ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
毎日更新しています。

小野田さん的生き方

2005-09-06 10:45:29 | つれづれ日記

NHKの

ハイビジョンスペシャルの小野田寛郎さんのドキュメンタリー

やっとのことで見終わりました

(子供達がうるさくて中々集中してみることが出来ないのよーー)

 

小野田さんが日本に帰って来た時、私はまだ小学生で、

あの異様な兵隊姿にびっくりしたものです

あれから30年ですか・・・

現在83歳の彼は、何だかとってもかっこいいおじいさまです

背筋がしゃんと伸びていて、牧場ではバイクを乗り回し、パソコンで文章を

書くのもお手のもの。奥さんの手を握っている姿など・・・

大正生まれで戦争を体験している人って、何であんなにハイカラなんだろうなあ

うちのシゲルもそうだったけど、リベラルで型にはまらず、

どこでも生きていける・・・というような強さがあるのよねーー

時代を達観する能力を持っているの

それでいて流されないし個性も失わない・・・

昭和ヒトケタ生まれの型にはまって窮屈な生き方に比べると

大きな違いだなーと思いました

 

彼が「終戦」後、ルバング島に残ってゲリラ戦を展開していた事に関して

「日本が復興しているのは知っていたけど、それは仮の復興で、傀儡

政権になっていると思っていた」と語っていました。

丁度1950年から朝鮮戦争が勃発し、さらにベトナム戦争に突入して

アメリカの軍備は増強されて、毎日のように飛行機が飛び立つのを

見ていたら、そう思うのも仕方ないかな・・・・と

 

さらに、一緒に行動を共にしていた小塚一等兵が亡くなり、

とうとう一人になってしまったときも、悲しいというよりは

「一人で出来ることは何か」と

すぐに感情を切り替えて作戦を立て直すほうに持って行ったという話は

現代の人には「冷たい」と感じるかもしれないけど、

軍人というのはそういう存在である事を理解してほしいんですよねーー

うちのシゲルにもそういう一面があって・・・・

シゲルは一度も雨の日に幼稚園や小学校に迎えに来てくれたことが

なかったんです。(ミチコは当時病気療養中)

あの当時は「冷たい」って思ったけど、今考えて見ると、

「雨に濡れても死ぬわけじゃない」くらいの考えだったのかなーー

一緒に歩いていて突如雨が降り出した時は道端のふきのはっぱを

傘代わりにして歩いていたし・・・

 

また、後に小塚さんが亡くなって日本に帰る決心をしたのかというような

質問を受けた時に

「そうではない。目の前で部下が殺されたんだ。復讐しか考えていなかった

と語っています

さらに「30年間で嬉しかった事は」と聞かれて「一度もない」と答えて

います。

その質問を見ると、日本は30年の間に「戦争の厳しさ」をすっかり忘れ

さってしまっていたんだなーーと感じるんですね

小野田さんにとって戦争というのは

誰も戦いたくはないけど、死にたくないから戦うしかない。

戦う以上は負けてはいけない」という事。

愛国心=自分と家族を守るという事なんですよ・・

これって全然間違ってないでしょう?

 

間違ってないのに、日本は小野田さんをブラジルに追い出してしまった・・・

っていうか、彼自身が「日本」という狭い価値観の中では生きられない人

だったんですが・・・

そのきっかけが。全国から寄せられたお見舞金を

全部靖国神社に寄付した事らしいんです

この事が「軍国主義復活の象徴」と責められたらしい・・・

(今の状況とよく似ていません?)

「何で責められなくちゃいけないんだ?誰も好きで戦ったわけじゃない。

国家が戦えと命令したんじゃないか。

30年間、生きていたわけだから誰に同情されたり、

気の毒に思われたりする必要はない。

生きている以上は働いて食べていけばいいんだから。

むしろ気の毒なのは死んでしまった人たち。

だからお金はそういう人達にあげるべき」、と思ったそうなんです

どうしてたった30年ですぐに戦前の考え方が全部「悪い」と切り替えて

しまえるのか・・・戦った兵隊が悪いように言われるのか・・・

彼にはものすごい憤りがあったんですね

だけど、国家と喧嘩してもしょうがないので、それを避ける為にブラジルに

渡った・・・そうなんです

(やってられないや・・・という感じ)

彼に言わせれば首相が「戦場で心ならずも命を落とした方々」と

靖国神社の英霊に言うのも嫌だそうで、

「戦争へ行く以上は死ぬ覚悟は出来ている。

心ならずもなんていわれる筋合いはない」と言ってます。

この・・あまりにも潔くて自分をきっちり持っている姿勢というのは

今の日本では受け入れられないのかもしれませんよねーー

 

今の日本に関しても「戦争に負けたけど、復興したからそれでいいんじゃない?」

なんて軽くおっしゃる・・・

この達観ぶりというか、死に直面した生活を30年も送って、すっかり悟りの

境地に入っているなーーと。

私達が小さなことであれこれ悩んで前に進めずにいるのに、

彼は前しかみていないんですね。しかも、「逃げ」の前向きじゃなくて、

限界を知った上での前向きだから説得力があるし強いんですよ。

彼が裸一貫でブラジルに渡って農場の経営に成功し、その州の名誉日本人に

なった事で、本当の意味での「戦争」は終結し、それは勝利に終ったと言える

でしょう。

 

小野田さんのように

「死ぬ覚悟で生きる」

というきっぱりした姿勢・・・憧れますね・・・

 

そして改めて思いましたけど、靖国神社問題とか、過去の戦争がいいか

悪いかなどという論議は、やっぱり戦争を経験していない世代が

軽軽しく批判するべきではないという事

その時代その時代の流れとか思想とか背景が絶対的にあるんですから

ましてや、当時戦場で戦った人たちを責めることなど出来るはずないです

コメント (2)
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