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【国立天文台】 9月23日、今日の1枚 ; ""ブラックホールをさがす""

2018-09-23 23:49:24 | 🚀🛰宇宙 ; 人類のロマンと挑戦、国立天文台、JAXA、NAS各国・宇宙開発…

(ブラックホールの想像図)
天の川を背景として太陽質量の10倍となるブラックホールから600km離れた視点を想定し、理論的な計算を基に作成したシミュレーション画像。光はブラックホールより出られないため真っ暗で、周囲の光が重力でねじ曲げられる様子が描かれている。(Ute Kraus、2004年[1]))




① ""ブラックホールをさがす""

動画・2016年8月16日

ブラックホールは光さえも吸い込む暗黒天体です。物質も光も、吸い込まれると二度と脱出できません。ところが、この暗黒天体ブラックホールは観測で見つけることができるのです。ブラックホールに引き込まれるガスは、吸い込まれる直前、光り輝くガス円盤を形成します。円盤からは強力なジェットが噴出する場合もあります。円盤からの光の放射やジェットを観測することで、見えないはずのブラックホールを見つけることができるのです。


② ブラックホール天体が光り輝くメカニズム

ブラックホールの強力な重力に捉えられたガスは、ブラックホールの周りを周回しつつ、徐々に速度を上げながらブラックホールに近づきます。高速で回転するガス円盤の形成です。内部で生じる摩擦によってガス円盤は加熱されます。

 高温となったガスは大量の光を発するので、ガス円盤は明るく光り輝くのです。このガス円盤内部におけるエネルギー変換のメカニズムは、恒星内部で起こっている核反応よりもはるかに効率が高く、宇宙最高の効率と言えます。このため、ガス円盤を周囲にまとうブラックホールは宇宙で最も明るい天体のひとつとなっているのです。

文:大須賀健(国立天文台 理論研究部/天文シミュレーションプロジェクト)


  ※ 比較的、判りやすい説明なので引用させて貰いました。

  ③  ブラックホールの形

 先ずブラックホールについて説明させて下さい。

 恒星は、4個の水素原子を1個のヘリウム原子に変える核融合反応を起こし大爆発しています。しかし、水素を使い果たすとヘリウム原子を炭素原子に変える核融合反応に切り替わります。恒星が十分な質量を持っていると、どんどん核融合反応は進み、マグネシウム・鉄と言った重い元素が形成されて行きます。

 太陽程度の質量を持つ恒星では、核融合反応は窒素や酸素の段階で止まります。核融合反応が止まると、自身の重力により自身の中に落下して行きます。しかし、その重力は十分ではないので、収縮して高密度になるとエネルギーを生じて再び膨張します。この膨張収縮を繰り返す脈動変光星となります。

 太陽の8倍よりも質量が大きい恒星では、次々と核融合反応が進んで行き、最終的には鉄から成る中心核が形成されます。鉄の原子は安定している為、これ以上核融合反応は起こりません。そして、自身の重力により自身の中へ落下して行きます。収縮が進むと、陽子と電子とが近距離に詰め込まれた状態となり、結合して中性子となります。そして、中心核は中性子で形成されます。太陽の30倍よりも質量がある星の場合には、中性子の核はどんどん自身の重力により自身の中へ落下して行きます。これを重力崩壊と言います。この星の収縮を止めるものは何も無く、永久に縮み続けます。相対性理論を適用すると、最終的には大きさのない点にまで収縮することになります。この状態を「重力の特異点」と呼びます。これがブラックホールです。

 重力の強さは、作用し合う物質の質量の積に比例し、物質間の距離の2乗に反比例します。ここでは、ニュートン力学を使って簡略化して説明します。

 重力の強さは
 F=GMm/r^2
 で表すことが出来ます。G=重力定数=6/672×10^-11m^3s^-2Kg^-1、Mとmは引き合う物質の質量、R=物質間の距離です。

※ G=重力定数の内容は、難しくて良く理解できません。

 星が点にまで収縮すると、r=0となります。すると、重力F= GMm/0となります。数学上は正しくありませんが、これでは、重力は無限大となってしまいます。

 この様に、重力の特異点とは、「重力場が無限大となる場所」を指します。一つでも無限大の重力が現れると、それは宇宙にある全ての物質を吸い込んでしまいます。重力の特異点から幾ら離れても、重力F=∞/r^2=∞となります。しかし、現実にはこの様なことは起こってはいません。これは理論が未完成であるために、現実と乖離したのです。この重力の特異点の矛盾を理論上解消するために様々な考察がなされました。

 一つには、その様な重力の特異点が存在したとしても、この宇宙には何の影響力も及ぼさないと考え方があります。重力は周りの空間を歪めます。そして、光でさえ脱出することが出来ない領域をシュバルツシルト半径と言います。

 この中からは、ブラックホールの強力な重力により、何ものも出てくる事は出来ません。一切の情報が外には出ては来ないので、外からはこのシュバルツシルト半径内を知る事は出来ませ。。従って、これを「事象の地平面」と呼びます。

 この様に、重力の特異点は、このシュバルツシルト半径の中にあり、「事象の地平面」によって隠されるので、一切外の宇宙には影響しないと考えられていました。これで、一般相対性理論は破綻せずに済みます。「事象の地平面」の外側では、特異点が存在するにもかかわらず、これを無視して物理現象や因果律を議論することが出来ます。

