電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

山形県立博物館で「蝶と蛾」展を見る

2015年09月30日 06時01分00秒 | 散歩外出ドライブ
過日、おでかけの際に山形市の山形県立博物館に行き、ちょうど開催されていた特別展「蝶と蛾~妖精たちのつどい」を観てきました。「大のオトナがわざわざチョウチョを見にいくなんて」と笑われそうですが、たしかに大のオトナでも思わず見入ってしまうような多彩さ、豊かさがありました。





そういえば、昔、まだ中学生の頃に、一学年下の後輩が捕まえてきた美しい蝶をスケッチしたことを思い出しました。図鑑で調べたら、クジャクチョウというのだとわかり、不思議な美しさにうたれたことを、50年後の今も記憶しています。

久しぶりに思いだして、中学生の頃のチョウのスケッチを探し出しました。14歳か15歳くらいのスケッチは拙劣で不正確ですが、大きな特徴はつかんでいるようです。






こちらはスケッチではなく、鱗粉を転写したもののようです。



うーむ、子どもの頃の新鮮な感覚を思い出しながら、自然の精妙さ、美しさに触れることができました。「蝶と蛾」展、静かな良い時間でした。

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アホ猫(母)、秋を感じる

2015年09月29日 06時04分14秒 | アホ猫やんちゃ猫
我が家のアホ猫(母)、16歳、最近はいささか衰えを感じさせるものの、相変わらず元気です。先日も、裏の畑で子ネズミを捕獲して狂喜乱舞、飼い主をゲンナリさせたところですが、今日はまたやけに大人しく、ネコをかぶってひなたぼっこをしております。



私「おーい、アホ猫、何してるの?」
アホ猫(母)「深まる秋を感じてるのよ。涼しくって、いいわ~。」
私「いくら乱雑にしてるからって、そこはテーブルの上なんだけど。」
アホ猫(母)「いいじゃないの。気にしない、気にしない。」

なんとまあ、能天気なアホ猫は、テーブルから降りる気配も見せません。



たしかに、日々、秋は深まりつつあります。過日は、アホ猫の通路の途中に、イヌサフランが咲いているのを見つけました。





「美しい花には毒がある」の喩えどおり(*1)、先日はこの球根を食べた人が亡くなっている(*2)ようです。野菜畑とお花畑とは、厳密に分けなければいけません。お花畑に野菜を育ててはいけないのです。この点、自戒の意味をこめて、記録しておきましょう。

(*1):自然毒のリスクプロファイル:高等植物:イヌサフラン~厚生労働省
(*2):イヌサフランで食中毒、女性死亡、山形、自宅で栽培~asahi.com

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9月23日は「万年筆の日」だったそうな

2015年09月28日 06時01分55秒 | 手帳文具書斎
いくつかのブログの話題から、この9月23日は「万年筆の日」だったということを初めて知りました。Wikipediaの記述によれば、1809年9月23日に、イギリスのフレデリック・バーソロミュー・フォルシュが、金属軸の中にインクを入れて書ける筆記具を考案し、特許を取ったことから定められたとのことです。なるほど、それで「万年筆の日」ですか。

いろいろな道具には、それ自体を使う楽しさというのがありますが、筆記具はとりわけ日常的に使う楽しさを感じます。手書きの楽しさと言っても良いし、手帳やメモ、備忘録や日誌・日記など、様々な形で楽しむことができます。お気に入りのペンでとことん書く人もいるでしょうし、様々なペンを気分次第で取り替えて書く人もいるでしょう。

たしかに、万年筆には、取っ替え引っ替え使ってみたくなる楽しさというものがあります。インクの色や文字の太さの変化もあれば、軸のデザイン性などの要素もあります。必ずしもお値段に関わりなく楽しむこともできるのは、昔、学生時代にしばらく愛用した、セーラーのキャンディ万年筆を使った経験(*1)や、現在のプレッピーやカクノの使用頻度からも明らかです。

