電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

香月美夜『本好きの下剋上』第5部「女神の化身XII」を読む

2023年12月31日 06時00分15秒 | -香月美夜
TO出版から本年12月に刊行された単行本で、香月美夜著『本好きの下剋上』第5部「女神の化身XII」を読みました。長く続く本シリーズの最終巻で、WEB版ではすでに完結しているわけですが、話の流れをかなり加筆して補っており、主人公視点からだけではなく周辺人物から見た描き方もあって、かなり重層的な物語になっています。

前巻では女神の意地悪で神々の力が過剰になってしまい、使い切ってしまわないとローゼマインに生命の危険が生じるという状況で終わっていました。他者の命を奪うなと命じた割にはひどい扱いだと憤慨するのは私だけではないはず(^o^)/ フェルディナンドも同じなのですが、とにかくローゼマインに目覚めてもらわないといけない。奥の手も使ってなんとか目がさめたローゼマインの「ボヘッーっ」とした様子は、「あ、やっぱり」(^o^)/

新たにツェントとなったエグランティーヌは厳しさも備えてきましたし、旧王族には理解が不十分な者もいるけれど、おおむね事態は順調に推移しているようです。でも、未成年の新領主に仕えることになる旧アーレンスバッハ、こんどはアレクサンドリアとなる大領地の貴族たちには、面従腹背、面白く思わない者もいることでしょう。それらをあぶり出し、平定・粛清しておくためには、ローゼマインがいてもらっては困る。それで考えられたのが「ローゼマイン、エーレンフェストへ里帰り」作戦。平民の家族や商人・職人、神殿の灰色神官たちの引っ越しも手配しなければいけませんし、養父母や貴族の父母、お世話になった人たちへ別れの挨拶もしなければいけません。ブリュンヒルデは「また領主会議で会いましょう」でいいけれど、高齢のリヒャルダはこれが最後になるかもしれません。ローゼマインはきっとわかっていないけれど、リヒャルダにはそれがわかっている(T-T)

ハルトムートらがたぶん活躍した後の新領地アレクサンドリアでは、新しい領主のスゴさに対して平民たちの人気は抜群に高いものがあり、お魚献上競争が起こるほどなのですから、ルッツたちグーテンベルグは到着してすぐに新領主の自慢を聞かされて、自重しなくなったローゼマインに少々ビビっていたことでしょう。でも、フェルディナンドに隠し通路を作ってもらい、家族に「ただいま!」と挨拶して迎え入れられたのは何よりのことでした。ルッツなどは、ローゼマインとフェルディナンドのかなり甘〜いムードに食傷したのかもしれませんが、仕方がありません。なにせ、もとがマインなのですから(^o^)/



ライトノベルというのをはじめて読んだのが、この『本好きの下剋上』でした。「なろう系」ライトノベルと一概にいうことは出来ないと感じましたし、著者の一貫した姿勢、教養と見識を感じる作品だったと思います。孫たちもファンだったらしく、LINEを通じて古希のジイサンと中高生の孫たちが同じ作品に夢中になれるという稀な状況を作ってくれた著者と出版社に、感謝したいと思います。

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今年の妻へのプレゼントは

2023年12月30日 06時00分16秒 | Weblog
今年の妻へのクリスマス・プレゼントは、野村萬斎演出、阪哲朗指揮、山響の演奏でヨハン・シュトラウスII世の喜歌劇「こうもり」公演(*1)のチケットと、私が試してみて暖かく便利に感じたワークマンの「ルームシューズ(*2)」でした。一昨年に贈った Lenovo の10インチ Android タブレット(*3)はだいぶ便利に使っているようで、いろいろな動画を見ては楽しんでいるようです。それと比べたらルームシューズの方はお値段はだいぶ違いますが、北国での実用性は高いので良いとしておきましょう。



写真は、クリスマス・イブの日の食卓の一部。ワインはよく知りませんが2007年のもの。クリスマス・ケーキは某デパートには頼まなかったので、というか、バイト君たちを動員して大量に作られる大都市のクリスマス・ケーキよりも田舎の洋菓子店できちんと作られるショートケーキのほうが美味しいと感じ、妻はキャラメル・ケーキを、私はクラシック・ショコラを選択。ガトーショコラを生クリームで飾ったものでしたが、余って無駄にすることもなく、たいへん美味しくいただきました。



さて、今年も残すところ今日と明日だけになりました。今日は最後の可燃ごみ収集の日ですので、忘れないで出す必要があります。これから家中のくずかごを回って可燃ごみ袋にぎゅうぎゅうと詰め、軽トラックで持っていく予定。また、餅屋さんに頼んでいる餅を取りに行くことになっています。幸いにお天気は曇りで雨も雪も降らないようです。孫たちは風邪気味らしく、今年は帰省しないことにしたそうな。静かな年の瀬になるようで、餅に飽きたら何か料理をしてみようかと考えているところです。

