このところ、シカが出現したことで防獣柵づくりがにわかに忙しくなった。柵の出入口用として廃材にあった樹脂製の波板を使ってみた。しかし穴があったり劣化があったりして1年はもつかどうか頼りない代物となってしまった。そんな波板の間にカメムシが隠れていた。
隠れていたのは、ポピュラーな「クサギカメムシ」のようだった。模様を見るとモダンな感じもするが、一見すると地味で汚れた害虫にしか見えない。とにかく、豆類の野菜や果樹を吸汁するやっかいな相手なのだ。2018年にはニュージランドに入港した自動車運搬船がそこにカメムシがいたため国外退去を食らった事件すらあった。家屋や人工物にも適応できる戦略を持っているので、波板に休眠していてもおかしくはない。
一方、荒地に植えてある「ユズ」はいくたびもシカの被害に遭っていて、鋭い棘があるのに樹皮や葉を食われてきた。簡易な防御をしつつ何とか生きながらえてきた。そこで、風花が流れてきた寒風の中、ユズや梅の樹木をガードするためのしっかりした防獣柵を作ることにした。しかし、ここは〇万年前河原だったようで石がザクザク、支柱が土中になかなか入っていかない。もちろん大判小判は今のところ出てこない。
この石を裏山の階段の石にも有効利用しようとついでに掘っていたところ、そこから「ニホンカナヘビ」が出てきた。トカゲに似ているが尾が長く皮膚がざらざらで光沢がないのでカナヘビに間違いはない。寒いので動きが悪くじっとしている。休眠中を襲われたので機嫌が悪い。捕まえて茶の木の暖かそうな根元に釈放する。今週中にはまだまだ小春ちゃんは来ないようだ。夕方、満月が森から揚がってきた。