筆記具としての万年筆の価値は、ボールペンの進歩とともに、実用性の面では相対的に低下していると思いますが、ボールペンで書いた備忘録のページと万年筆で書いたページを比較してみると、紙面の整い方がぜんぜん違います。万年筆を使った方が、整っていてきれいに見えます(*2)。この点で、筆記具としての万年筆の価値は、まだまだ高いと感じます。

(*1):昔はノートに何で書いていたのだろう?~自分の40年を振り返る~「電網郊外散歩道」2015年4月
(*2):万年筆の楷書、ボールペンの草書?~「電網郊外散歩道」2012年8月

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音楽CDのパッケージの封を切るとき

2015年09月27日 06時01分46秒 | クラシック音楽
若い頃には難なくできたのに、最近はなんだか苦手になっていることの一つに、「音楽CDのパッケージの封を切ること」があります。あの透明なフィルム状のパッケージの、切り口が見つけられないのです。とくに、老眼鏡をしていない・裸眼で・音楽ホールのホワイエの頼りない照明下・今まさに演奏家のサインをお願いしたい状況下では、わーお、焦りまくり度マックスです(^o^)/

でも、自宅で、日常の生活の場である自室で、新しく買ってきたばかりの音楽CDのパッケージの封を切るときは、けっこう幸せ感があります。老眼鏡をかけて、先細ピンセットやカッターナイフなどを駆使して切り開くことが多いですが、例えば DENON の Crest1000 シリーズの場合には、ちゃんと開封のための細いテープ状の工夫があり、手だけでスムーズに開封することができるようになっています。このあたりの配慮は、年配者のファンの多い老舗ブランド・日本コロムビア社ならではの配慮でしょう。たいへんありがたいところです。



今回の「開封の儀」は、先に購入したままになっていた(*1)マルティヌーの「ピアノ協奏曲全集」。エミル・ライフネル(Pf)、ビエロフラーヴェク指揮チェコ・フィルハーモニー管の演奏による2枚組です。とりあえず1枚目を Linux 上の音楽ソフト Rhythmbox で取り込んで、簡易PCオーディオで再生可能としました。

マルティヌーの音楽は、数年前にノイマンとチェコ・フィルによる交響曲全集を購入し、集中して聴いて楽しんでおり(*2)、親しみが持てます。今回はピアノ協奏曲全集。これまでも、部分的にはクーベリックのCDなどで聴いてはおりますが(*3)、系統的に聴いてみるのは初めてです。しばらくは、これが楽しみになりそうです。

(*1):富岡楽器店で音楽CDを購入しポイントカードを更新する~「電網郊外散歩道」2015年9月
(*2):マルティヌーの交響曲を聴く~第1番第2番第3番第4番第5番第6番~「電網郊外散歩道」2008年~2011年
(*3):マルティヌー「ピアノ協奏曲第5番」を聴く~「電網郊外散歩道」2008年2月

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群ようこ『かもめ食堂』を読む

2015年09月26日 06時02分42秒 | 読書
幻冬社文庫で、群ようこ著『かもめ食堂』を読みました。読む前には、どこか外国で場末の食堂を開き、日本食のおにぎりが意外に大ヒット!みたいなストーリーかと思っていましたが、予想とはだいぶ違っていました。

主人公サチエは38歳、独身。子供の頃は、古武道の達人である父親の影響で、武道大会で優勝したりしたけれど、12歳のときに交通事故で母親を亡くしてからは、家事に時間を費やすようになります。おかげで料理は上達しますが、中学校の三年間、遠足と運動会の日だけは、父親が大きなおにぎりを作ってくれます。「人生すべて修行だ」が口癖のお父さんの、不器用な愛情表現だったのでしょう。

高校は食物科のある女子大付属に通い、大学を卒業するまで料理教室に積極的に行って、美しく盛り付けるフランス料理やエスニック料理などにも上達はしたものの、亡き母が作ってくれた家庭料理や父が作ってくれたおにぎりが頭から離れません。このあたりまでは、シリアスなものが基調にあるように感じられます。