 この考え方に対して、相対性理論の方程式を使うと、事象の地平面に囲まれていない「裸の特異点」が現れてしまうことが分かりました。これでは、重力の特異点が、我々の世界に影響することになります。

 現在、量子力学理論が完成すれば、この問題は回避されると期待されています。最も有力視されているのが、「超弦理論」です。宇宙のあらゆる物質やそれを動かすあらゆる力は、1本の弦で現されます。1次元の振動する物体により全てを説明出来るのです。そして、この弦は一定の長さを持つので、物質は重力により点にまで収縮してしまうことはありません。従って、特異点が現れることはなく、訳の分からない「無限大」は出て来ないのです。

質問者さん、この様に、ブラックホールは従来は「大きさのない点」と考えられて来ました。しかし、ブラックホールを点と考えると上記の様に現実と乖離します。その矛盾を解消する為に、ブラックホールも一定の大きさを有すると考える様々な試みがされています。しかし、結論はまだ出てはいないようです。



 ④ ブラックホール (wikipedia)

ブラックホール(black hole)とは、極めて高密度かつ大質量で、強い重力のために物質だけでなく光さえ脱出することができない天体である。

(ブラックホールの重力レンズ効果によって、背景の銀河の像が歪められている状態を想像したアニメーション)




(ジョン・ホイーラー)




※ ホイーラーは数年の間「物理と宇宙の窮地」「重力の黙示録」とも言える天体を研究していたが、より劇的に表現する方法を探し続けており、1967年にニューヨークで開かれた会議において「ブラックホール」(black hole)という言葉を採用し、研究のPR面に役立てた[5]。後にホイーラーは「時に患者は、いくら医者が病気だと言っても病気に名前をつけてくれないうちは信じないことがあるんだ」と説明したといわれる[5]。
    ☟
 このblack holeという名はインパクトありますが、逆にholeを穴と訳すると誤解を
招く恐れがあると思います。そもそもホールではなく点、あるいは球体と考えるならば、
このホールはかなり無理のある名の付け方です。


(観測された諸事象を織り込み、ブラックホールとその伴星を描いた想像図)




伴星GRO J1655-40は我々の銀河に存在するマイクロクエーサーで、ブラックホールがガスを吸いとっており周囲には降着円盤が形成されている。青色のトーチのように描かれているのはブラックホールから光の90%のスピードで噴出するとされるジェットである。(HUBBLESITE、2002年)


(ヘルツシュプルング・ラッセル図)




縦軸に絶対等級、横軸に表面温度を表すスペクトル型をおいた恒星の分布図である。ブラックホールを形成できるほど重い恒星は、進化に伴って図の右下から左上に移動し、その後、右方向に向かって折れ曲がり、巨星に進化する

  ※ 最後にブラックホールが実験で人工的に造られ、それに地球が飲み込まれてしまう
   という議論と実験に対する反対運動があったというエピソードについて引用します。
    現在、地球がまだ存在しているという事は、どうやら杞憂のようでした。


 ⑤ 地球上での極小型ブラックホール生成[編集]

 以下のように地球上で極小型ブラックホールが生成された、あるいは生成される可能性があるとする論があるが、2018年現在、客観的かつ広く合意を得た報告はない。

 2008年運転開始の大型ハドロン衝突型加速器(LHC)で、極小のビッグバン再現実験が予定されていたが、その過程で極小型ブラックホールが生成される可能性を懸念する声もあった[52]。

 余剰次元理論に基づく計算によれば、LHCの衝突エネルギー(7TeV)で極小ブラックホールの生成が不可能ではないとされ、余剰次元理論の検証ができる可能性があると期待された。但し、これは理論中のパラメータが観測から許される限界ぎりぎりの値である場合の結果であり、より穏当なパラメータの場合は(たとえ理論が正しかったとしても)この程度のエネルギーではブラックホールの生成は起こらない。余剰次元モデルが正しくなければブラックホールは生成しないが、仮に生成した場合、ホーキング輻射によってブラックホールは直ちに蒸発すると考えられた。

 CERNは「宇宙線の中にはLHCよりもエネルギーが格段に高い陽子が存在し、大気の分子と衝突して様々な粒子を生み出している。もし本当にLHCでブラックホールが生成できるなら宇宙線によってもミニブラックホールが大気圏内で生成されているはずだ。にもかかわらず、地球はブラックホールに呑み込まれていない」とコメントした[53]。

 詳細は「ブレーンワールド」、「超弦理論#宇宙論への応用」、および「Dブレーン#ブレーンワールド宇宙論」を参照

 1999年にMario RabinowitzはAstrophysics and Space Science誌において、球電現象を原始ブラックホールを用いて説明する説を提示した[54]。

 2009年10月、大阪大学・中国・韓国で構成する国際共同研究チームが高出力レーザーを用いて、ブラックホールとされる天体の周辺で実際に観測されているデータとほぼ同じ光電離プラズマを実験室で発生させることに成功した。研究チームは「将来的にブラックホールそのものを生成できる可能性が高まった」としている[55]。

 ※ 宇宙に不思議や神秘は山ほどありますが、このブラックホールほど奇妙奇天烈な
  ものはないと思います。




















































































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