電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

妻の自転車を購入する

2015年07月31日 06時02分28秒 | 散歩外出ドライブ
近年、ご近所のお年寄りに何かと頼られるようになっている妻は、機動力のある自転車がほしいと言っていました。若い頃、特に鶴岡市に在住の頃は、もっぱら自転車を愛用して生活していましたが、その後は自動車に頼る生活が長く続き、某モコを愛用しておりますが、ご近所を回るのにわざわさ自動車は大げさでしょう。夏ボも出たことだし、日頃のお弁当の義理から言っても、これはお付き合いしなければなりません(^o^)/

で、先日、自転車を買いに出かけました。こんな時は、軽トラックが便利です。普段着のまま軽トラックに乗り込み、老母の依頼で畑の野菜の肥料やら日用品やらを購入したほか、婦人用自転車(いわゆるママチャリ)を購入して来ました。ごく普通の、丸石の27インチです。軽トラックに積んで家に帰ると、暑さは空前絶後、自転車をこいで試走する元気も出てきません(^o^)/
もう少し気温が下がってから、試走してみることにするそうです(^o^)/
したがって、写真はまだありません(^o^)/

実は、妻にはもう一つプレゼントを用意していますが、それはまだナイショです(^o^)/

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モンブランにプラチナ社の古典ブルーブラックを入れる

2015年07月30日 06時03分30秒 | 手帳文具書斎
パイロットのブルーブラックのボトルインクを入手し、調べてみたところ、叔父の遺品となったモンブラン・マイスターシュテュック149に入っていたのはパイロットのブルーブラックではありませんでした。やや赤の成分が感じられる面もあり、手許にあるパーカーのブルーブラックとも違います。とすると、当方で推測できるものではありません。それではというわけで、何度も水洗いして、愛用のプラチナ社の古典ブルーブラックを入れました。

モンブランの巨大なペン先は、プラチナの古典ブルーブラックのニューボトルに付属するプラ製インク溜には大きすぎて、モンブランのボトルの形と深さが、なるほどそういう理由かと納得です。

愛用する万年筆の中で、中字のパイロット・カスタム・グランディと比較すると、文字の線幅はやや太めで、インクフローはたいへん潤沢です。ツバメノートのA罫(7mm)でも不足気味なほどで、これなら老眼世代でもハッキリと視認可能です。モンブラン用に、プラ製インク溜を外したボトルを用意しても良いのかもしれません(^o^)/

問題は、これほどにインクを垂れ流すほどの流量ならば、一回の吸入でどの程度まで書き続けることができるのか、インク補充の頻度が心配になります。マイスター・シュテュック149のインク吸入量は1.5mlという情報もありますが、はたしてどうか。A5判ツバメノートで二頁も書けないようでは、実用的とは言えません。



思いがけない発見もありました。パイロットのカスタム・グランディのほうで、まれにインクが途切れて書けなくなる症状が出ることがあり、紙がツルツル過ぎてスリップしているのだと思っていましたが、同じ箇所でモンブランでは難なく書けるところを見ると、むしろグランディを修理調整してもらう必要があるみたいです。で、さっそく行きつけの文具店に持ち込み、点検修理調整をお願いして来ました。

そんなことに気づいてしまったきっかけのモンブラン。叔父の遺品は、どうやら長く便利な相棒になりそうです。

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ようやく梅雨が明けて、桃の摘果にはげむ

2015年07月29日 06時04分05秒 | 週末農業・定年農業
当地も、この26日にようやく梅雨が明けた模様です。これで、カッと照りつける夏本番、甲子園の高校野球もヒートアップしそうです。

この時期、急務なのは桃の摘果です。垂れ下がった果実の重みで枝がボッキリ折れる前に、適正数量に間引いてやる必要があります。暑くていやだなあ、などと言っていたら、週末農家は成り立ちません。ここは思い切って軽装で、しかし虫除け対策は万全にして、朝晩の涼しい時間帯に、畑に出かけることにいたしましょう。

夏の暑い時期にはグーグー昼寝をしていた印象が強い亡父でしたが、よく考えて見ると、早朝の涼しい時刻に起き出して畑仕事を済ませ、寝不足になる分を日中の昼寝で補っていたのでしょう。長年の経験による生活の知恵ですが、それは専業農家だったからできることなのかも。兼業週末農家は、健康に支障の出ない範囲で、早朝または夕方の畑仕事に従事することにいたしましょう。

先日、桃が二本終わりました。今日も二本くらいはできるでしょうか。本当は、実が大きくなり暑くなる前、まだ涼しい春のうちに、摘花を過剰なほどにみっちりとやっておけば楽なんですけどね~。





