マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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高田亥の子行事の膳あばれ

2012年01月10日 06時44分40秒 | 桜井市へ
高田の亥の子暴れはさらに続き舞台は出荷場の内部に移った。

先ほど、お仮屋に祀られた屋形は神棚に置かれている。

ハチマキメシ、コヅケの膳やお神酒も置かれた棚だ。

床には暴れ回る男の子たちの人数分の膳がある。



半切りしたカシライモとカブラ、ハッタイコ(コバシとも)、ヒジキ(クロメのメイとも)、ダイズマメはカワラケに入れている。

その膳に箸を添えて空のお椀がある。

座脇にはネムの木で作った三本の足で組んだハチマキメシとコヅケ。

逆さにしたハチマキメシの上に乗せたコヅケが上下の三角垂は特徴ある形をしている。



小学生の子供たちが亥の子となって暴れるのだが、本来は直会の儀式とされる。

昔の話によれば座に座った子供たちが「器や」と騒ぎ立てて膳に空のカワラケを配らせた。

さらには「ご飯やー 菜っ葉やー 汁やー」と次々に要求して膳を揃えさせたという。

現在は汁物のお椀だけが空っぽですべての料理が盛られている。

大当家が一人ずつ膳にトーフ汁を入れていく。

声が掛かるとアカメシを小脇に抱えて、いきなり膳を蹴っ飛ばす。

トーフ汁やハッタイコの粉が舞いあがった。

カワラケもぶっ飛ぶ。膳そのものも飛んでいく。

飛ぶだけでは壊れないから足で踏みつけていく。

バキバキと壊れる音がする。

そんな様子に怖がる小さな小学生。



アカメシを抱えてうろうろする。

そのうち慣れてきた子どもは年長者を見習って膳を壊していく。

まだひ弱さがみられる幼い子どもはこうして成長していくのであろう。

それはともかく暴れるほどに激しければ神さんの意に適うという膳あばれはおよそ3分も続いた。



あばれから守ったセキハンを大事そうに抱えて帰る亥の子の一人はほっとした表情を浮かべる。

(H23.12. 4 EOS40D撮影)