(太陽黒点)

① ""ミリ波とカルシウム線と可視光でみる太陽黒点""
天体写真・2017年3月21日
太陽大気の温度は、表面から高さ数千キロメートルという、太陽半径(70万キロメートル)と比べると非常に狭い領域にもかかわらず、約6000度から百万度以上へと急激に上昇します。そのため観測する波長を変えると、全く異なる構造が現れてきます。
ミリ波やカルシウム線で見ることができるのは、彩層と呼ばれる表面の約500から3000キロメートル上空の大気です。この層でのエネルギーの伝搬と熱化を知ることが、コロナ・彩層加熱問題を解く鍵になると考えられています。
② 太陽を探る新たな目、アルマ望遠鏡と太陽観測衛星「ひので」のコラボレーション
アルマ望遠鏡は星や銀河など遠い天体を探るための電波望遠鏡ですが、太陽も観測することができます。といっても、遠い天体と同じように観測できるわけではなく、いろいろな問題を解決する必要があります。様々な工夫をした結果、アルマ望遠鏡は科学的な太陽観測を2016年から開始することができました。
画像は、太陽の観測手法を検証するため2015年12月に黒点をアルマ望遠鏡で観測したものです。このアルマ望遠鏡による検証観測では太陽観測衛星「ひので」 ※ と共同観測を行い、可視光磁場望遠鏡を使ってカルシウムが出す光で同じ黒点を撮像しました。カルシウムの出す光も彩層から出てくるのですが、アルマ望遠鏡で観測するミリ波より数百キロメートル下の層から出てきます。ちょっとした高度の違いで、景色が一変することがわかると思います。
(太陽観測衛星ひので。可視光、紫外線、X線と複数の観測手段を搭載した。)

(2007年1月12日にひのでの可視光磁場望遠鏡によって撮影された。この太陽の画像は異なる磁気両極性の地域を繋いでいるプラズマの繊維状の性質を明らかにしている。)

文:下条圭美(チリ観測所)
③ 太陽 (wikipedia)
(太陽 Sun)

太陽(たいよう、英: Sun、羅: Sol)は、銀河系 ※(天の川銀河)の恒星の一つである。人類が住む地球を含む太陽系の物理的中心[9]であり、太陽系の全質量の99.86%を占め、太陽系の全天体に重力の影響を与える[10]。
(銀河系の想像図)

太陽は属している銀河系の中ではありふれた[9]主系列星の一つで、スペクトル型はG2V(金色)である[11]。推測年齢は約46億年で、中心部に存在する水素の50%程度を熱核融合 ※ で使用し、主系列星として存在できる期間の半分を経過しているものと考えられている[12]。
(核融合反応)

核融合反応(かくゆうごうはんのう、英: nuclear fusion reaction)とは、軽い核種同士が融合してより重い核種になる核反応を言う。単に核融合と呼ばれることも多い。
また、太陽が太陽系の中心の恒星であることから、任意の惑星系の中心の恒星を比喩的に「太陽」と呼ぶことがある[13]。
④ 概要と位置
太陽の半径は約70万キロメートルであり地球の約109倍に相当し[3]、質量は地球の約33.3万倍にほぼ等しい約1.989×10^30kgである[12]。平均密度[3]は水の1.4倍であり、地球の5.5倍と比べ約1/4となる[12]。
太 陽が属している銀河系では、その中心から太陽までの距離は約2万5千光年であり、オリオン腕 ※に位置する[14]。地球から太陽までの平均距離は約1億4960万キロメートル(約8光分19光秒)である。この平均距離は地球太陽間距離の時間平均と考えても、地球の軌道長半径と考えてもどちらでも差し支えない。
(英語版の銀河の図、黄丸が太陽系の位置で茶色がオリオン腕である。)

なお、この平均距離のより正確な値は 149597870700 m(誤差は 3 m)で、これを1天文単位 (au) と定義する[15][6][16]。なお、2012年8月の国際天文学連合 (IAU) の決議で 1 au の値は誤差 ±3 m を除いて正確に 149597870700 m であると再定義された[17]。この距離を光が届くのに要する時間は8.3分であるので、8.3光分とも表せる。
太陽の数値を単位に用いるような場合、それらは太陽を表す記号☉をつけて表す[6]。例えば質量ならばM☉、太陽光度ならばL☉で表示する[4]。時間の基準も、現在は原子時計で決まる1秒を基底にしているが、かつては地球の自転と公転、人間の視点からすると日の出や日の入りや季節の一巡を基準に「日」や「年」を決める太陽暦・太陰太陽暦が使われた[6]。