ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
毎日更新しています。

さよなら紅ゆずる4

2019-10-12 15:00:00 | 宝塚コラム

 二度めのメイクドラマは台湾公演

順調に滑り出した紅ゆずる時代。

2作目は原田諒の「ベルリン、わが愛」「ブーケ・ド・カタラヅカ」で、正直、こういう硬い作品の中では演技の下手な部分が浮き上がるかなと思ってしまいました。

酒井先生のいかにも「宝塚のレビュー」はあまり面白いとは思えなかったし。

でも、その次に来たのが「Another World」「Killer Rouge」でこれが奇跡でしたね。

まず谷先生は長年落語を舞台化してきたけど、なかなか適材適所にキャスティングが出来なかった・・・それが紅ゆずるを得たことで、作品にぴったりのキャラを得たのです。

元々関西人の紅ゆずると綺咲愛里の放つ「関西オーラ」は本当に面白くて、話のよさも手伝って代表作の一つになりました。

今後、これは紅ゆずる以外の人は演じることが出来ないのではないかと思います。

併演のショー「キラールージュ」は大劇場版ではまとまりのない、ぐだぐだしたうるさいショーでしたが、梅田・青年館・台湾と行くに連なってとてもよいショーに代わってゆき、紅の「赤」をメインにした楽曲の数々はとても印象的でした。

2度めの台湾公演では「サンダーボルトファンタジー」を上演。これは布袋劇を具現化するという、まさに宝塚が2・5次元に挑戦したようなものですが、これまた再現率の高さで、宝塚のレベルが国際的になったと思います。

台湾公演では台北と高雄の千秋楽でファンからのペンライトのサプライズがあり、台湾と日本が一つになったかのような一体感が生まれ、感動を与えました。

そして2度目のメイクドラマは高雄で起きました。

芝居の後、機材の故障でショーの上演時間が大幅にずれ込み、お客を2時間以上待たせるというようなことが起きたのです。

通常は怒りMAXになりお客はみんな帰ってしまうところ、ありがたい事にお客は残ってくれて、それだけに幕が開いた時の割れんばかりの拍手が星組性を包み込み、より力を与えました。

アクシデントをプラスに変えていく、そういう力もまた紅ゆずるにはああったのではないでしょうか。

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さよなら紅ゆずる3

2019-10-12 10:00:00 | ドラマ・ワイドショー

メイクドラマのひと

さて、無事に生え抜きトップスターに就任した紅ゆずる。
最初はそんなに興味はなかったんだけど、御披露目が『スカーレットピンパーネル』だとわかった瞬間、わが家の姫が『大劇場まで行く』といいだしたのです。

東京でみればいいんじゃない?と個人的には思いました。パーシーといえば安蘭けいに決まってるし、どんなに頑張っても叶わないと、思っていたし。
だけど姫的には、東京ではチケットがとれないと思ったようで、さっさと旅行の準備。
半ば引きずられるようにしてむらにいきました。

何十年ぶりの本拠地に興奮しつつ大劇場へ。
たしか、初日に熱を出した紅ゆずる。やっぱり身体、大丈夫かなあなんて心配してました。

で、観劇の前にキャトル寄って写真をみたら。あら大変。財布から万札が飛んでいくわ、ひらひらと。なぜって、紅のメイクも衣装も完璧にステキだったから。

近年、こんなに綺麗な写真は見たことないなあと。特に綺崎愛里とのツーショットがあまりにも美しく。
そんなこんなで劇場の椅子についたら、そこからは、見事に生まれ変わったスカピンがそこにありました。

歌のうまさでは初演には及ばないものの、それぞれの人物像がよりはっきりし、さらに星組の団結力が客席を引き入れていく。
これに驚きました。

レジェンド柚希の時も星組の団結力は凄かったけど、柚希の場合、本人が何でもできるタイプだから、ある意味、トップに任せきりになってしまってました。
夢咲ねねとのコンビも、上級生と家給人足が透けて見えてましたし。

それに比べると、紅は優等生ではないだけに、できることに限界があると、本人がわかったんでしょうね。自分は真ん中でトップ然とし、あとはできる人に任せる。

スタツフ、キャストがみなそういう方向性へ向かって行った事が良かったのだと思いました。

また、紅ゆずる時代においてあらためて感じたのは、相手役の重要性と相性です。

ただ可愛ければいいとか、若ければいいとかいうものではなく、トップをトップたらしめる雰囲気を持った娘役でないと本当に男役は光らないのです。

そういう意味では綺咲愛里は星奈優里以来のトップ娘役ではないでしょうか。

 

プレお披露目の「オーム・シャンティ・オーム」を見た時に、あまりにインドの観光が似合い、しかも紅と息がぴったりで驚いたこと、生では見ることが出来なかったものの、「うたかたの恋」のマリーは秀逸であるがゆえに、紅のルドルフも近年まれにみるかっこいいルドルフで原作のよさが引き出されていたということに間違いはないでしょう。

 