もう一つ、元気老母が丹精している枝豆が実りました。写真は今月中旬のものですが、軽く塩茹でにするとたいへん美味しく、ビールも美味しい(^o^)/
取れたての枝豆で、よーく冷やしたビールを飲むのは、飲兵衛でなくてもこたえられません(^o^)/

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何年ぶりかで歯科通院

2015年07月28日 06時05分34秒 | 健康
過日、左の奥歯の詰め物が取れてしまい、あわてて歯科医院の予約を取ろうと電話をしましたが、なかなか忙しいらしく、予約がとれません。最後に、ここは立地が良いから多分混んでいてダメだろうと思っていた歯科医院で、偶然にもドンピシャで予約できました。予約当日、若干の余裕を持って出向き、ようやく復旧してもらいました。

調べて見ると、右の奥歯の詰め物が外れて治療をしたのが2010年~2011年で、左は2005年から取れたことがありませんでした。よく持ったものです。御飯を噛むにも片方だけでは不便です。両方の奥歯が使えてこそ、料理を美味しく食べられるというものです。診察によれば、反対側の奥歯にも少々「欠け」が見られるとのこと。少々の歯石もあるとのことで、次回の予約も取りました。



写真は、梅雨明けの予告となった西の空。今年は、6月26日に梅雨入りし、7月26日に梅雨明けとなりました。この期間の雨量は例年になくすくなく、60%程度だそうです。たしかに、畑の作物の様子などを見ると、日照りの様相を呈しておりました。

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オルガン音楽の受け止め方

2015年07月27日 06時05分10秒 | -独奏曲
若い頃は、迫力あるオーケストラ音楽と同様に、オルガン音楽の圧倒的な響きを好んで聴いておりました。でも、年齢とともに小編成の室内楽などに嗜好が少しずつ変わってきております。

例えば、J.S.バッハの「トッカータとフーガ ニ短調 BWV565」などは、若い頃にはそれこそ聴き惚れたものでしたが、今はむしろ、その威圧的な響きに反感すら覚えてしまうほどです(^o^)/

とは言いながら、例えば同じ J.S.バッハの「主よ人の望みの喜びよ BWV147」などには共感するのですから、オルガンの響きが苦手というわけではないのです。要するに、聴衆をひれ伏させるタイプの音楽に対する抵抗感なのでしょうか。同じパイプオルガンでも、巨大で有名な楽器の音よりも、恩師の葬儀で聴いたような(*1)小型のオルガンの優しい響きが好ましいと感じます。

おそらくは、加齢にともなう聴力の減退を防ぐための、自己防衛的な嗜好の変化なのだろうと思いますが、大音量でガンガン再生するだけではない、静かな楽しみ方が増えてきているようです。そういえば、ヘッドホンを使う頻度が、若い頃よりもずっと減っている気がします。

写真は、DENON の My Classic Gallery シリーズから、「バロック名曲集-2」です。型番は、GES-9207。

(*1):恩師の葬儀に出席~「電網郊外散歩道」2005年1月

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演奏会へお出かけのついでに購入した本

2015年07月26日 06時09分29秒 | 散歩外出ドライブ
過日、山形弦楽四重奏団の定期演奏会の日に、時間調整を兼ねて、某書店に立ち寄り、新刊を中心に、文庫と新書の棚をざっと眺めました。新刊ばかりではありませんが、目についたのが次の三冊。

  • 佐伯泰英『意次ノ妄~居眠り磐音江戸双紙(49)』(双葉文庫)
  • 石井好子『巴里の空の下オムレツのにおいは流れる』(河出文庫)
  • 牧原憲夫『民権と憲法~シリーズ日本近現代史②』(岩波新書)

このうち、『居眠り磐音江戸双紙』シリーズは、ほとんど惰性で購入し読んでいるようなものですが、シャンソン歌手の石井好子さんの本は、ずいぶん探していてようやく発見したもの。これは、たしか きし さんのブログ(*1)で紹介されていたのをきっかけとして、読んでみたいと思ったのだったと記憶しています。



岩波新書のほうは、現在のんびりと連載中の「歴史技術科学」カテゴリーの明治編で参考にしようかと購入したものです。文系の方々の歴史書は、政治や事件に注目し、技術やインフラ整備などの記述はごく少ないという傾向がありますが、本書の場合はどうか。

