今は、被害者が最強。
被害者になれば、ある意味、勝つことができる。
被害者が、強者のポジション。
しかし。
80年前は違った。
昔は、被害者ぶったら、潰された。
被害者は、弱者だった。
だから、必死で、弱くないふりをした。強がった。
例えば。
アメリカの戦時中の大統領、フランクリン・デラノ・ローズベルト(FDR)は、障がい者だった。ポリオ。
車椅子に乗っていた。
でも、被害者ぶらなかった。
決して、同情を求めなかった。
あの時代、みんなが簡単に被害者になった。
疫病。結核。戦争。
生が軽かった。簡単に人は死んだ。
いとも簡単に、みんながすぐ「犠牲者」になった。
だから、犠牲者・被害者の希少価値がなかった。
みんなが、全員、被害者みたいなもの。時代の被害者。
だから、同情を求める被害者なぞ、いなかった。
いや、大変なのはお前だけじゃないぞ。
そう思われていたから。
ーーーーーー
今は違う。
豊かになった。死ななくなった。恵まれた。
だから、「被害者」に、希少価値が出てきた。
だから、「被害者ポジション」を取ることで、社会的優位に立てるようになった。
俺に同情しないお前らはクズだ! 非人間的だ! 的な。
「少数者へのエンパシーがない」ことを攻撃材料として。
ーーーーーー
この、「豊かになると、被害者に希少価値が出るから、重宝される」風潮、つまり、「被害者最強」の勢いは、やむことはない。
これからもっと豊かになっていくから、、、