◎◎ ドル・円は105円前半中心、米経済対策協議楽観も上値の重さ変わらず
小宮弘子
☆★☆★⇨ 東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=105円台前半中心に小幅な値動き。米追加経済対策協議への楽観から株価が上昇する中、リスク選好の円売りが先行する場面も見られたが、欧州を中心とした新型コロナウイルスの感染拡大や米大統領選に対する警戒感も根強く、上値の重い状況は変わっていない。
☆☆★ オーストラリアドルは中国指標発表後に伸び悩む展開。ポンドは週末の格下げを嫌気して下落して始まった後、英国がEU(欧州連合)離脱協定違反の法案の一部を取り下げる用意があるとの報道を受け、上昇に転じている。
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市場関係者の見方
¤¤¤⇨ あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジスト
- 株が強いということで円安の動きの方が強かったが、仲値が少しドル売り気味だったほか、中国指標もGDP(国内総生産)が予想を下回ったことで上値を抑えられているのではないか
- 米経済対策協議が物別れにならず、とりあえず20日まで延長になったことへの期待はあるが、トランプ大統領と共和党の意見も分かれており、あまり楽観的に円安にはなりづらい
- ドル・円は米大統領選を控えてもみ合いが強くなってくるだろう
¤¤¤⇨ りそなホールディングス市場企画部の梶田伸介チーフストラテジスト
- 米大統領選や米追加経済対策協議の行方が不透明で、欧州中心に新型コロナ感染が拡大する中で、ドル・円は引き続き方向感が出づらい
- 今週は米大統領候補者討論会や決算動向を見ながらだが、米経済対策や欧州の感染拡大などを巡って目立った動きが出ない限りは105円台中心でもみ合いだろう
¤¤¤⇨ 上田ハーロー外貨証拠金事業執行担当役員の山内俊哉氏
- 中国のGDPは4-6月のリバウンドが大きすぎて、今回悪かったという見方になっている。個別の小売や鉱工業生産はしっかりしてるので、それほど足元で懸念するような状況ではなく、ひとまず市場の下支えにはなるだろう
□■ 背景
- ペロシ米下院議長は17日、大統領選前に追加景気対策法案で合意できるとの望みを失っていないとした上で、ホワイトハウスとの協議の期限を20日に設定
- 19日のアジア株はほぼ全面高で、午前の日経平均株価は前週末比261円高。米株価指数先物も上昇
- 中国の7-9月のGDPは前年同期比4.9%増とエコノミスト予想中央値(5.5%増)を下回った。一方、9月の工業生産や小売売上高は市場予想を上回った
- 英政府当局者はEUとの通商協議の障害となっている「国内市場法案」を骨抜きにする準備ができている。関係者が明らかにした
- 米ムーディーズ・インベスターズ・サービスは16日、英国の信用格付けを上から4番目の「Aa3」に1段階引き下げた。経済成長の鈍化や財政面の悪化が理由