週末はアルビレックス!

サッカーど素人ながらアルビレックス新潟にはまりこんだ「八百政」家のアルビレックスな週末。(コメント表示は承認制です)

価値倫理と状況倫理

2006年12月13日 | アルビレックス新潟
水曜日なので「サカマガ」「サカダイ」の話題にしようかと思ったのですが(「サカダイ」の「Jリーグ通信簿」はおもしろかった)、それはまた次の機会にします。昨日のブログで「八百政は単なるエロオヤジか?」というイメージがやや広がってしまったのでは?と心配しています。そこで、今日はちょっと哲学的にアルビレックスに迫ります。

鈴木淳監督と反町康治監督。この2人の名監督が新潟でやってきた(やっっている)サッカーを比較してみます。

反町監督がアルビでやったサッカーは状況倫理に基づくサッカーです。ゲームの前には徹底的に相手の戦術を研究し、相手チームに応じたきめ細やかな作戦を立てます。その状況その状況に応じた柔軟な発想で戦術を変えます。まさに「臨機応変」なサッカーです。どちらかというと「しっかり守ってカウンター狙い」っていうケースが多かったですけどね。それはJ1という強豪の中で戦っていくための柔軟な戦術のひとつだったと思います。

それに対して鈴木監督のサッカーは価値倫理に基づくサッカーです。「アルビのサッカーはこうあるべき」という鈴木監督の価値観、つまり「ボールも人も動くサッカー」「アグレッシブなサッカー」「4-4-2」というサッカーをシーズン中ずっと貫き通しました。0-6とか0-7とかの一方的な負けゲームがあっても、そのスタイルは決して変えませんでした。

僕が今でも忘れられないのは、開幕の川崎戦でG裏で僕の隣にいたおじさんのヤジです。彼は失点を重ねるに連れ、大声で叫び続けていました。「鈴木淳!それじゃダメだ!アルビのサッカーをしろ!」と。期待の開幕戦で惨敗した鈴木監督に対する彼なりの怒りのエールだったとのだと思います。ですが、鈴木監督は頑なに、頑固に、その戦術に固執し続けました。いい時も悪い時もありましたけどね。

昨シーズンのビッグスワンで、僕らはブラジル人トリオのカウンター攻撃に驚喜しました。エジ、ファビ、リマの攻撃に何度絶叫したかわかりません。今シーズン、ブラジル人トリオの得点数は激減しました。しかし、シルビと寺川の出すナイスセンスのパスに酔い、梅山のヒールパスに驚き、慎吾のループシュート、亜土夢や貴章の動きに感激しました。去年とは明らかに違う「サッカーの楽しさ」を感じています。

ボクはここで「反町監督がいい」とか「鈴木監督がいい」とか言うつもりは全くありません。状況倫理と価値倫理に優劣などありません。「生き方」つまり「目ざすサッカー」がちがうのです。もちろん「現有戦力で何が何でもJ1残留」という使命感のあった反町監督と、「しっかりしたプレースタイルのあるチーム作りで複数年以内にJ1上位を狙う」という鈴木監督のおかれた立場の違いもあると思います。

僕らサポーターのやるべきことは、それぞれの監督のやりたいことを理解し、+α(プラスアルファ)の力を選手が発揮できるように応援することだと思います。決して安易に監督や戦術を批判することじゃない。今現在は、鈴木監督の戦術を理解し、それを支援していくのがサポーターの努めだと思っています。

ただね。「ロジック」「パッション」「シェスタ」と横文字を駆使しながら毎回弁舌さわやかに語った反町監督に比べて、「ボールも人も動く」「アグレッシブ」「精度を上げる」と同じセリフばかりが口をつく鈴木監督はやや語彙力が不足しているのは否めないようです。まぁ実直そうで好きだけどね。花形満のよさもあるが、左門豊作だって魅力的だぞ…って、例はあんまりよくないかな。

同じチームなのに、去年のアルビと今年のアルビはまるで違うチームのようでした。その最も典型的な選手が寺川選手でしたね。鈴木監督の手腕で、来季もいろいろなサプライズが起こるのでしょうね。とても楽しみです。さらに反町監督の手腕もU-21のゲームで確認できるなんて、僕らアルビレックスのサポーターはなんて幸せなんでしょうね。
コメント (5)
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