(*1): J.シュトラウスIIの喜歌劇「こうもり」を観る・聴く〜「電網郊外散歩道」2023年12月
(*2): 「ルームシューズで足元を暖かく」計画〜「電網郊外散歩道」2023年12月
(*3): 妻へのX'masプレゼントはLenovoのAndroidタブレットにした〜「電網郊外散歩道」2021年12月

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国立研究所が推計した2050年人口について

2023年12月29日 06時00分59秒 | Weblog
過日の報道によれば、厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所が発表した2050年までの地域別推計人口の表が興味深いものです。これによれば、2050年の全国の推計人口は約1億人。記憶では、昭和40年代の始めころに国内の人口が1億人を突破したはずですので、約80年余りでもとに戻ることになります。これはもちろん少子化と出生数の減少に加えて団塊世代の影響が峠をこすためでしょうが、むしろ地域別の傾向が見えてきます。縄文時代や古代の推計人口分布でもその傾向はありました(*1)が、やはり南関東の人口は減りにくい。これに対し、北東北や南紀・南四国などの減少は雪国だからとは言えない要因が大きいようですが、それはいったい何なのか。



背景が見えにくい場合は、視野を狭くして具体的なところで見ていくと、はっきりと見えてくる場合があります。具体的には、山形県内の市町村の推計人口です。これによれば、人口減少がおだやかな、減りにくい地域としては、東根市(87.6%)、山形市(80.4%)、三川町(76.9%)、寒河江市(72.2%)などが挙げられますが、これらの地域に共通なところは何だろう。

例えば東根市は、東洋経済新報社の「住みよさランキング」で山形県内1位、東北地区でも第1位になっています(*2)。さらに大東建託の「住み続けたい街」ランキングでも県内第1位、東北地区でも第2位となっています(*3)。その共通の背景となっているのは、若い世代が利用しやすい住宅供給の手頃さ、開発余地でしょうか。

確かに、東根市に流入する人口の第1位は隣の天童市からで、第2位は山形市からなのだとか。工業団地等、単純な加工組み立て型だけではない多彩な職場があり、住宅が求めやすければ住み始める人も多くなるだろうというのは当然です。折込チラシで見る土地付き戸建住宅が山形市で3,500万、天童市で3,000万、東根市で2,500万で求められるという宣伝を見ると、まだ経済的な蓄積が充分でない子育て世代、共働きをしながら住宅ローンを組む際の負担を少しでも軽くしようと知恵を絞る姿が目に見えるようで、「子育てするなら東根市」というキャッチフレーズのように子育て世代への支援や保育施設等の充実も後押しするのでしょう。

ここで一気に視野を全国に広げると、見えてくるのは雪だけではない、宅地化可能な平地の余地がどれくらいありそうか、という条件です。人口政策のバックグラウンドには、実はこうした視点が必要なのかもしれません。素人のピント外れの見方かもしれないとは思いつつ、都会の億ションに入る人たちを思う時、富の偏在という表現に思わずうなづいてしまいます。

(*1): 鬼頭宏『人口から読む日本の歴史』を読む〜「電網郊外散歩道」2022年11月
(*2): 「住みよさランキング2023」東北・北海道トップ50〜東洋経済オンライン
(*3): 住み続けたい街2023 自治体ランキング 東北版〜大東建託・いい部屋ネット

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手帳の新旧を交代する作業は

2023年12月28日 06時00分06秒 | 手帳文具書斎
師走も残り僅かになり、勤め人の時代だったならばそろそろ仕事納めの頃でしょうか。今年は勤め人生活からは完全リタイアした年でしたので、悠々としたものです。昨日は新旧の手帳を並べて引継ぎ作業を行いました。



具体的には、

  • 1月〜3月の予定を新しい手帳に転記する。

  • 表見返しのポケットに挟み込んだパーソナルデータや自分の名刺、予備の切手・はがき、妻の写真などを新しい手帳の同じ場所にそっくり移す。
  • 裏見返しのポケットに挟み込んだアドレス帳や山響の定期演奏会のチケット、フレネルレンズ等を新しい手帳の同じ場所にそっくり移す。
  • 専用のPreppy万年筆を添付のペンホルダーに移し、ゴムバンド代わりの髪ゴムで止める。


というような具合です。これで、新年には新しい手帳をひょいと持ち出せば用が足りるというものですが、問題はついうっかり古い方を持ち出す可能性があることか。これは、古い手帳は早々に書棚に移してしまい、新しい手帳に書き始めることが賢明なのかもしれません。



