「 九州 ・ 沖縄 ぐるっと探訪 」

九州・沖縄・山口を中心としたグスク(城)、灯台、石橋、文化財および近代土木遺産をめぐる。

想い出の詰まった 「 久留米競輪場 」

2014-10-27 04:42:41 | 競輪・オートレース



バンク内から見たメインスタンド








最終コーナー ( 4コーナー ) を金網の外から見る






1コーナー付近の傾斜のついたバンクを走行する







バックストレッチから3コーナーにかけて







バンク内側から見た3コーナー付近






4コーナーからホームにかけてのスタンド






陸軍橋の手前にある競輪場正門







久留米競輪場の検車場にて・・・











久留米競輪場はどこの競輪場よりも想い出の詰まった競輪場である。
競輪選手を夢みて故郷を離れ熊本へ修行へ。
競輪学校の1次試験も久留米だったし、
プロとして第一歩を踏み出すデビュー戦も久留米だった。
そんな久留米競輪場だが、たったひとつだけ悔いが残ることがある。
それは、一度も優勝していないことである。
デビュー戦が 1 ➀ ❸の優勝戦3着。
その後も① ① ❸、➀ ➀ ❹、❶ ➀ ❼などの戦績を繰り返す。

あと一寸の2着は何度かあったが、優勝には縁がなかった。
それゆえに愛着というか想い入れがあるのかも知れない。

敢闘門の奥にある出走選手控室。
その光景を頭で思い浮かべると、
今でもピーンと張り詰めた独特な緊張感に満ちた空気が伝わって来る。

出走前は 「 この緊張感から早く解放されたい 」 と、いつも思っていたが、
久しくレースから離れると、またあの独特な緊張感を味わってみたくなる。
それは、選手の性 ( さが ) なのか、個人的な気質なのか解からないが、
自分はそうであった。



福岡県上毛町 ・ 悲恋の石 「 傾城石 ( けいじょうせき ) 」

2014-10-27 04:41:41 |  滝 ・ 名所 ・ 神社仏閣



三つの石が並ぶ傾城石(けいじょうせき)









石は尾根の上にある







一番大きな石を上から見た







傾城石(けいじょうせき)への登り口











山国川の西岸をさかのぼって大分県に入る手前が築上郡上毛町原井。
川の西、裾野に村落を抱いた山上に傾城石 ( けいじょうせき ) と呼ばれる三つの石がある。
以前は、ひとつは立ち、ひとつは倒れ、あとひとつは平らに据えられたようになっていたが、
今は三つとも横たわっており、その上に人が乗ると幾分動くようである。

昔、京の都にたいへん美しい芸妓がいた。
彼女には愛し合う相手がいたが、彼はわけあった生まれ故郷の九州に帰ることになった。
彼女にとっては悲しい別れであった。
泣く泣く見送ったものの、芸妓は彼のことを忘れることが出来なかった。
それどころか彼への想いは日増しに募り、数か月の後、ついにあとを追う。

ひとりで京を出たものの、独り旅の寂しさ、辛さはあったが、
彼に逢えるその想いだけで九州入りをする。
しかし、この地に至った時に、死因は語られていないが不幸にも変死する。
恋しい相手に逢えるのも、もうすぐという所で命を落とした芸妓は、死に切れなかったのか?
この世への未練で石と化して、山上から往来する人を見下ろすことになる。

傾城とは、国が倒れる原因となるような才女、あるいは美女のことをいい、
転じて美女であった芸妓を意味していたのだろう。
芸妓が化した石に男が乗ると、どんな小児でも石は動き、女性だとまったく動かないといわれている。
石に乗った男性が恋しい彼かどうかを確かめ、
自分の存在を知らせようとする想いが石に込められていたのではないだろうか。

元来、古代には山上の巨石は信仰の対象であった。
それは世界的にも例は多く、日本においても数多くの遺跡が残っている。
この地方でも、山国川周辺から国東半島方面に散在している。

この石も、元は神の宿る神聖は場所であり、土地の人々の祭りの場でもあった。
平たい石は御供物のために置いたものであろう。

今は、ほとんど訪れる人もいない神聖な石に宿ることの出来た京の芸妓は、
安らかに神に仕えているのだろう。