ところが、大手の食品会社に就職し、弁当開発部に所属してあまり本意ではない仕事をしているうちに、ふと「外国で料理店をやる」という夢をいだきます。そこからの展開が、まるで「お話のよう」でした(^o^)/
それまで不思議にくじ運が良かったことに賭けて、年末ジャンボ宝くじを買ったら、それがなんと一億円の大当たり。どこからも個人情報が漏れなかったようで、怪しい人たちが群がることもなく、開業資金はできました。さらに、父親の古武道のお弟子さんの一人でフィンランドに在住の人がいて、その人が保証人になってくれたので、労働ビザが取れてしまいます。えっ、フィンランドで労働ビザ?ウソ~!まるで「お話みたい」(^o^)/

そんなこんなで到着したフィンランド、ガッチャマンが大好きな少年トンミ君や、書店で偶然に出会い、一緒に「かもめ食堂」で働くことになるミドリさん、荷物が届かず困ってしまったマサエさんなど、皆さん不遇でもいい人ばかり。悪漢が出てくれば武道で撃退しますし、ミドリさんは絵が得意で手描きのメニューを作ってくれます。お客さんも少しずつ入ってくれるようになりました。ただし、海苔で巻いたおにぎりはやっぱり不人気です(^o^)/



まあねえ。プラザ合意のあとの円高もあったでしょうし、日本円で一億円がフィンランドでどのくらいの価値を持ったのか、為替レートなども全く記述がありませんが、王子様は白馬に乗ってやって来ないと気づいた大人の女性のための童話のようです。「普通だけどおかしな人々が織り成す、幸福な物語」というよりは、変形された童話と言うべきでしょう。

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先の五連休は実によく働いた

2015年09月25日 06時05分36秒 | 週末農業・定年農業
珍しくお天気に恵まれ、一日も雨に見舞われなかった五連休は、実によく働きました。ただし、そのうち半分は親戚の葬儀が入ってしまい、通夜に顔を出し、入棺、火葬、葬儀・告別式と五七日法要などが続きましたので、実質的には三日弱の日数でしたが、

  1. 「つがる」リンゴの収穫と発送
  2. 某独居老人にリンゴをおすそ分け
  3. 剪定枝の運搬
  4. スピードスプレーヤーの点検整備
  5. 果樹園のせん孔病対策防除
  6. サクランボとモモ園の肥料散布

などを済ませました。

とくに最終日は、お彼岸の中日にもかかわらず実によく働きました。例えば肥料散布を例に取ると、10kgほど入る肥料散布用の肩掛け式の容器を持ち、園地の中を歩き回ります。160kg ほど散布したもののまだまだ完了せず、それでも万歩計のカウントは9,700歩を超え、筋肉痛になりそうでした(^o^)/
この時期の光合成は、来年の芽を形成するためにたいへん重要です。褐色せん孔病で早期落葉するのを防ぐために、古典的殺菌剤であるボルドー液(*1)を散布しますが、今月前半の長雨のために、時期的にはやや遅れてしまっています。それでも、残っている葉を守る上で、重要な防除作業です。

汗だくになってシャワーを浴び、着替えてほっとするとき、季節の花々が目に美しい。ただいま、ヤブランがあちこちに咲いております。その中でも、古い手水鉢とヤブランの組合せはお気に入りの風景です。ここにアホ猫でも加われば、何も言うことはありません。ただし、獲物をくわえていないときに限りますけれど(^o^)/

(*1):ボルドー液~Wikipediaの解説
(*2):Wikipediaの解説には書いてありませんが、台所で銅網からできている三角コーナーを用いると、生ごみにぬめりが発生しにくいのも、銅イオンの抗菌作用の例と考えられます。同様に、葉っぱの表面で細菌類が活動しにくくなる効果があるためでしょう。
(*3):ボルドー液を散布すると、葉っぱや果実が真っ白になりますが、これは石灰水が空気中の二酸化炭素を吸収し、炭酸カルシウムの被膜を作るためです。この被膜の内部に銅イオンが含まれるために、抗菌作用が長く持続することになり、果物の内部には浸透していきません。よく「農薬で真っ白になったリンゴ」などの誤解がありますが、ボルドー液は有効性と安全性を歴史が実証したものだと考えます。むしろ、真っ白な被膜を作らない、内部浸透性の高い農薬のほうがコワイです。元生化学専攻の週末農家として、そういうのはあまり使いたくありません。

