川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

コンプラを変え,会社を変え,日本を変える!

『サンダカン八番娼館』のおサキさん

2025年01月30日 | 
いろんな本で、この本のからゆきさん「おサキ」が激賞されている。最近読んだ本では、町田宗鳳さんや楠木建さんがべた褒め。

この本は母の蔵書にもあった。

こりゃぁ読まねばと思って読んだら、、、

石牟礼道子『苦海浄土』の語り口じゃないか! 

 
引き込まれるように読んだ。

苦海浄土もこのサンダカン八番娼館も、九州のオナゴの話。私の祖先が九州で、従姉妹が九州女子だったりするから、(女性の)九州弁がスッと私には入りやすいってのもある。

おサキさんって、私の祖母(大正8年生まれ)と10−20歳くらいしか違わないんだ、、 おサキさんの息子って、私の叔母と同い年くらい。

だからおサキさんって、俺達の婆さん世代の話、、、

つい最近ですよ。

つい最近、こんな時代があった。

からゆきさんが、身体を売らされて、底辺の、文字通り底辺の生活を送っている時代があった。

文字通り底辺の、なんて陳腐な言葉で書いても伝わらない。禽獣とさして変わらない、って書いたら失礼だろうか。

いや、おサキさん自身もそんな表現をしているので、失礼には値しまい。

初潮が来る前の13歳から、客を取らされ、、、 多い日は一日30人も、、、

ーーーーーー

石牟礼・苦海浄土は世界文学になった。

 
(池澤夏樹編の世界文学全集に入った)

じゃあ、このサンダカン八番娼館も世界文学だ。

おサキさんの魅力については、是非本書を読み進めて味わっていただきたい。人間の本性とは何か、人間の美しさ、強さって何なの、ってことまで考えさせられる。

娼婦でも、こんな美しい方がいらっしゃる。
心の美しさ。芯の強さ。

この本を読むと、心の襞が一つ、増えます。

 ※ サンダカンは、マレーシア・カリマンタン島の北辺あたり。 こちら
  いつかサンダカンに行って、おサキさんに思いを致したい。

ちなみにタイトル『サンダカン八番娼館』にえも言われぬ磁力があるのは、「ん」の音が4つもあるからだろう。


 
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ヨブ記 2

2025年01月30日 | 宗教
キルケゴールのヨブへののめり込みは常軌を逸していた。

 こちら(日本実業出版社のnote)

~~~以下整えて引用~~~
「ヨブ記」は、信仰を持たない者にとっては文学的エピソードとして読むことができます。

 一方、信仰を持つ者にとっては劇薬にもなり、キルケゴールにはそれが効きすぎたのです。
~~~引用終わり~~~

先日もたしかURLを貼ったfufufufujitaniさんの解説 こちら は、読みにくいようで読みやすかった。

信仰を持たない者が平易でカジュアルな言葉で語るからこそ、私にはわかりやすかったりする。

西洋の聖賢を捉えてやまないヨブ記。一神教の、しかも最後の審判がない旧約聖書の時代に、なんとかして神の御威光を知らしめんとするその強引さが、大文学に昇華した。

そんな解説がされていて、さもありなん、それに一理も二理もあるよ、と思った。

ヨブ記を知ることが、旧約聖書を知ることになる。

そう言えるのではないかと思いました。
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ヨブ記

2025年01月30日 | 宗教
旧約聖書のヨブ記を改めて読み解かんとしている。今朝、カフェで、齢50にして初めて、ヨブ記を通読した。英語の聖書で。

後半9割はポエム調なのね。

山本七平や森敦さんが、「世界文学の根源」「ヨブ記の影響を受けなかった欧州の文学作品はない」とまで言い切っている、、、

彼らが挙げるのがミルトン『失楽園』、ダンテ『神曲』、ゲーテ『ファウスト』…

ググると他にシェイクスピア『リア王』、カフカ『審判』、ドストエフスキー『カラ兄』も、、

内村鑑三はたしかヨブ記を「世界最高の文学」と呼んだ。

 ※ やたら長い解説 こちら
 
 ※ ヨブ記とフランクルの態度価値(過去記事
  
ヨブ記をしっかり咀嚼して、血肉化して、端的に、言い表せるようにしたい。

以上取り急ぎ! 

