マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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脇本の閏年の庚申

2012年01月15日 09時24分18秒 | 桜井市へ
泥棒除けのお札取材の際に発見した庚申杖。

それ玄関に飾ってあった。

「奉幣常猿田彦大神壱千日祭村内安全五穀豊就諸願赦就祈(俢?)」の文字が見える。

持主であるN氏に電話で聞き取りを敢行した。

主人が話すには4年に一度行われている「庚申トウゲ」で使われたモノであるという。

4年に一度といっても閏年に当たる旧暦年の五月だそうだ。

「庚申トウゲ」は日待ちだと思われると語ったN氏。

それを行う場所は地蔵堂の傍らにある庚申塚。

脇本の下ノ町垣内の8軒で営みをされている。

4年に一度というから32年間の回りである。

一升のオモチを前日に搗いて酒一本を供える。

その斎主は村の神主。

庚申杖の文字はその神主に書いてもらうという。

次の当番(ヤドとも)はN氏と隣家であるT家だそうで来年の4月に行う。

杖は樫の木。

前日に採っておいた葉付きの樫の木である。

皮を削ってそこに墨書する。

祭事を終えればN家と同様に玄関に飾る家もあれば床の間に置く家もあるそうだ。

古い家ならまだしも新しく建て替えられた家の玄関はサッシ。

杖を止める個所がないから床の間に置くという。

その杖は正月明けのとんどで燃やすと電話でいわれたが実際はそうではなかった。

ちなみに脇本で行われている閏年の庚申について大和郡山市にある小泉町の庚申堂まで出かけて地域の行事との関係を尋ねていったそうだ。

小泉のお堂には住職(明日香の橘寺)がおられたが「それは判らない」との返答に肩を落として帰ったと話す。

(H23.12.12 EOS40D撮影)