この夏に、なんとか読みたいと思っている本が何冊かありますが、問題はこの湿気と暑さに負けて、ぐーたら生活になりかねないこと。早朝まだ涼しいうちに畑仕事で、暑い日中は室内で涼しく読書、という健康的な生活が送れるかどうかですね~(^o^)/

(*1):石井好子【巴里の空の下オムレツのにおいは流れる】~「ゆっくりと世界が沈む水辺で」より

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寒河江市「慈恩寺の美仏と阿弥陀仏たち」展を観る

2015年07月25日 05時56分42秒 | 散歩外出ドライブ
少し前のことになってしまいましたが、梅雨がまだ明けない20日の日曜日、寒河江の慈恩寺に出かけ、「慈恩寺の美仏と阿弥陀仏たち」展を参観してきました。展示期間の最終日でしたが、あいにくの雨模様で、人出もあまり多くなく、静かに見学できました。



階段上りを避けて(^o^;)臨時駐車場に車を停め、三重塔に至る坂道を上がると、目指す慈恩寺三重塔が見えてきます。



そこから山門(仁王門)に回り、正面から見上げました。





こちらは、強そうな仁王さん。



解説リーフレットによれば、慈恩寺は、天平18(746)年に聖武天皇の勅命により、インド僧婆羅門が開基したと言われる一山寺院で、江戸時代には幕府から2812石余の御朱印を受け、東北随一の巨刹として栄えた寺院だそうです。平安末期から鎌倉中期の仏像が多く、阿弥陀如来坐像などは重要文化財の指定を受けているほか、本堂を中心とする境内と背後の中世城館群、西の結界および修験行場跡が、このほど国の史跡として指定されたとのことです。

展示の方は撮影禁止でしたので、外観のみ。まずは本堂から。





一服の清涼、静寂のひととき。





山門の前で、柴犬の双子チャンが、ご主人の帰りを待っていました。



帰路、「陣屋」(*1)に立ち寄り、珈琲で休憩。カプチーノが美味しい(^o^)/



今回、特に印象的だったのは、チケットとリーフレットに採用された二体、腕と足をスッパリと切断された姿の仏像でした。なんとも痛々しく、おそらくは明治の廃仏毀釈の際の「受難の像」だったのだろう、とのことです。



たしか、神仏習合の時代には長く真言宗の霊場だった出羽三山も、明治の神仏分離令で寺院が破壊され、神道の神社として残ったはず。明治維新の混乱に乗じて権力に取り入った狂信者の影響だったのでしょうか。これを正気に戻そうとした人もいたはずで、外国の某原理主義者の史跡破壊を笑えない歴史が、少し前の過去にあったということは、覚えておく必要がありそうです。

(*1):寒河江市・富久住陣屋~公式ホームページ

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叔父の遺品のモンブランで使っていたインクは何だろう?

2015年07月24日 06時04分14秒 | 手帳文具書斎
記念にいただいた叔父の遺品の万年筆は、モンブランのマイスターシュテュック149というものらしいです。胴軸の大きさといい太さといい、ペン先の18Kという表示からみても、ほぼ間違いないでしょう。叔父は、出版社の編集者だったという商売柄、けっこう使い込んでいるようで、五年や十年ではなさそうです。仮に1990年頃のものとしても、ずいぶん高価だったことでしょう。現在のお値段は、親会社のブランド戦略もあって、田舎在住の中高年には違和感ありあり、まず自分で購入を考えることはありえない製品です。叔母さんの気持ちを考え、大事に使わなければいけません(^o^;)>poripori



では、使っていたインクはいったい何だったのだろう? ブルーブラックであることは間違いないのですが、メーカーはどこ?

  • 40年前に、ペリカン万年筆をいただいた頃は、たしかパーカーのQuinkのブルーブラックを好んで使っていたと記憶しています。
  • 最近は、年齢のせいか、あるいは病気がちだったせいか、あまり外出していなかったようです。ネット通販というのは考えにくく、ごく近所で入手しやすいものだったはず。
  • 遺品の万年筆が置いてあったペン皿の近くには、特徴的なパイロットのインク瓶が置いてありました。

今となっては、本人に確かめることはできませんし、胴軸に残ったインクの色合いで判断するしかありませんが、可能性が高いのは、パイロットのブルーブラックかも。パイロットのブルーブラックのボトルを入手して、確かめてみる必要がありそうです。

パイロットのブルーブラックの場合は、単純な水洗いではダメで、中性洗剤を使うように書いてあるそうな。おそらくは、なにか油性の物質をエマルジョンのような形で懸濁してあるのかもしれません。実際にパッケージを見ると、「インキの色を変える場合はぬるま湯でペン先、首部をよく洗ってください」とあります。いずれにしろ、当面は同じインクを補給して使いつづけるのが良かろう、という判断です。