話を紅に戻しますが、紅ゆずるはメイクドラマの人であると私は思っています。

「スカピン初日」に熱があると発表された・・・初日を見守るファンは彼女が倒れてしまうのではないかと心配しながらの観劇だったに違いありません。

そういう不安がより一層、舞台に立つ紅を引き立たせるというか、無事に笑顔で終わった時のほっとした感、おめでとう感にきっと涙したことでしょう。

私などは中日以降に見に行きましたけど、それでもやっぱり心配でした。なんせ「風と共に去りぬ」の休演がありましたしね。

でも紅の感情豊かで正義感が強く、優しいパーシーを見ることが出来て、久しぶりに舞台を見て心から幸せになりました。

またデュエットダンスなどは、下手なんですけど、紅のあまりにも嬉しそうに愛しそうに綺咲愛里を見る視線に「これが宝塚」なんだと確信しました。

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さよなら紅ゆずる2

2019-10-12 07:00:00 | 宝塚コラム

 紅5がもたらしたもの

紅5という名前を聞いた時にはおよそピンとは来なかったのです。

アクア5に魅せられた紅が「紅5」をやろうと寄せ集めで結成したのが紅5

でも、最初色分けと得意技なるものをきいた時はそのチープさに笑えなかった。

 だって・・・黒だの赤だのって色分けはわかるとしても「得意技」は流し目ビームとかドラッグストアとか目が点に。

おまけに紅は「新撰組!」をみてからすっかりハマって、映画村でなりきりモード。

一体、このグループは何をしようとしているのか?と。

でも、ラスト近くの「視聴者が言って欲しいセリフとシチュエーション」番組が見事にあたって、とうとう紅5がコンサートまでやる程出世。しかも隠れキャラというか、ここから「紅子」さん登場で、実は紅ゆずるという人はプロデュース力に長け、色々なキャラを持っている人なんだと気づきました。

とはいえ、当時は私、本人のスター性よりも回りの子達がどんどん光っていくのが見えて、「紅5のおかげでみんな成長しているなあ。一人を除いて」と思っていた程です。その一人っていうのがやっぱり紅で、どこかまだ「男役」として磨かれていない不完全なものが目立っていました。

それに比べると下級生たちの成長ぶりがすさまじく、紅5がなかったら美弥るりかは月組でうまくいかなかったろうと思うし、まさかの天寿光希の大化けに、それだけでも意義があった活動だと思います。

紅5以後、いわゆる少女漫画のシチュエーションによる場面的な芝居を演じるコーナーなどが多発して、最近んじゃやりすぎなんじゃないの?と思う位だけど、そういう事をあっさりかっこよくやってしまう星組性ってすごいなと思うんです。

決して歌が上手でもダンスが上手でも見た目がすごくいい5人でもなかったけど、紅ゆずるを中心に一致団結してことにあたるスタイルが、昔懐かしい宝塚の香りがして私は好きでした。

紅5はその後、美弥が抜けても壱城が抜けてもそれでも「5人は5人」というスタンスで今まで来ています。始まりはちょっとできそこない風の5人が、時間をかっけて「男役とは何か」を会得していく段階を見ることが出来たのは嬉しい限りでした。

 

 ちょっと危ない時期

とはいっても、あまり紅ゆずるに注意を払ってこなかった私としては、いきなりのステップアップに「なんで?どうして?」状態だったのは確か。

本人的に大盛り上がりだった「メイちゃんの執事」も非常に駄作でその次の

ジャン・ルイ・ファージョン」もダメダメで、一体この人にはどんな役が?と思った時、そこにブルギニョンがいたという感じでしょうか。

「めぐり逢いは再び」は主役が入れ替わるコメディですが、この時における紅の芸達者ぶりというか、アドリブのうまさは天下一品でした。この人のおかげで作品がとても面白かったのは事実です。

しかし、一方でスター路線でいくなら2枚目が似合わないとダメだろうとおもいました。上品さとか、貫禄とか・・・そういうものが必要だったんですね。

そしたらいきなりの「オーシャンズ11」のテリー・ベネディクト。

まさかの悪役?出来る?と思ったら、全体的な評価として「歌が上手になってる」にびっくりしました。聞きづらくないんですよ。

悪役としては当然望海風斗の方が上手に決まってますけど、何だかその必死さに私は心打たれたのでした。

細っこい、弱弱しさもある、歌も下手、二枚目としてはどうか?レジェンド柚希と比べるとやっぱり・・・と思いつつもそのままトップになっていくんだろうと思いました。

そんな時期に「紅が退団するかも」と噂が飛んだことがありますが、

ちょうど柚希が退団することが決まって北翔海莉が星に来て、紅自身体調を崩していた時期でした。

「精神的にまいっているみたい」とも。今思えばそれは噂にすぎなかったということがわかるのですが、あの当時はやせ細って、疲れたような顔をしていましたし、2番手としてのプレッシャーとそのまま上がれず、一人置いたという現実が結構本人的には来てたのかもしれませんが。

でも北翔時代の紅は、その個性をいかんなく発揮し少しずつですが、成長していたとおもいます。

 

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