山里に生きる道草日記

過密な「まち」から過疎の村に不時着し、そのまま住み込んでしまった、たそがれ武兵衛と好女・皇女!?和宮様とのあたふた日記

飢饉を救った野良坊菜はわが家も救った

2022-03-25 21:47:21 | 野菜・果樹

 昨年の秋、野生化していた「のらぼう菜」を畝に集めて今年も栽培をする。冬には二重の防寒布をかけていたのが良かったようで、順調に収穫している。この時期、葉物野菜はなかなか畑からは収穫できない。近所におすそ分けするととても喜ばれる。和宮様は十二単衣を脱ぎ捨て作業着に着替えて収穫に余念がない。

          

 のらぼう菜は天明・天保の飢饉の救荒野菜として人々を救ったことで有名だ。江戸時代以降栽培されてきた伝統野菜というが、ルーツは西洋アブラナでもある。どうやら、オランダ船が持ち込んだらしい。しかしそれが、江戸西多摩や埼玉飯能地域などの山間部が栽培の中心地だったというのもオランダと結びつかない。

 生をサラダで食べてもいいし、茹でて何もつけなくても甘いし柔らかい。菜の花系の野菜は苦みが強いが、のらぼう菜は甘みがある。収穫後は萎れやすく長距離輸送や大量出荷に不向きのため市場に出回らない。そのため、「のらぼう菜のレジェンド」と言われる、川崎市菅地区の高橋孝次さんらの執念で関東に進出している。が、寒さに強く、野生化するほどの生命力があり美味・栄養価も高いのに知られていないのがこれまた理解に苦しむ。春の到来とともにのらぼう菜がわが家の食卓の花形で、年金暮らしの家計を救っている。

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