さて、本当は何のインクなのだろう? 興味深いところです。

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持ち歩く文具

2015年07月23日 06時02分06秒 | 手帳文具書斎
当地・山形は、昨夜は激しい雷雨で、今朝も雨模様です。例年、梅雨明けの時期には集中豪雨がありますので、そろそろ梅雨が明けるのかもしれません。

さて、文具を「持ち歩く」という観点で見た場合、次のように分けることができます。

  1. 常に持ち歩くもの
  2. 外部で事務作業があるときに持ち歩くもの

私の場合、常に持ち歩くものは、



  • 万年筆 パイロット:カスタム・グランディ(M)、プラチナ:#3776ブルゴーニュ(F)
  • ボールペン 三菱ジェットストリーム(0.7mm,黒・赤)、三菱パワータンク(1.0mm,黒)
  • 備忘録ノート ツバメノート:A5判
  • 手帳 ダビンチのシステム手帳 内容は主にダイアリー、Don'tForgetメモ等
  • デジタルカメラ カシオのコンパクトデジカメ:Exilim EX-Z330
  • 老眼鏡、フレネルレンズ

という具合で、基本的に写真を撮り、手帳やノートにメモし、本を読むなどのためのもので、あまりたくさん持ち歩くことはありません。

これに対して、外部で事務作業がある場合は、必要と思われる機能をできるだけコンパクトに持ち運ぶことが必要になります。単に小型というだけではだめで、実用的な事務能率を発揮できることが条件になります。



  • ハサミ
  • カッターナイフ
  • アルミの定規
  • 粘着テープ スコッチのメンディング・テープ
  • 固形糊 トンボ:消え色ピット
  • サインペン、フェルトペン
  • ボールペンの替え芯 ジェットストリーム(黒)など
  • ポストイット、付箋
  • ホチキス
  • 伸縮型の指し棒
  • 電卓

などでしょうか。これらをコンパクトに持ち運ぶために、百均のファスナー付き小物入れを使っていますが、案外に実用的です。

【追記】
 あ、写真ではホチキスが抜けてる(^o^;)>poripori

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山形弦楽四重奏団第56回定期演奏会でハイドン、尾崎宗吉、ベートーヴェンを聴く(2)

2015年07月22日 20時20分58秒 | -室内楽
山形弦楽四重奏団第56回定期演奏会レポートの続きです。

2曲目は尾崎宗吉「小弦楽四重奏曲第1番」です。
1935年に書かれたというこの曲、2010年の第35回定期演奏会でも取り上げております(*1)ので、団体としては再演となりますが、2nd-Vnが今井さんに交代してからは初めてです。
第1楽章:アレグロ。カッコいい。集中力に富む、若さと情熱をぶつけるような音楽であり、演奏です。第2楽章:アンダンテ。どこか田舎風の、日本音階の要素もあるしっとりとした緩徐楽章で、懐かしさを感じさせながら様式感がしっかりとあります。第3楽章:ロンド、スケルツァンド、ヴィヴァーチェ。ピツィカートで始まります。「スケルツァンド」は「戯れるように」という意味か。不協和音も巧みに使って、若い作曲家の意欲的な工夫が光ります。チェロが雄弁に語ったかと思えば、低音でしっかりとリズムを刻む。アンサンブルが、緊迫感を断ち切るように、音楽が終わります。

15分の休憩のあとは、ベートーヴェンの「ラズモフスキー第1番」です。
第1楽章:アレグロ。2nd-Vn と Vla がリズムを刻む中で、チェロが主題を提示します。印象的な始まりです。続いてヴァイオリンが入って、活力と緊張感のある、いかにも中期のベートーヴェンらしい充実した音楽が始まります。チェロが何度も奏でるこの伸びやかな主題が、好きですね~。
第2楽章:アレグレット・ヴィヴァーチェ・エ・センプレ・スケルツァンド。イタリア語では、「A e B」は「A と B と」という意味になるらしい(*2)。活発にアレグレットで、かつ常に快活に、くらいの意味でしょうか。始まりはチェロから2nd-Vn→Vla→1st-Vnへ。4つの楽器が軽快に動きます。ここでもチェロが活躍、時に意表を突いた動きもします。ベートーヴェンは、チェロを使うのがうまいなあと感じます。
第3楽章:アダージョ・モルト・エ・メスト。悲痛さを感じさせる緩徐楽章。チェロのピツィカートの上でヴァイオリンが切実な訴えをするように歌います。作曲家は何を悲しんでいるのか、全曲中で最も長い音楽です。
第4楽章:ロシア風の主題で、アレグロ。ロシア風と言われればそんなものかと思う程度の安直な理解ですが、やっぱりチェロが重要な役割を果たします。四人の緊密なアンサンブルはもちろんのこと、もう一言よけいなコメントを追加すれば、ベートーヴェンがそう書いたことは間違いないけれど、チェロの茂木さんが、やっぱりスゲーうまいんだなあと感心してしまいました(^o^)/