ところで、専用ペンにしているプレッピー万年筆ですが、プラチナ社の百周年記念ムックの付録に付いてきた青軸で、細字(0.3mm)です。インクは、裏抜けしにくい同社の古典ブルーブラックを使っています。目立たせる必要があるときは、赤やターコイズブルー等のボールペンを使いますが、基本的にはほぼこれだけで書いています。理由は、プレピー万年筆が軽いこと。ポリエチレンだか軟質ビニルだかわかりませんが、手帳に添付のペンホルダーは耐久性に難があり、使っているうちに切れてペンを落としそうでコワいです。プレッピー万年筆ならば軽いのでペンホルダーが切れにくい上に、万が一落としても諦めがつきそうです(^o^)/

恒例の手帳の新旧交代を終えると、いよいよ新年の声が近づいて聞こえてきそうな気がします。

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メインPCのLinuxデスクトップ機にToppingのUSB-DACを接続して音楽を聴く

2023年12月27日 06時00分35秒 | コンピュータ
リビングに設置した新しい Windows11 の PC の方は、今まで使っていた Sound Blaster のおかげですんなりと USB-DAC(*1) 経由で音楽再生ができるようになりましたので、こんどは書斎のメインPCの番です。こちらは、Ubuntu 20.04LTS を使った Linux デスクトップ機ですので、新たに入手した Topping の D10s というUSB-DAC がちゃんと動作するかどうかが気になります。

まずは、スリープ状態にしていた PC 本体の電源を OFF にして、ケーブル等を接続します。配置は、とりあえずプリンタ台にしているワゴンの下段、PC 本体の上に置き、PC 背面の USB 端子からケーブルを DAC に接続します。この製品は、USB バスパワーで動作しますので、電源は必要ありません。さらに、DAC の Line Out から L/R ステレオ RCA ピンケーブルでミニコンポ ONKYO CR-555 の Line In に接続、ミニコンポ D-N7TX スピーカを鳴らすというものです。



これだけの簡易な PC-audio ですが、Linux 上の Rhythmbox で ogg 形式で PC に取り込んだ LP/CD や、ネット上からダウンロードしたパブリックドメインの音源ファイルを再生すると、ノイズのない音で音楽を楽しむことが出来ます。今回の Topping D10s は、特にトラブルもなく Linux 環境で音楽再生に使えることがわかり、良かったよかった(^o^)/

書斎正面のテレビと共に埋め込みの書棚にセットしたステレオ装置のほうは、オペラ等の LD/DVD を観るときなどには活躍しますが、実態として日常の音楽鑑賞は簡易 PC-audio に移行しているのが実状。様々なブログ、YouTube 等と連動した音楽鑑賞の楽しさのほうが勝っているから、ということでしょうか。



李白いわく、ご主人は大きな音で音楽を慣らすけど、眠いボクにはいい迷惑だよ、だそうです。いやいや、先代の母ネコは R.シュトラウスの「ドン・キホーテ」の途中でびっくりして逃げ出したけれど、お前はぜんぜん驚かないじゃないか。同じシュトラウスの「ティル」はどうだい?

R. Strauss: Till Eulenspiegel's Merry Pranks, Szell & ClevelandO (1957) ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら







あらら、実にこのありさまです。ネコに小判、猫にシュトラウスですなあ(^o^)/

(*1): デジタル信号を音声などアナログ信号に変換する機器を DAC といいます。PC 内部はノイズだらけですので、USB ケーブルでデジタル信号のまま引き出して、外部の DAC でアナログ音声信号に変換してやり、それをミニコンポ等のアンプで増幅してスピーカーで音を鳴らす、という仕組みになります。したがって、一般にPC内蔵の音声回路をミニプラグ等で引き出すよりも、ノイズの少ない音が期待できる、というもの。msec レベルのわずかな遅延は生じますが、クラシック音楽の演奏動画等では問題にならないでしょう。

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新しいWindows11機にUSB-DACを接続し音楽再生環境を整備する

2023年12月26日 06時00分51秒 | コンピュータ
このたび新調した hp の Windows11 デスクトップ機は、いかにもビジネス機といった風情のPCで、音楽再生に向いているようには思えません。収録したLPやCD等のレコードと共に、今や簡易な PC-audio による音楽再生が主体になっていますので、やはり USB-DAC を導入し、ONKYO の powered speakers を鳴らしたいものです。某密林で最近の USB-DAC を探したら、Topping D10s という製品を見つけ、ポチッとしました。これは、メインの Ubuntu Linux 機で使う予定。



代わりに今まで Linux 機で愛用してきた Sound Blaster を移し替え、接続してみましたが、Windows PC-audio はなんの苦もなく音が出ました。いたって簡単です。