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過剰に収集すると使わなくなる

2015年09月24日 06時04分37秒 | 手帳文具書斎
コレクションは、しばしばコンプリートを目指す収集に変質しがちです。でも、そうなると実用からはどんどん離れて行き、収集それ自体は楽しいでしょうが、実用品としての意味合いは崩壊してしまいます。例えば文房具、あるいはLPや音楽CDなどがこれにあたるでしょうか。

この現象は、まるで増えすぎた個体群が生態系の中で崩壊していくようすを連想してしまいます。当方も、若い頃はLPや音楽CDなどを、あるテーマに基づいて全部集めようとしたこともありましたが、もっぱらお小遣いの制約から(^o^;)コンプリートは早々とあきらめました。逆に、小規模なライブラリを大切に何度も繰り返して聴く習慣ができ、結果的に良かったと思います。

これ一本とかこれ一個だけというような極端なミニマリズムは、いざ故障とか紛失とかいうときに困ってしまうでしょう。予備があったために助かったケースは、しばしばあるものです。かといって、気の向くままに過剰な収集に走ると、実際には使わなくなってしまいます。ほどよく使える程度の規模におさめるというのが、実際には良いようです。



写真は、いただきものの「リンゴのタルト」。美味しかった~(^o^)/

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来年のダイアリーは変更せず~多忙だった頃をダイアリーで振り返る

2015年09月23日 06時05分52秒 | 手帳文具書斎
世の中は気が早く、すでに来年のダイアリーが発売されているようです。当方は、来年もまた現在のもの(Bindex:3月までの横書き一か月タイプ)と同じ製品にする予定で、話題性は何もありません。ブログのネタとしても、旧態依然としたものです(^o^)/
それでは面白くないので、過去のダイアリーの綴りを眺めていたら、超多忙な頃と現在とが、確かにずいぶん違うことにあらためて気づきました。
例えば、超多忙だった定年退職前の時期を例にとると、



のようになっています。ほとんど30分きざみのタイトなスケジュールが、連日のように続いておりました。2011年10月の場合、何も予定が入っていない日は、10月11日だけでした。よく体が持ったものです。

ところが今は、



というようなレベルの日が淡々と続きます。伏せ字にしていないところは、大半が演奏会等の予定です。実にありがたいことです(^o^)/



うーむ、多忙な時期には、挨拶を考えたり、資料準備作成などを週末にやらざるをえなかったり、依頼プレゼンのスライドや配布資料の作成を、お盆や正月など、まとまった連休のときにやらざるを得なかったりで、表に出にくい裏の準備が大変だったことが多忙感の背景になっていたのでしょう。それに対して、今は通常の時間に通常の業務が淡々とできる。これが、ゆったりした感覚につながっているのだと思います。

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「つがる」リンゴの収穫と宅配の手配など

2015年09月22日 06時01分35秒 | 週末農業・定年農業
秋の連休は、幸いにお天気に恵まれて、週末農業日和です。当地・山形では、九月のリンゴ「つがる」が美味しくなり、収穫に追われております。かつて亡父とともに専業で果樹農業を営んでいた元気老母の言によれば、「まだまだ出荷できるレベルじゃない」とのことですが、まんべんなく太陽の光を当てるための「玉回し」だとか「葉摘み」だとかの作業が全くできていないのですから、当然といえば当然です(^o^)/

光合成をして水と二酸化炭素から糖を作るのは葉っぱですので、光合成の量は葉面積で決まると言って良いでしょう。だから、リンゴの美味しさの基準の一つである糖度は、葉面積が貧弱な樹ではとても期待できません。一方で、リンゴの赤い色の元になる色素アントシアニジンは、紫外線を多く含む直射日光により、ブドウ糖とアミノ酸の一種フェニルアラニン等とから生合成されます。だから、葉っぱの数が貧弱な弱った樹でも、赤くはなります。見た目は赤いがあまり美味しくないリンゴというわけです。消費者サイドからは、真っ赤に色づき、糖度も高いものが求められますから、ある程度の糖度になったところで何回かに分けて葉っぱを摘んで減らしていき、まんべんなく直射日光を当てて赤く色を付けるという作業を行うわけです。