曲が終わると、聴衆から複数のブラボーが飛び、思わずため息がもれておりました。ハイドンの軽やかさを、だいぶ楽しみましたし、ベートーヴェンの中期の充実を感じることができ、さらに日本人作曲家の室内楽作品を継続して取り上げてきた団体らしい、良い演奏会でした。

次回の定期演奏会は10月17日(土)の18時30分からと発表されています。ハイドンはOp.54-3、バックスのオーボエ五重奏曲、それにメンデルスゾーンの2番の予定とか。1番と3番は山形弦楽四重奏団の定期で聴いた記憶がありますが、2008年7月の第28回定期演奏会は残念ながら単身赴任中で聴くことができず、あらためて第2番が取り上げられるのは嬉しい。しかも、プレシャス・カルテットの山形公演で聴いて(*3)からもう二年になりますので、その点からも大歓迎です。

(*1):山形弦楽四重奏団第35回定期演奏会を聴く~「電網郊外散歩道」2010年4月
(*2):イタリア語の「o」と「e」について~「Yahoo!Japan 知恵袋」より
(*3):プレシャス・カルテット山形公演を聴く(2)~「電網郊外散歩道」2013年7月

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山形弦楽四重奏団第56回定期演奏会でハイドン、尾崎宗吉、ベートーヴェンを聴く(1)

2015年07月21日 20時49分31秒 | -室内楽
「海の日」で休日となった月曜日、山形市の文翔館議場ホールで、山形弦楽四重奏団の第56回定期演奏会を聴きました。今回は、少し前にヴィオラの倉田譲さんの入院という緊急事態もあり、開催を危ぶんでいたのですが、幸いに予定通り演奏会を聴くことができ、まずは良かった良かった~(^o^)/



18時からプレコンサートがあり、渡辺奈菜(Vn)さんと田中知子(Va)さんのデュオで、J.S.バッハの「二声のインヴェンション」から。バッハの音楽は楽器を選ばない面があるけれど、弦楽二重奏の演奏もいいなあとあらためて感じました。演奏の後に、キルシュ弦楽四重奏団の演奏会のお知らせもあり、昨日の山響定期の際もチラシが入っていましたが、ここ山形に、新たなカルテットが誕生したことを祝いたいと思います。

さて、今回のプログラムは、

  1. ハイドン 弦楽四重奏曲 変ホ長調 Op.50-3
  2. 尾崎宗吉 小弦楽四重奏曲第1番 Op.1 (1935)
  3. ベートーヴェン 弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調 Op.59-1 「ラズモフスキー第1番」

というものです。開演前の解説は、山Qの紅一点、2nd-Vnの今井東子さん。プログラムノートと同じことを述べてもしょうがないし、と悩みを話します。でも、あまり明るくないホールで小さな文字を読めるのは、今井さんくらい若い人たちまでですよ~。ですから、プログラムノートと同じ内容を、話し言葉で説明してもらうだけでも、ありがたいのではないかと思います(^o^)/

さて、1曲目のハイドン。
第1楽章:冒頭から、うわーハイドンの音だ。軽やかで楽しそうなアレグロ・コン・ブリオです。心配した倉田さんも、身振りはすっかり音楽に寄り添って、確かな回復ぶりとみました。第2楽章:アンダンテ・オ・ピウ・トスト・アレグレット。イタリア語で A o B というのは A とか B とか、という意味になるそうな。だとすると、「アンダンテとかより速くとかアレグレットとか、いろいろ変わるんだよ~」くらいの意味でしょうか(^o^)/ateninaran
曲の方も、表情が変わります。四つの楽器に、それぞれ聴かせどころが用意されているようです。
第3楽章:メヌエット、アレグレット。けっこう速いテンポで、伸びやかさ、軽さのある音楽。第4楽章:フィナーレ、プレストで。ここは、アンサンブルの聴かせどころでしょう。活力のある音楽です。