音源として、当ブログに貼り付けた動画を用いてみましたが、これはこれでなかなかいいものです。CDを取り込んだファイルを再生するにはもっときちんとした音楽再生ソフトを使いたいところですが、やっぱり foobar2000 あたりかなあ。パワードスピーカでなくオーディオ出力をミニコンポに接続し、天井の鴨居に固定した自作スピーカを鳴らすという方法もあります。もう少し試してみましょう。

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茂木大輔『交響録〜N響で出会った名指揮者たち』を読む

2023年12月25日 06時00分41秒 | -ノンフィクション
コロナ禍の中、2020年に音楽之友社から刊行された単行本で、茂木大輔著『交響録〜N響で出会った名指揮者たち』を読みました。著者は1990年11月〜2019年3月までの29年間、オーボエ奏者としてN響に在籍しておりますので、私が「N響アワー」を熱心に聴き、録画もしていた時期にも重なります。N響のオーボエというと、紅一点、小島葉子さんの姿を思い出しますが、その隣りにいた人がそうだったのかと、妙な認識の仕方をしました。

本書には実に多くの指揮者のエピソードを紹介していますが、私にとっても印象の深い人を挙げるとすれば、次の三人になるでしょうか。

  • ホルスト・シュタイン 〜楽員に最も愛された親方指揮者〜 そういえば、N響のヴァイオリンの鶴我裕子さんも「理想の男性」と絶賛(*1)していました(^o^)/
  • アンドレ・プレヴィン 〜ユーモアと笑顔、「もう一度。しかし今度はご一緒に」〜 私も記憶にあるのは、モーツァルトのピアノ協奏曲を弾き振りしたときの演奏(*2)。特にゆっくりした楽章での、愛情にあふれた音楽。
  • ネルロ・サンティ 〜アドリア海の見える練習@NHK交響カラオケ〜 歌手がまだいない初日の練習では自分で歌ってしまう チャイコフスキーの4番で素晴らしい演奏を聴かせてくれた(*3)

このあたりは、NHK教育テレビ「N響アワー」で実際に感じたところと共通するところがあります。サヴァリッシュやスイトナーは別格としてですが、私にとっても特に印象的な指揮者です。

(*1): 鶴我裕子『バイオリニストは目が赤い』を読む〜「電網郊外散歩道」2010年4月
(*2): プレヴィンとN響のモーツァルト「ピアノ協奏曲第24番」〜「電網郊外散歩道」2007年10月
(*3): ネルロ・サンティとN響でチャイコフスキー「交響曲第4番」を聴く〜「電網郊外散歩道」2006年7月

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干し柿が甘くなったので

2023年12月24日 06時00分27秒 | Weblog
本来であれば11月初旬に下げ始める干し柿ですが、今年は一週間ほど作業が遅れて(*1)しまいましたので、食べてみたらすっかり甘くなっていました。そこで、干し縄から外して菓子箱等に並べ、冷暗所に保存します。今年は全部で500個ほど干しましたので、自家用としては十分すぎる量です。一部は娘や親戚のところへ送り、残りは春まで楽しみます。本来であれば緑茶なのでしょうが、まずは味見を兼ねてコーヒーのお供に。

中身はとろり状態。渋みは抜けて、たいへん甘く美味しいです。もともと「ひらたねなし柿」というのは糖度の高い品種だそうですが、納得です。昔、幼い頃には、「ごま柿」という名前の、樹上で渋が抜ける「木ざわし」系の柿が我が家では主流だったように記憶していますが、あまりおいしくなかったような気がします。その後、中学生頃でしょうか、「ひらたねなし」柿に切り替わっていきました。亡父が4本ほど植えた樹が今は1本だけ残っています。この1本の樹の恵みが、毎年毎年、実に大きいことに驚かされます。



当地は雪国ではありますが、山形県の内陸側の盆地のため、月山・朝日連峰が衝立となって、今のところ降雪量はさほどではありません。クリスマス寒波で大雪の年もあっただけに、まだもう少しこの程度の降り方で済んでほしいところです。日本海側の地域の皆様には豪雪お見舞い申し上げます。

(*1): 干し柿にするため渋柿の皮むきをする〜「電網郊外散歩道」2023年11月

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図書館から冬休みに読む本を借りてきた

2023年12月23日 06時00分05秒 | 散歩外出ドライブ
先日、用事ででかけた際に少し時間がありましたので、図書館に立ち寄り、冬休みに読む本を三冊ほど借りてきました。

  • 茂木大輔『N響で出会った名指揮者たち』音楽之友社
  • アリソン・アトリー『時の旅人』岩波少年文庫
  • 山口昌伴『ちょっと昔の道具から見直す住まい方』王国社

