川塵録

『インテグリティ ーコンプライアンスを超える組織論』重版出来!

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非無点 無点に非ず  ー柳原白蓮

2024年12月16日 | 言葉
柳原白蓮は、歌人。えらい別嬪で、大正の日本三大美人の1人。
 
 こちら(別嬪さん画像)

その白蓮の、芸術に対する考え方を、「非無点」という。「無点に非ず」と読む。

昼の空。

星は見えない。

でも、星がないわけではない。

星はあるけど、明るいから、見えない。

こちらが明るいと、暗がりは、見えない。

こちらが上機嫌で幸せでブイブイいっていると、辛い境遇の人の暗い陰翳は、見えない。

幸せな人には、人生の奥深さは、分からない。

ゲーテが言った有名な「涙とともにパンを齧った者でなければ、人生の味は分からない」

正確には以下らしい。

「悲しみの涙もてパンを食せしことなく、泣きぬれつつ目覚めて夜を明かせしことなき者は、末だ天の力に与るを得ず」
 
 
だいぶ違うけど、この正確な、ロングバージョンの方が、100倍くらい、味わい深い。雅な風韻があるというか。余韻がある。

____________

昼の空に、星は見えないけど、星はないわけではない。

無点にあらず。

無点ってのは、星が無いこと。

見えないからと言って、星がないわけではない。

環境によって、見えていないだけ。

心眼を凝らして見れば、見えないものも、見える。

パッと見て見えないからといって、自分に見えていないからといって、安々と「ない」と断じてはならない。

声なき声に耳を傾けよ。

声なき衆生に心を寄せよ。

声なき草木の悲哀を知れ。

それが「非無点」。無点に非ず。

ーーーーーー 

あの歌に似ていますね。

君看よや双眼の色
語らざれば憂いなきに似たり

白隠禅師
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