うーむ、二日連続の演奏会レポートはけっこうきつい(^o^;)>poripori
続きはまた明日にいたします。m(_'_)m

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山形交響楽団第246回定期演奏会で「イタリア」「田園」交響曲を聴く

2015年07月20日 14時56分42秒 | -オーケストラ
 日曜の午後は、山形交響楽団の第246回定期演奏会に出かけました。午後3時15分ごろチケット交換に並び、辛うじて残っていたボックス席を確保しました。少しすると、ホワイエで「ウェルカム・コンサート」が始まりました。丸山倫代さん(1st-Vn)、黒瀬美さん(2nd-Vn)、井戸健治さん(Va)、それに渡邊研多郎さん(Vc)によるカルテットで、メンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第2番の第1楽章とメンデルスゾーンの「歌の翼に」でした。しばらくぶりのロビーコンサートで、たいへん新鮮に感じました。



 開演前のプレコンサートトークでは、新事務局長の西浜さんと今回の指揮者の鈴木秀美さんのお二人で、曲目の解説を話します。興味深かったのは、メンデルスゾーンの交響曲第4番「イタリア」の4つの楽章を、それぞれ「秋・冬・春・夏」と解釈する、というところ。これは、鈴木秀美さんが、フランス・ブリュッヘン率いる18世紀オーケストラで演奏旅行をしていたころ、フランス・ブリュッヘンが述べたものだそうで、そのときに感心して取り入れたものだそうです。次の「田園」交響曲では、歴史と伝統という手垢のついたところを洗い落とし、ディテールは薄化粧して演奏するとのこと。どんなベートーヴェン演奏になるか、楽しみです。鈴木秀美さん、実はメンデルスゾーンが大好きだそうで、その天才性をかなり強調しておりました。

 まもなく楽員の皆さんが登場します。第1ヴァイオリン(8)、第2ヴァイオリン(6)の対向配置で、その後方にヴィオラ(5)とチェロ(5)が並びます。正面奥にはフルート(2)とオーボエ(2)、その奥にクラリネット(2)とファゴット(2)、そして両脇には、左側にホルン(2)、右側にはトランペット(2)とティンパニ、正面最奥部にコントラバス(3)という二管編成です。コンサートマスター席には、高橋和貴さんが座ります。

 1曲目は、メンデルスゾーンの交響曲第4番イ長調作品90「イタリア」です。第1楽章:アレグロ・ヴィヴァーチェ。今回のパンフレットの解説も、実は指揮者の鈴木秀美さんが書いていますが、その中で、

さて、交響曲《イタリア》は黄金色に輝く収穫の喜びをもって始まります。

としているとおり、冒頭の開始の音が、実に明るく、溌剌としたものです。休みなしに始まる第2楽章:アンダンテ・コン・モトは、鈴木さんの言葉を借りれば、「ハリー・ポッターに出てくる本」を開くと、そこから不思議な物語が始まるように、革表紙の古い本が語り出す古い物語のような音楽です。不思議な時の流れを刻むように、低音部がリズムを刻みます。ノン・ヴィヴラート奏法によって山響の弦楽の澄んだ美しさが際立つことは、先刻承知のはずなのに、ホールに響くしなやかな音に、今さらのように感じます。
第3楽章:コン・モト・モデラート。なるほど、この楽章が春の雰囲気というのは、言い得て妙です。しなやかな音楽の中で、ナチュラルホルンと木管による角笛のような響きは、なんとも牧歌的に、効果的に聞こえます。そして終楽章はプレストで、沸騰するサルタレロ。夏の盛りの音楽のように、実に気持ちいい!

 休憩のあとは、ベートーヴェンの交響曲第6番ヘ長調作品68「田園」です。
オーケストラは編成が若干変わり、フルート(2)の右にピッコロ(1)、トランペット(2)の後方にトロンボーン(2)が加わります。
第1楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ。やや速めのテンポで、実に軽やかにしなやかに始まります。弦楽に過度の表情付けはなし。でも、ファゴットやクラリネットは、ブラボー! 聴き慣れた音楽ではありますが、「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」として実にいい味です。
第2楽章:アンダンテ・モルト・モト。「小川のほとりの情景」の標題のように、弦楽合奏の夢見るような柔らかさ、しなやかさが、途切れることなく連続します。ファゴット、いいなあ。
第3楽章以降は、第5楽章まで連続して演奏されます。軽やかに受け継がれる音のかけあいが実におもしろい。例の嵐の場面も、2nd-Vnから気配が変わり、嵐がやってくるところが、よーくわかりました。コントラバスの活躍は、生演奏ならではの醍醐味。嵐が過ぎ去るところも、ティンパニの音がだんだん弱くなることで表現していることも、あらためて実感しました。終楽章の再現も、単に夢見る人ではなく、力強さの加わった人になったようで、堂々とした歩みになっています。