一冊目は、N響の首席オーボエ奏者だった著者の目から見た、1990年〜2019年までN響を振った指揮者の印象やエピソードをまとめた本。ちょうどテレビで「N響アワー」を熱心に見ていた時期に当たり、懐かしい顔ぶれはDVD等の録画もけっこうあり、本書を読みながら演奏を聴いてみたいものです。
二冊目は みっち さんのブログ(*1)で話題にしていたもので、私は未読でしたので興味を持ったものです。
三冊目は、60年ほど昔の生活を忘れつつある現在、記憶を思い出すよすがとして、また現在の生活を振り返る視点として、興味を持ったものです。
いずれも、年末年始の冬休み期間中の読書として格好の題材。読書感想文の宿題はありませんが、当ブログの記事ネタにはなるかもしれないという目論見もあります(^o^)/

(*1): 行きがかり上、アリソン・アトリーの「時の旅人 A Traveller in Time」(1939年)を読み始めています、の巻〜If you must die, die well みっちのブログ より

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ドリップパックもいろいろあるが

2023年12月22日 06時00分30秒 | 料理住居衣服
このところ、我が家にコーヒーのドリップパックがずいぶんたまってしまいました。自分でスーパーから買ってくるのは普通の UCC のブレンド(280g)なのですが、最近はいただきものに加えて葬儀の香典返し、返礼品でもドリップパックをいただくことが増えてきて、当地でも以前のお茶・海苔をしのぐ勢いです。

ところでそのドリップパック、産地や味は別として他に違いがあるのかどうか、調べてみたらコーヒー粉の量が違うようです。

  • 7g  ドトール、イノダコーヒー

  • 8g  キーコーヒー

  • 10g ブルックス

うろ覚えですが、たしかコーヒーカップ1杯分には 7g が標準だったような気がします。10g というのは、きっとマグカップを前提とした量なのでしょう。インスタントコーヒーとは確かに違うけれど、相互の微妙な味の違いはこだわるほどのものとは思えないし、カップの大きさに合わせて選ぶくらいでしょうか。



李白くん、キミは猫舌だものね〜、コーヒーはダメだよね〜。

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憧れの白い紙

2023年12月21日 06時00分02秒 | Weblog
子ども時代、と言ってもまだ幼い頃の記憶ですから、おそらくは昭和30年代の中頃までのことでしょうが、田舎の農家の身の回りには真っ白な紙というのは珍しい存在でした。もちろん、障子紙や習字の半紙などはありましたが、子どもが落書きできる白い洋紙というのは、新聞に折込で入ってくるチラシの裏がときどき白いものがあるくらいでした。筆記具は筆や墨などは子供の落書き向きではありませんので、当然ながらちびた鉛筆です。何を書いていたのかは記憶にありませんが、黄土色のザラ紙ではなく白い紙が憧れだったことは確かで、高校を卒業するときにB4判の上質紙を一シメ(1,000枚)買った時の嬉しさは記憶にあります。

その頃から数えるとすでに50年以上が過ぎています。インクジェット紙としてふんだんに使った上質紙や、レーザープリンタ用としてストックしているコピー用紙など、惜しげなく真っ白な紙を使い、内容に誤りを見つけて印刷し直したミスコピー紙を処分するときには、チラリと心が悼みます。子ども時代には憧れだった白い紙。その上で空想の翼が高々と飛翔することはもうないのかもしれませんが。安心して寝ている膝上の猫の表情を見て、ふいにそんなことを思い出しました。

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Windows10が過重だったサブノートPCにLinuxを導入し再生を図る

2023年12月20日 06時00分41秒 | コンピュータ
2013年に導入してもっぱらプレゼン用に使ってきたサブノートパソコン、Lenovo の ThinkPad Edge E130 ですが、セレロンCPU、8GB メモリということで、当初の Windows8 では快調に動いていたものの、Windows10 になったら Windows Update のたびにどんどん重くなっていき、モッサリした動きに辛抱できなくなりました。主な用途が用途ですからハード的な不具合はほとんど見当たらず、B5サイズでまだ電池が3〜4時間は持つという現状を有効に活かそうと、Linux サブノートとして再生を決断。



Linux の選択肢としては、よく使い慣れた Ubuntu Linux で、バージョンは購入時の2013年に近いという意味では 12.04 とか 16.04 あたりが候補となるのでしょうが、手元のデスクトップで安定動作している 20.04LTS日本語Remix を導入してみることにしました。「その時代のハードにはその時代のソフト」をという原則には7年ほどずれますが、レイヤーを何枚も重ねて画像処理するようなことはこのサブノートではやらないし、ブラウザが動き、ワープロや表計算、プレゼンテーションソフト等が動けばまあ良しとすることとして、むしろ Windows10 と動きのスムーズさを比較してみましょう。



