へんないきもの日記

今日も等身大で…生きてます😁

ノルウェイの森

2010-12-13 21:43:00 | 日々雑感
 昨日、前日に封切りになった映画「ノルウェイの森」を見に行った。

 「1Q84」で村上春樹ファンになった私は、彼の原点である「ノルウェイの森」を読んでおこう・・・とかねてから思っていた。思っているばかりでなかなか手にとれずにいた矢先、映画が封切りとなった。やられた・・・!

 映画が先か、原作が先か・・・悩むところであるが、ここは早いうちに映画に飛びついた。

 日曜の夕方の映画館は意外とすいていた。心なしか、カップルが多かった。「ノルウェイの森」は原作が発表された時点で、その性描写の多さが話題となったが、映画でも性描写は避けて通れない。むしろ、必然的に描かれなければいけないシーンである。

 ここで何も知らない人は、この作品を単なる「準エロ作品」としか見ないだろう・・・それくらい、男女の性描写が原作同様、現れてくる・・・

 だが、勘違いしてはいけない。これは、大学紛争時代、モラトリアムな一学生(春樹本人?だが、当の本人は自伝的要素を否定している。)が大切な友人(恋人?)を2人も亡くし、さらにモラトリアム化していく中、唯一、非道徳的ではあるが、本人とは対極的な存在、超ネアカ娘に惚れられ、救いを見いだす物語である・・・

 おそらく一年前の私が、この映画を見てもサッパリわからなかったと思う。

 だが、今の私には、わかる。この映画の趣旨が・・・

 キーワードは、大切な人の死・・・である。

 私自身、それほど大切とは思っていなかった同期の死を4ヶ月前に体験し、その死が自殺であったためになおさら、人の生死について考えさせられた。

 主人公も、大切な友人2人を自殺で亡くしている・・・残されし者の虚無感・・・が
スクリーンを通じて痛いほど伝わってきた。

 だから、その後に現れる性描写は、「生きている」ことの確認作業なのだ。必ずしも愛イコール性が成り立たないということの立証である。

 そして、ラスト・・・「僕の中でキズキは17歳のまま・・・そして直子は21歳のままで時が止まっている・・・僕と死者との距離は時とともに遠くなって行った・・」

 そう、主人公のこのコトバが私を救った。少なくとも「時」が確実に解決してくれている・・・

 また一歩、明日に向かおう!という気力が湧いてきた!

PS:今日、3週間前に相談した臨床心理士から返事を貰った。実は3週間前の私は失意のどん底にあった。だが、地獄の縁で私は何かを拾って帰ってきた。そしてあろうことか、次のプレゼンの材料にしてしまおう、というワケで臨床心理士に原稿をチェックして貰っていた。彼女は、その原稿の最後にコメントをくれた。「・・・たった一度の相談で、ここまで問題を解決できたのは、あなたの心の強さです。」と。

 そのメモを私は手帳にはさんだ。もう、これでゆっくりではあるけれど確実に歩んでいける自信がついた。もう、以前のような傲りはない。この一年、私は「へんないきもの」から人間により一歩近づいた。(実は、本人はあまり望んではいないのだけれど・・・)

 
 
コメント
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