今晩か明日にまた「私の中のヨブ記(現状版)」を書く予定です。
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フジテレビ 遠藤龍之介副会長のインテグリティ

2025年01月30日 | メディア/SNS
先日のフジテレビの10時間会見。

対応した5人のうち、遠藤龍之介副会長が、際立って、よかったようですね。

小説家の遠藤周作の長男です。周作氏が芥川賞を受賞した翌年に生まれたことから、芥川龍之介にちなんで命名された。 

以下は、SNSから、遠藤龍之介さんの、会見での、印象を拾いました。

■ 受け答えが、としていた

■ どんな質問にも、真摯に答えようとしていた

■ あれだけ過酷な会見の中で最後まで胆力を持って誠実に答えようとされていたのが凄いなと感じました。

■ 開始から8時間以上が経って疲労から他の役員がヘロヘロになって口ごもることも多い中、質問した記者の方にしっかりと視線を送りながら明瞭に、冷静に答えていたのがとても印象的でした。

■ 長時間にわたる会見の中で何度も同じような質問が繰り返されたり、問いが不明瞭な質問や怒号に近い質問にも、相手の言いたいことを最大限に汲み取ってなるべく答えようとしてるのが伝わってきました。
 会見の内容自体は興味が持てなかったので、遠藤さんが話されていた内容自体の評価はできませんが、この遠藤さんの態度を見ただけでも、私は遠藤さんが信用できる人に見えました
 会見後の遠藤さんへの評価が好意的なものが多かったことに納得ができました。

____________

さっすが遠藤周作の息子!

こういう「イザ」というときは、内容よりも、視線、明瞭さ、見え方、態度、口調、、にインテグリティ=誠実さが、見えます。

日頃からの鍛錬というか修行というか、心がけが、出るのだと思います。



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仁ってインテグリティ

2025年01月30日 | 経営・インテグリティ・エンゲージメント
山本七平『論語の読み方』を読んでいたら、孔子が「仁」の定義を語らなかった、と書いていた。





そう。

昨日あたり、名和高司さんと「インテグリティの定義」談義をした直後ということもあり、もうこれだけでビビッときた。





仁って、インテグリティと同じだ。

インテグリティって、定義できない。

演繹的に考えられない。帰納的にしか捉えることはできない。

仁と同じだ。

論語で、仁は、たしか106回使われていますが、中でも、以下の「仁以て己が任と為す」が一番インテグリティに近い。

士は以て弘毅ならざるべからず。任重くして道遠し。
仁以て己が任と為す。また重からずや。死して後已む。また遠からずや

死して後已む、なんです、仁は。
永遠に到達できない。「道」。

斃れて後已む、なんです、仁もインテグリティも。
終わることのなき、永遠の、未完。憧れ。

『ドラッカーと論語』で、安冨歩さんが言っていること(冒頭画像)は、仁もインテグリティも考えたことない人には、チンプンカンプンでしょうが、私には、ビビッと来る。刺さる。