 ほぼ満席の聴衆の拍手に応え、指揮の鈴木秀美さんが話します。内容は、若いメンデルスゾーンの復興の努力のおかげで、J.S.バッハの音楽が私たちに身近なものになったこと。アンコールとして、そのバッハの音楽から、カンタータ第107番より「コラール」を。これも、ほんとに素晴らしいものでした。




 終演後のファン交流会では、鈴木秀美さんの人気を裏付けるように、多くの人が集まりました。「山形は、食べ物も飲み物も美味しいので、気をつけないといけない。本番まで意識を保っていないと。今晩が一番あぶない(笑)」なるほどね~(^o^)/

 鈴木秀美さんのチェロでメンデルスゾーンのチェロ・ソナタのCDを見つけたので、購入してサインをしてもらいました。私のミーハー・コレクションに、また宝物が一枚加わりました(^o^)/




【追記】
プログラムの表紙だけでなく、内容も変わってきています。ロビーコンサートのプログラムも明記されていますし、楽団員のインタビューや、楽団ニュースの(多分)連載も始まりました。こういうのは、ファンにとってはたいへん嬉しいものです。岩手の「アマデウスへの旅」や東京・大阪での「さくらんぼコンサート」の様子など、山形では聞くことのできない、我らが山響の活躍と評判なども、やっぱり知りたいものです。コンサートスケジュールも、定期演奏会だけでなく、各地で色々な機会があるんだなあと、あらためて認識。こういう改善は、たいへんありがたいところです。新事務局長を中心としたスタッフの皆様の努力に敬意を表します。



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マタチッチとN響で「ワーグナー管弦楽名曲集」を聴く

2015年07月19日 06時05分46秒 | -オーケストラ
梅雨時の不快感を吹き飛ばすような、パワーのある音楽を聴きたいと、ワーグナーの管弦楽名曲集を聴いています。「あの人畜無害の narkejp が、何を思ったか、悪漢ワーグナーの音楽を取り上げるなんて、珍しい」「台風が来たのもそのせいじゃないのかい」などと不思議に思った方もおられるかもしれませんが、なに、若い頃はそれなりに、ジョージ・セル指揮の勇壮な「マイスタージンガー」第1幕前奏曲や「ワルキューレの騎行」などを好んで聴いたものでした。また、中年の頃には、N響アワーなどで親しんだホルスト・シュタインの指揮するジークフリートの葬送行進曲や「タンホイザー」序曲など、そのしなやかで弾力性のある音楽に魅せられました。

ではCDでは?と探すと、私のあまり大きくない規模のライブラリには、意外にワーグナーの管弦楽作品集というのは少なく、某中古書店で入手した "DENON My Classic Gallery" という全集分売ものから、ロブロ・フォン・マタチッチ指揮のNHK交響楽団による1968年の録音(GES-9223)を取り出したものです。

  1. 「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕前奏曲 (9'40")
  2. 「ローエングリーン」第1幕前奏曲 (9'02")
  3. 「ローエングリーン」第3幕前奏曲 (3'12")
  4. 「さまよえるオランダ人」序曲 (10'59")
  5. 「タンホイザー」序曲 (13'55")
  6. 「ジークフリート牧歌」 (18'30")

この演奏、小難しいことを言えば、ジョージ・セルとクリーヴランド管のストイックな勇壮さや、1980年代のN響とホルスト・シュタインのような弾力性を特徴とするようなタイプではありません。でも、弛まないテンポで堂々と音楽を押し通す姿勢は実に剛毅で、立派なものです。毎日、通勤の途上で、周囲に広がる緑の田園風景の中の農道を、まるでこの世の盟主になったかのような気分で疾走するのは、実に快適です。いや、実は単なる通過者にすぎないのですが(^o^)/

録音の好みから言えば、もう少し響きにふくよかさが欲しい気もするけれど、おそらくは演奏したホールの問題があるのでしょう。録音当時、私は中~高校生だった頃に、N響とマタチッチがこんな演奏会を行っていたのだと思うと、思わず回顧的になってしまいます。そして、あの頃、山形でプロ・オーケストラの定期演奏会を聴けるなんて、まるで考えもしなかった。今日、日曜日は、山響定期です。

