ふぶきの部屋

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WELCOME TO TAKARAZUKA ピガール狂騒曲

2020-12-07 07:00:00 | 宝塚コラム

 2回見ました。ネタばれになるのでご容赦を。

 

 WELCOME TO TAKARAZUKA 

さすが植田紳爾。さすが坂東玉三郎。そうとしか言いようがないショーでした。

最初こそチョンパでにぎやかな幕開けなのですが、そのあとは眠っている時の夢の続きのような幻想的なシーンが繰り返されます。

その理由は「歌」があまりないことかな。

トップと二番手はソロがあるけど他はほとんと歌わず群舞に徹する。

観客も咳一つしちゃいけない雰囲気の中、粛々と進んでいくショーなのです。

私が好きなのは2場の「越天楽」で月城かなとが雅楽と共にソロで舞うのですが、これが何ともありがたい振付で、邪が払われていき、清涼な空気が流れるような気がするのです。

雅楽も最初は本当の雅楽だけど、それが洋風にアレンジされていくので外国人が見ても飽きません。しゃらんと鈴がなる度に手を合わせたくなるような振付です。

次期トップスターの月城かなとの美しい横顔、鳥のような衣装、そして大きな舞台で一人で踊る。まさに位取りの役ですね。

さらに驚いた、沢山の鳥居が盆で回る。何というかこれまたこの時期に見るとありがたい感じがしてしまうんです。壮麗で荘厳で無。それがこの鳥居。

雪の舞う鳥居に姿を現した松本悠里さんは恋する乙女として過去を振り返って行きます。男役達は彼女の前に姿を現しては消える。失った恋に嘆く乙女の悲しさが本当に素晴らしかったです。

 

圧巻は4場「月の巻」

使われている音楽は「月光」洋楽ですよ。

壮大な洋楽をベースに後ろには三日月。それが徐々に満月になっていくのですが、この長い群舞が素晴らしくて。息を飲むほどに美しいのです。

そして5場の月城かなと&風間柚乃のシーンがあって、オープニングに戻るという、非常にまとまり感があり、極上の日本物でした。何度見ても飽きない。レベルが高いなと思います。

正直、月組のこのショーの始まりでやっと「ああ、宝塚が帰って来た」と思っただ次第です(古い人間で)

 

 ピガール狂騒曲 

1度めは大いに笑って「面白い!」って感動して、セットも衣装も全部好き。

2度めは「でもちょっと待てよ・・・原田諒君」になってしまう。きっと3度目はさらに「組子を有効に生かしているのか?」って思うよね。

シェイクスピアの「十二夜」の舞台をベルエポック、万国博覧会直前のパリに置き換え、潰れかけたムーランルージュを再建する為に奔走する話です。

目の付け所は最高ですし、珠城りょうが二役というのもしょうがないかなと。

ラストは沢山の矛盾をふっとばして大団円にするドタバタ喜劇として大成功。

こういう時代ですから、笑いは大事。

何も考えずに楽しんで帰宅することが大事だと思いました。

「十二夜」は今までに2度他の舞台で見ています。

一度目は博品館で高嶺ふぶきと剣幸バージョン。それから帝劇で大地真央主演で。どちらも爆笑しました。男役が二役するのでカッコよさと美しさと両方兼ね備えて笑えるんだなと。

でも常に困るラスト。双子が同時に出てくるシーンの処理が大変なんですよね。

かつて木村信司が作った「十二夜」は大和悠河がオーシーノ公爵で主役にし、双子は別々の役者にさせて、これは結構批判されましたよね。

で、今回の月組は・・・まさかこんな展開で来るとはって感じです。

ほとんど不満はないです。

原田諒にしては理屈っぽくない、暗くない、脚本がまとまってる。

しかし!これじゃまるで小劇場。

玉城&月城の二人芝居じゃないかっ!

専科クラスばかり重用し、若手をないがしろにしてさ・・・もう少し役を作れた筈だし展開もオリジナルに出来たはず。

そう!推敲が足りなかったのだ!

輝月ゆうまも暁千星も蓮つかさもあまりに可哀想でした。

 

 出演者について

珠城りょう・・・はっきり言って女性が男装しているようには見えません。変におどおどして背を低く見せようと必死にかがんでいる程度の男役?

ドレス姿は見たくない。この時点で「何で玉城が二役を?」と我が家の姫が言い出して。いっそのことシャルルを主役にすればよかったんじゃないかとか。

いやーそれでは本末転倒だからと言っときました。

コメディが苦手な珠城りょうにしては頑張った方でしょう。アドリブが効かないっていうか、それで精一杯なのが残念ですけど。

ああでもでも、月城かなととのラブシーンはザワっとしちゃったです。

美園さくら・・・この人はセリフ回しに変な癖があって、鼻につくのですが、今回は非常に気が強く自立した女性の象徴ですからぴったりで、こっちは代表作じゃないかなと思います。

衣装もとても似合っていましたし。ただ絶世の美女設定はどうかなと。

月城かなと・・・ショーにしても芝居にしても月城さんは今回、役得。次期トップとして爆上げ中なんでしょう。綺麗だし滑舌いいし、役柄がぴったりあっていて素晴らしかったです。

ただ、これは脚本がいけないのですが、どの時点で珠城りょうに恋をしたか、それからビクトールが全部費用を持つと言った時、主としての感情が全然出てこなかったことが残念です。

鳳月杏・・・この方はすっかりダンディな役が似合う方になって。しかもアドリブも上手でかっこよくて面白い。この方がいなかったら「ピガール」は成り立たなかったかも。男尊女卑のセリフを繰り返し、妻に三下り半を突き付けられ、さらに離婚調停で勝手に弁護士を疑って・・・ここまでの一連の流れが朗々してて素晴らしいのです。決闘のシーンなんか笑っちゃいました。

暁千星・・・しどころのないダンサー。一応ナルシスト設定だけど団員みんなにそっぽ向かれ、ひたすら「ジャックってかっこいい」ばっかり。そうは言っても最も踊れるので、見せ場のピルエットは本当にすごくて、何度だってみたいなと思いました。しかし、この番手でこの程度の役か?

確かに銀橋で歌いましたよ。本当に綺麗で声も美しく華があり、次世代の月組をしょって立つにふさわしいオーラを持っているのにこの扱い。

風間柚乃・・・今回、見事な三枚目を披露して風間柚乃が非常に演技力が高く、なんでもござれの優等生である事は確認できました。原田諒的には推しメンなのかもしれませんよね。

華をとるか役者をとるか、混戦してます。

 

娘役は海乃美月の扱いがひどすぎる。暁&海乃で一場面貰った方がチケット代に見合っているんじゃないか?とすら思います。

組長やら91期のプリンスやら、なかなか後輩に譲らない人達がいて、演出家もついつい上手な方を使いたがる。暁千星はもう若手ではないけどいつまでもスパイスでは困るなと思っています。いらないなら星にください。愛ちゃんは宙に返すから。

 

 

 

コメント (3)
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