ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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はいからさんが通る 2回目

2020-11-10 07:00:00 | 宝塚コラム

 このところ、毎週日比谷に行ってる感じです。

今回の観劇は私一人だったのですが、姫ちゃんがどうしても元ジェンヌさんのお店でもう1本パンツを買いたいというので同道。

そしたらブーツも気に入っちゃって2足も買ったんです。

さすがに高額に。

そしたら姫ちゃん「ママ・・・パンツのお金出して~~~」と甘え声。

「は?」とちょいちんもくしたら きららさんに「出ました。親子の沈黙。不思議な親子なんですよね」と面白そうに去って行かれ。

しょうがなく払う羽目に。

そこにさりげなく入って来たのは・・・・まっつ!

ぶ・・ブラックジャックみたいな髪の色でお買い物。

こういう事があるから楽しいのよね

空いている時間にゆっくり品物を見ることが出来たのも幸せでした。

姫が、そろそろ柚香光他メンバーについて書けというのですが、正直言って書く事なんかないです。

柚香光と華優希。二人が幸せならそれでいいじゃない?そういう舞台でしょ?

他のメンバーなんてみーーんな付けたしみたいなもんだし?

二番手も3番手も個性的か?と言われたらうーんとなって、褒める所を探して見るけどそれほどオーラを感じないというか。

「私が一番!」的な人を見つけられないんですよね。

なので、それは翌週に回して、今回は舞台では語られなかった「はいからさんが通る」の裏側について語ります。

というのも、私の近くに坐っていた若い人達が

「原作読んだ?」

「読んでない・・っていうか読む気ない」

「長いしねーー」

「文字多いから・・舞台で十分」とかいう会話をしてるのが聞こえてきて

あのくらいの長さの漫画が長いとか文字が多いとか・・おいおいって思ってしまったの。だからこそ舞台がジェットコースターでもみんな何とも思わないんですよね。

でも深く知れば「ああ。なるほど」って面もあると思うんですよね。

 紅緒と少尉の出会いは木から落ちる

「ハーフブーツにえびちゃの袴。赤いリボンもひらひらと」と柚香少尉は楽しそうに語っていますが、実は少尉は「いやだいやだよハイカラさんは」と歌っているんです。

大正時代はまだまだ男尊女卑。

「ハイカラ」という言葉はこの時代に出来たのですが、ちょっと皮肉をきかせていたんですよね。

矢絣は女学生の定番。

そして少尉と紅緒さんが出会うのは、紅緒さんが木から落ちるところ。それも当時は下着をつけていないのでモロに・・みちゃった!

しかし、このシーンは今から半世紀も前に放送された朝ドラ「おはなはん」のパクリだったのです。

 

 蘭丸の成長を描いて欲しかった

「紅緒さ~ん」と泣いてばかりの蘭丸ですけど、紅緒に市内で叩かれていた時はまだ子供。結婚を嫌がる紅緒を積極的に「駆け落ち」に誘ったのも蘭丸。

そして蘭丸はいつしか立派な女形になり「若師匠」と呼ばれるまでになるのです。

 

 紅緒が舞踏会で着ていたドレスは流行おくれ

紅緒が伊集院家の舞踏会で着ていたドレス、回りの貴婦人のドレスもバッスルスタイルですが、大正に入るとバッスルは消え、コルセットも消えモダンになります。

原作では少尉が出征中に紅緒がおじい様と華族会館の舞踏会におばあ様の若かりし頃のドレスを着ていくのですが「流行おくれ」と馬鹿にされ、そこから大騒動になります。

 

 伊集院伯爵がなぜ紅緒を気に入ったか

それは出会った時の目線が、亡き息子、宗一郎にそっくりだったからです。

この伯爵はただ意固地なだけでなく筋を通そうとする面もあり、少尉とラリサさんの事があり、紅緒が花村家に帰っても決して少尉達を迎えようとはしませんでした。

紅緒も申し訳ない・・・ただそれだけで。

でも、それも紅緒のおかげで解決するのですが。

 

 冬星さんの婚約者のつめ子さん

冬星さんのお母さんが見せたお見合い写真のつめ子さんは、冬星が紅緒が好きというと「わらわの婚約者」と言って編集部に押し掛け紅緒のストーカー状態に。本筋には関わらないのですが、毎回紅緒とのし烈な戦いを繰り広げるのです。

 

