(イエローストーンで最も有名な虹色の熱水泉「グランド・プリズマティック・スプリング」(My Yellowstone Park .com))
(ふだんの「耳の泉」。奥にオールド・フェイスフル・ガイザーが見える(2012年/USGS) )
(2018年9月16日の熱水噴出の直後のようす。衝撃で周辺の微生物が死滅し、泉の底からコインや缶などが飛び出してきた(USGS) )
① ""米イエローストーン「耳の泉」60年ぶりに熱水噴出「水蒸気爆発の可能性」(動画)""
2018年09月20日 13時47分
② 米国のイエローストーン国立公園で今月15日、何十年も大きな活動がみられなかった熱水泉から、10メートル近くの高さまで勢い良く湯が噴き上がるのが観測された。
アイダホ州、モンタナ州、ワイオミング州にまたがるイエローストーン国立公園は、北米有数の火山地帯で、地下には世界最大のマグマ溜まりがあると考えられており、公園内のさまざまな場所で間欠泉が熱水を噴き上げている。特に有名なのは、虹色の熱水泉「グランド・プリズマティック・スプリング」と、毎日一定間隔で熱水を噴き上げる間欠泉「オールド・フェイスフル・ガイザー」だ。
このオールド・フェイスフル・ガイザーが位置するガイザー・ヒルで今月15日、「耳の泉(イアー・スプリング)」と呼ばれる熱水泉が高さ10メートルの熱水を噴き上げた。噴出に伴って、岩石のほかに、コインや飲み物の缶など、かつて訪れた観光客が捨てたゴミも飛び出してきた。
米地質調査所(USGS)イエローストーン火山観測所(YVO)によると、「耳の泉」でこれだけの大規模な噴出が起こったのは1957年以来61年ぶり。ごく小さな噴出は2004年にも観測されているが、ふだんはいたって静かな熱水泉だという。
ガイザー・ヒルには、このほかにも数十の温泉や噴気口、間欠泉が存在するが、今月18日から19日にかけてはポンプ・ガイザーとスポンジ・ガイザーの周辺でも地面が呼吸するように隆起する活動が観測されており、10分間隔で15センチ近い隆起と沈降を繰り返していて、夜間には熱水噴出が観測されているという。
火山観測所の調査チームは、「地下の熱水が移動している可能性があるが、マグマの動きとは直接関係していないと推測される」として、小規模な水蒸気爆発が起こる可能性を示唆している。