ふぶきの部屋

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八千草薫さん死去

2019-10-29 07:00:00 | ドラマ・ワイドショー

もう・・・悲しすぎて涙も出ません。なんという残念な。あの上品な佇まいを受け継ぐ人がいないまま、逝ってしまうなんて。

 10月24日、八千草薫さんがすい臓がんの為死去。

 享年88歳。

 亡くなる2時間前まで普通にお話をされていたそうです。

八千草薫さんの若い頃を知る人はもうほとんどいないかもしれませんよね。

私の第一印象は、昭和51年、テレビで「ベルサイユのばら」を放送していた時ナレーションを担当していた女性という感じです。

「宝塚、懐かしいわ」とおっしゃっていました。無論、彼女が宝塚出身の方とは知りませんでした。

現在、兵庫県宝塚市にある「宝塚の殿堂」へ行けば常設展で八千草さんの顔を拝見する事が出来ます。

若い頃・・・1947年に入団。当時、一番人気だった春日野八千代の相手役に抜擢。

これ、源氏物語なんですけど、本当に見事なカップルですよね。

退団後は映画やテレビでご活躍。ただ、私はこの方はいつも一本調子でセリフをいう人だなあと思っていました。感情がどこにあるのか今一つわからなかったんです。

1975年、「赤い疑惑」で6話まで山口百恵の母親役を演じていました。でも個人的にはその後の渡辺美佐子さんの方がしっくりしてたと思います。それは多分、忙しすぎる山口百恵との共演でなかなか一緒に演技をするチャンスがなかったことがぎくしゃくと出ていたのでしょうか。それで降板しちゃったんですよね。

別に百恵さんのせいではないけど、「青いとき」に「私のせじゃないのにあらを立てられても困る」と書いたのは、まだまだお子様だったんですね。

八千草さんはあまりに出演数も多いので、意識しなくても覚えているような感じです。

1977年「岸辺のアルバム」これは山田太一脚本の名作で、視聴率もよかったものですが、私は再放送でみたんです。

夫婦関係があまりいかない・・・不倫疑惑が付きまとう母、それをみている息子(国広富之)

それが台風の影響で家が流され家族はアルバム一つだけかな?持って避難。

国広富之が「さようなら!」と家に向かって叫ぶのが印象的でした。台風19号の被害などをみるとこのドラマを思い出します。でもこの時も八千草さんと「不倫」が全然しっくりこなくてねえ。どこまでも貞淑そうじゃないですか。

 

1989年「さよなら李香蘭」

作品はよかった・・・テーマ曲もよかった!沢口靖子も黙っていればよかった!これで私は大陸歌謡なるものに興味を持ったのですが、八千草さんは李香蘭の母でした。

いつも叔子を優しく見守る母の役でした。

1990年「びいどろで候~長崎屋夢日記」はNHKの作品ですが、これが本当に面白いドラマで時代劇チャンネルなどでやった時も楽しんで見ました。八千草さんはヒロイン、原田知世のお母さん役で実はこの子は平賀源内の子という設定。ゆったりとしつつりんとした女将さんでした。

1992年「逃亡者」・・・これは田原俊彦主演で毎回面白かった記憶があります。「雨が叫んでる」というテーマ曲もよかったし。八千草さんはこれまたトシちゃんのお母さん役でした。

2007年「拝啓父上様」・・・これは倉本聰脚本で二宮和也が主演でした。八千草さんの役は料亭の女将。一瞬だけど森光子さんと喋るシーンもありましたが。その後、この女将さんはボケちゃうんです。その時、ピンクのマフラー、ピンクの帽子に手袋して少女のようにブランコに乗る姿の可愛らしかったこと。思わず惚れちゃう!って思ったほどです。歳を取ってもここまで可愛らしく演じられる人がこの世にいたんだろうかと。

2017年「やすらぎの郷」・・・第一シーズンですね。この時の役名が九条摂子。愛称は「姫」まさにぴったり!

真ん中が「お嬢」こと白川冴子の浅丘ルリ子、左端が「マヤ」こと水谷マヤの加賀まりこ。うるさい2人に比べて姫は常におっとりと喋っていたずらをする時もおっとりで。貴重な人でした。

向井理が出演した時など、本当にぽおっとして恋しちゃって、それがまた可愛いのなんのって。

でも、最後に光輝いた作品は2018年「執事西園寺の名推理」で、これほどのぴったりな役はありません。彼女がひとこと「西園寺」と言う度に、最敬礼したくなる。

八千草薫という人は戦後のスターでありながら戦前のスターが持っている、気品と綺麗な日本語を身に着けたひとでした。

80を超えても「姫」という愛称がぴったりくる女優さんなんてそんなにいませんから。

貴重な古き良き日本の女優さんを失ってしまった日本は、言葉も乱れるばかりなんでしょうかね。

心からご冥福をお祈りいたします。

 

 

 

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