へんないきもの日記

今日も等身大で…生きてます😁

オロロン・チャレンジ ~ エピローグ

2016-10-02 08:11:21 | 旅とランニング
 稚内から千歳へ向かうわずかな時間のフライトで、私は4日間のチャレンジを思い返していた。眼下にはサロベツ原野が広がっている。つくづく、北海道の大地には神が宿っていると思う。写真は、なっきーが撮影した(本人承諾済)天塩川?の夕日だが、どこを切り取っても絵になる・・・

 8月のトランス・エゾで、「そもそも壁なんてものは存在しない。壁は本人が作った妄想であって、我々は自身で作った妄想におびえているだけだ。」ってコトに気づいたわけであるが、今回のオロロン・チャレンジは、ゴール手前で「奇跡を呼び起こすのも、不幸を招き入れるのも・・・全ては自分の裁量の範疇である。」というコトに気づいた。

 つまり、ゴール寸前まで、私自身、果たして制限時間に間に合うのかどうかわからなかった。そんなギリギリの状態にあって、今、すぐここでレースを放棄してしまえばずっと心身ともに楽になる・・・そう思う一方で、絶対にあきらめない、諦めたら一年分の悔いが残る・・・と自分に言い聞かせながら、わが身をゴールへと導いて来た。

 結果、間に合ったのだ。15分ではあるが、時間的余裕を残して。

 「奇跡」を選択するのか、「不幸」を選択するのか?

 思えば、わざわざノンストップの部を選択したのも、「自分」であった。そうだ、主催者は言ったのだ。「寝泊りした方が楽だけど、本当にノンストップでいいんですね?」と。

 一瞬、自身が選択したことすら忘れかけて主催者のせいにするところであった。

 そうして、今、改めて眼下のサロベツ原野に目を転じる・・・

 旅はいい。特に困難を伴う旅なら、なおいい。

 どこそこの何々が美味しかったデス・・・では、自他ともに印象に残らない。

 何より、困難を伴う旅は、小説家を志す私にとって心の栄養源となってくれ、新たなインスピレーションを与えてくれる。事実、今回のオロロン・チャレンジでは、真夜中のトンネルを走行する際、ふと思った。「もし、ここでクルマにひかれたらどうなるんだろう・・・」と。まず、一番に悲しむのは85歳の母親だ。
 
 そう思った瞬間、小説の構想が浮かんだ。車にひかれて生死を彷徨う娘の魂と母親の魂の交流・・・すれ違いのもどかしさ・・・

 そして、もう一つは、人嫌いな青年が、ある日、目が覚めたらこの世に自分一人しかいなくなっていた。ラッキー!そう思ったが、やがて、青年は大切なことに気づかされる。それは人間が生きていく上での消すことのできない欲求の一つであった・・・

 うん、2作の短編をセットで1冊分・・・!(笑)

 このように、行動派の私にっては小説のモチーフは机上で考えるのではなく、旅先で行動して初めて浮かぶもの・・・ゆえに、旅は欠かせない。

 北海道の大自然を目の当たりにしながら、決意を新たにする・・・もっともっと、多くの自然に触れて、小説を通じて多くの人の心に語り掛けたい、と・・・

 5歳のころの夢、「小説家」「冒険家」は、51歳になった今も、私の根底に脈々と生き続けているのであった・・・
コメント
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