神社の小川に浮かぶ楓を思わせるもの。
「糺の森の紅葉と実りの時を喜び合った」とパンフレットの記述から、秋を感じさせます。


きっと昔の8月は、もっと秋を感じさせるものだったろうと…。「こんなに暑い8月ってなかったと思うよね~」と、額に汗をにじませるミモロです。

女性たちの姿は、頭に姉さんかぶり、赤いたすきと、藍染の前掛けという京都の里人の姿です。

「来年は、あのスタイルで来よう…」と衣装にこだわるミモロ。

雅な「御所音頭・紅葉節」のほかに、昭和30年に下鴨小学校創立80周年記念事業で作られた「下鴨音頭」という盆踊りの音頭なども人々を楽しませます。

日頃は、静かな夜に包まれる「下鴨神社」の境内。この夜は、遅くまで地元の人々が集い、夏の夜を楽しみました。



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