その通り。おっしゃる通り。




仁について考え始めることが、仁の始まり。
仁とは何かを問い始めること自体が、仁。

仁がなんだか分からないけど、仁たらんとすることが、仁。
死ぬまで仁を問い続けることが、仁。

なんだか禅問答みたいですが、それが、仁。

上記の「仁」は、そっくり、「インテグリティ」と取り替えることができます。


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ペンネームは虚名だ

2025年01月30日 | メディア/SNS
ペンネームは虚名だ。






司馬遼太郎が、司馬遼太郎になっただいぶ後に、厳しく、自戒をこめてだろうか、言った言葉。

文脈はよく分からないが、重く受け止めている。




虚名で役職に就いたり、執筆活動以外のことをしない方がいい。

実際、司馬遼太郎は、役職に就いたり、執筆活動以外のことは、一切していない。

ーーーーーー

虚名というのは、自らを欺くというか、Fake it till you make it みたいな、自分を偽るというか、大きく見せるところがある。

演じるようなところがある。

司馬遼太郎も、その辺の危険性を危惧していた。

司馬遼太郎と同様、虚名のジャーナリストが活躍することを、危うく思っています。







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私の兄

2025年01月30日 | 自己紹介
私の次男が中学受験。

次男はいろいろ恵まれてるんだよな、、、って思って、突然ですが私の兄のことをば。

頑固者。信念の人。私より2歳上。風貌は結構私と似ていると言われる。

中3のとき、成績的には、桐蔭学園高等学校の理数科に進めた。理系だったし。

でも、

「理数科に行く奴らは、勉強ばかりで、性格が悪いから、嫌い。
 あんな奴らと一緒にいたくない」

と言って、頑なに、理数科を受験せず、あえて偏差値的にはレベルの低い普通科に。

中高はテニスに青春を捧げ、4大の国立大学に。大学院まで行って林業とか途上国支援とかを研究して、さて就職かと思いきや、

 青年協力隊でアフリカに行く

と。1997年ころ。30年前だ。

父親としては、苦労して私立中高に入れた長男が、それで就職せず、プータローに、、、

父子の対立があり、お互い頑固なので(父は戦前生まれの九州男児)、、、その対立は10年くらい続いた。

今は和解している。兄は日本で家庭を築き、2児の父として子育てもしっかりやった。

兄が赴任するブルキナファソに、私と父とで訪れたこともあった。

____________

父も頑固だが兄も頑固。その頑固さの啀(いが)み合いを見て育った私は、それを反面教師として、それなりに世渡りが上手くなったか、、、

こう兄を振り返ると、それにまさる頑固だと思っていた父親の頑固っぷりの、いいエピソードが思い浮かばない。

「具体例が思い浮かばない」ってことは、たいしたことないってこと。

息子として、親を頑固だと思ってきましたが、具体例が思いつかない。

単に、息子としての反発から、「親は頑固だ」って思い込んできて、50歳になりました。

でも、その「頑固な父親の頑固っぷり」のエピソードが語れない、、、

たいした頑固じゃなかったんだな。私の思い込みだったんだな。

兄の頑固エピソードと比較して、父の恩愛を感じ、また父に感謝しています。

いずれにせよ、父や兄からは多くを教わり、多くを負っている。

恩返しせねば。
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ビジネスに私情は禁物。だけれども、、、

2025年01月30日 | 経営・インテグリティ・エンゲージメント
ビジネスに私情は禁物。だけれども、、、

伊藤忠の岡藤正広会長が、私情を思いきり持ち込んだことを、赤裸々に告白している。

こういうもの。

なんでも理屈通りにはいかない。

ビジネスだからドライに ⇆  そうは言っても私情は抜けない、、、

みんなこういう、アンビバレントな、綱渡りをしながら、程度問題で、行ったり来たりしている。

そのバランス感覚、センス、がいい者が、立派な人間、ということなのかもしれない。

論語の言う中庸の徳、というべきか。

今日の私の履歴書は、思うところ大でした。

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小中高生の自殺、、、

2025年01月30日 | 教育・子育て
小中高生の自殺が多いと、、

おそらく、「キャリア」のことを言いすぎるからだと思う。

大学を選ぶのも、「⚪︎⚪︎になりたい、🔹🔹の職業に就きたいから、△△学部を選ぶ」みたいなことを、うるさくけしかける学校・先生が多いと聞く。

中高生にそこまで分からないよ、、、

厳密に、中高生に、「就きたい職業」を決めさせるのは、酷。

伸び伸び楽しく、スポーツに打ち込むなどの、青春を謳歌すればいい。

先生たちも、自分だって、そこまで厳密に、解像度高く、夢を描いていたわけではあるまいに、、、
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