というわけで、ずっと前に DELL のネットブックのトラブル(*1)で購入していた外付けDVDドライブをUSBに接続、雑誌『日経Linux』2020年9月号の付録に付いていたDVDをセットして電源を入れました。LENOVO のロゴの下に「割り込みたいならEnterしな!」と表示されるので、すかさず Enter。ここでブートメニューが表示され、Windows Boot Manager でなく USB-CD-ROM を選択します。Windows8 時代の 8GB メモリでどの程度のパフォーマンスかなと疑問は持ちつつ、DVD の File system のチェックは CTRL+C でスキップ。それで DVD から Ubuntu 20.04LTS日本語Remix が起動しますが、動作そのものは支障がないようです。



DVD-ROM での起動ですので、読み込みに時間はかかりますが、動作に支障はないことを確認、Wi-Fi の設定をして無線の開通を確認、標準ブラウザ Firefox で Google を呼び出し、「電網郊外散歩道」を検索してみました。Mozc で日本語入力もOKのようです。



これで、一通り確認してみましたので、あとは速攻で Ubuntu 20.04LTS 日本語Remix のインストールを開始しました。Windows10 を残すかどうか確認されましたが、激重 Windows10 に未練なし。きれいさっぱり削除して標準インストールを選択しました。



終了後、再起動を選択して DVD ディスクを取り外し、HDD から起動します。無事ログインできましたので、「設定」を選んで Wi-Fi の設定をやり直してハードディスクに保存、2020年から23年までの累積 Update を適用して最新の状態としました。このあたり、20.04 ながら LTS(Long Time Support) のありがたさです。



インストール作業には11時半〜12時半頃までかかったかな。更新が終了したのは13時ころでした。




あとはお昼の食事を食べながら、ブラウザで動作を確認。お昼は簡単に、焼き立ての食パンにバターを塗り、チーズとゴーヤの佃煮と青菜漬を細かく刻んだものを散らし、リンゴをスライスしてマヨネーズとトマトケチャップをかけたもの、もう一つはスライスしたリンゴにチーズとサクランボのジャムを載せたものを半分ずつ、オーブントースターで焼いたものです。塩気と甘めと半分ずつで、コーヒーにちょうどよかった。



動作確認の結果ですが、メインのデスクトップ Linux 機のような余裕のある動作ではありませんが、Windows10 のモッサリした動きとはまるで別物です。ブラウザの動きもまずまずで、スムーズと言って良いのではないでしょうか。10年もののサブノートPCの Linux 化は、まずは成功と言ってよさそうです。



さて、クラシック音楽を聴けるような音響的な改善はぼちぼち手を付けることとして、とりあえず

  • ブラウザ Chromium (Chrome のオープンソース版)
  • グラフィックエディタ Gimp
  • 音楽配信 Spotify

等を導入・セッティングしました。書斎にもリビングにもデスクトップPCがありますので、ねらうところは「コタツでぬくぬくコンピューティング」です(^o^)/

(*1): ネットブック用の外付けDVDドライブを発注後、問題は解決!〜「電網郊外散歩道」2009年9月

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今日は「電網郊外散歩道」が20年目に入った記念日

2023年12月19日 06時00分11秒 | ブログ運営
今日、12月19日は、当ブログ「電網郊外散歩道」の誕生日です。2004年12月19日に初投稿以来、東日本大震災や父母の死去などよほどのことがない限り毎日更新を続けてきました。今日から20年目に入ったのですから、正確に言えば19周年記念日でしょうか。2014年に10周年を祝った(*1)ときは、なんとなく20周年は無理だろうなあと思うところもありましたが、幸いに運営者gooブログが事業撤退することもなく継続してくれたのが大きいと思っています。

また、個人的な工夫の面では、大雑把な区分けをしていたカテゴリーを記事数の増加と共に細分化していくことで、最初から内容を窮屈に限定した運営にしなかったことが幸いしたように思います。また、例えば先月11月28日に「料理・すまい」カテゴリーを「料理住居衣服」に変更しましたが、これはそれまで記事にすることのなかった衣類の話題が出てくるようになったためです。大きく分ければ「暮らし」あるいは「日常生活」というような範疇になるのかもしれませんが、「衣・食・住」というくくりではなくて、話題の頻度順に、衣服の話題は最後にしたものです。

次の表は昨日段階での集計結果で、本日のこの記事数はカウントされていませんが、時期によりどういう分野の記事が増えていったのか、大雑把な傾向はつかめるようです。



それによれば、記事数の多いカテゴリーは、順に

  1.  手帳文具書斎 931
  2.  Weblog      792
  3.  週末農業定年農業  586
  4.  -オーケストラ   476
  5.  クラシック音楽   430

となります。これは明らかに20年間の蓄積でしょう。逆に、昨年同時期からの記事数の増加の割合が多いものは、

アホ猫やんちゃ猫 112%
週末農業定年農業 111%
料理住居衣服   111%
オペラ・声楽   110%
健康       110%
歴史技術科学   110%