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葉室麟『橘花抄』を読む

2015年07月18日 06時04分07秒 | 読書
東京往復の車中で、葉室麟著『橘花抄』を読みました。平成25年5月発行の新潮文庫です。

九州・福岡藩、黒田家の騒動を踏まえた時代小説で、主人公は卯乃という女性です。お家騒動に関連し、父親が切腹した14歳の春に、卯乃は筑前黒田藩の重臣である立花五郎左衛門重根(しげもと)の家に引きとられ、美しく成長します。病妻を失っていた重根は卯乃を後添いに望み、卯乃もそれを承知しますが、政敵の使いの男に、父親を切腹させたのは重根だと告げられ、信憑性を疑いつつも、懊悩に目を病み、失明します。

重根の義母りくは、卯乃を憐れみ、実子で重根の弟となる峯均の屋敷に卯乃を引き取ります。立花峯平は、若い頃に津田天馬という剣鬼との試合で敗れ昏倒するという不名誉から、婿入り先を出され、剣の修行に打ち込み、ついに二天流の奥義に達しておりました。卯乃は、重根の包み込むような慈愛に感謝しつつ、娘の奈津とともに暮らす立花峯均に心を寄せます。峯均は、別れた妻・さえの苦難に救いの手を差し伸べますが、さえからの復縁の願いは拒絶します。

筑前黒田藩には、内紛の種が隠されておりました。藩主・綱政は次男であり、父である前藩主・光之は、嫡子・泰雲を廃嫡して閉じ込めておりました。父と子の争い、兄と弟の争いを、立花重根・峯均の兄弟は諫止する立場にあったのですが、光之が泰雲を「許す」と告げた数日後に、光之は死去します。そしてそれは、現藩主綱政から立花一族に対して加えられる粛清の始まりでした。

実は、卯乃は泰雲がお付きの女性・杉江に生ませた子であり、杉江は重根が選び、不遇な泰雲に心を通わせた唯一の女性であったのでした。立花の兄弟とその家族に加えられる過酷な圧力と、それにじっと耐える姿が立派に美しく描かれます。悪鬼の如き津田天馬の再登場と対決は、武蔵と小次郎の対決を彷彿とさせるものです。



たくさん出てくる和歌も、茶道ではなく香道を描く場面でも、象徴が過剰に感じられて、理系の石頭にはぴんと来ない面があります。たぶん、アレルギー性鼻炎で嗅覚が弱まっているせいもあって、いささかすねた気分になるのかもしれません(^o^)/

おもしろかったのだけれど、この作品も、どうも今ひとつ心を許せないものがあります。どうして作者は、「美しく死ぬ人」を好んで取り上げ、描こうとするのだろう? と思ってしまうのです。

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叔父の遺品のモンブラン

2015年07月17日 06時02分43秒 | 季節と行事
叔父の家から斎場に到着、待合室で待機します。暑い日でしたが、三々五々、会葬者が集まってきます。主として近親者で、甥・姪の大集合という感じです。一部、出版社勤務時代のOBや会社の代表者などが混じり、葬儀の常識としては奇抜な服装の人もいました。なるほど、奇人変人の集まりとは聞いていましたが、これが文藝を業とする人たちの日常的な姿かと、納得しました。これなら、世間的常識からみればやや風変りだった叔父も、きわめてまっとうな常識人と言えそうです。

定時になると、斎場の一室で読経と共に焼香を行い、棺の中を皆で花で飾り、ふたをして火葬~荼毘に付しました。待合室で待つ間に、甥・姪を代表してご挨拶。火葬に立ち会っていただいたことへの御礼と、故人の遺志により葬儀も告別式も行わないことを告げ、火葬の後に収骨して終わりになることをお知らせしました。したがって、俗名を捨ててあの世に旅立つ葬儀式もなし、当然ながら戒名もなし、です。

およそ一時間で火葬が終わり、収骨をすませて解散となりました。従兄が骨箱、私が遺影を持って叔母さんと一緒に自宅に戻り、別の従妹も加わって自宅の一部に準備していた斎壇に飾りました。線香とろうそくと小さな鐘の周りに、ボランティアの仲間やら近所の方々などから次々にお花が届き、いっぱいになりました。

こういう、短く簡素な葬儀も良いものです。甥・姪が大集合したのは、私たちをかわいがってくれた故人の徳をしのんでのことでしょう。叔母さんの姪の人たちなど初めて会う人もいて、貴重な機会でした。



翌日には仕事の会議があるため、すぐに戻らなければなりませんでしたが、叔母さんから故人の記念にと、従兄と二人、それぞれ遺品の万年筆をもらいました。私のは、愛用品だったらしい、巨大なモンブランでした。





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