著者は大学時代の友人。今年の5月に40年ぶりで再会した。そのときのブログはコチラ。
あとがきに「本書の構想を考えはじめてから5年間が経過してしまった。」とある。
その5年間のあいだに、保育制度をめぐって、いくつもの転換があった。
その変遷を、著者は「子どもたちの最善の利益を守る」ために何ができるのかを常に考えながら、この一冊を生み出してくれたのだと思う。
子どもが好きで、保育が好きで、永く保育の現場にいた著者の、子どもたち、親達、そして保育者たちに注ぐ暖かい視線が、読んでいて最初から最後まで感じられた。
特に、「保育の現場」で働く人たちに、公立施設、民間の施設、無認可施設、家庭的保育・・・など、それぞれの課題はあるものの、「垣根」を超えて、「社会の宝」としての子どもたちを大切に育てるためにできることがある。一緒に考え、創り出していこう・・・と呼びかけるメッセージがこめられている。
著者;近藤幹生(白梅学園大学副学長、子ども学部教授、長野県・山梨県・千葉県で私立保育園保育士・園長を経験。長野県短期大学幼児教育学科選任講師
同付属幼稚園園長兼務、2007年より白梅短期大学准教授を経て現職)
発行所;岩波書店