となっています。たしかに、昨年の晩秋に我が家にやって来たニャンコ「李白」をはじめ、この1年に話題にすることが多かった分野です。



最近は、アクセス数もだいぶ伸びてきており、先日、11月24日には開設以来過去最高のアクセスがありました。ページビューもさることながら、IPアドレス数で測った訪問者数が2200人を超え、日別ランキングで57位となったのには驚きました。ふだんは訪問者数が1,000人程度、ランキングも200位くらいのことが多いですが、何かのきっかけでどんと跳ね上がることがあります。あまり一喜一憂・右往左往しないで、長い目で落ち着いて持続するように運営していきたいものだと考えています。

漫然と日常を綴るだけでなく、何かしら視点を変えたり切り口や角度を変えてみたり、それなりに楽しい工夫をする動機づけは、ときどきコメントや「いいね」等をいただく皆様のリアクションによるものが大きく、その意味では長く継続するための、最も大きな要因になっているのかもしれません。あらためて、読者の皆様に感謝と御礼を申し上げます。



昨日はまとまった雪が降り、午後からコロナのワクチン接種。行きつけの医院でチクッと注射をしてきました。地面の雪も、午後にはほぼ消えてしまい、北側の屋根や庭木の上に白く残るだけとなりました。一応、記録のために付け足しておきましょう。

(*1): 根気よく続けていれば〜「電網郊外散歩道」10周年に思う〜「電網郊外散歩道」2014年12月

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J.シュトラウスIIの喜歌劇「こうもり」を観る・聴く

2023年12月18日 06時00分17秒 | -オペラ・声楽
野村萬斎演出、阪哲朗指揮で、J.シュトラウスII世の喜歌劇「こうもり」を観てきました。12月17日の山形県民ホールでの公演は、滋賀・びわ湖ホール、東京芸術劇場に続く最終公演、千秋楽です。

実は、この日は総代をしている寺の行事があり、終わってから急いで昼食を食べて妻と共に車で出発、出た時間が遅かったので高速を使って急いだのでしたが、途中で妻と話をしている間にうっかり高速の降り口を通り過ぎてしまい、ひとつ先のICで折り返して戻るというハプニングもありましたので、開演の14時に遅れてしまいました。幸いにスタッフの皆さんの機転で、序曲の終わりの拍手のタイミングでなんとか滑り込み、第1幕から観ることができました。

オーケストラピットは横長ですので、通常の配置はできません。実際には、中央に弦楽5部が左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンと並び、正面奥にコントラバスという配置です。左側には木管が手前からフルート、オーボエ、その左にクラリネットとファゴット、最左部にホルンが座り、弦楽セクション中央部チェロの左側にはハープが見えます。弦楽セクションの右側には、ティンパニとパーカッション、トランペット、トロンボーン等の金管楽器が陣取ります。

第1幕は、中央に狂言の舞台のような形で作られた正面手前側に、12畳ほどの畳が配置され、ちゃぶ台が置かれています。そして正面には「福」ののれんがかかり、舞台の向かって右端に講談調の語りが座ります。語るのは桂米團治師匠。今回は野村萬斎演出ということで狂言の要素を取り入れたものになっており、時代としては明治維新後の文明開化・鹿鳴館の時代で、日本橋の高利貸しが主人公の一人です。その割には名前がアイゼンシュタインと洋風なのですが、そこはオペレッタのお約束「細かいことは気にしない」なのです。左右の字幕とともに、この語りが軽妙で物語の背景を説明してくれますので、初めての人にもわかりやすい。序曲や有名どころのアリア等は承知している妻も筋書きの詳しいところは初めてですので、なるほど〜と演出のわかりやすさに感心しておりました。

与儀巧さん演じる昔の恋人アルフレードの歌声に弱い奥様ロザリンデは田崎尚美さん、着物を着て座布団に座って演じ歌うのはなかなか大変でしょう。その点、幸田浩子さん演じる女中アデーレの場合は、セリフはともかく立って歌うことが多いので、まだいいほうかな。しかし幸田さん、おきゃんな役が似合います(^o^)/  旦那のアイゼンシュタインが福井敬さんで、立派なテノールがいかにもやり手の金貸しという風情ですが、勝手気ままな分、またコロッと騙されやすい面もありそう。青山貴さん演じるファルケ博士にころりと騙されて、刑務所に入るはずが夜会に出席するのを承知しウキウキと出かけてしまいます。夫がでかけたあとに、奥様が昔の恋人と仲良くしているところへ、山下浩司さん演じる刑務所長フランクがやってきて、アイゼンシュタインと間違えてアルフレードを連行していきます。間違いだと言えない奥様もたいがいですね〜(^o^)/