 「好きですよ。あなたが」

これは舞台では伊集院少尉が紅緒さんを負ぶっている時にいうセリフ。

でも原作では面と向かって「少尉は私を好きですか?」と聞かれ「好きですよ」と答えます。すると紅緒さんは「あ、そう」と言って部屋を出ていくのです。

自分の容姿に自信があってモテる事も自覚がある少尉なのに紅緒がそんな反応だったので逆に自信を無くしてしまう。

 

 環は実は優等生

紅緒がバケツを持って立たされている時に反抗してくれる環ですが、原作では舞台以上に「進んでいる女」で、宿題を忘れていないのにわざと忘れた振りをして紅緒の肩を持つというしっかり者。さらに、少尉に片思いをして紅緒への嫉妬心を抱くシーンもあります。どうやってそれを昇華していったのか。それは少尉が紅緒を深く愛していることがわかったからです。

 

 鬼島軍曹がいたからラリサの存在がわかった

鬼島軍曹は吹雪の時に少尉と別れたあと、馬賊になります。

その彼がサーシャ・ミハロブナという・・少尉のお母さんを草原で見つけ、そこで彼女が伊集院忍の母であることを知ります。しかし彼女は亡くなり。

それで鬼島はその事を伊集院家に伝えようと帰国するのです。

 

 ラリサがサーシャを忘れられない理由

ラリサは引っ込み思案な令嬢でサーシャに思いを打ち明けられずにいたのですが、サーシャの方から結婚を申し込みました。

夢のような結婚生活・・・とおもいきや、サーシャはいつも出掛けてばかり。しかも女性との噂が絶えず、夫婦関係に亀裂が入ってしまいました。

本当はサーシャは皇帝一家の亡命を画策していた事をしった時はすでに時遅し、自分達が追われる身となりサーシャは死に、義母とも別れ別れになってしまったのです。

そんなラリサが瀕死の少尉を見つけた時、サーシャと間違えてもしょうがない事情がそこにはあったのです。

 

 紅緒が冬星さんと結婚を決めた理由

伊集院家の屋敷に目をつけた冬星さんの母が大金を出して屋敷を手に入れようとするのですが、それを知った冬星さんが必死に止めます。

お母さんは冬星さんが出版社をやめて家に帰って来ることを条件に屋敷を諦めます。

冬星さんは迷わず家に帰ることを決心し、登記書を貰って少尉に渡すのですが、少尉は断ります。

そんな冬星さんを見ていた紅緒は申し訳なく思い、自分からプロポーズします。

結局関東大震災で東京は燃え、結婚もなしになったのですが、冬星さんは伊集院家の登記書をプレゼントしたのでした。(いい奴)

 

 冬星さんが紅緒を助けに行けなかったほんとの理由

はっきり原作に描かれている訳ではありませんが、震災の時、炎の中に紅緒を助けに行こうとする冬星さんを止めたのはお母さんです。普段は感情を表さないお母さんが「かあさんはお前がいないと生きていけない」というのです。その言葉に負けたというか。最終的に家族をとったというか。

大正時代は「スペイン風邪」が流行った時代でもあります。それも第一波より第2波の方が死者が増えてパンデミックな状態でした。

軍隊から感染が広がったケースも多く、生死の危険が常に付きまとっていました。それに戦争、そして大震災です。

でもあの時代の女学生達は、竹久夢二や吉屋信子が大好きで「S」と呼ばれる姉妹関係を持って疑似恋愛を楽しんでいました。

両親のいいつけはしっかり聞くこと。家のお手伝いをすること。弟妹の面倒を見ること。お嬢様といえど自由に何でも出来たわけではありません。また「職業婦人」は思った以上に大変な道。

なんせお金持ちのお嬢様は働かないので、環のように華族のお嬢様なのに就職するなんて当時はありえませんでした。

ただ、あまりにも封建的だった明治の頃よりは女性の服装も髪型もゆったりして、華やかになった。だから私達はつかのまの大正時代に思いをはせるのです。

とはいえ、大正が終わって昭和も5年くらいまでが平和。

あとは中国との戦争が待っていますから職業軍人の家庭の伊集院家も花村家も大変な思いをし、やがて戦後には爵位が消え、屋敷も消え・・・少尉と紅緒さんは生き延びたかな~~などと原作を読んだ当時は考えておりました。

原作の重みを感じつつ舞台を見ると、また違ってくるのではないでしょうか。

 

コメント
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