ふぶきの部屋

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韓国史劇風小説「天皇の母」54 (フィクションよね)

2012-05-18 07:00:00 | 小説「天皇の母1話ー100話

皇室会議において全会一致で「カワシマキコ嬢をアヤノミヤ妃に内定」したのは

9月のことだった。

キコはその決定を運命の入り口だと思った。

自分はまだ若いと思っていた。

愛を信じるだけでは結婚生活は成立しない」と誰もが言うけど、今の自分の

よりどころは「愛」しかないのだ。

身分も財力もなく、ただアヤノミヤの愛だけを心の支えとして入内するのだ。

記者会見には紺色のワンピースで臨んだ。

かつて皇后が婚約記者会見で手袋についてあれやこれやとバッシングされた例も

あるので手袋は長めにした。でも、本当はワンピースに馬鹿でかい手袋はあまり

似合っているとはいえなかった。

髪は後ろで一部を束ね、りぼんをつけて帽子はなし。

ひたすら質素に目立たぬようにと気を遣った。

「質問を受けてわからなくなったら僕の顔を見て」

アヤノミヤはそう言って励ました。

 

ずらりと並ぶ記者と二人の間は随分と狭かった。

アヤノミヤは婚約が決まって笑顔が絶えず、そんな彼を見ていると自分まで

笑顔になった。でもすぐに緊張が戻ってきて硬くなる。

質問は型通りに思われた。

・アヤノミヤ様のどこが好き?

・どんな家庭を築きたいですか?

それらは予想していた事なのですらすらと答える事が出来た。

アヤオミヤはたえず自分を見てにっこり笑ってから答えるので、記者はそのたびに

フラッシュをたく。

でも・・・「キコさんに質問します。アヤノミヤ様は初恋の人ですか?」

この質問にはびっくりしてしまった。

思わずアヤノミヤを見ると、微笑んでいる。

お答えしてもよろしゅうございますか?」

どうぞ」

その自信ありげな彼の返事が心を決めた。

はい。そうでございます」

初めての恋。初めての愛を貫いて私は結婚するのだ。アヤノミヤが皇族だから

ではない。私がであった彼は学習院の大学の先輩。

私を「シャオチー(小さなキコちゃん)」と呼ぶ、私だけをみつめてくれる彼。

お子様は何人?」

何人にいたしましょうか

すかさずアヤノミヤが助け舟を出して皆大笑いした。

こんな風に突如、どきりとする質問をされるのが記者会見なのかしら?

何と答えたら・・・・

あの・・それも、殿下とよく相談して」

また笑いが起こった。

考えてみると、みんな笑顔だらけの記者会見だった。

 

上出来。緊張したけど大丈夫だったね」とアヤノミヤはそっとキコのほほに

手をあてた。真っ赤になったほほは熱くなっている。

今日はこれだけではない。

これから両親と参内して夕食を一緒にとる事になっている。

粗相をしないだろうか。テーブルマナーは大丈夫だろうか。

元々は鷹揚でのんびりとした性格なのに、今日はめまぐるしくあれこれ考える

自分がいる。

心配しなくても女官が全部教えてくれるから

はい・・・

まさか、もう結婚したくなくなった?」

もう、殿下ったら」

今日は綺麗だったよ。結婚の儀の時はきっと、もっともっと綺麗だろな

アヤノミヤは滅多にキコを褒めたり称えたりするタイプではなかったけれど

そんな台詞が出たという事は、内心はかなり心配だったのではないだろうか。

宮様もご心配だったの?緊張していたの?」

当たり前。慣れているわけじゃないよ

そうか・・・殿下もまたそうだったのか。

キコはほっとした。この人の背中を追いかけるしか出来ない。

先の事をあれこれ考えても仕方ない。

今は今出来る精一杯の事をするまで。

オールウエイズスマイル。父の教えが頭をよぎる。

そうだ。くよくよするのはやめよう。いつも笑顔で乗り切ろう。

そう思ったらこれから結婚の儀までの果てしない日々も耐えられると思った。

 

テレビで会見の様子を見ていた皇后は

皇室に春風が吹いてくるみたい」だと思った。

キコの回りはなぜかいつも春風が吹いている。それは参内しても同じ。

御所の庭の花々が一斉に咲きだすような明るさを持ってきてくれる。

そういう雰囲気は自分にはなかったと思う。

かなわない・・・・ちょっと皇后はそう思った。

 

テレビで会見の様子を見ていたヒサシは唇をかみ締めた。

今時、こんな前時代的な皇室にとって理想的な女がいたとは」

これではマサコの分が悪くなる一方だった。

もう嫌。皇室なんか大嫌い。マスコミが毎日追い掛け回して。

私達のまーちゃんは関係ないって言ってるのに」

ユミコはわめくように言った。

関係ない事はない。今後は」

何を言ってるんですか?まーちゃんは皇太子妃候補から外れているのよ。

なのにまたマスコミが騒ぎ出して・・まさか、あなたが手を回したの?」

さあな」

さあって・・・まーちゃんは皇室に向かない事くらい知ってるじゃないの。

あの子は一生外務省で働くって言ってるのよ」

それでは困る。色々な意味でマサコには何が何でも皇太子妃になって

貰わなくては」

いきなりドスンと音がした。

ユミコが泡を吹いて倒れている。

おい、しっかりしろ。ユミコ」

ヒサシは慌てて双子を呼び、救急車を呼んだ。

 

神経衰弱のようなもの・・・で、ユミコは暫く入院が必要になった。

ヒステリックですぐに興奮する様は娘とよく似ていた。

自分の頭の中で整理がつかなくなるとすぐにパニックを起こすのだ。

娘を思うゆえなのか。追い掛け回されることに疲れただけなのか。

ヒサシも娘の出来がそれほどいいとは思っていない。

けれど、とにかく、今の自分に残された手は娘の入内のみ。

機密費流用の件が表ざたになる前に。

そして皇太子妃、皇后の父として国連の大使に。

ヒサシの野心はどこまでも膨らむばかりだった。

 

コメント (2)
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