マネジャーの休日余暇(ブログ版)

奈良の伝統行事や民俗、風習を採訪し紹介してます。
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岩屋十二社権現十二月の権現講

2012年01月28日 09時00分47秒 | 山添村へ
紀州熊野神社の権現さんを祀っているという山添村岩屋の十二社権現。

急な山道を登りつめたところに鎮座する。

静寂な森中に囲まれた地は聖地なのであろう。

権現さんを祀っているのは岩屋の権現講の人たち。

100軒ほどある集落のうちの11軒が講中である。

かつては14軒で営んでいた権現講の籠り。

早朝から集まって山道や社周りを奇麗に清掃された。

その日の午後に籠りとなる。

籠りは寒冷期の12月と1月に行われている。

講中には婦人たちも居る。

「腰も曲がって急な山道はこたえる」と言いながら登ってきた婦人たち。

ゆっくり時間をかけて登ってくる。

手水で清めて社に向かいお参りをする。

お参りをする前には講元がお供えをしておく。

お神酒に大きな二段の重ねモチ。

塩や洗い米に野菜も供えた。

そのころには男性たちも登ってきた。

一同が揃うと社殿に向かって大祓えの祝詞を唱和する。

ピューピューと冷たい風が山にある社を吹きぬけていく。

ときおり鬱蒼とした社地に光が射し込む。

1月の籠りにはめいめいが参拝するのだが12月は揃って参られるのだ。

お参りを済ませた人たちは、籠りをするためにわざわざ建てた籠り所にあがる。

婦人たちは下りてくるのも時間がかかる。



とんどの残り火で冷えた身体を温めて談笑してから入っていった。

座布団を敷いた円座は当番の人が前もって用意された。



パック詰め料理を配膳された席に座る講中たち。

供えた洗い米を手で受けてそのまま口にする人もいる。

講元からの報告を受けたあとはお神酒をいただきながら籠りの場に移った。

(H23.12.23 EOS40D撮影)