週末農家である当方は、このへんのタイムリーな管理が、時間的にも労力的にも、なかなかできません。我が家のリンゴは、摘果まではなんとかやれていますが、葉摘みを全くしていませんので、糖度は高く美味しいけれど、いかにも見た目の色づきが不細工です(^o^)/
もしかすると、リンゴは週末農家向きの作物ではないのかもしれないと思いながらも、せっかく育った果実をせっせと大量に収穫して、さてこれをどうしよう(^o^)/



仕方なく、ご近所におすそ分けをし、箱詰めして親戚知人に送り、あるいは職場にコンテナごと持ち込むなど、苦心しております。昨日は、サクランボの産直に申し込んでいただいた方々にも宅配便でおすそ分けでお送りしたところです。あまり小さいものは、絞ってジュースにでもするしかないのかも。



さて、本日は午後から葬儀があり、出席しなければなりません。午前中の早いうちに、あれこれの用件を済ませてしまいましょう。

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今年も某大学で教えることに

2015年09月21日 06時04分18秒 | Weblog
某大学から依頼があり、今年も非常勤で教えることになりました。後期だけの依頼ですが、平成25年、西暦で言えば2013年からですから、今年で三年目になります。以前の仕事の関連で得た知識や経験、実践的なノウハウを伝える演習の性格の強いものですので、あまり負担感はなく、若い人たちの刺激を受けながら、楽しくやっています。今年はどんな顔ぶれでどんな雰囲気になるのか、今から楽しみです。

準備するものもだいたい決まって来ていますが、今年は少しだけ内容を追加変更してみようかと、今からあれこれ計画しているところです。資料のアップデートも、LibreOffice のファイルに適用するばかり。スケジュールに突発的なアクシデントや葬儀などが入らないようにと祈っていますが、こればかりはなんとも予測がつきません(^o^;)>
いずれにしろ、何年も続けて依頼があるのは、ダメ評価ではないようですから、私にとっては嬉しいことです。今の職場で許される限りは、楽しみながら続けたいものですが、さてどうなりますやら(^o^)/

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ノートブックには「書く派」と「貼る派」とがいるようだ

2015年09月20日 06時01分35秒 | 手帳文具書斎
私には、ノートブックと言えば書いて記録するものという先入観がぬきがたく刷り込まれています。子どもの頃から、鉛筆やペンで書きこむ習慣があり、大学生の時分には実験データの記録の正確な記入をたたきこまれましたし、山登りにでかけた時には山行記録をかなり詳細に書いておりました。そんなわけで、私自身はノートブックに文字や数字、図解などを「書く派」に属します。

これに対して、某舶来有名ノートブックユーザー(*1)のように、様々な印刷物などを自由に切り貼りしてコラージュを楽しんだり、旅行に出かけた先のチケットの半券やパンフレット等を貼り付けるなど、どちらかといえば「貼る派」とも言える人たちがおられることを知りました。自分の周囲には、これまであまり見かけなかったタイプの方々で、なんだか新鮮といえば新鮮です。

自分でノートに貼り付けるものと言えば、演奏会のチケットの半券や書店・文具店で購入したもののレシートなどがせいぜいで、たまに新聞や雑誌の記事の切り抜きが加わるくらいです。ブログのネタ帳としての機能や、テキストファイル備忘録の一時保管的なメモとしての役割など、文章中心の内容ですので、こうした傾向になるのかな、と考えております。

(*1):moleskinerie(モレスキナリー)~モレスキン・ファンサイト

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ブラームス「セレナード第1番」を聴く

2015年09月19日 06時03分20秒 | -オーケストラ
初秋の郊外路は、黄金色の稲穂が頭を垂れ、山々はまだ色づく前の静けさを保ち、ところどころにピンクのコスモスが風に揺れております。こんなところを走る通勤の音楽には、やはりブラームスの「セレナード第1番」のような曲が似合います。

