物や物事には必ず裏表(うらおもて)がある。この辺(あた)りを分析するのも勉強になる。正月早々、何を言(ゆ)うとんねんっ! そんな暇(ひま)があったら、一杯飲んでるよっ! と関東、関西弁を入り混ぜて怒られる方もお有りだろうが、そこはそれ、平にご容赦(ようしゃ)を願いたい。^^
豆腐にも裏表がある・・とは、いつか聞かされた話だが、確かにそれはある。ただ、蒟蒻(コンニャク)にはない。がしかし、いろいろと重宝する方もお有りだろう。^^ まあ、それはともかく、裏表を分析すれば、裏の裏は表・・といったややこしいケースもある訳だ。スパイに見せかけて、実は相手国に寝返っている逆スパイ・・といった事例がそれにあたるだろう。もっと分かりやすい例だと、「あらっ! 私(わたくし)そういう安もの、興味(きょうみ)ございませんわっ、オホホホ…」とか笑っておいて、帰った途端、走るように買いに出られる奥さま・・が、それだ。^^ また、裏のようで表、裏のようでやはり裏、表のようで表、表のようでやはり表・・といったややこしい場合もアリなのである。
とある装飾専門店で二人の女性が品選びをしている。
「あ~~らっ! 奥さま、そちらっ?」
「ええ。だってコレ、いいじゃないですかっ! 間違いなく本物っ!」
「お値段は…あらっ! お安いですわよっ、奥さまっ! 本物ですかぁ~~? 危うい危ういっ! こちらのお高い方が本物ですわよ、きっとぉ~」
「… そうでしょうか? コレ、いいんですけどもねぇ~~?」
「いや、私はいいんですよっ、奥さまがお気に入りなら…」
「いやいやいや…そういや、そうですわねぇ~」
迷った挙句(あげく)、奥さまは高い方を買い求めた。
さて、この話の結果はどうだったのか? 読者の方々にだけ、その正解をお話しよう。実は、安かった方が本物の表で、高い方が贋(にせ)物の裏だったのである。店主が勘違いして値札を付け間違えたのだった。お馬鹿な店主もいたものだが、これが事実なのだから致し方ない。
分析の結果、このように裏表は真贋(しんがん)を極(きわ)めねば、専門家といえど、うっかり間違うのである。^^
完