◎◎ ドル・円は104円台後半、株価上昇が支え-米大統領選控え様子見も
小宮弘子
▼△◑⇨ 東京外国為替市場のドル・円相場は1ドル=104円台後半で推移。欧米での新型コロナウイルス感染拡大を嫌気し、前週末よりやや水準を切り下げて始まったが、対資源国通貨を中心としたドル買いやアジア株の上昇に支えられ、値を戻した。その後は、米大統領選を控えて様子見の展開となっている。
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![104円台後半で小幅な値動き](https://assets.bwbx.io/images/users/iqjWHBFdfxIU/icmKLLQYtF.A/v2/pidjEfPlU1QWZop3vfGKsrX.ke8XuWirGYh1PKgEw44kE/1280x-1.png)
▼▼△ ポンドは英国の部分的ロックダウン(都市封鎖)を嫌気して下落した後、欧州連合(EU)との通商交渉前進への期待から下げ止まり。オーストラリアドルも原油など商品安や3日の豪金融政策決定会合での利下げ観測を背景に売りが先行した後、中国の財新製造業PMI(購買担当者指数)の予想外の改善もあり、下げ渋っている。
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市場関係者の見方
¤¤¤⇨ IG証券の石川順一シニアFXストラテジスト
- 米株先物は序盤はマイナス圏で推移することもあったが、その後は株安一服でアジア株も全般的に堅調なので、ドル・円のサポート要因になっている
- 米大統領選の結果が分かるまではコアレンジを104-105円と想定。一方、1週間物の予想変動率は急激に上がっており、選挙後は上下どちらにも大きく動いておかしくない
- 豪ドルは9月から右肩下がりの短期レジスタンスラインの突破にことごとく失敗しており、トレンドが変わりつつあることを示唆。そうした中で、利下げは当然相場の重しとなり、0.7000ドルを下抜けると下押し圧力が強まりやすいだろう
¤¤¤⇨ りそなホールディングス市場企画部の梶田伸介チーフストラテジスト
- 東京市場は祝日を控えて、かつ米大統領選見極めで動きにくい。ただ、日経平均の2万3000円あたりでは若干底堅い動きもあるので、ドル・円も方向感ない中で小じっかりの展開になりそう
- ポンドはロックダウンにブレグジット(英国のEU離脱)の問題が加わり、上値は重い。しかし、合意に前向きな発言もあるので、交渉が本当に決裂しないと下押しも難しい
□■ 背景
- 2日午前の日経平均株価は前週末比326円高で終了。アジア株はおおむね上昇し、米株価指数先物もプラスに転換
- 中国の10月の財新製造業PMIは53.6と前月の53から上昇。週末発表された10月の製造業PMIは前月から若干低下も50台を維持し、非製造業PMIは予想を上回った
- 英国のジョンソン首相は10月31日、新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、イングランドの部分的ロックダウン(都市封鎖)を発表
- 英国とEUの通商交渉では、英漁業水域での漁業権をEU側に割り当てる詳細を巡り妥結案が浮上していると、EU側の考えに詳しい関係者が明らかにした
- ニューヨーク原油先物相場はアジア時間の取引で下落し、1バレル=35ドル割れ