セレナード第1番 ニ長調Op.11 というこの作品は、Wikipedia(*1)によれば、ブラームス24歳の1857年、デトモルトで着手されたとのこと。最初に書かれたのは現行の第1、第3、第6楽章の3つだけで、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスの弦楽器が各一本ずつに、フルート、二本のクラリネット、ファゴット、ホルン、という九重奏の室内楽編成だったとのこと。このオリジナル室内楽版も、いつか生で聴いてみたい(*2)ものですが、その前にやっぱりオーケストラ版でしょう(^o^)/
1857年といえば、前年の夏にR.シューマンが精神病院で死去し、残されたシューマン一家を支えた青年ブラームスの献身の時期にあたります。そのわりには暗さがなく、どちらかといえばのどかな明るさ・伸びやかさに満たされた音楽です。
オーケストラ版は、1860年にハンブルクで完成させたもので、ピアノ協奏曲第1番に続く大規模なオーケストラ作品でした。シューマン一家への献身の時期に区切りをつけ、クララはベルリンへ、ブラームスはウィーンへ移る前の、ハンブルク時代の代表作の一つと言って良いでしょう。まるでドヴォルザークの音楽のような印象さえ受けてしまうほどで、もともとブラームスはこういう響きが好きだったから、後に若いドヴォルザークの音楽に注目することになったのかもしれません。

第1楽章:アレグロ・モルト、ニ長調、2分の2拍子。
第2楽章:スケルツォ、アレグロ・ノン・トロッポ、ニ短調、4分の3拍子。
第3楽章:アダージョ・ノン・トロッポ、変ホ長調、4分の2拍子。
第4楽章:メヌエット、ト長調~ト短調、4分の3拍子。
第5楽章:スケルツォ、アレグロ、ニ長調、4分の3拍子。
第6楽章:ロンド、アレグロ、ニ長調、4分の2拍子。

演奏は、ギュンター・ヴァント指揮ケルン・ギュルツェニヒ管弦楽団で、通勤ドライブのお供に聴くには、たいへん快適なテンポです。なお、このオーケストラはケルン歌劇場の専属オーケストラなのだそうな。良好なステレオ録音です。

(*1):セレナード(ブラームス)~ Wikipedia の記述より
(*2):YouTube にはこの編成の演奏がありました。どうやら、繰り返しも忠実に再現している模様です。
Johannes Brahms Serenade nº 1, in D major, op. 11

なるほど、たしかにブラームス調。これならドヴォルザーク風味とは言わせませんね~(^o^)/

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1971年の"The Americana Annual"に記載されたジョージ・セルの訃報

2015年09月18日 06時05分26秒 | クラシック音楽
某図書館で、たまたま1971年の "The Americana Annual" を見つけました。これは、"An Encyclopedia of the Events of 1970" というもので、エンサイクロペディア・アメリカーナのイヤーブックになっているようです。このp.485にMusicという項目があり、Robert S. Clark という associate editor ("Stereo Review")が、4ページにわたって執筆しています。



この中で、Orchestra という項目の冒頭に、

George Szell, musical director of the Cleveland Orchestra, died in the summer of 1970 (see Szell, George). Its principal guest conductor, Pierre Boulez, who is to assume the musical directorship of the New York Philharmonic in 1971, was named music advisor of the Cleveland orchestra, and Louis Lane, associate conductor, was designated resident conductor. Boulez' selection as artistic director of the Blossom Music Center, summer residence of the Cleveland Orchestra, had been announced earlier in the year.