ここで20分の休憩。舞台上は2幕の開始前の様子です。



第2幕は鹿鳴館の中。黒子が畳を集めて中央の金屏風の前に一段高いところを作り、夜会に出席した貴族の皆様は衣装の節約のために幕に衣装を描いて首だけ出す書割方式。これは笑いましたし、なかなかいいアイデアです。若い保護者の負担軽減のために小学校の学芸会でも使えるかもしれない(^o^)/ で、夜会の主催者オルロフスキー公爵が、なんと白塗りのお公家さんスタイルで、カウンターテナーの藤木大地さんです。メゾソプラノが演じることも多い役どころですが、いや〜、声も歌も素晴らしかったのに加えこのアイデアも秀逸でした。
ここでは女中アデーレと佐藤寛子さん演じるその姉、踊り子のイーダが多少の山形弁を交えて笑わせます。そこへ旦那のアイゼンシュタインが登場、奥さんの衣装で着飾ったアデーレを我が家の女中にそっくりだと驚きますが、アデーレはコケットリー全開でアリアを歌い、しらばっくれます(^o^)/
フランス人の騎士だと名乗って刑務所長が登場したのに続き、ハンガリーの貴婦人だと名乗って奥様ロザリンデがやってきて、旦那がさっそく口説き始めますが逆に自慢の金時計を巻き上げられてしまいます。ハンガリーの貴婦人だと証明するためにロザリンデがチャールダッシュを歌い、夜会は締めくくりの舞踏会へ。

15分の休憩の後、第3幕が始まります。黒子が鉄格子を運び、舞台は一転して刑務所の中に変化します。ここで、酔っぱらいの牢番フロッシュを語りの役目から一転して桂米團治さんが演じますが、歌の出番のないはずなのにちゃんと歌がある!しかも、聴衆に仕掛けて歌わせている!芸達者な落語家の姿に思わず笑ってしまいました。牢名主になっちゃっているアルフレードの歌に辟易するところへ刑務所長が帰還、騎士にパトロンになってほしいとアデーレとイーダの姉妹がやってきますが、君たち刑務所の入り口の看板を見逃したのかい?いやいや、それもオペレッタのお約束で、細かいことは気にしない(^o^)/ さらにアイゼンシュタインも入牢のためにやってきますが、アイゼンシュタインはすでに牢に入っていると知らされ、経緯を聞いて妻を疑います。妻ロザリンデもやってきて、弁護士に変装したアイゼンシュタインに問い詰められて窮地に立ちますが、そこで出てくる金時計(^o^)/
いやはや、とんだドタバタ喜劇なのですが、音楽が入るとこれがドタバタ喜劇ではなくなってしまうから不思議です。「シャンパンの歌」で大団円となるのはもう「お約束」のようなもの。私たち聴衆も、楽しく満足して帰路につきました。妻も「ああ、面白かった!」

こういう演出はありだと思います。ほんとに楽しかったし、ヨハン・シュトラウスII世の音楽も良かったし、山響の演奏も素晴らしかった。合唱には旧知の方々も何人か出演していましたが、皆さん黒子に徹して素晴らしい歌声を聞かせてくれました。ほんとに良かった〜!

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ステーショナリー・フリーマガジン『Bun2』2023年12月号を読む

2023年12月17日 06時00分22秒 | 手帳文具書斎
所用がありお出かけしたついでに、行きつけの文具店に立ち寄り、A4判のコピー用紙を補給するとともに、ステーショナリー・フリーマガジン『Bun2』の2023年12月号をもらってきました。今号の特集は、

読者が選んだベスト文具30~2023年Bun2大賞

を発表するものです。すでに毎年恒例になっていますが、今年の順位は、

第1位 リヒトラボ 1冊でも倒れないブックスタンド
第2位 三菱鉛筆 ユニボールワンP
第3位 三菱鉛筆 クルトガダイブ

というものです。なるほど、という感じでしょうか。とくに第2位のユニボールワンPは、太く短いコロンとしたスタイルで、握り部が細い方が書きやすいという変な定説に反発するワタクシ的には共感できる面が大です。
第4位以下では「キャンパスノートのように使えるバインダー」が自分でも購入して使っているせいもあり、支持できます。
そのほかに新製品情報として注目したのは、ナカバヤシのマウスパッド付きマルチケース「smouse」でしょうか。磁石でパカッと開閉できる三角ケースの部分がマウスパッドになるというアイデアは、ノートPCと一緒に持ち運ぶには便利そうです。これについては、私も現職時代に経験しており、角2封筒を使ったりするなど、実用上は大きな問題でした。きだて・たく「至高のイロモノ文具」でも取り上げており、面白い着目点であることは確かです。

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