(Sombrero Galaxy M104)

① ""ソンブレロ銀河 M104""
天体写真・2017年1月10日
M104は、春の代表的な星座であるおとめ座とからす座の間にある銀河です。ほぼ真横から見る銀河円盤とそれに沿った暗黒帯、円盤部から突き出したまるい形が特徴的で、その形からメキシコのつば広帽子「ソンブレロ」にたとえられ、「ソンブレロ銀河」とも呼ばれます。
小口径の望遠鏡でも比較的見つけやすいメシエ天体の一つですが、眼視でこの特徴的な形を認識するのはなかなか難しいようです。
☆☆ 東京の星空・カレンダー・惑星(2018年4月)
(東京の星空)

② 複雑な構造
M104は、その形の特徴から銀河の形状分類(ハッブル分類)上は、これまで「渦巻銀河」とされる場合がほとんどでした。しかし、近年の大口径望遠鏡による観測や赤外線による観測から、中央のまるい突出部を囲む淡いハローがひじょうに大きな範囲に広がっていることが明らかになりました。加えて、M104のハロー内には、渦巻銀河では通常数百個しか存在しない球状星団が、何千個と存在していることも分かりました。
これらの特徴から、現在では、実際は楕円銀河でありながら、その中に円盤状の構造を持つに至ったと考えられるようになりました。今後、巨大望遠鏡や宇宙望遠鏡による観測を重ね、この複雑な構造に至るシナリオが解明されていくのが楽しみです。
③ 104番目のメシエ天体 ※
フランスの天体観測家シャルル・メシエ(1730-1817)が作成した、星雲・星団・銀河をまとめた「メシエカタログ」の104番目にある天体です。しかし、メシエ自身によって出版されたカタログにはM103までしか記載されておらず、後に弟子のピエール・メシャン(1744-1804)が発見、「星雲」としてカタログに追加されたと言われています。
イギリスのウィリアム・ハーシェル(1738-1822)は、大口径望遠鏡による観測でこの天体を独立発見し、「銀河」として同定しました。
文:小野智子(天文情報センター)
④ ソンブレロ銀河 M104 (wikippedia)
ソンブレロ銀河[1](ソンブレロぎんが、M104、NGC 4594)はおとめ座にある銀河である。おとめ座のスピカの約 11° 西に位置する。通称はソンブレロを横から見た姿に似ていることから付けられている。月の約 1/5 の視直径があるが、暗いため肉眼で見ることはできない。
これまでこの銀河は非常に大きなバルジを持つ渦巻銀河だと考えられてきたが、2012年、スピッツァー宇宙望遠鏡による観測結果から、楕円銀河の中に円盤が収まった複雑な構造を持つことが明らかとなった[4]。
⑤ 特徴[編集]
M104 はおとめ座にあるが、おとめ座銀河団のメンバーではないと考えられている。この銀河の実直径は50,000光年から140,000光年まで文献によって様々な説がある。ハッブル宇宙望遠鏡によって M104の画像が撮影された際の解説によれば、距離2,800万光年、直径約50,000光年で質量は約8,000億太陽質量とされている[5]。

M104の銀河ハローには大規模な球状星団系が存在する。大きな望遠鏡では少なくとも数百個の球状星団を見ることができる。実際には2,000個以上の球状星団が銀河本体を取り巻いていると考えられている。これは我々の銀河系の球状星団 ※ の数よりもはるかに多い。また、最近撮影された高分解能の画像によって、M104の銀河ハローが非常に大きな領域に広がって存在していることが明らかになっている。
(ハッブル宇宙望遠鏡が撮影したさそり座の球状星団NGC6093(M80))

⑥ メシエ天体の一覧
メシエカタログは、シャルル・メシエによる天体のカタログであり、星雲と星団などが集められている。
M1(かに星雲)~M110まで

M104(ソンブレロ銀河)

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M110(矮小楕円銀河 )

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