と記しています。そして、この後はダラス交響楽団や海外の動向などに話題が移っています。



索引で Szell の項を見ると、657ページにまるまる1ページ、Robert Finn による記述がありますが、筆者は "The Plain Dealer", Cleveland という肩書きになっています。その本文では、Early Life と U.S.Carrier の二部に分けてセルのキャリアについて簡潔に整理しています。中身についてはじっくり読んでみたいと思いますが、思わぬ発見でした。



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最近、大きな水害が多いのではないか

2015年09月17日 06時02分28秒 | 季節と行事
今回の台風18号による被害のうち、水害、とくに鬼怒川の堤防決壊や宮城県大崎市の堤防決壊の報道は、線状降水帯という耳慣れない用語とともに、集中豪雨の恐ろしさを印象付けました。山形県内では、最上町の小国川があふれ、赤倉温泉地区に被害が出ています。昨年は南陽市の豪雨被害もあり、なんだか近年は水害がやけに深刻化しているように感じます。これまでも、台風にともなう風水害というのはあったわけですが、どうも一度に降る雨の量がけた違いに増えているのではないか、と疑ってしまいます。

温暖化によって、海水面の温度や気温が数度上昇すると、空気中に含まれる湿気というか水蒸気量が増加する(*1)わけで、台風のような大型の空気の流れというか移動に際して、グラムやキログラム単位ではない、何万トン、何十万トンというレベルで、水分が余計に運ばれているのではなかろうか。だとしたら、これまで大丈夫だった堤防も、これから通用するとは限らない、ということではないのか。

温暖化が進行すると、気象の極端現象が顕著になるといわれます。水を治める者が天下を治める、という古訓を持ちだすまでもなく、温暖化の時代に対応した治水対策というのが大切になってきているように思います。しかし、長年の歴史があって、これまでの堤防の整備がなされてきているわけで、弱い部分の補強は必要としても、日本全体の堤防の強化など、一朝一夕にできるわけはなし、温暖化の進行するスピードのほうが、どうも速そうです。

それと同時に、災害に強い場所を選んで住み続けてきた歴史のある地域や集落が、ドーナツ化現象でビル街になって人が住めなくなったり、空き家が増えて櫛の歯が欠けたような状況になっているのに、かつての河原や湿地帯に住宅地が造成されていくというのは、どうも割り切れません。

(*1):豪雨・豪雪になる理由は~「電網郊外散歩道」2014年3月

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再びパイロット・カスタム・グランディの筆記量~正味の結果は

2015年09月16日 06時05分34秒 | 手帳文具書斎
パイロットの万年筆カスタム・グランディ(中字)は、メーカーによるオーバーホールの効果もあり、インクフローはますます潤沢に、たいへん滑らかな書き味です。先日、一本のカートリッジで書くことができる筆記量を調べてみようとして(*1)、条件をそろえる必要があり、調査をやり直しておりました。その結果は、同社の青のインク・カートリッジを新しいものと交換してから、カートリッジ内にインク残量が目視できなくなるまで、計7日間、A5判A罫24行のノート11頁を書くことができた、という結果でした。



モンブランのマイスターシュテュック149のインク容量が1.5mlで、20頁を書き通すことができたことと比較すると、インク容量が1.1mlのカートリッジ1本で13頁くらいを期待したところでしたが、結果は11ページで、モンブラン以上にインクの流れはよろしく、インク消費がはやいと感じたのは正しかったようです。もしかすると、モンブランで使ったプラチナ社の古典ブルーブラックに比べて、パイロット社の青インクはドバドバ系で、流れるように出てきやすい特徴をもっているのかもしれません。

そういう目で見てみると、プラチナ社の古典ブルーブラックと比較して、パイロットの青インクは、紙面上でにじみ傾向というか、広がる傾向を感じます。紙質としてはやや厚めの中性フールス紙を用いたツバメノートでその傾向を感じるのですから、あまり紙質のよろしくないノートではどれほどかと想像してしまいます。それだけを使っている時にはさほど不思議に思わなかったのですが、もしかするとかなり個性的な~インクフローはきわめて良好だがにじみやすい~インクなのかもしれません。



こうしてみると、モンブランの筆記量は抜群に多いです。大量筆記には好適な道具という気がします。また、カートリッジで使うカスタム・グランディも、インク残量をあまり気にしなくてもすむ、なかなかパワーのある筆記具という気がします。

(*1):パイロット万年筆カスタム・グランディ(M)の筆記量~「電網郊外散歩道」2015年9月

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